不動産の査定を基本から解説!査定の種類、依頼方法、準備することを紹介
不動産を売却するときに、不動産の価値を調べる査定は欠かせないステップです。しかし、進め方や注意点については意外と知られていません。この記事では不動産査定の基本から、よりよい結果を得るためのコツまでわかりやすく解説します。あなたの大切な資産を適正価格で売却するために、不動産査定をしっかりと理解しましょう。
もくじ
不動産査定の基本をわかりやすく解説!
不動産査定とは、不動産会社の担当者などの専門家が家や土地などの価値を客観的に評価することです。査定では、立地や経年、内外装の状態などの条件や市場価格を考慮して、価値を算定します。
査定は物件の価値を見極めるために行う
不動産査定とは、不動産会社や不動産鑑定士などの不動産の専門家が不動産の価値を見極め、どの程度の価格で売却できそうかを見積もることをいいます。査定を行うことで、物件の評価と現在の市場価値に基づいた売却予想価格がわかります。売主は査定価格を参考にして売り出し価格を決め、不動産会社に売却を依頼します。査定を正確に行うには、不動産の状態、立地、市場の最新動向を正確に把握し、市場価値を算出することが大切です。
査定自体は無料で受けられる
特別な理由がない限り、不動産会社による査定は無料です。無料の理由は、不動産会社にとって査定が、不動産売却の媒介契約を獲得する営業活動の一環だからです。もちろん、査定を依頼したからといって、絶対に仲介を依頼しなければならないルールはありません。査定結果や担当者の対応などをもとに、媒介契約を依頼する不動産会社を選びましょう。なかには、本来は無料であるはずの査定費用を請求する不動産会社があります。国土交通省の『宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方』では「査定等に要した費用は、依頼者に請求できない」とされているため、査定費用を請求する不動産会社は避けましょう。
ほかにも、国家資格である不動産鑑定士による、不動産鑑定という有料のサービスもあります。不動産鑑定による評価書は単なる査定より信頼性が高いとされ、税務署や裁判所で公的書類として使用できます。
依頼する不動産会社によって査定価格が異なる
不動産の査定を依頼すると、不動産会社によって査定価格に差が出ることは珍しくありません。査定価格に差が出る理由は、不動産会社が得意とする物件の種類や、査定の根拠とするデータが異なるためです。また、対象地域の不動産市場の動向や、流通している物件の状況によっても、査定価格は変動します。
最終的な売却価格は購入希望者との交渉によって決まりますが、交渉のもとになる売り出し価格は査定価格を参考にして決めます。不動産市場を反映した価格で売り出すために、複数の不動産会社の査定を受けて相場を把握しましょう。
査定価格=売却価格ではないことに注意
不動産査定は、あくまでも物件の市場価値を推定するもので、査定価格で売却できるわけではありません。査定価格を踏まえたうえで売り出し価格を決定し、最終的には購入希望者との交渉で売却価格が決まります。売り出し価格は購入希望者の値下げ交渉を見越して、査定価格より高く設定することが一般的です。そのため、交渉によっては査定価格より高く売れる可能性があります。一方で、購入希望者が現れなければ売り出し価格を下げせざるを得ず、最終的に査定価格より安く売却することになるおそれもあります。
不動産査定 4つの方法と特徴
不動産の査定には「机上査定(簡易査定)」「訪問査定」「AIによる不動産査定」「不動産鑑定士による査定」の4つの方法があります。査定の目的や、不動産売却のどの段階で行うかなどに合わせて査定方法を選びます。それぞれの査定の特徴と依頼するタイミングを把握しておきましょう。
机上査定(簡易査定)
