台風の被害に遭った家を売却できる?売るときはトラブル予防に注意!
家を売却したいものの、台風の被害に遭ったことのある家でも売却できるか不安を感じている人もいるでしょう。被害を受けていない家と比べると、価格は安くなってしまうかもしれませんが、売却そのものは問題なく行えます。台風被害に遭った家を売却する方法と、売却するときの注意点などを見ていきましょう。
もくじ
台風の被害を受けた家は売却できる?
台風の被害を受けた家でも、売却することは可能です。しかし、被害に遭ったことを事前に伝えたうえで、買主がきちんと理解していることが売却の前提となります。万が一、台風の被害を受けたことを伝えずに売却してしまった場合、契約不適合責任に違反してしまい、損害賠償など訴えられるリスクがあります。
家が台風の被害を受けたとしても売却はできますが、一般的な家の売却より気をつける点が多いので注意しましょう。
台風被害を受けた家を売却する方法
台風被害に遭ったとしても、家を売却することは可能です。しかし、問題なく売買を成立させるためには、細心の注意を払って売却を進めていく必要があります。台風被害を受けた家を売却する方法を見ていきましょう。
- 台風被害に遭っていることを告知する
- ホームインスペクションを行う
- 更地にして土地だけで売却する
- 不動産会社に買い取ってもらう
それぞれの売却方法を解説します。
台風被害に遭っていることを告知する
台風被害に遭った家を売却するとき、売主は買主へ必ず被災した事実を告知しましょう。外観も屋内も問題なく見えたとしても、気づいていなかった浸水被害などがあるかもしれません。そういったときは、家の劣化を早めてしまうおそれがあるのです。買主が家の状況を正確に把握して問題なく取り引きをするためにも、被災の事実を隠すことなく告知してください。もし、売却後に雨漏りや浸水の被害が発覚すると、契約不適合責任※を問われ、損害賠償を請求されることがあります。
ホームインスペクションを行う
台風被害にあった家を売却するときは、ホームインスペクションの実施がおすすめです。ホームインスペクションとは専門家による住宅診断のことで、物件の状態を客観的に評価します。第三者の診断を受けることで、買主の不安を解消する効果があるでしょう。外観からはわからない内部の損傷が疑われるとき、ホームインスペクションは非常に有効です。問題点を事前に把握することで、買主との円滑な売買交渉が可能になります。
更地にして土地だけで売却する
台風被害を受けた家の売却は、決して簡単ではありません。売却にあまり時間をかけたくないときは、家を解体してしまって更地として売り出す方法もあります。懸念である台風被害を受けた家をなくし、土地だけにしてしまうのですから、需要のある土地であればスムーズに売却できるでしょう。買主も自由に建物を建てられるため、効果の高い方法といえます。ただし、解体費用がかかること、解体の手続きなどが必要になることに注意が必要です。
不動産会社に買い取ってもらう
台風被害に遭った家を売却するときは、不動産会社に買い取ってもらう選択肢も検討してみましょう。不動産会社による買取は買主を探す必要がないため、通常の仲介よりもスピーディーに売却できます。また、不動産のプロである不動産会社へ売却するため、契約で買主に契約不適合責任を問わないことを盛り込むことが一般的です。買取価格は仲介での売却価格より安くなることが多く、6~8割で取り引きされます。
不動産買取を検討するときは、まず不動産会社に査定をしてもらい、買取価格を提示してもらいましょう。
台風被害に遭った家を売却するリスク
台風被害に遭っていたとしても、家を売却することは可能です。しかし、少なからずリスクがあることは把握しておきましょう。問題なく売買を成立させるため、台風被害に遭った家を売却するリスクを解説します。
被災によって売却価格が下がる
台風被害に遭った家は、売却価格が下がることがあります。台風の被害によって雨漏りや浸水などの目に見える損傷だけでなく、外壁内部への浸水など見えない部分の劣化も考えられます。購入を検討する人は品質や安全面に不安を感じ、通常よりも低い価格を提示してくるでしょう。そのため、家の被害の程度によっては、大幅な値引きを覚悟する必要があります。
損害賠償を請求される
台風被害にあった家を売却するときは、しっかりと事前説明をしておく必要があります。被害の事実を隠して売却すると、買主から契約不適合責任を問われ、損害賠償を請求されるおそれがあるのです。不動産は高額な買い物です。買主は物件に隠れた欠陥がないか、慎重に判断します。台風被害の事実を正直に伝えることは、トラブルを防ぎ、円滑な取り引きを行うために重要です。
