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兄弟での土地相続はもめやすい?賢い進め方や円満に分ける方法を解説

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兄弟での土地相続はもめやすい?賢い進め方や円満に分ける方法を解説

土地の相続は、家族の絆を試す大きな出来事です。特に兄弟間での相続となると、感情的な対立や複雑な利害関係が絡み合い、思わぬ軋轢を生むことがあります。「兄弟仲良く」という理想と「公平な分配」という現実の狭間で、多くの家族が悩みを抱えているのです。

しかし、適切な進め方と心構えがあれば、兄弟での土地相続を円満に進められます。本記事では、相続をめぐる兄弟間の問題点を探るとともに、争いを未然に防ぎ、家族の絆を守りながら相続を進める具体的な方法を紹介します。

兄弟での土地相続に不安を感じている方、これから相続に直面する可能性のある方、ぜひ参考にしてください。

土地相続が原因で兄弟がもめるケースとは?

土地は分割が難しいため、複数人で相続をするとトラブルが起きやすくなります。とくに感情的な衝突はよく起こるケースです。ここではトラブルになるケースについて紹介します。

把握していなかった兄弟がいた

把握していない相続人が現れるケースは、まれではありません。

問題は、被相続人のすべての子どもが対等の相続人である点です。前配偶者との子どもや認知した非嫡出子にも、平等に相続の権利があります。

対策として、故人の戸籍謄本で相続人を調査することをおすすめします。未知の兄弟がいたときは、その兄弟が亡くなっていても、子どもが直系卑属であるため相続の対象者になる点に気をつけましょう。

婚外子の相続について、詳しくは以下の記事を参照してください。

遺言状の隠匿や有効性を疑う人がいた

相続問題に大きな影響があるのが、遺言状の有無です。

遺言状がない場合や遺言状に疑念がある場合、遺産分割協議が行われ、内容の決定には相続人全員の賛成が必要です。また遺言状があっても、隠匿やその有効性に疑義を唱える相続人がいれば、トラブルの火種になります。

また、遺言状を勝手に開封した場合は、検認が必要となり開封した人に5万円以下の過料が科されます。検認とは遺言状の内容を明確にし、相続人に遺言状の存在と内容を知らせる手続きのことです。

偽造や変造の防止が目的であり、遺言が有効であることを判断するための手続きではない点にご注意ください。

現金でないから、どう分けるか決断しにくい

土地は、現金と異なり分割が難しい財産です。

現金などの土地以外の財産と土地の価格(価値)が同じケースはまれなため、これらを分ける際は不公平感が生まれやすい傾向にあります。

遺言状で指定されていても、土地の価値は遺言状を作成した日から大きく減ってしまっている場合があります。たとえば「土地を長男に、ほかの財産を次男に」という内容の遺言は、遺言が執行されたタイミングで財産に偏りがあればトラブルを生みやすいのです。

被相続人と同居や介護をしていた(寄与や特別受益を主張する兄弟)

被相続人との関係性の違いが、相続に影響を与えるケースがあります。相続人が亡くなるまで献身的に介護を行った兄弟と、遠方であることを理由にほとんど関与できなかった兄弟の相続が同じであれば、介護を行った兄弟が不満を持つおそれがあるでしょう。

財産維持や増加に貢献した相続人には、通常の相続分以上に遺産が相続されることがあります。この貢献を「寄与」といい、寄与が認められてより多くの資産を相続できる制度が「寄与分」です。

寄与分は遺産総額の範囲であれば上限がないため、どこまでを寄与とするか、どれだけの寄与分を認めるかでトラブルになりやすいのです。

また、被相続人の生前に特定の兄弟に生前贈与していれば、生前贈与分は「特別受益」とみなされることがあります。こうした場合、特別受益を遺産分に加えて法定相続分を再計算し、遺産の配分を行うのが一般的です。

