家を売って家を買う前に確認!住み替えの必須条件と失敗を防ぐ3つのポイント

住み替えを考えたとき「売却と購入のタイミングはどうする?」「住宅ローンはどう組めばいい?」と、気になることが次々と出てきます。計画を誤ると、二重ローンの負担が発生したり、一時的に仮住まいが必要になったりすることもあるでしょう。
そこで重要なのが事前に押さえておくべき必須条件と、失敗を防ぐポイントです。スムーズな住み替えを実現するために、具体的な注意点を見ていきましょう。
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家を売って家を買うときの必須条件
家を売却し新居を購入するには、いくつかの重要な条件を満たす必要があります。特に住宅ローンの抵当権抹消、売却の優先順位、諸費用の把握は欠かせません。ここでは、それぞれのポイントを詳しく解説します。
抵当権を抹消しないと家は売れない
家を売却する際、抵当権がついたままでは売却が困難です。抵当権とは、住宅ローンの担保として金融機関が設定する権利であり、これが解除されないと新たな買主が住宅を購入できません。
抵当権を抹消するには、住宅ローンの完済が必要です。ローンを完済するために、売却代金を充てることも可能ですが、金融機関の承認が必要となるケースもあります。売却前に金融機関と相談し、必要な手続きを確認しておきましょう。
抵当権の抹消手続きについては、法務局の「住宅ローン等を完済した方へ(抵当権の登記の抹消手続のご案内)」をご確認ください。
売却は価格重視かスピード重視か優先度を決める
家の売却では「高く売る」ことを優先するのか、「早く売る」ことを優先するのかを明確にすることが重要です。売却完了までに一般的には3〜6カ月ほどかかるため、スケジュールを考慮しながら決定しましょう。
- 高く売る場合:複数の不動産会社の査定価格をもとに、適正な売り出し価格を設定する
- 早く売る場合:不動産会社に直接売る「不動産買取」がおすすめ
売却時の税金や諸費用を考慮する
家を売却すると譲渡所得税、仲介手数料、登記費用などの諸費用が発生します。売却益が発生する場合は、確定申告も必要です。事前に税金や手数料を計算し、手取り額を把握しておきましょう。
また譲渡所得税には、長期譲渡所得と短期譲渡所得の2種類あります。譲渡した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えると、長期譲渡所得と見なされます。
反対に、譲渡した年の1月1日時点で所有期間が5年以下の場合は、短期譲渡所得と見なされ、課せられる税金が高くなります。
- 長期譲渡所得の税額=課税長期譲渡所得金額×15%(住民税5%)
- 短期譲渡所得の税額=課税短期譲渡所得金額×30%(住民税9%)
参考:国税庁「No.3202 譲渡所得の計算のしかた(分離課税)」
家を売ってから新居を買う「売り先行」の流れ
売り先行は現在の家を売却後に新居を購入する方法で、資金計画を立てやすいのが特徴です。以下の流れにそって進めていただくと、想定外のトラブルを避けて住み替えしやすくなります。
1.売却活動を開始し、買主を探す
まず、不動産会社と契約し売却活動を開始します。市場相場に応じた価格設定を行い、効果的な広告戦略を立てることが重要です。適切な不動産会社を選ぶことで、売却の成功率が高まります。
売却活動ではオンライン広告やチラシ、予約なしで家を内見できる「オープンハウス」の開催などを活用し、多くの購入希望者にアプローチすることが効果的です。買主が見つかるまでの期間を短縮するために、適切な販売戦略を立てましょう。
2.家を整理して仮住まいへ引っ越し
売却後に住むための仮住まいを確保し、荷物の整理を行います。引っ越し費用や賃貸費用も考慮し、スムーズな移行を計画しましょう。
仮住まいを決める際には、職場や学校へのアクセスを考慮することが重要です。また、賃貸契約の期間や更新条件も確認し、売却完了までの住まいとして適した物件を選びましょう。
3.購入希望者が見つかるまで内覧対応を行う
購入希望者に良い印象を与えるために、家の清掃や修繕を行い、見た目を整えることも重要です。特に水回りや壁紙のメンテナンスは、内覧者の印象を大きく左右します。
また、内覧は明るい時間帯に実施するだけでなく、照明を使って部屋を明るくすることで、家の魅力を最大限に伝えられます。
4.売れたお金と預貯金などでローン完済
売却代金を用いて住宅ローンを完済し、抵当権を抹消します。金融機関との手続きを円滑に進めるために、必要書類を事前に準備しておきましょう。
また、売却による手取り額を正確に把握し、新居購入の資金計画を立てることが重要です。売却金額と新居購入の費用のバランスを考慮し、無理のない支払いプランを策定しましょう。
5.売却資金をもとに新居を購入
売却資金を活用して、新居の購入契約を進めます。売却価格と購入価格のバランスを考慮し、無理のない資金計画を立てましょう。
新居購入時には、引っ越し費用やリフォーム費用などの追加コストも考慮し、余裕をもった予算計画を立てることが大切です。
新居を購入してから家を売る「買い先行」の流れ
買い先行は新居を先に購入し、その後に現在の家を売却する方法です。住み替えのタイミングを自由に調整できるメリットがありますが、二重ローンのリスクも考慮する必要があります。
以下の流れにそって進めてみましょう。
1.希望の新居を探して購入。新生活スタート