机上査定は簡易査定とも呼ばれ、不動産会社が物件の現地訪問をせずに行う査定方法です。立地条件、間取り、築年数、地域の成約価格など、売主が提供した情報をもとに物件の市場価値を短時間で見積もります。机上査定のメリットは、現地の訪問を必要としないため、時間をかけずにおおよその市場価格を把握できる点です。ただし、物件の状態を直接確認しないため、査定価格は概算価格として参考程度にとどめましょう。
訪問査定
訪問査定は、不動産会社の査定担当者が直接物件を訪れて、査定する方法です。不動産会社の担当者は内装の状態や設備の機能性、劣化具合などを細かくチェックします。さらに住宅の立地や周辺環境、市場の動向も考慮するため、精度の高い査定を受けられます。訪問査定は不動産会社が直接訪問し、査定価格を算出するなどの時間や手間がかかるため、時間がかかります。訪問から算出までは約1週間です。机上査定より時間がかかりますが、より正確な価値を知りたいときに適した査定方法です。
AIによる不動産査定
AIを利用して不動産の査定を行うWebサイトがあります。査定する不動産の住所や物件の築年数、広さなど必要な情報を入力するだけで、不動産会社のデータベースなどをもとにAIが査定価格を瞬時に提供します。多くの査定サイトでは匿名で利用できるため、不動産会社からしつこく営業をされる心配がありません。ただし、市場価格などのデータをもとにAIが査定価格を算定しているため、訪問査定ほど正確ではないことに注意が必要です。おおよその査定価格を知りたいときにおすすめです。
匿名で利用可能 ⇒家の査定シミュレーション
不動産鑑定士による査定
不動産の価格を知る方法には、不動産会社の査定以外に不動産鑑定があります。不動産鑑定は国家資格を持つ不動産鑑定士が行う査定のことです。費用は数十万円程度で、結果が出るまで約1~2週間かかります。不動産鑑定は不動産会社の査定より信頼性が高いとされ、裁判の証拠や相続税の算出などに用いられます。ただし、通常の不動産売買で、不動産鑑定が必要になることはほぼありません。
査定を依頼する前に準備すること
十分な準備をして査定を受ければ、よい査定価格を期待できます。査定の前に、自身でできることを行い、物件の価値を最大限に引き出しましょう。どんなことを査定前にすればよいのか、見ていきましょう。
不動産査定の必要書類を用意する
訪問査定は不動産に関する書類がなくても依頼できますが、次の表で挙げる書類があるとより正確な査定ができます。これらの書類がないか、査定までに確認しておきましょう。
建物や設備仕様に関する図面 | 不動産会社が販促物を作成するにあたって必要になる |
---|---|
身分証明書、実印、印鑑証明 | 不動産の所有者の本人確認書類 |
マンション管理規約 | マンション内のルールなどが把握できる |
登記事項証明書や測量図は、不動産会社に取得を依頼できます。
査定を受ける不動産の相場を調べる
査定を依頼する前に、所有する不動産の売却価格の相場をあらかじめ調べておきましょう。不動産の売却価格の相場は、国土交通省のWebサイト「不動産情報ライブラリ」や、過去の不動産売買の取引情報がわかるWebサイト「レインズマーケットインフォメーション」などで調べられます。
相場を把握できれば、提示された査定価格が妥当な価格か判断できるようになるでしょう。相場からかけ離れた査定価格を提示する不動産会社は、納得できる理由が提示されない限り避けることが無難です。
土地の境界線を明確にしておく
不動産を査定依頼する前に、土地の境界を明確にする必要があります。境界線を明確にすることで正確な査定が受けられるだけではなく、売却時やその後のトラブルを避けられます。購入時の書類が残っていない場合、隣接する土地の所有者立ち会いのもと土地家屋調査士に依頼して境界確定測量を行いましょう。調査期間は3~4カ月かかるのが一般的です。費用は土地の広さにもよりますが30万~100万円程度です。
室内や屋外の清掃