土地による相続はこうした細かな調整が難しいため、トラブルになりやすいのです。

兄弟でどう土地を相続するか、決断を先延ばしにすべきでない理由

兄弟間の土地の相続問題は、できるだけ早期に解決を図ることがおすすめです。遺産分割協議が必要になる場合も、可能な限り早期に取りかかりましょう。

ここでは、兄弟の土地相続を早期に解決したほうがよい理由を解説します。

相続手続きには期限がある

故人の負債を清算して残った財産を相続する「限定承認」は、自分が相続人であると知った翌日から3カ月以内に家庭裁判所で手続きを始めるよう定められています。

また、相続人の亡くなった年度の所得について納税を行う「準確定申告」は、相続人が自分が相続人だと知った翌日から4カ月以内に申告と納税を行います。

相続税の申告と納付の期限は、自分が相続人だと知った翌日から10カ月以内です。期限に遅れると申告の遅れに対する無申告加算税と納付遅れに対する延滞税が科されます。 

相続登記も義務化!土地取得を知った日から3年以内に登記が義務

不動産の相続を行う際は、不動産の名義を相続人の名義へ変更する相続登記が必要です。しかし、これまで罰則がなかったため、相続登記が行われないケースが多々ありました。

2024年4月1日より相続登記は義務化され、罰則が設けられています。登記の期限は、相続人として土地の取得を知った日から3年以内です。

期限内に相続登記ができなかった場合、自己申告がなければ10万円以下の過料対象となります。

知らないうちに共有者(相続人)が増えて、処分が困難に

相続人が複数いる場合、土地の売却にはすべての相続人から承諾が必要です。遺産分割について結論が出ないまま放置していると、子から孫、次の世代へと相続が継承されて相続人が増える事態が発生します。

共有者が増えると遺産分割協議はますます複雑になり、全員の同意を得るのが困難になって土地を活用できなくなるおそれがあります。

大きなトラブルになる前に!賢い土地相続の進め方

相続には個人の感情が絡み、土地の分割には現金と異なり分けるのが難しいという欠点があります。欠点をカバーするために確認と準備を行い、未然にトラブルを抑制しましょう。

ここでは、土地相続の流れについて解説します。

相続時に起きるトラブルについて、詳しくは以下の記事を参照してください。


まずは戸籍謄本で相続人を再確認

まずは、相続人がだれなのかを再確認します。

被相続人の戸籍謄本に加え、相続人全員分の戸籍謄本を取り寄せて相続の権限を持つ人を調査します。相続人に亡くなっている人がいる場合は、その子どもや配偶者などの代襲相続人についても戸籍謄本が必要です。

あとから相続人が現れると遺産分割は無効になり、協議がやり直しになったり訴訟に発展したりするおそれがあります。

戸籍謄本は本籍地のある市区町村役場の窓口に申し込むか、地方公共団体(自治体)のWebサイトから申請して郵送で受け取るなどの方法で取得可能です。

相続人間で冷静に話し合う

相続人が確定したら、相続人全員で話し合います。

関連する法や規則、相続や不動産に関する正しい知識はできるだけ共有しましょう。多くの場合、感情的な衝突やトラブルは、知識の不足や思い込みから起こります。

互いに知識を共有することで、客観的に話し合うよう努めましょう。

また、相続権がない人が目先の利益を優先した主張をすると、大きなトラブルになるケースがあります。話し合いは相続人のみにし、それぞれの配偶者は参加させないことがおすすめです。

遺産分割協議を行う

遺言状がない」「疑義が生じている」「寄与分や特別受益の主張がなされている」などの場合は、通常の話し合いではまとまらないおそれがあります。まとまらないときは、相続人全員で遺産の分割方法について話し合いをする「遺産分割協議」を行います。

遺産分割協議で合意した内容は、遺産分割協議書にまとめます。遺産分割協議書は土地相続の名義変更や資産の移動に使う正式な書面となるため、行政書士や司法書士に作成を依頼するのが一般的です。

兄弟で円満に土地を分けるなら?選択肢4選

土地相続には、代償分割・換価分割・現物分割・共有分割の4種類があります。それぞれに利点や注意点が存在するため、それぞれの内容を把握し、状況に合わせた選択を模索しましょう。

不動産の分割方法について、詳しくは以下の記事を参照してください。

代償分割

代償分割は相続人の1人が不動産を取得し、ほかの相続人に相応分の代償金を支払う分割方法です。土地の売却や分筆(複数の土地として登記する手続き)の必要がないため、建物を壊したり売却したりせずに済む点がメリットです。

デメリットは、相続人が支払う金額を現金で用意することが難かしい点です。相続した不動産や遺産の財産評価が行われていないこともあります。

以下の条件がそろうなら、代償分割が有効です。

  • 相続する土地・建物に以前から住んでいる相続人がいる
  • 建物が活用できる
  • 代償の支払いに十分な財力がある相続人がいる

また、土地以外に貯蓄や有価証券などの遺産がある場合も比較的、代償分割がしやすくなります。

換価分割

換価分割は、不動産売却を行い現金化してから分割する方法です。現実的な解決策ですが、土地・建物は残せません。

相続人のだれかが対象の不動産に住んでいる場合は、引越し費用をだれがどのような割合で負担するかで問題が生じやすいことに注意が必要です。

また、不動産の売却には多くの手間がかかります。売却を行う窓口役の相続人に、負担が集中することを考慮しましょう。

換価分割が有効なのは、相続人がみな遠方に住んでおり、相続対象の不動産が無人になるケースです。分割がもっとも明快に行える選択肢のため、やや無理をしても換価分割が選ばれることもあります。

