タワーマンションの節税効果と注意点|2024年改正後の対策も解説
タワーマンションを購入し相続することで相続税を節税する、いわゆる「タワマン節税」が富裕層の間で注目を集めていました。
しかし、2024年の税制改正により、これらの優遇措置が縮小される可能性があります。タワーマンションへの投資を検討する際は、節税効果だけでなく、立地や価格、ランニングコストなども総合的に判断することが重要です。また、税制改正の動向を注視し、適切な対策を講じることも必要でしょう。本記事では、タワーマンション購入による節税効果と、2024年改正後の注意点について詳しく解説します。
もくじ
タワーマンション節税の仕組み
タワーマンション節税の仕組みは、固定資産税と相続税の評価額の低さに起因します。
相続税の評価額は路線価に基づきますが、タワーマンションは立地が市街地であることが多く、路線価が高い傾向にあります。しかし、タワーマンションは容積率の高い構造のため、各戸の路線価あたりの面積が小さくなります。一方で、相続税の評価額を抑えられます。
つまり、タワーマンションは、その高さや構造、立地の特性を活かすことで、固定資産税と相続税の節税効果が得られるのです。
相続税の節税効果
タワーマンションは相続税対策として有効です。相続税は不動産の評価額に基づいて計算されますが、タワーマンションの評価額は一般的に低く抑えられます。
その理由は、タワーマンションが区分所有であり、各住戸の専有面積が狭いためです。相続税評価額は路線価と家屋の固定資産税評価額をベースに算出されますが、タワーマンションは土地持分が小さく、建物の固定資産税評価額も低めに出ます。
たとえば、実勢価格1億円のタワーマンションの相続税評価額は6,000万円程度となるケースがあります。1億円を現金で相続すると1億円に対して相続税がかかります。しかし、タワーマンションの場合、6,000万円に対して相続税がかかるのです。
このように、タワーマンションを所有することで、相続税を大幅に節税できるのです。ただし、税制改正によって条件が変わる可能性もあるため、最新情報をチェックしておくことが大切です。
2024年税制改正によるタワーマンション節税への影響
2024年の税制改正により、タワーマンションの節税効果に大きな変化が見込まれています。改正の背景には、これまでのタワーマンション評価額の算出方法が実勢価格と乖離していたことがあります。国土交通省が全国のタワーマンションを調査した結果、固定資産税評価額が市場価格の約6割程度に留まっていることが判明しました。
そこで、2024年からは新たな評価方法が導入されます。具体的には、タワーマンションの高層階に応じて、固定資産税評価額に一定の割増率を乗じる方式です。これにより、高層階ほど割増率が高くなり、税負担が増加することになります。たとえば、20階以上の物件では最大で2割増しの評価額となる見通しです。
この改正を受けて、タワーマンションの節税効果は縮小します。特に高層階の物件では、固定資産税や都市計画税の増税が避けられません。ただし、一定の対策を講じることで、税負担を軽減できる可能性があります。
まず、タワーマンションの購入時期を見直すことです。2024年3月末までに取得すれば、新たな評価方式の適用を1年先送りできます。また、低層階の物件を選ぶことも有効です。割増率が低いため、節税効果を維持しやすくなります。
いずれにせよ、2024年の税制改正によって、タワーマンションの節税効果は変化します。物件選びや資金計画には、一層の注意が必要です。改正内容を正しく理解し、適切な対策を講じることが重要といえるでしょう。
改正内容とその背景
2024年税制改正では、タワーマンションに関する固定資産税の計算方法が見直されます。これまでは、建物の高さに応じた軽減措置がありましたが、改正後は一律の計算方法に統一されます。背景には、タワーマンションの増加により、税収の公平性を確保する必要性が高まったことがあります。また、高層階ほど資産価値が高いにも関わらず、軽減措置により税負担が少なくなっていた点も改正の理由の一つです。今回の改正により、タワーマンションの節税効果は縮小することが予想されます。
改正後のタワーマンション評価額の算出方法
2024年の税制改正後のタワーマンションの評価額の算出方法は以下の通りです。
固定資産税評価額は、市町村が算出した建物の価値に基づきます。一方、相続税評価額は路線価方式や固定資産税評価額を基に国税局が算出します。住宅用途割合は、建物の住宅部分の割合を指します。階層別専有面積割合は、タワーマンションの階層による需要の違いを反映するための係数です。