査定に合わせて、室内外の清掃を行いましょう。物件の第一印象は査定内容に影響するため、清潔な状態にすることが大切です。ゴミや不用品の処分をしておくと広々とした印象になり、清掃が行き届いていると明るい印象を与えられます。庭がある場合は、雑草を除去しておくと好印象です。整理整頓や清掃は査定だけでなく、購入希望者の内見でも有効です。
不動産の査定をするときの注意点
査定を受けるときは、さまざまなことに注意が必要です。まず大切なのは査定を依頼する不動産会社で、適切な査定を受けるために信頼できる会社を見つける必要があります。そのほかにも、査定ではさまざまな注意点がありますので確認してください。
不動産会社の取引実績を調べる
査定を依頼する不動産会社を選ぶとき、取引実績数は重要な指標です。また、取引実績数の内訳も確認しましょう。たとえば、戸建てを査定してほしいのに、マンションの実績が豊富な不動産会社だと、戸建ての査定に適しているとは思えません。不動産会社に査定を依頼するときは、売却を検討している不動産を得意にしていて、周辺地域に精通している不動産会社がよいでしょう。そういった不動産会社であれば、適切な査定価格を提示してもらえる可能性が高まります。取引実績は会社のWebサイトや物件情報誌、または直接問い合わせて確認しましょう。
複数の不動産会社に依頼する
1社の不動産会社にだけ査定を依頼すると、その会社の基準や方針によっては本来より低い査定価格になるおそれがあります。さらに、1社だけだとその査定価格が適正かを判断できません。複数の不動産会社に査定を依頼し、査定価格を比較できるようにしましょう。また、複数の不動産会社から見積もりを取ることで各社のサービス内容や対応の良し悪しを比較でき、安心して売却を任せられる会社を選べます。
大小を問わず地域に詳しい不動産会社に依頼
不動産査定は、大手と地域密着型の中小不動産会社の双方に依頼することをおすすめします。地域密着型の不動産会社は、地域の特性を理解していることや、大手にはない地元のネットワークを活かして売却計画を立ててもらえる可能性があります。大手の不動産会社は豊富な取引実績を持つうえに、資金力を活かした広告配信で集客を行えるなどのメリットがあります。全国的なネットワークで、多くの購入希望者の情報を持っているのも魅力です。そのため、買主を早期に見つけてもらえる可能性があります。大手と中小不動産会社の双方に査定を依頼することが、スムーズに高額売却を実現するポイントになるでしょう。
不具合や瑕疵がないかをチェックする
査定前に物件の不具合や瑕疵を自分でチェックし、可能な限り修繕を行いましょう。自身で修繕ができない場合は、不具合のある部分をリストアップして査定の担当者に伝えてください。特に見た目では判別しにくい隠れた不具合や瑕疵は、査定の担当者も見落とすことがあります。売却後に見つかると契約不適合責任を問わることもあるため、不具合や瑕疵は入念にチェックしましょう。
査定の概算金額はAIや机上査定で把握する
近年は、AIを活用した査定サービスが普及しています。あくまでも簡易的な手段で机上査定より信頼性に劣りますが、インターネット上で簡単な住所や物件情報を入力するだけで大まかな売却価格を調べられます。AI査定や机上査定の査定価格はあくまで参考程度にすぎません。最終的な査定額は、専門家の訪問査定を受けて決まることを覚えておきましょう。
最終的には訪問査定を受ける
売り出し価格を決定するには、不動産会社による訪問査定が必要です。不動産の価格は図面や立地、間取りだけでなく、実際に訪問しないとわからない要素が多いためです。訪問査定では物件の細部までチェックが行われ、より正確な査定価格が提示されます。また、担当者と直接対話することで、売却に役立つアドバイスや市場動向を詳しく聞けるでしょう。
不動産査定の依頼から販売活動までの流れ
不動産売却において、査定は複数のタイミングで複数の不動産会社に依頼することが一般的です。ここでは不動産売却の大まかな流れと、各タイミングで行われる査定について解説します。
机上査定の実施
