西向きのマンションが売れない?逆転の発想でデメリットを強みに変える方法
マンションのなかでも西向きの部屋は、西日の強さや暑さから敬遠されがちです。
しかしデメリットをうまくカバーし、魅力を全面的に打ち出せれば、売却の大きな武器になります。
「西向き=売れない」という固定観念を打ち破り、デメリットを強みに変える方法を紹介します。
もくじ
西向きのマンションが売れないとされる理由
マンションの売れゆきは、方角が関係するといわれます。一般的に南向きの部屋は人気が高く、西向きのマンションは人気がないので売れにくいとされます。ここでは、西向きのマンションが売れないとされる理由についてくわしく解説します。
夏に暑くなりやすい
西向きのマンションは、昼頃から夕方過ぎまで西日が差し込みます。そのため、特に夏の時期には室温が上昇し部屋に熱がこもりやすく、エアコンの冷房効率も低下します。
近年、夏の暑さが厳しくなっています。特に都市部では、ヒートアイランド現象によってさらに気温が上昇していることから、強い日差しが差し込むマンションは、購入者から避けられる傾向にあるのです。
また、マンションの場合は、外壁に蓄えられた熱が壁を貫通し部屋を暖め続けます。そのため、カーテンで遮光をしても暑さを感じる可能性が高いでしょう。
このように、西日が入る部屋は暑くて不快といったイメージが、ネガティブな印象を与える原因となっています。
本や壁など日焼けしやすい
西向きのマンションには強い日差しが降り注ぐため、本や家具、壁や床などが日焼けしやすくなります。
特に西日が差し込む窓と対面にある場所が影響を受けやすいため、遮光カーテンやブラインド、ガラスフィルムなど日光を遮る対策が必要です。
また、価値の高いアンティーク製品や大切な蔵書などがある場合、日焼けによる損傷が大きくなるおそれもあります。
さらに、日焼けや肌ダメージに気を使う人は、室内でも日焼け止めを塗るなど対策が必要になるでしょう。
朝起きたとき、日光を感じにくい
西向きのマンションでは朝日が入りにくいため、朝起きたときには部屋が薄暗く、日光を感じにくいといった特徴があります。
また、朝日には体内時計をリセットする効果があり、朝日を浴びる時間が不足すると睡眠の質や日中の活動レベルに影響を及ぼす危険性が指摘されています。
そのため朝に起床しても、からだが目覚めにくく、スイッチを入れるのに時間がかかるかもしれません。特に、冬の午前中は寒さと薄暗さが重なり、すっきりと目覚めにくくなります。
冬の朝の寒さが苦痛という人は、東や南向きの部屋で就寝するなどの工夫が必要です。
日差しが入りにくい西向きの部屋で就寝する以外に選択肢が取れない場合は、朝日のような光を再現する目覚まし時計などを活用し、意図的に朝日と同様の光を取り入れるなど、工夫する必要があるでしょう。
逆転の発想:西向きのマンションの強み
西向きのマンションは敬遠されがちですが、見方を変えればアピールポイントにもなります。
西向きマンションの隠れた長所を探ってみましょう。
窓やベランダから見える夕暮れ時の景色
西向きのマンションは、窓やベランダからきれいな夕焼けを楽しめます。
テレワークの終わりや仕事から帰宅し、ひと段落する頃に見えた夕焼けは、1日がんばった自分へのご褒美にもなるでしょう。
以下のように部屋から、あかね色に染まる夕焼けを鑑賞できるのは、西向きのマンションならではの特権です。
また、都市部では高層マンションから富士山のシルエットが見える物件もあり、そういった眺望も西向きならではです。
東や南向きのマンションでは味わえませんので、全面的にアピールしましょう。
冬は暖かく午後は明るい
西向きのマンションは、正午過ぎから日が暮れるまで日が差し込むため、冬でも日光の力で暖かく、薄暗い夕方でも明るさが続くメリットがあります。
さらに、明るい時間が長いため、照明を付ける時間が遅くなり、電気代の節約にもつながります。
日中の生活に必要な光のほとんどを日光でまかなえるのは、大きなメリットです。
また、日没後も夜中まで室内の暖かさが続くため、暖房費を節約できる点も西向きのマンションのプラスポイントです。
洗濯物が乾きやすい
西向きのマンションは午後から強い日差しが差し込むため、洗濯物が乾きやすいです。日光の熱がこもりやすく、気温が高くなることで、外干しした洗濯物がしっかり乾きます。
短時間で洗濯物が乾きやすく、1日に複数回の洗濯も現実的でしょう。
また、最近では花粉や排ガスの影響で、部屋干しを選ぶ人も増えています。
西向きのマンションでは、午後からの強い日差しが部屋の湿気を飛ばしてくれるため、部屋干しでも洗濯物がよく乾きます。
このように、西日の恩恵を受けて暖かさを保ちやすい西向きのマンションは、現代の物干し事情に適した環境といえます。
カビが発生しにくい
カビが発生しやすい部屋の特徴として、換気が悪い、日当たりが悪い、水回りが近い、結露しやすいなどが挙げられます。
このような部屋では温度が低く、湿度が高くなりやすいため、特に冬や梅雨の時期にはカビが発生しやすくなります。
しかし、西向きのマンションでは、午後から強い日差しが差し込むため室温が高く保たれます。これにより湿度の上昇も抑えられるため、カビが発生しにくい環境を維持できます。