新居の選定は立地・間取り・価格・将来の資産価値など含め、慎重に検討する必要があります。購入の際は住宅ローンの事前審査を受け、必要な予算を把握しましょう。
購入契約が成立したら、引っ越しの準備を進めます。新居が完成している場合はすぐに入居できますが、新築の場合は完成までの期間も考慮する必要があります。また、家具や家電の購入計画も並行しておくと、新生活のスタートがスムーズです。
2.住宅ローンやつなぎ融資を活用して資金計画を調整
新居を先に購入する場合、現在の家の売却資金を新居の購入費用に充てられないため、資金計画が重要です。住宅ローンを利用する場合、二重ローンとなるリスクを軽減するために、つなぎ融資を活用する選択肢もあります。
つなぎ融資とは、売却が完了するまでの短期間に資金を確保するためのローンで、売却代金を充てることで一括返済が可能です。金融機関と相談しながら、無理のないローンプランを選定し、月々の返済計画をしっかりと立てましょう。
3.空き家となった家を整理し、売却活動を開始
新居への引っ越しが完了したら、旧居の売却活動を開始します。売却をスムーズに進めるには、家の整理とクリーニング(買主の心象をよくする目的)が不可欠です。
不要な家具や荷物を処分し、できるだけシンプルで広々とした印象を与えられると、より効果的です。また、リフォームや修繕を行えば、物件価値を向上させられます。
売却活動では不動産会社と相談し、適正な価格設定や効果的な広告戦略を立て、購入希望者を早期に見つける工夫をしましょう。
4.購入希望者を見つけて売却契約を結ぶ
売却活動が進み購入希望者が見つかったら、価格交渉を経て売買契約を締結します。
売却代金は、新居のローン返済や諸費用に充てることが一般的です。契約時には、手付金の授受や売却条件の最終確認を行い、スムーズな手続きを心がけましょう。
売却が完了すると、住宅ローンの完済手続きや抵当権の抹消が必要となるため、金融機関との調整も並行して進めることが重要です。売却後の資金計画を明確にし、次のステップへ進める準備を整えましょう。
家を売って家を買う「住み替え」に失敗しない3つのポイント
家の売却と購入を同時に進める「住み替え」は、タイミングを間違えると資金繰りが困難になったり、希望の物件を逃したりと、失敗につながります。
以下では、住み替えを成功させるために押さえておくべき3つのポイントを解説します。
「売却価格」と「購入予算」を正確に把握する
住み替えを成功させるには、以下のように、居住中の住居がいくらで売れるのかを正確に把握し、新居の購入予算を決めましょう。
- 売却価格の確認方法:周辺の不動産相場と、複数不動産会社の見積もりを比較し検討する
- 購入予算の設定:売却価格と、自己資金や住宅ローンの借入可能額を考慮し、新居の予算を決める
売却益がすぐに入るとは限りません。余裕をもった資金計画で、想定外のトラブルにならないようにしましょう。
見積もりだけで新居購入契約を先に進めてしまうと、想定以下の売却しかできない場合、資金不足に陥ってしまいます。ローン借入額を想定以上に設定せざるを得なくなるので、注意してください。
売却と購入のタイミングを調整する
住み替えでは「売り先行(今の家を売ってから新居を買う)」か、「買い先行(新居を買ってから今の家を売る)」かにより進め方が変わります。
資金計画やスケジュールに大きく影響するため、以下にそれぞれのメリット・デメリットをまとめましたので、参考に検討し慎重に判断してください。
住み替え方 | メリット | デメリット |
---|---|---|
売り先行(売却を先行する) | 売却資金を確保できるため、購入時の資金計画が立てやすい | 売却後に新居が見つからない場合、仮住まいが必要になる |
買い先行(購入を先行する) | 気に入った物件をじっくり選べ、理想の住まいを見つけやすい | スムーズに売却できないと、二重ローン状態になってしまう |
売却と購入のタイミングを適切に調整し、資金や住まいの確保に問題が生じないようにしましょう。
特に「売り先行」を選ぶ場合は仮住まいの費用や手間を考慮し、「買い先行」を選ぶ場合は売却の計画をしっかり立てることが重要です。
複数の不動産会社に相談する
複数の不動産会社に相談し各社の提案や戦略を比較することで、より良い条件での売却・購入がしやすくなります。
まず、不動産会社を選ぶ際には、売却と購入の両方に対応できる実績がある会社を選びましょう。住み替えの場合は売却と購入を一括でサポートできる会社のほうが、スムーズに進めやすいためです。
次に、査定価格を比較することも大切です。複数の会社に査定を依頼し、それぞれの提示価格を慎重に見極めましょう。特に、極端に高い価格を提示する会社には注意が必要です。過大な価格設定は、トラブルを招くおそれがあります。
最後に、売却活動や購入時のサポート体制についても確認しておきましょう。売却活動の広告戦略や販売方法、購入希望物件の交渉力やサポート体制が整っているかをチェックすることで、より安心して取引を進められます。
複数の不動産会社に相談し慎重に比較検討することで、失敗のリスクを減らし、納得のいく住み替えを実現できるでしょう。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
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