不動産の売却を検討するときは机上査定を行い、おおよその市場価格を把握します。机上査定では、訪問をせずに不動産の規模、築年数、立地などの基本情報をもとに査定するため、当日~3日程度で結果が得られます。また、数の不動産会社に簡易査定を依頼することで、査定結果を比較できます。
訪問査定日の取り決め
正確な見積もりがほしい場合は、訪問査定を依頼します。不動産会社に訪問査定を依頼し、不動産会社の担当者が物件を訪れる日時を決めましょう。当日は、物件のオーナーまたは詳細を把握している人の立ち会いが必要です。複数の不動産会社に査定を依頼する場合は、訪問の日時が重ならないように調整しましょう。
訪問査定を実施
訪問査定を実施するために、不動産会社の担当者が物件を訪れます。査定当日は、担当者が物件の状態を細かくチェックします。質問に正確に答えられるよう、手持ちの資料はできるだけ多く準備しておきましょう。訪問査定時に用意しておいたほうがよい書類について、詳しくは後述します。
査定で重要なことは、重大な欠陥や故障などの瑕疵を隠さずにすべて告げておくことです。これにより、後のトラブルを未然に防げる可能性があります。また、建物の劣化状態もチェックします。建物の状態が確認しやすいよう、空き家の場合は荷物を処分したり、外観が見やすいよう草刈りをしておくと査定がスムーズです。
査定結果を受け取る
訪問査定を経て査定価格を含む査定報告書が完成するまでは、数日から1週間程度です。査定報告書には物件の市場価格、それに影響を与える周辺環境や物件の状態などの詳細が記載されています。査定報告書は、直接担当者が持参したりメールや郵便で届けられたりなどの方法で届けられます。書面を見るだけではなく、なぜその査定価格に至ったのかの説明も受けましょう。
不動産会社と契約し販売活動を開始する
査定結果や販売計画、さらに担当者の応対や不動産会社の実績などを参考に不動産会社を選びます。特に不動産の売却は担当者が結果に大きく影響するため、信用できる担当者がいるかどうかは、不動産会社選びの重要なポイントです。不動産会社が決まったら、媒介契約を結びます。媒介契約には、次の3種類があります。
複数の不動産会社に依頼するなら一般媒介契約を、一社に任せるなら専属専任媒介契約を、不動産の購入希望者を自分でも探したいなら専任媒介契約を結びましょう。契約を結んだら、不動産会社は販売活動を開始します。
訪問査定でチェックされるポイント
不動産の査定には複数のチェックポイントがあり、それらが物件の価値に大きく影響します。ここでは、不動産査定の流れで特に注目される6つのポイントを解説します。
築年数
築年数による経年劣化は避けられないため、築年数が長ければ長いほど不動産の評価は低下します。特に木造の戸建て住宅は耐用年数の22年を超えると、建物の資産価値がかなり低く評価される傾向があります。一方で、定期的なメンテナンスや修繕を行うことで、経年劣化を最小限に抑えることも可能です。修繕の履歴がわかるような資料を、訪問査定時に準備しておきましょう。
建物の外装
建物の外装の状態、特に屋根や外壁、窓は、査定価格に大きな影響を及ぼします。屋根や外壁の傷みは雨漏りにつながり、建物を劣化させるためです。外装を適切にメンテナンスしていれば、販売したときにアピールできるため、査定価格が向上するかもしれません。また、外装の状態を良好に保っていると物件の第一印象がよくなるため、売り出したときに買主が見つかりやすくなるでしょう。
水回りや内装の状態
水回りや内装が良好な状態であれば、査定価格によい影響が出る可能性があります。水回りは汚れやすい場所のため、清潔に保たれていると印象がよくなるのです。長年の使用でついてしまったカビや水アカを、できるだけ取り除くことをおすすめします。
また、内装が劣化していると、使用感があるため評価が下がります。劣化具合によっては、床のフローリングや壁紙の張替えを検討しましょう。一方で、水回りや内装のメンテナンス・修繕を行っていると、アピールポイントになります。かかった費用や、施工した日付がわかる書類を用意しておきましょう。
