マンションのリセールバリューランキング!高値売却できるエリアは?

マンションの売却価格は立地や築年数、需要などによって決まりますが、「リセールバリュー(資産価値の保たれやすさ)」も重要なポイントです。
では、リセールバリューが高く、高値で売却しやすいエリアはどこなのでしょうか。
リセールバリューの高いマンションランキングとその特徴を解説するとともに、所有物件のリセールバリューを高める方法も紹介します。高値売却を目指す方は、ぜひ参考にしてください。
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リセールバリューの定義
リセールバリューとは、商品や資産が再び販売されたときの市場価値のことです。
一般的には中古品の価値として評価され、新品を購入したときの価格差が重要なポイントです。
リセールバリューが高い商品は、時間がたっても価値があまり下がりません。そのため、再販売するときには高い価格で取引される可能性が高くなります。
特に、資産価値の大きい自動車、不動産、高級時計、電子機器などの耐久消費財においては、購入後の資産価値がどのくらい維持されるか、リセールバリューがいくらになるのかは大切な要素です。
マンションのリセールバリューとは?
マンションのリセールバリューとは、購入したマンションを再度売却する際の資産価値のことです。
具体的には新築時の価格と比較して、中古市場での価格がどれだけ維持されているか、または上昇しているかを示す指標です。
リセールバリューが高いマンションは、将来的に高値で売却できる可能性が高く、資産価値が安定しているといえます。
特に不動産の場合、多くの人が住宅ローンを利用して購入します。リセールバリューが低く、購入後に価格の下落が住宅ローンの残債の減り方より大きい場合、売却したくても売却できない状況が生まれる可能性があります。
そのため、マンションのリセールバリューを考えることは非常に大切です。
【首都圏】マンションのリセールバリューランキング
首都圏のマンション価格は中古・新築ともに高騰し続けています。東京カンティの「中古マンションのリセールバリュー 2023」によると、算出可能だった455駅のリセールバリュー平均値は139.5%でした。
特に山手線内のエリアでは、150%を超える駅が多数存在しています。中でも千代田区、港区、中央区の駅がランキング上位に連なっており、その人気の高さがうかがえます。
2023年の首都圏における駅別マンションのリセールバリューTOP10をもとに、上位5駅についてリセールバリューが高い理由などを詳しく解説します。
順位 | 沿線名 | 駅名 | リセール バリュー |
平均坪単価(万円) | |
---|---|---|---|---|---|
新築分譲時 | 中古流通時 | ||||
1 | 東京メトロ千代田線 | 新御茶ノ水 | 295.5% | 424.8 | 1,255.2 |
2 | 東京メトロ南北線 | 六本木一丁目 | 265.7% | 479.6 | 1,274.2 |
3 | JR総武線 | 飯田橋 | 223.1% | 393.8 | 878.4 |
4 | 都営地下鉄大江戸線 | 赤羽橋 | 212.6% | 391.2 | 831.6 |
5 | 都営地下鉄三田線 | 芝公園 | 207.1% | 362.1 | 749.9 |
6 | 東急東横線 | 代官山 | 205.3% | 463.7 | 952.1 |
7 | 東京メトロ千代田線 | 乃木坂 | 204.5% | 376.9 | 770.7 |
8 | 東京メトロ南北線 | 麻布十番 | 200.7% | 372.2 | 747.1 |
9 | 東京メトロ日比谷線 | 築地 | 195.5% | 288.2 | 563.4 |
10 | 東京メトロ有楽町線 | 麹町 | 194.8% | 334.9 | 652.3 |
引用:東京カンティ「2023年 中古マンションのリセールバリュー(首都圏)」
1位:新御茶ノ水駅

新御茶ノ水駅
2023年に最もリセールバリューが高かったのは、東京メトロ千代田線「新御茶ノ水駅」の295.5%です。これは、築10年の中古マンション価格が、新築時の価格に比べて約3倍に値上がりしたことを示しています。
ただし、この調査の対象物件は、41階建ての駅近大規模タワーマンション「ワテラスタワーレジデンス」のみです。特定の物件が結果に大きく影響している点に、留意する必要があるでしょう。
とはいえ、千代田区は東京都の中心に位置し、利便性が高いエリアです。そのため、新御茶ノ水駅以外にも多くの駅がランキング上位に入っています。
2位:六本木一丁目駅

