不動産の相場価格を調べる方法を紹介。全国地価マップや査定サイトの活用方法も解説
不動産の相場価格は、売り出し価格の設定や価格交渉をするときの基準となります。正確に把握しておくことで「買い手が見つからない」「価格交渉で相場よりも安く売った」といったリスクを回避できるでしょう。
ただし、不動産の相場価格は日々変動するため、購入時と大きく変わっている場合があります。ここでは、不動産の相場価格を調べる方法について解説していきますので、確認しておきましょう。
もくじ
実際の取引から不動産の相場を知る
不動産の相場価格を把握する方法のひとつが、取引実績の調査です。条件の近い物件が、過去にどれくらいの価格で売却されたかを調べることで、相場価格を把握できます。
過去の取引データは、以下の3つで確認できます。
- レインズマーケットインフォメーション
- 不動産売却のポータルサイト
- 不動産情報ライブラリ
上記の方法は、条件に近い物件の取引価格になるため、精度が高いとはいえません。しかし、インターネットで手軽に検索できるため、周辺エリアの大まかな相場価格を確認する際に役立つでしょう。
レインズマーケットインフォメーション
不動産流通機構が運営する「レインズマーケットインフォメーション」は、全国各地で実際に取引されたマンションや戸建ての価格を確認できる不動産情報提供サイトです。国土交通省が指定する不動産流通機構が運営をしています。
取引された物件について、以下の情報が掲載されています。
- 所在地(町名まで)
- 単価(万円/㎡)
- 専有面積
- 間取り
- 築年
- 成約時期
- 用途地域
レインマーケットインフォメーションで調べられるのは、直近1年間の取引情報です。住所の詳細や建物名は個人情報の関係で表示されないため、エリアの相場価格を調べたいときに利用しましょう。
不動産売却のポータルサイト
不動産の売却活動では、ポータルサイトに物件情報を掲載して広報を行います。
写真も掲載されているため、自宅と比較し、より近い物件の売り出し価格を確認できます。
ただ、売り出し中の価格は、成約価格とは違います。
売り出し価格の約85%が成約価格という目安で、参考にしましょう。
物件情報がより詳細に掲載されるため、相場観の把握には、非常に役立ちます。
不動産情報ライブラリ
「不動産情報ライブラリ」は、国土交通省が2024年4月1日より提供を開始した新しいサービスです。従来の土地総合情報システムと地価公示・都道府県地価調査を統合したものです。
不動産情報ライブラリでは、2005年以降の不動産取引価格情報と成約価格情報を調べられます。
不動産取引価格情報は、国土交通省が実施したアンケート調査によるものです。不動産取引を行った方にアンケート調査を行い、その結果を個人情報などを伏せて公開しています。これまでに、約120万件の調査が行われています。
一方、成約価格情報は、「レインズ・マーケット・インフォメーション」(RMI)で公表しているものです。成約価格情報に関しては「土地と建物」「中古マンション等」のカテゴリーのみ検索可能となっています。
さらに、不動産情報ライブラリでは、地価公示と都道府県地価調査のデータも調べられます。なお、路線価については現在のところ検索対象には含まれていません。
公的機関が公表する価格から不動産の相場を知る
土地の相場価格は、公的機関が定期的に発表している地価で確認できます。都道府県や省庁が発表する土地の価格は下記の4種類です。
公表する機関 | 公表時期 | |
---|---|---|
地価公示価格 | 国土交通省 | 毎年3月ごろ |
都道府県地価調査 | 都道府県 | 毎年9月ごろ |
固定資産税路線価 | 市町村(東京23区は東京都) | 基準年の4月ごろ |
相続税路線価 | 国税庁 | 毎年7月ごろ |
地価公示価格と都道府県地価調査価格は、定められた地点の地価です。固定資産税路線価と相続税路線価は、その道路に接する標準的な宅地の1㎡あたりの価格であるため、「路線価」と呼ばれています。
調査方法は機関によって異なるため、複数を確認して比較することが大切です。
地価公示価格
国土交通省が、土地鑑定委員会が定めた地点(標準地)1㎡あたりの不動産の時価を調査し、公表します。
不動産の時価を調査して公表することで、不動産取引の実態を把握するとともに、公平な取引を促す目的があります。
地価公示価格は、固定資産税路線価や相続税路線価の基準ともなる価格です。
不動産鑑定士2名が厳格な鑑定基準をもとに鑑定し、土地鑑定委員会が価格を決定します。
都道府県地価調査
各都道府県が公表する地価です。
地価公示価格と役割は同じです。
不動産鑑定士1名が鑑定し、土地鑑定委員会が価格を決定します。
なお、鑑定する地点を地価公示価格と一部を同じにすることで、半年ごとの地価動向を把握する役割もあります。
固定資産税路線価
3年おきの基準年に各市町村(東京23区は東京都)が、不動産の固定資産税額を評価するために定める価格です。
地価公示地価の約7割を目安に算出されます。
相続税路線価
国税庁が相続税・贈与税額評価のために定める路線価です。地価公示地価の約8割を目安に算出されます。
それぞれの価格の違いについて詳しくは、下記コラムをご参照ください。
全国地価マップ
上記で紹介した地価を簡単に確認できるサイトが、一般財団法人 資産評価システム研究センターの「全国地価マップ」です。
以下は、全国地価マップの使用例です。
一般財団法人 資産評価システム評価センター 「全国地価マップ」より引用
地図から各地点の地価を確認できるため、地点ごとの地価の違いを把握できます。
青い矢印が路線で、楕円の丸印の数字が路線価です。丸印は、住宅地やビル街、工場地区などの地区区分を示しています。
過去4年間分のデータも掲載されているため、価格の推移を把握し、最適な売却時期を見定めることができます。
相場を把握するためにも査定は有効です!
