1LDKマンションは売れない?実際の需要と売主ができる6つの対策
1LDKのマンションは、ほかの間取りに比べて売りにくいという意見がありますが、実際はどうなのでしょうか。
過去の成約事例や、売りにくいという意見がある5つの理由、売るための6つの対策を詳細に解説します。
もくじ
1LDKマンションの需要
間取り別に、2024年5月末時点での首都圏における分譲マンションの売れ行きを表にまとめました。
間取り | 発売数(戸) | 契約数(戸) | 成約率(%) |
---|---|---|---|
1K | 5 | 1 | 20.0 |
1DK | 5 | 1 | 20.0 |
1LDK | 127 | 88 | 69.3 |
2LDK | 271 | 146 | 53.9 |
3LDK | 1,070 | 582 | 54.4 |
4LDK | 72 | 50 | 69.4 |
合計 | 1,550 | 868 | 56.0 |
参考:株式会社不動産経済研究所「首都圏新築分譲マンション市場動向2024年5月度 ※修正が入りました」
表を見てみると、一般的な分譲マンションの売れ筋である2LDKや、3LDKと比較して、物件数自体は少ないことがわかります。
しかし、1LDKの成約率に注目すると、4LDKに次いで高いことが判明しました。
1LDKは単身やディンクス(共働きで子どもを持たない)世帯に人気の間取りですが、子1人世帯であれば十分に住むことができ、投資目的としての需要もあるので、売れないわけではありません。
1LDKに需要がないといわれるのは、そもそも物件の供給自体が少ないからであり、十分に売却できます。以下の内容を参考にして、少しでも高く売却できるよう対策しましょう。
1LDKマンションが売れないといわれる理由
高値で売却するために、まずはなぜ1LDKマンションが売れないといわれるのか、その理由について解説します。
先述したように、1LDKマンションは決して売れない間取りではありません。
需要がないといわれる原因を知ることで、売却するときのヒントになるでしょう。以下の1LDKマンションが売れない理由の内容を参考にしてください。
間取りが中途半端だから
1LDKが売れないといわれる理由の1つとして多いのが、間取りが中途半端という点です。
単身世帯にしては広く、2人を超えるとやや狭く感じるため、マイホームとして購入するにはどこか中途半端と考える人がいます。
子ども1人の世帯であれば十分に住めるため、ポジティブにとらえれば汎用性が高い間取りといえますが、需要がないと感じてしまう人も多いです。
不動産の購入は人によって価値観や考え方が異なり、魅力に感じる人が1人でもいれば売買は成立するので、ポジティブにとらえて自分の物件を見ることが大切です。
将来的な買い替えが面倒だから
1LDKは将来的に家族ができたケースなど、ライフスタイルが変化したときに買い替える前提で購入するイメージがあります。そういった買い替えが面倒で、需要がないといわれるケースもあります。
不動産の買い替えは、住宅ローンの借り換えや次の買主を探す必要があるなど、何かと手間がかかるため、多くの人は1回で済ませたいと考えます。
不動産価格が下がると売却したときの価格が、住宅ローンの残債以下になってしまうケースもあり、買い替えたくても次の物件が購入できないリスクもあります。
そもそも住み替える際の引っ越し自体が面倒と考える人もいるため、買い替えにネガティブな印象を持つ人は1LDKの間取りに需要がないと考えるケースが多いでしょう。
賃貸物件の供給量が多いから
1LDKタイプの間取りは賃貸物件で供給量が多く、新築や築浅の物件も多いため、マイホームとしての需要は少ないといわれることがあります。
単身世帯が増えている現代では、特に1LDKタイプの賃貸需要が増加しており、今後も続く可能性は高いです。
賃貸マンション業者のなかでも、1Kや1DKタイプよりゆとりがある1LDKマンションに力を入れている会社は多く、今後も都市部を中心に供給量が増えていくでしょう。
賃貸のほうが何かとコストパフォーマンスが良いと考える人は増えているため、1LDKマンションの購入に需要がないといわれるケースがあります。
資産価値が下がりやすいから
1LDKマンションは将来的に資産価値が下がりやすいから需要がない、といわれるケースもあります。
比較的若い年齢層に人気の間取りであり、多くの若者は新築や築浅を好むというイメージから、築古になったときに価格が大きく下落すると考える人は多いです。
賃貸物件の供給量が多い間取りである分、景気が悪くなったときに賃貸のほうが選ばれやすいという理由から、価値が下がりやすいと考える人もいます。
将来的な資産価値は不動産の購入において大切なポイントであるため、1LDKが下がりやすいと考える人にとっては、どうしても売れないイメージを持ってしまうでしょう。