このように、改正後は住宅部分と非住宅部分で評価方法が分かれ、より実態に即した形で評価額が算出されることになります。節税対策を行う上では、この計算式をしっかりと理解しておく必要があるでしょう。
改正を踏まえたタワーマンション節税対策
2024年税制改正後のタワーマンション節税対策としては、住宅ローン控除の適用や、小規模宅地等の特例の活用が引き続き有効です。
ただし、住宅ローン控除の借入限度額が引き下げられるため、適用期間内に効果的に節税を行うことが重要になります。また、小規模宅地等の特例については、相続税評価額の減額割合が見直される可能性があるため、最新の情報を確認しておく必要があります。
さらに、賃貸部分がある場合は、不動産所得の損益通算を活用し、他の所得と相殺することで節税効果を高めることも検討すべきでしょう。タワーマンションの節税対策は、改正内容を踏まえて柔軟に見直していくことが大切です。
タワーマンション購入を検討する際の留意点
タワーマンション購入を検討する際は、節税メリットだけでなく、立地や設備面での確認が重要です。都心の利便性の高さや眺望の良さなどの立地特性を吟味しましょう。高層階ならではの設備や共用部の充実度もチェックポイントです。
一方で、高層ゆえの風揺れや電波障害、高額な管理費や修繕積立金などのデメリットも考慮する必要があります。将来的な資産価値の維持・向上を見据え、ブランド力や周辺開発の状況なども調べておきましょう。
また、タワーマンションは法律や税制の影響を受けやすい面もあります。2024年の税制改正後の節税効果や、専有部分と共用部分の資産評価の違いなど、専門的な知識が求められる部分も多いため、不動産の専門家に相談しながら購入を検討することが賢明です。
物件選びで迷ったら、専門家のアドバイスを受けつつ、立地や設備、資産価値などを総合的に判断することが、失敗しない選択につながるでしょう。
立地や設備、管理状況をチェック
タワーマンションの購入を検討する際には、節税効果だけでなく、以下の点についてもチェックすることが重要です。
項目 | チェック内容 |
---|---|
立地 |
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設備面 |
|
管理状況 |
|
マンション購入の際には節税効果を重視するあまり、物件の基本的な条件を見落とさないようにすることが大切です。
将来の売却価値を見据えた物件選び
タワーマンションを購入する際は、将来の売却価値を見据えた物件選びが重要です。売却価値に大きく影響するのは、立地条件とブランド力です。都心部や交通アクセスの良い場所にあるタワーマンションは、利便性が高く人気があるため、売却時に高値がつきやすい傾向にあります。また、有名デベロッパーが手掛けた物件や、高級感のある外観デザインを持つタワーマンションは、ブランド力が高く、資産価値が下がりにくい傾向があります。
将来の売却を見据えて物件を選ぶ際は、周辺環境の発展性にも注目しましょう。再開発計画があるエリアや、商業施設・教育施設の整備が進んでいる地域は、将来的に不動産価値が上昇する可能性が高いです。
また、物件の管理状態や修繕履歴も確認が必要です。適切なメンテナンスが行われている物件は、売却時の評価が高くなります。これらの点を総合的に判断し、長期的な視点で売却価値の高い物件を選ぶことが賢明です。
専門家に相談し、総合的に判断する
タワーマンション購入による節税効果は、法改正によって以前よりは下がったものの、まだ活用の余地は残されています。将来、相続した際に売却し、できるだけ多くの資金を手元に残すためには、高値で売却することが大切です。
そこで、売却時に複数の不動産会社の査定を比較検討し、最も良い条件を提示してくれる会社を選ぶことが重要になります。しかし、各社に個別に査定依頼するのは手間がかかります。
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査定結果を見比べ、最も良い条件を提示した不動産会社を選ぶことで、高値売却の可能性が高まります。
タワマン節税を検討する際は、売却時のことも見据えて、リビンマッチのような一括査定サイトの活用を考えてみてはいかがでしょうか。
2022年からリビンマッチのコラム記事の執筆・編集を担当しています。不動産の財産分与に関する記事執筆が得意です。住宅設備機器の専門商社に6年間従事した知識と経験を活かして、不動産に関する知りたかったこと、知っておいた方がいいことをわかりやすく伝えられるように心がけています。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
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