土地の面積や形状
正方形や長方形の土地は利用しやすいため、査定価格が高くなる傾向があります。また、角地や間口の広い土地は、アクセスや設計の自由度が高まるためプラスの評価になるでしょう。一方で、三角形や台形の土地、狭い間口は、建物の設計が制限されるため、価値が低く評価される傾向があります。また、土地面積が広いからといって、必ずしも査定価格が上がるわけではありません。過剰な広さは維持費用や、有効利用しにくいことを理由にマイナスに働くこともあります。
立地条件
交通アクセスのよさや、利便性の高い施設が充実していると査定価格を上げる要因になります。また、戸建てであれば騒音の少ない住宅地、広い公園など、生活環境のよさが価格に影響することもあります。また、土地によっては法律による建築制限などがあるため、そこもチェックされるポイントです。工場や墓地など一般的に好まれない施設が近隣にある場合は、それがマイナスに評価されて査定価格が低くなる要因になります。
住宅ローンの残債
返済している住宅ローンがどれだけ残っているのかも、査定時にチェックされる項目のひとつです。訪問査定を受けるときに、金融機関が発行した住宅ローンの残高証明書を用意しておきましょう。住宅ローンの残債がある場合は、引き渡し時に一括返済をする必要があります。売却代金だけでまかなえなければ、不足分を手持ちの資金で返済しなければなりません。もし、住宅ローンを一括返済できないと売買が成立しないため、不動産会社は残債を確認する必要があるのです。
不動産査定を成功させるポイント
不動産査定を成功させるには、いくつか重要なポイントがあります。査定を受けるときに、抑えておきたいポイントを見ていきましょう。
売却希望価格の目安を立てておく
不動産の査定を依頼するときは、売却希望価格(実際に売りたい価格)の目安を立てることが重要です。近隣で販売中の物件価格や査定価格を参考にして、最終的にいくらで売却できるか予想をします。売却して得られる金額の目安を知ることで、新しい住居選びに向けて資金計画が立てやすくなるでしょう。また、住宅ローンの返済がある方は、売却価格の目安を把握することで、返済額や返済方法を計画しやすくなります。
査定時期を考慮する
不動産の売却を成功させるためには、査定時期を選びましょう。一般的に、不動産売却の成約率が高まるのは3月といわれています。新年度のスタートに合わせて新しい住まいを探す人が増えるためです。この時期に向けて売却を進めると、高値での成約が期待できます。査定から売却完了までは数カ月かかるとされているため、3月の成約を期待する場合は遅くとも12月には査定を終えている必要があります。修繕などが必要な場合は、もう少し早い段階で査定を依頼しましょう。
信頼できる不動産会社を選ぶ
不動産売却は、売主側の立場に立ち丁寧に査定を行ってくれる不動産会社に依頼することが大切です。わからないことは理解できるまで説明してもらえたり、質問への回答が早かったり対応のよさも選ぶときの重要なポイントです。反対に不誠実な対応を取ったり、理由もなく査定価格と大きく差がある売り出し価格を提示してくる会社は避けたほうがよいでしょう。口コミや実績をチェックし、安心して売却までの手続きを任せられる不動産会社を見つけることが不動産売却を成功させるカギです。
査定前にリフォームをしない
査定前にリフォームを行うことはおすすめしません。リフォームにかかった費用が、そのまま査定価格に上乗せできるとは限らないためです。むしろ、リフォームの内容が買主の好みや目的に合わず、売却の妨げになるおそれすらあります。また、不動産の売却では一般の買主へ売るだけでなく、不動産会社が買い取ることもあります。不動産会社は買い取った不動産を市場のニーズに合ったリフォームを行うことで、より良い条件で売却できるようにすることがあります。そういった場合、リフォームをしていたとしても、高く買い取ってもらえるとは限りません。リフォームは不動産会社の担当者と相談して、必要な部分を確認してから行うことをおすすめします。