20代の購入者も多くローンが通りにくいから
1LDKマンションの購入者は20代の若者も多く、住宅ローンが通りにくいから売りたくても売れないと考える人もいます。
実際、1LDKタイプのマンションは単身やディンクス(共働きで子どもを持たない)世帯の20代から人気があり、マイホームとして購入する人は多いです。
20代でも収入が安定しており、同じ会社での勤続年数が3年以上である場合は問題ありませんが、収入が低く転職を繰り返している場合は、ローンを組むのが難しくなります。
不動産価格が高騰しているいま、1LDKマンションの価格も上がっているため、住宅ローンが理由で売れないといわれることも珍しくありません。
1LDKマンションを売るために売主ができる対策
ここでは、今回のテーマである1LDKマンションを売るために売主ができる対策について解説します。
表で紹介した分譲マンションの売れ行きからもわかるように、1LDKマンションに需要がないことはありません。
できる対策をすれば問題なく売却できるため、少しでも高く売れるようぜひ以下の内容を参考にしてください。
ホームステージングを利用する
ホームステージングとは、物が何もない部屋に対して家具や家電などを設置することで、部屋を魅力的に見せ、売却しやすくするサービスのことです。
マンションを売却する場合、物をすべて撤去して売り出すケースもありますが、部屋の使い方がわからず、生活のイメージができなくて購入に至らないケースもあります。
ホームステージングを利用することで生活のイメージができ、何より部屋をキレイで魅力的に見せられます。
購入希望者の内覧が少ない場合や内覧には来るけどなかなか購入に至らない場合は、ぜひ利用を検討してみてください。
ハウスクリーニングを入れる
売却活動を始める際に、物を撤去してそのままになっている場合は、ハウスクリーニングを入れてキレイにしておくこともおすすめです。
ハウスクリーニングとは専門業者に依頼して部屋を清掃することで、1LDKタイプであれば料金もそこまでかかりません。
部屋から物を撤去すると、ほこりやカビ、見えなかった汚れなどが目立ちやすくなるため、一度ハウスクリーニングを入れておけば内覧の際に印象が良くなります。
近隣相場を把握する
不動産を売却する際、近隣相場を把握しておくことは大切なポイントです。現在売りに出されている物件は、自宅マンションにとっての競合物件に当たります。
同じ間取りのマンションを買いたい人であれば、必ず近くの物件と比較したうえで購入を決めるので、どんな物件がいくらで売りに出されているかは事前に確認しておきましょう。
物件のメリットをまとめる
自分の物件の魅力やメリットをまとめておき、売却を依頼する不動産会社や購入希望者にアピールできるようにするのも大切です。
交通利便性は良いか、スーパー、コンビニエンスストアなどの買い物施設が近くにあるか、物件からの眺望はどうかなど、アピールできることはすべて書き出しておきましょう。
実際に住んでから新たな物件の魅力に気づくこともあるので、購入者へのアピールにつながるよう、事前に自分でまとめておくことが大切です。
不動産の魅力やメリットをどう探せば良いかわからないという人は、一度、売却を依頼する不動産会社のアドバイスを受けてみましょう。
投資物件として売り出す
賃貸物件としての需要が高い1LDKマンションは、投資物件として需要があります。
よって、マイホーム希望者ではなく投資家に対して売り出すのも1つの選択肢です。
周辺の賃貸需要を調べたうえで、ほかの間取りより1LDKマンションの需要が多く、家賃が高く取れるのであれば、投資物件として売却できる可能性は大いにあります。
周辺の賃貸需要によっては投資物件として売却するほうが、高く売れるケースも少なくありません。
マイホームとして購入したい人に希望価格で売却できれば、それに越したことはないですが、苦戦している場合は投資物件としての売却も検討してみてください。
売却実績が豊富な不動産会社に依頼する
不動産会社は戸建てやマンションなど、どのような物件に強みがあるか各社で異なります。
そのため、マンションのなかでも1LDKの売却実績が豊富な会社に仲介を依頼することが大切です。
お近くの不動産会社に依頼する際は、必ずどのような物件タイプの売却に強いかを確認しましょう。
オールマイティにどのような物件の売却にも強い会社は大手が多いですが、マンションだけに特化している会社のほうが深い知識や最新情報を持っている傾向にあります。
同タイプの物件の売買傾向を熟知している会社を選択するのが、1LDKマンションの売却成功の鍵です。
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この記事の編集者
リビンマッチ編集部
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