買主があらわれず家の売却に時間がかかる
台風被害を受けた家の売却では、売買が成立するまで時間がかかるおそれがあります。被害を受けた家の購入にはためらう人が多く、なかなか買主が見つかりません。関心を持ってくれる人は多いかもしれませんが、売買にまでこぎつけるのは大変でしょう。そのため、売り出すときは、ある程度時間がかかることを覚悟しておく必要があります。ただし、きれいに修繕していたり、立地条件がよい物件であったりすれば、早く売却できる可能性があります。
家を修繕する費用がかかる
台風被害を受けた家を売却するときは、修繕が必要になることがあります。そのため、売却にあたって費用がかかることは理解しておきましょう。屋根の破損や浸水など被害の程度によっては、売却前に修繕が必要となるケースが多く、費用は数万円から数百万円とケースバイケースです。修繕費用がかかるため、結果的に売却で得られるお金が減ってしまうことに注意しましょう。
台風被害を受けた家が利用できる公的支援
台風の被害を受けたら、家の修善を行わなければなりません。被害によっては高額の修繕費用がかかりますが、条件が合えば公的な支援を受けられます。どのような公的支援を受けられるのか見ていきましょう。
家を修善してからであれば、被害に遭っていても売れやすくなる可能性があります。
台風被害を受けたら罹災証明書を発行する
台風被害を受けた家が公的支援を受けるためには、罹災証明書の発行が必要です。罹災証明書は被災した住宅の被害程度を証明する書面のことで、市区町村といった地方公共団体(自治体)が発行します。罹災証明書の申請には、被害状況を確認できる写真や修繕費の見積もり書、身分証明書などが必要です。
罹災証明書は生活再建支援金や応急修理支援などを受けるために必要です。申請方法をチェックして、忘れずに申請しましょう。また、マイナンバーカードを使用して、オンラインで申請することも可能です。
災害救助法に基づく応急処置ができる
台風で家が壊れてしまったとき、被災者を助けてくれるのが「災害救助法」です。災害救助法によって屋根や壁など、生活に必要な部分の応急修理を自治体が行ってくれることがあります。お住まいの市区町村で災害救助法が適用されていれば、申請することで利用が可能です。まずは自治体に相談してみましょう。
控除などが受けられる
台風で家が被害を受けてしまった場合、災害減免法や雑損控除といった制度を利用することで、所得税を軽減できることがあります。たとえば、住宅や家財に大きな被害を受けたときには災害減免法、生活必需品に被害を受けたときは雑損控除が適用できるかもしれません。状況に応じてどちらが有利になるか、税務署や税理士に相談してみましょう。
損害保険の対象となる
台風で家が被災したときは、損害保険も活用しましょう。火災保険でも台風による屋根の破損や家電の故障などが補償される場合があります。保険金を請求するときは、被害状況を写真に収めておくことが大切です。保険の種類や補償内容によって対応が異なりますので、まずは加入している保険会社に相談してください。
売却は不動産会社と相談しながら進める
台風被害に遭った家を売却するときは、さまざまなことに気をつける必要があります。素人判断で進めてしまうと、思わぬ失敗をしてしまうかもしれません。家の売却を検討しているのでしたら、まずは不動産会社に相談しましょう。どういった対処が必要か、どれくらいの価格で売却できるのかなど、必要な情報を提供してもらえます。
売却の仲介を依頼する不動産会社を探すときは、一括査定サイトの「リビンマッチ」を利用してください。家の情報を一度入力すれば複数の不動産会社に査定を依頼できるので、さまざまな会社へ相談ができます。信頼できる不動産会社が見つかったら、よく相談しながら売却を進めていきましょう。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
リビンマッチコラムでは、むずかしい不動産の事をできる限りわかりやすく、噛み砕いて解説しています。不動産に対するハードルの高いイメージ、とっつきにくい苦手意識を少しでも取り除いて、よりよい不動産取引のお手伝いをさせていただきます。
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