不動産の査定価格を計算する方法
不動産査定には、「取引事例比較法」「原価法」「収益還元法」の3つの主要な計算方法があります。取引事例比較法は類似する物件の市場価格を参考にし、原価法は建物の再建築費用から減価償却を引いて算出し、収益還元法は将来に得られるであろう収益から不動産価値を求める方法です。
取引事例比較法
取引事例比較法では同じ地域で近い時期に取引された類似の事例をベースにして、対象の不動産の市場価値を推定します。特に同じ地域での取引実績が豊富な会社が行う査定は、精度が高く、売却価格に近いとされています。
原価法
原価法は、同じ建物を新たに建築すると仮定して、かかる費用をもとに計算します。建物の建築単価と総面積をかけ、さらに経年劣化分を考慮して現時点での価格を算出する方法です。築年数の新しい戸建てや、特殊な構造の物件の査定に適しています。メリットは特定の物件に対して精度の高い査定を行えることですが、建築コストが市場価値に反映されないこともあるため、相場と乖離した価格が算出される場合があります。複数の不動産会社で査定を依頼して査定価格がほかとは大きく異なる場合は、査定の根拠や方法を確認しましょう。
収益還元法
収益還元法は、投資物件の価値を評価するときに使用されることが多い方法です。査定する物件が将来生み出すであろう利益をもとに、査定価格を算出します。収益還元法は、さらに直接還元法とDCF法の2種類に分かれます。直接還元法の計算は、年間の予想収益から必要な経費を差し引いたあと、還元利回りと呼ばれる還元率で割り、物件の価値を算出します。還元利回りとは、その不動産を運用して得られる利益の割合です。一般的には類似した不動産の取引事例や土地価格、建物価格の構成割合などから求められます。
たとえば、家賃が月20万円で年間収入が240万円、年間の経費が15万円で還元利回りが5%のマンションの場合、物件価値の算出方法は次のとおりです。
(20万円×12カ月-15万円)÷5%=4,500万円
DCF法は、保有期間に得られる利益と将来の売却予測価格を元に現在の価値を求める方法です。計算が複雑なため、直接還元法が不動産査定で広く使用されています。
不動産の一括査定を活用するメリット
不動産一括査定とは、Webサイト上で複数の不動産会社に一度に査定を依頼できるサービスです。複数の不動産会社にそれぞれ依頼を行う必要がなく会員登録も必要ありません。ここでは、一括査定のメリットについて詳しく説明します。
手間をかけずに複数の査定が取れる
一括査定サイトを利用すれば、一回の入力で複数の不動産会社に査定を依頼できます。最短1分程度の入力で、6〜10社へ査定を依頼できるため、時間と労力を大幅に節約できるでしょう。さまざまな一括査定サイトがあるため、提携した信頼できるサイトを選んで利用してみましょう。
一括査定サイトが選んだ不動産会社に依頼できる
一括査定サイトはサービスの信頼性を上げるため、不動産会社を調査し選定しています。そのため、ユーザーは不動産会社の評判や、過去の実績などを調べる手間が省けます。また、不動産のあるエリアに絞って不動産会社を調べることもできるので、対象エリアに強みのある不動産会社を見つけられる可能性があります。
競争原理が働く
一括査定サイトを利用すると、不動産会社は他社と比較されることを前提に査定を行います。これにより不動産会社間による競争原理が働くため、不当に安い金額を提示しにくくなります。不動産所有者が個別に不動産会社に査定を依頼するよりも、より正確な査定価格を知れるでしょう。
もし、相場とかけ離れた査定価格を提示された不動産会社があった場合、必ず査定理由を確認しましょう。また、ほかの不動産会社の評価を聞くことで、おおよその相場を把握できるようになります。
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