アパート売却のタイミング10選!売りどきを見逃さない大家の戦略
アパート経営の利益は、家賃収入だけではありません。アパートを売却したときの売却益も、重要な利益です。しかし、順調に利益を出しているアパートを売却するのは、決してよい戦略とはいえません。では、いつアパートを売却すればよいのでしょうか。絶好のアパート売却のタイミングを紹介します。
アパートの売却に適した10のタイミング
アパートの経営者は「アパートの売却益でさらに投資したい」「多額の修繕費用がかかる前に売却したい」など、売却すべきタイミングはいつかと思案している人が多いのではないでしょうか。しかし、売却のタイミングを間違えてしまうと、損をすることにもなりかねません。アパート売却を失敗しないためにも、最適なタイミングで売りましょう。売却に適した、10のタイミングを紹介します。
近隣の不動産価格が上昇している
アパートの価値は、築年数の経過によって減少します。建物が古くなってしまったら価値がなくなり、売れなくなってしまうのでしょうか。ところが、商業用(投資用)不動産価格指数は、多少増減はあるものの2012年ごろから右肩上がりに上昇し続けています。今後の社会情勢の変化や金利の上昇によっては、不動産価格が下落に転じるリスクがあります。不動産価格が上がっているタイミングで、アパートの売却を進めましょう。
参考:国土交通省「不動産価格指数」
築年数が20年以内で物件価値が高い
投資用アパートは、築20年以内が売りどきです。建物は年数が経つごとに価値が下がり、築20年を超えると土地値※になります。建物の価値がなるべく残っているうちに売却しましょう。
ちなみに、木造住宅の耐用年数は22年です。耐用年数を超えたアパートは担保評価が低くなり、アパートローンが組みにくくなる傾向があります。買主にとっても購入しやすい、20年以内のタイミングで売却することをおすすめします。
所有期間が5年を超えて譲渡所得税率が下がった
アパートを売って利益が生じた場合、譲渡所得税がかかります。アパートを売却するのであれば、所有期間が5年を超えるタイミングで売却しましょう。所有期間が5年以内で売却すると、所得税の税率が高くなるので注意が必要です。売却した年の1月1日で所有期間が5年を超える場合は長期譲渡所得税(20.315%)、5年以下は短期譲渡所得税(39.63%)です。想定以上に税金がかかってしまうことがないように、事前にシミュレーションをしておきましょう。
入居者が増えて稼働率が高い
家賃収入が見込める利回りが高いアパートは価値が高く、投資家から見ても魅力的に映ります。アパートの入居者が増えて稼働率が高いときや、満室になったタイミングを逃さずに売却しましょう。スムーズに、かつ好条件で売却できる可能性があります。
修繕してからまだ間が空いていない
アパートを修繕したタイミングで売却するのもおすすめです。売り出すときに見栄えがよくなり、買主にとっては購入後にかかる費用が抑えられるため、購入のハードルが低くなるでしょう。ちなみに、修繕の記録をまとめておくと、売り出すときや売却するときに便利です。
減価償却の期間が終了した
減価償却の期間が終わったタイミングで、売却するのもひとつの方法です。減価償却とはアパート購入にかかった費用を、定められた年数で分割して、減価償却費として計上する会計処理のことです。減価償却の期間が終わってしまうと経費として計上できず、課税対象額が増えて節税効果はなくなります。
空室の状態が続いている
空室率が比較的高くて家賃収入が減少しているのであれば、アパートの売却を検討しましょう。売却価格は高く見積もれないものの、今後かかる修繕費や不動産会社へ支払う手数料を考えれば、アパートを手放したほうが傷も浅く済むかもしれません。アパートの空室率が高くなりすぎる前に、不動産会社へ相談して売却を進めましょう。
大規模な修繕・改修工事が必要になった
アパートは入居者が退去するたびに修繕費用がかかり、15~20年程度で外部改修が必要になります。修繕費用は経費として計上できますが、家賃収入がそれほど期待できないときは、大きな支出は負担に感じるものです。大規模な修繕や改修工事が必要になったら、手をつけずにそのまま売却することも視野に入れましょう。
まとまった資金が必要になった
まとまった資金が必要になったら、アパートの売却を検討しましょう。たとえば、子どもの学費や親の介護費、病気の治療費などです。想定以上に費用がかかることがあり、お金の工面に苦労することもあるでしょう。金融機関からフリーローンで借り入れる方法もありますが、金利が高く、借り入れ額にも限度があります。ある程度多額の資金が必要なのであれば、アパートの売却が早道かもしれません。
売却価格が取得費を上回って売却益が見込める
購入代金といままで投資した金額の合計よりも売却価格が高く、売却益を得られるのであれば、アパートの売却を検討しましょう。アパートを売却することで利益を得られるのであれば、投資家にとってまさに理想的なパターンです。
オーナーチェンジで売却するときの手続き