六本木一丁目駅
東京メトロ南北線「六本木一丁目駅」周辺は、ひとつの部屋が10億円を超えるようなタワーマンションが多数あるエリアです。
坪単価も2,000万円を超える物件が多数あり、首都圏で最もマンションが高額なエリアともいえます。
六本木エリアは銀座、新宿、渋谷など東京の主要エリアへのアクセスが便利で、国内だけでなく外国の方にも人気のエリアです。
例えば、1ドル=100円だったときに10億円の物件を購入する場合、海外投資家にとっては1,000万ドルの支払いとなります。しかし、1ドル=150円に円安が進むと、同じ10億円の物件を約666万ドルで購入できる計算になり、実質的に3割以上の割引になるのです。
このため、高級マンション市場では、円安の影響を受けた外国人投資家の購入が増加し、価格上昇の一因になっています。
3位:飯田橋駅

飯田橋駅
JR線、東京メトロ、都営地下鉄など計5つの路線が乗り入れる「飯田橋駅」が3位にランクインしました。
飯田橋駅は都心のほぼ中央に位置し、どこへ行くにも便利なアクセスの良さから、駅周辺にはオフィス街が広がっています。2000年代初頭から再開発が進み、マンション・オフィス・商業施設が一体となったエリアへと発展してきました。
さらに、現在も再開発が進行中で、より暮らしやすく利便性の高い街へと変化を続けています。そのため、マンションの資産価値(リセールバリュー)も高まりやすいエリアとして注目されています。
4位:赤羽橋駅

赤羽橋駅
あまり聞きなじみのない駅かもしれませんが、赤羽橋駅は港区の中心にあり、六本木と麻布十番の間に位置しており、東京タワーのふもとにあるエリアです。
このエリア周辺には大使館や外資系の企業が多く、外国人向けの高級ヴィンテージマンションが多く存在します。
近年のインバウンドの拡大や外国人の定住者の増加も、赤羽橋のリセールバリューが高い要因でしょう。
5位:芝公園駅