不動産の売却を検討する際には、相場を把握するために、不動産会社の無料査定を利用することもおすすめです。
不動産会社の無料査定
不動産会社の査定は、無料で依頼できます。営業活動の一環で査定を行なっているため、気楽に依頼してみましょう。
査定には、机上査定と訪問査定があります。
机上査定は、インターネットや書類から得られる地価や周辺の取引事例などの情報で金額を算出する方法です。訪問査定は、不動産会社の担当者が足を運び、不動産の使用状況、実際の地形などを確認して、金額を算出する方法です。
訪問査定のほうが正確な査定金額を知ることができるためおすすめです。
査定を依頼すれば、自分で調べる手間が必要ありません。
なお、不動産鑑定士が行う鑑定評価は、国土交通省の定めた基準で金額を算出する有料の査定です。企業との不動産売買や相続など公共性の高い取引の際に、価格を知るために利用されます。
複数社を比較する
査定には統一した基準はなく、各不動産会社が独自の基準で価格を算出しています。
そのため査定は、1社だけでなく複数の不動産会社に依頼して、査定結果の比較を行いましょう。比較を行うことで、より正確な査定価格を知ることができます。
また、不動産会社の比較も同時にできます。
不動産会社によっては、売却活動にあまり積極的に行なってくれないような業者も存在します。
優良で信頼できる不動産会社を探すためにも、複数社の比較を必ず行いましょう。
査定額と成約金額は違う
査定額は、あくまでも「不動産会社が推測する物件の価格」です。
それに対して成約価格は、売主と買主の両方が納得できる価格です。
売却活動を開始し、反響を受けて買主が買いたいと思う価格に売り出し価格の設定を変動させていきます。
査定結果は参考程度に捉え、査定価格以上の金額で成約するために売却活動に積極的に参加しましょう。
不動産の相場価格を調べるならリビンマッチがおすすめ
不動産の相場を確認するなら、一括査定サイトの「リビンマッチ」を利用しましょう。リビンマッチは、複数の不動産会社に一括で査定を依頼できるため、相場価格と比較が簡単にできます。
すぐに売却しようとしている人も、売却しようか迷っている人も、売却価格の推移を把握するために、リビンマッチを利用してみましょう。
不動産相場の調べ方に関するよくある質問
- 不動産の相場はどうやって調べる?
- 公的機関が公表する土地の価格を確認する方法と周辺の取引事例を確認する2つの方法があります。また、複数の不動産会社に査定を依頼することでも相場が把握できます。
関連記事
- 【2024年6月更新】不動産(住宅)価格推移|今後も上がり続ける?購入・売却はいつがいい?
- 地価公示価格とは?土地の価格の違い・調べ方をわかりやすく解説
- 路線価は売買価格の8割?両価格の関連性を解説
- 家の売却相場を紹介!買ったときの価格からいくら下がる?自分で調べる方法も
- 不動産価格の種類はいくつある?土地や地価を評価する価格を解説
- 路線価・公示地価・基準地価、それぞれの活用法
- 【簡単】家の資産価値の調べ方と計算方法|10年後の価値は新築の50%?
- 公示価格と実勢価格はどれくらいの差がある?エリア別の乖離率と価格の算出方法
- 不動産の積算価格とは?実勢価格、収益価格との違いや計算方法を解説
- 【誰でもわかる】不動産の時価ってなに?4つの調べ方を実戦形式で解説
- 不動産評価額って?調べ方や意味を初心者向けにわかりやすく解説
- 【築年数別】家の売却相場!築20年以上で売れなくなるって本当?!
2022年からリビンマッチのコラム記事の執筆・編集を担当しています。不動産の財産分与に関する記事執筆が得意です。住宅設備機器の専門商社に6年間従事した知識と経験を活かして、不動産に関する知りたかったこと、知っておいた方がいいことをわかりやすく伝えられるように心がけています。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
リビンマッチコラムでは、むずかしい不動産の事をできる限りわかりやすく、噛み砕いて解説しています。不動産に対するハードルの高いイメージ、とっつきにくい苦手意識を少しでも取り除いて、よりよい不動産取引のお手伝いをさせていただきます。
誤字脱字や事実誤認などございましたら、ぜひともご指摘ください。
運営会社:リビン・テクノロジーズ株式会社(東京証券取引所グロース市場)
人気ワード
離婚で家を財産分与 (27) 老後の住まい (24) 売れないマンション (16) 一括査定サイト (15) 離婚と住宅ローン (13) 海外移住 (11) 訳あり物件 (11) 家の売却 (11) 家の後悔 (10) 不動産高く売る (9) 実家売却 (9) マンション価格推移 (8) マンションの相続 (8) 移住 (7) アパート売却 (7) 不動産会社の選び方 (6) マンション売却の内覧 (6) 家の価値 (6) 離婚と家 (6) 売れない家 (5) お金がない (5) 空き家売却 (5) 離婚準備 (5) 離婚と家売却 (5) 農地売却 (4) 近隣トラブル (4) マンション買取 (4) 家の解体費用 (4) 売れない土地 (3) マンションか戸建てか (3) サブリース (3) イエウール (3) 不動産価格推移 (3) リビンマッチ評判 (2) シンガポール移住 (2)リビンマッチコラムを引用される際のルール
当サイトのコンテンツはどなたでも引用できます。 引用にあたって事前連絡などは不要です。 コンテンツを引用される際は、引用元が「リビンマッチ」であることを必ず明記してください。
引用ルールについて