個人宅を売却するときと異なり、アパートは入居者がいる状態で売却(オーナーチェンジ)することになります。売買契約だけでなく、入居者への連絡手続きなどが必要です。アパートの管理を不動産会社へ依頼しているときは、相談しながら進めましょう。アパートを売却する際の、一般的な流れを紹介します。
- レントロールなどの資料を用意する
- 不動産会社の査定を受ける
- アパートの販売活動を開始する
- 買主と売買契約を交わす
- アパートの引き渡しを行う
- オーナーが変わったことを入居者に連絡する
それぞれの手続きを解説します。
①レントロールなどの資料を用意する
土地の測量図や建物の設計図書以外に、毎月の家賃収入がわかるレントロールや修繕の記録、賃貸契約書なども必要になります。査定を依頼するときにも必要になるため、早めに準備しておきましょう。
②不動産会社の査定を受ける
アパートがどれぐらいの価格で売却できるのかを把握するために、不動産会社へ査定を依頼します。少なくとも2~3社へ依頼して相場を確認し、売り出し価格を設定します。ちなみに、アパートの管理を不動産会社へ依頼しているときは、売却予定であることを早めに伝えておきましょう。
③アパートの販売活動を開始する
不動産会社と媒介契約を締結し、販売活動を始めます。複数社へ依頼するときは一般媒介契約、1社に依頼するときは、専任媒介契約もしくは専属専任媒介契約です。
④買主と売買契約を交わす
売却価格や引き渡し条件に折り合いがついたら、買主と売買契約を締結し、手付金を受領します。売買契約時に不動産会社へ仲介手数料の半額を支払うケースが多いため、支払い条件を確認しておきましょう。
⑤アパートの引き渡しを行う
買主が残代金を支払ったら、司法書士へアパートの所有権移転登記を依頼し、買主へアパートを引き渡します。鍵や入居者との賃貸契約書なども、買主へと引き継ぎます。売買契約時に不動産会社へ仲介手数料の半額を支払った場合は、決済時に残りの半額を支払うのであらかじめ確認しておいてください。
⑥オーナーが変わったことを入居者に連絡する
入居者へアパートのオーナーが変わったことを書面などで連絡し、家賃の振込先が変わる旨も説明します。ひと通り引き継ぎが終われば、アパートの売却は完了です。
アパートを売却するときの注意点
アパートの売却は、個人宅の売却とは少々異なります。トラブルを避けるためにも、注意すべきポイントを押さえておきましょう。
入居者とのトラブルなどを正しく伝える
入居者とトラブルになったことがある、もしくはトラブルが継続中の場合は、買主へ隠さず伝えるようにしましょう。入居者同士のトラブルも、例外ではありません。わかっている範囲で構わないので、懸念される点は必ず説明しておきましょう。
敷金の精算が必要になる
入居者がいる状態でアパートを売却することは、入居者から賃料や共益費などを得る権利や、入居者へ敷金を返還する義務も引き継ぐことになります。また、入居者から預かっている敷金は、通常買主へそのまま引き渡すことになります。
話し合いの結果、売買代金に敷金を含めるケースもありますが、どのように敷金を処理するのかは、売買契約を締結する前に話し合っておきましょう。
入居者との賃貸借契約の内容を説明する
賃貸借契約の内容は、部屋ごとや入居者によって異なることがあります。買主はその条件を基本的に引き継ぐことになるため、入居者との取り決めがあれば、ていねいに説明しておきましょう。たとえば、ペット可のアパートの場合、飼育できる数や大きさを定めていることがあります。例外を認めているケースがあれば、対象の部屋やその内容を説明しておきましょう。
入居者が住んでいる部屋は瑕疵を確認できない
入居者が住んでいる部屋は、基本的に室内の状況確認が難しいです。傷や汚れ、設備の故障のすべてを把握できないため、可能であれば契約不適合責任を免除してもらいましょう。契約不適合責任とは、契約で定めた内容や数量で引き渡しできなかったときに、売主が買主へ負う責任のことです。
手続きの難しいアパート売却は不動産会社のサポートが必要
アパートの売却は入居者にも影響するため、多くのことに気づかう必要があります。また、アパートの買主は限られているため、町で見かけた不動産会社に相談しても、思うようなアドバイスを得られないことも考えられます。そのため、アパート売却の経験が豊富な不動産会社のサポートが必要になるでしょう。
アパート売却の経験を持つ不動産会社は、多くはありません。そういった不動産会社を探すのであれば、一括査定サイトの「リビンマッチ」が便利です。売却したい物件の情報を入力すれば、対応できる複数の不動産会社を紹介します。不動産会社の適切なサポートを受けるためにも、リビンマッチをぜひご利用ください。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
リビンマッチコラムでは、むずかしい不動産の事をできる限りわかりやすく、噛み砕いて解説しています。不動産に対するハードルの高いイメージ、とっつきにくい苦手意識を少しでも取り除いて、よりよい不動産取引のお手伝いをさせていただきます。
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