芝公園駅
4位の赤羽橋駅の隣にある芝公園駅も、同様の環境が整ったエリアです。
駅前には、1873年(明治6年)開園の「芝公園」が広がり、上野恩賜公園などと並ぶ東京を代表する公園のひとつとして親しまれています。
さらに、東京都が「芝公園を核としたまちづくり構想」を策定しており、今後の再開発によって、より利便性の高いエリアへと進化する可能性があります。そのため、既存のマンションのリセールバリューも高まりつつあるのが特徴です。
リセールバリューが高いマンションの特徴
マンションのリセールバリューが高くなる要因は、いくつもあります。
物件ごとのさまざまな要因が大きく影響する場合もありますが、リセールバリューが高いマンションには共通した特徴がいくつか見られます。ここでは、その特徴について説明します。
汎用性の高い間取りである
2LDKや3LDKはファミリー層や単身者、カップルなど幅広い層に対応できるため、需要が高い間取りです。
首都圏のマンション購入者の大半がDINKs(ディンクス、共働きの子を持たない夫婦)やファミリー層で、2〜4人家族が多いため、2LDK〜3LDKは需要が高く、売却価格も高くなりやすいでしょう。
一方で、1LDKで部屋数の少ない間取りや、逆に4LDK以上の部屋数が多い間取りは、購入者が限られるため、リセールバリューが低くなる可能性があります。
また、趣向性の高い設備や、個性的な柄や色の内装は、一般受けしない可能性があり、売却しづらくなるおそれもあります。
間取りも設備も汎用性の高いもののほうがリセールバリューは高くなるでしょう。
駅からの距離が近い
駅からの距離が近いマンションは、リセールバリューが高い傾向にあります。これはどのエリアでも共通する要素です。
首都圏は通勤、通学に電車を利用する方が多く、駅に近いマンションは非常に人気が高いでしょう。特に徒歩5分以内の物件は、物件の数も限られるため、資産価値が維持されやすいことが特徴です。
また、駅周辺と一体で開発された駅直結のタワーマンションなどは特に人気で、今後供給される可能性も低いため、リセールバリューが高くなる傾向にあります。
近くで再開発が予定されており成長が期待できる
周辺エリアで再開発が予定されているエリアのマンションは、リセールバリューが高くなります。再開発が行われると、商業施設やオフィスなどが新設されるなど、住環境も整備されるためです。
そのため、再開発後は多くの人が流入してくる結果、再開発エリア周辺の既存マンションの価格も上昇する可能性があります。
たとえば、2025年の大阪・関西万博開催に伴い、2024年の大阪府における新築分譲マンションの平均価格は過去10年間で最高額となっています。
また、このような街の成長や価格上昇を見込んで、短期間の売買で利益をねらう「投機目的」でマンションを購入する投資家も増え、さらに価格が上昇する可能性もあります。
マンションの売却時にリセールバリューを高めるポイント
マンションを売却する際に、リセールバリューを高める方法はあるのでしょうか。基本的にマンションの資産価値は、立地や建物の品質によって大きく左右されます。
しかし、室内のリフォームや売却のタイミング・方法を工夫することで、リセールバリューを向上させることも可能です。
ここでは、マンションの価値を高めて売却するためのポイントを紹介します。
内装のリフォームを行う
リフォームを行うことで、マンションの印象が良くなり、より高値で売却できる可能性が高まります。
特に、以下のようなリフォーム・リノベーションが売却時の評価アップにつながりやすいでしょう。
- 水回りの設備を新しくする
- 床や壁紙を張り替える
- 玄関やバルコニーの印象を良くする
ただし、過度なリフォームは費用対効果が合わないこともあるため、費用と見込める売却価格のバランスを考えながら進めることが大切です。
水回りの設備を新しくする
キッチン・浴室・トイレ・洗面台などの水回り設備は、築年数がたつと劣化が目立ちやすい部分です。蛇口交換をはじめ、最新の節水トイレやシステムキッチンなどに変更すると、印象がより良くなり、買い手の関心を引きやすくなります。
特に、タッチレス水栓や高機能レンジフードなどは、利便性が向上するため人気です。
床や壁紙を張り替える
室内の印象を大きく左右するのが、フローリングや壁紙の状態です。
汚れや傷が目立つ場合は、新しいものに張り替えることで清潔感がアップし、買い手に好印象を与えます。特に、ナチュラルな木目調の床や、シンプルで落ち着いた色の壁紙が人気です。
玄関やバルコニーの印象を良くする
玄関やバルコニーは、物件の第一印象を決める大切なポイントです。
玄関の床材を交換したり、バルコニーにウッドデッキやグリーンを取り入れたりと、より魅力的な空間を演出しましょう。
築年数が古くなる前に売却する
売却時期は非常に大切です。魅力的なエリアで需要の高い人気マンションでも、適切な売却時期を逃すと価格が下落してしまう可能性があります。
マンションの場合、築年数が古くなればなるほど価格が下落するのが一般的です。特に築15年から20年を超えると、設備の故障やリフォームが必要な箇所が増えてきます。
なるべく高く売却したい場合は、購入希望者の多い時期や、築年数が古くなる前に売却するのがポイントです。
売り出し価格は複数の不動産会社の見解をもとに判断する
マンションの売却方法もリセールバリューを高める、重要なポイントです。まず、マンションの査定は複数の不動産会社に依頼することをおすすめします。
売却の実績有無や、持っている顧客層の違いから、不動産会社によって査定価格や販売戦略が異なるためです。複数の査定結果から、所有しているマンションをより高く売却してくれそうな不動産会社を選びましょう。
複数社に査定を依頼するには、不動産の一括査定サイトの利用がおすすめです。一度の情報提供で複数の不動産会社の査定結果を比較できます。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
リビンマッチコラムでは、むずかしい不動産の事をできる限りわかりやすく、噛み砕いて解説しています。不動産に対するハードルの高いイメージ、とっつきにくい苦手意識を少しでも取り除いて、よりよい不動産取引のお手伝いをさせていただきます。
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