西向きのマンションの価格相場
中古マンションの売却では、リビングの窓の向きによって価格相場が異なります。これは、日当たりや暖かさなどの特徴が影響するためです。
1番人気は南向きのマンションです。マンションの人気を支える大きな要因の1つが日当たりの良さで、日当たりの良い南向きマンションは高く取引される傾向にあります。
南向きマンションの価格を100%(基準価格)とした場合の、方角ごとのマンションの価格相場は以下のとおりです。
- 南向きのマンション:100%(基準価格)
- 東向きのマンション:93~97%
- 西向きのマンション:91~95%
- 北向きのマンション:80~90%
この表が示す通り、日当たりの良さやその印象から、南向き>東向き>西向き>北向きの順に需要が高くなり、それに伴って価格も高くなります。
西向きのマンションは、東向きほどではありませんが、北向きよりは高値で売却できることがわかります。
高値で売却するには、以下のメリットをアピールすることが重要です。
- 美しい夕焼けが楽しめる
- 午後からの日当たりが良い
- 冬場でも暖かい
- 洗濯物が乾きやすい
- カビが発生しづらい
これらの特徴をしっかりと伝えることで、西向きマンションの価値を高められます。
「西向き」のマンションを高く売るためにできること
西向きのマンションのメリットを感じてもらうには、売却する時期や季節、時間帯などがポイントです。ここでは、西向きのマンションを高く売るためにできることを紹介します。
- 暖かさがアピールできる秋~冬に販売を
- 夕焼けなど景色がよい時間帯に内覧を組む
- レイアウトは西日を生かす
- アピール力のある不動産会社に依頼する
暖かさがアピールできる秋~冬に販売を
西向きのマンションでは、冬場などの寒い時期でも暖かく過ごせることがメリットです。そのため、販売を考える際には、売り出し時期を秋~冬の期間に設定するのがおすすめです。
特に、冬でも日当たりがよいため暖房をつけなくても十分に暖かく、暖房費の節約につながることがアピールポイントになります。
反対に、夏の暑い時期に販売してしまうと、内覧時にとても暑いと感じられてしまい、マイナスなイメージを持たれてしまうおそれがあります。
そのため、事前の対策として、遮光カーテンやブラインドなどの日差し対策グッズを設置し「西向きのマンションは暑いな」と感じさせない工夫をしておくことも重要です。
また、日中の内覧時には、あらかじめエアコンを運転しておき、快適な室温にしておくことも忘れないようにしましょう。
夕焼けなど景色がよい時間帯に内覧を組む
西向きのマンションでは、日差しが差し込むのは午後の時間帯がメインです。
そのため、部屋の明るさや冬でも十分に暖かいことをアピールしたいときは、内覧の時間帯を午後~夕方に設定することがおすすめです。
特に、寒い部屋に住んだ経験のある方にとって、日当たりの良いマンションは魅力的に映るため効果的です。
また、内覧する時間帯を日暮れ前に設定することで、夕焼けや夕日に染まる街並み、日没の風情など、部屋から見える景色の良さを最大限にアピールできます。
これらのアピールポイントは、物件資料ではわかりづらい点ですので、事前に計画することで売却結果に影響する可能性が高くなります。
レイアウトは西日を生かす
西向きのマンションが敬遠される最大の理由は、強過ぎる日差しです。
西向きのマンションは、時間帯によって夏の日差しが強過ぎるため、暑苦しくて過ごしづらいといった印象を持たれてしまいます。
そのため、日差しの時間帯に内覧をおこなう際には、事前の遮光や日焼け対策が必須です。
具体的には、遮光カーテンやブラインド、ガラスフィルムやグリーンカーテン、すだれやよしずなどの設置がおすすめです。
また、内覧前の物件資料を提供する際には、事前にどのような遮光や日焼け対策が施されているのかを伝えておくほうが、正直で好印象につながりやすくなります。
アピール力のある不動産会社に依頼する
西向きのマンションを高く売るには、仲介を依頼する不動産会社選びが大切です。
不動産会社のなかには、中古戸建てや中古マンションの仲介を得意とする会社もあれば、土地の仲介を得意とする会社もあります。
また、地域についても、都心を得意とする会社もあれば、地方の地域を得意とする会社も存在します。
そのため、西向きのマンションを高く売りたいなら、中古マンションの仲介を得意とする会社であり、西向きのマンションに対して理解のある会社を選ぶことが重要です。
また、会社の特徴だけで選ぶのではなく、担当者についても十分な吟味が必要です。
たとえ組織として良い会社であっても、担当者と反りが合わなかったり、担当者にこちらのニーズを理解する姿勢がなかったりすると、適切な売却時期を逃し兼ねません。
以上のことから、西向きマンションの仲介を依頼する際には、アピール力のある不動産会社かつ印象の良い担当者を選定することが必須でしょう。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
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