光触媒

（ヒカリショクバイ）

光触媒は、光のエネルギーを吸収して化学反応を促進する触媒であり、多くの場合、酸化チタン（TiO2）が使用されます。この物質は主に紫外線を利用して有機物を二酸化炭素と水に分解する能力がありますが、最近の研究では可視光にも反応する酸化チタンの開発が進んでいます。

酸化チタン（チタニア）はN型半導体で、光を当てると活性化されます。活性化された酸化チタンは、表面に付着した物質を酸化分解し、脱臭、殺菌、汚染防止、有害物質の除去などの用途に応用されています。これらの応用は、空気清浄器や建物の外壁、さらにはキッチンやバスルームの清潔を保つ製品に至るまで幅広いです。

酸化チタン光触媒は、紫外線により活性化された際に、強力な分解力と親水力を発揮し、活性酸素種を生成します。これにより、有機物が効率的に水と二酸化炭素に分解されます。光触媒技術は、セルフクリーニング作用、防カビ防藻効果、大気浄化機能を提供し、外壁や屋根の汚れ防止、ガラスの曇り止め効果などに利用されます。

さらに、酸化チタンは化粧品にも使用されており、その安全性が高いとされています。ただし、紫外線以外にも反応する酸化チタンの開発が進んでおり、これにより光の弱い室内でも効果を発揮する光触媒の応用範囲が広がっています。この新しいタイプの光触媒は、病院や空港での抗菌・脱臭効果についても検証され、優れた結果が報告されています。