現物分割

現物分割は、土地をそのまま分割して相続する方法です。

相続人がそれぞれ分割した土地を所有するため、相続後に売却する場合も活用する場合もほかの相続人の同意を得る必要がなくなります。

代償分割に比べると現金支出が少ない点と、分筆によって土地の評価額が下がるものの、同時に相続税も軽減される点がメリットです。

登記を変更して複数の土地として登記する手続きが分筆です。分筆の際には、土地を測量し境界線を定める費用や分筆登記の費用が発生する点に注意しましょう。

現物分割は広い土地を相続する場合や、相続税が高額になることが予想される場合に適しています

共有分割

共有分割とは、ひとつの土地を複数の相続人が共有で相続する方法です。相続人が兄弟3人であった場合、共同名義として持分をそれぞれ3分の1とします。

共有分割は、共有者全員の承認がないと土地を売却できません。また、建物についてもだれが住むのか、共有で住むのかなどの現実的な課題があります。

共有分割があまりすすめられない理由は、世代が進み共有者が増えていくこと、税金や維持費用、水道光熱費なども按分しなければならないことなどです。

基本的に共有分割は、遺産分割協議がまとまらないときに、各種期限に間に合わせるために暫定的に行われるケースがほとんどです。

もともと相続人が共同で生活していて建物もそのまま生活の場として活用できる場合や、将来的に代償分割や換価分割を見据えていて時間が必要な場合に共有分割が選ばれます

土地を売って現金化なら、もめにくい?売却時の注意点・換価分割がもっとも多い選択肢

換価分割は、もっとも現実的な選択肢とされています。しかし、不動産の売却は決して簡単ではありません。

ここでは換価分割に伴う不動産売却について、注意点を解説します。

だれが中心となって売却するか、代表者を決めておく

不動産の売却にあたって、中心となる代表者を決めておきます。

不動産の売却時は、税の申告や不動産会社との交渉など重い負担が伴います。複数の相続人が関与するのは非効率なだけでなく、意思決定の遅れや兄弟間の対立を引き起こすきっかけになりかねません。

代表者は土地の売却経験がある人や不動産に詳しい人、被相続人の近くに住んでいる人を選ぶことがおすすめです。適任者がいない場合は年長者や社会的地位がある人にするなど、相続人が納得できる人選を行いましょう。

代表者は不動産会社や税理士との交渉窓口になり、土地の現地調査や査定の立ち会い、売買契約書の内容確認や相続人への説明、税務申告書の作成などの手続きを行います。

売却完了までの負担が大きいため、負担分を分割協議の内容に加味しておくと不公平感が生じません。

重要な決定は兄弟にも同意を得てから進める

代表者を決めた場合でも重要事項の決定は、ほかの相続人から同意を得て進めましょう。

同意を得ずに進めると、予想より売却価格が安かった場合に代表者の責任が追及され、遺産分割協議に影響を及ぼすおそれがあります。

トラブルを避けるには、不動産会社の選定や値下げへの対応、成約価格の決定などの重要な事項について、できるだけ事前に話し合う必要があります。

税額を計算しておく

税額をあらかじめ計算しておくことも、トラブルを回避するポイントです。

相続した土地の売却には、所得税や住民税がかかります。売却して得た利益にかかる税額を事前に計算しておきましょう。

売却に伴う登記や測量、仲介手数料などの経費にも税金がかかるため、書類を保管し金額を明確にしておく必要があります。

相続では、税額の計算が複雑化するおそれがあります。できるだけ正確な金額を算出するには、専門家に相談することがおすすめです。

不動産会社の選定は相見積もりで決める

不動産の売却では、仲介するプロの存在が円滑な進行のカギです。相続を前提とした土地の売却であることを事前に相談しておくと、不動産会社が持つ事例をもとにアドバイスが受けられます

不動産会社は、査定を依頼する段階から慎重に選ぶことをおすすめします。必ず複数社に相見積もりをとり、比較検討したうえで選定しましょう。

この記事の編集者

リビンマッチ編集部 リビンマッチ編集部

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