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空き家の売却するときの注意点とは|トラブルなく売る方法を解説

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空き家の売却するときの注意点とは|トラブルなく売る方法を解説

多くの場合、空き家は古く、傷んでいることが多いため、そのまま売却するとさまざまなトラブルを起こすおそれがあります。取引を無事に終わらせるには、多くのことに注意が必要です。

トラブルを起こすことなく空き家を売却するために、注意しておきたいことを解説します。

空き家の売却で起こるトラブルに注意!

空き家を所有しているけれど、有効活用できない、管理しきれないなどの理由から売却を検討している人は少なくないでしょう。しかし、空き家の売却はトラブルになるケースも多いため、売却前の対策や注意点の把握が重要です。

まずは空き家の売却で起こりやすいトラブルを見てみましょう。

雨漏り、シロアリなど契約不適合責任に問われることがある

築年数が経過し、建物が古くなっている空き家は、雨漏りやシロアリ被害といった不具合を抱えていることがあります。これらの欠陥は素人では発見しにくく、売却後に欠陥が見つかるケースも少なくありません。売却後に欠陥が発覚すれば、買主から契約不適合責任を問われるおそれがあるため注意が必要です。

契約不適合責任とは、不動産売買で「隠れた瑕疵」があったとき、売主が買主に対して負う責任のことです。欠陥があることを故意に伝えなかった場合や、欠陥があることを知らずに売却した場合は売主の責任となり、買主は次の4つの権利を主張できます。

  • 追完請求権
  • 代金減額請求権
  • 契約解除権
  • 損害賠償請求権

空き家売却では、雨漏れやシロアリ被害のトラブルはつきものです。トラブルを防ぐためには、売却を行う前にインスペクション(住宅診断)を依頼し、住宅の劣化具合や欠陥の状況を確かめておくとよいでしょう。

万が一、インスペクションで欠陥が見つかった場合は、必ず売買契約書への記載が必要です。また、契約不適合責任の時効は10年と長く、売主にとってかなり厳しい条件となっています。したがって、売買契約書ならびに重要事項説明書には必ず契約不適合責任の免責特約を設けましょう。

免責特約で設ける期限に明確な取り決めはありませんが、3カ月~1年以内に設定するのが一般的です。

相続登記をしていないと売り出せない

不動産売買では、登記簿に登録されている名義人が売買契約を行わなくてはなりません。そのため、所有者の変更手続きを行っていない場合は、前所有者(親や祖父母など)から現所有者(自分)への名義変更が必要です。

自分が所有者だと思い込み、売買契約を行おうとしたら名義変更されていなかった、というのはよくあるトラブルです。

不動産の所有者は、権利証や登記識別情報などで確認できます。万が一、相続登記が完了していない場合は、司法書士や不動産会社へ相談して変更手続きを行いましょう。

抵当権抹消手続きを行わない限り売却できない

抵当権とは住宅ローンを借りる際に、家を担保に設定するものです。抵当権は、自動的に抹消されるものではなく、抹消手続きを行わない限り消去されません。売却予定の空き家に抵当権が設定されている場合は、司法書士に依頼して速やかに抵当権抹消手続きを行う必要があります。

個人間売買は手間が多くてリスクが高い

不動産売買は、必ずしも不動産会社を通す必要はなく、自分で買主を見つける個人間売買を行うことも可能です。

不動産の個人間売買は、仲介手数料がかからず売却金額を自由に決められるなど金銭的なメリットがあります。一方で、トラブルに発展するケースも少なくありません。たとえば、土地の大きさが実際と違う、境界線が曖昧、代金を支払ってもらえないなどのリスクがあります。

また、契約書の作成、必要書類の準備、登記手続きなど、契約に関わるすべての手続きを自分たちで行う必要があるため手間と時間、労力がかかります。慣れていない人には、大きな負担となるでしょう。

さらに、契約書の内容は専門的な知識が必要であるため、後々大きなトラブルに発展するおそれもあります。これらの手間や時間、リスクを考慮すると不動産業者に仲介を依頼するほうが得策でしょう。

隣家との境界が未確定だと売却後に揉める原因に

隣家との境界線が曖昧だと、売却後にトラブルになるおそれがあります。境界線の確定方法は、土地家屋調査士へ依頼する方法が一般的で、費用は40~50万円ほどかかります。

費用が高額なため、「コスト削減のために自分でやりたい」と考える人もいるでしょう。境界線の確定は自分で行うことも可能ですが、専門的な知識と技術が必要です。また、何十年も境界線を曖昧にして生活している場合、境界線の確定に対して難色を示す近隣住民もいます。

万が一、近隣住民と揉めごとになれば、売却への影響が出るかもしれません。これらを踏まえると、個人で境界線の確定を行うのはなかなかハードルが高いというのが現実です。費用負担は避けられませんが、トラブルを防ぐには土地家屋調査士へ依頼するほうが安心です。

知らないと損する、空き家売却の注意点

空き家売却では、よかれと思ったことが思わぬ出費につながることがあります。余計な出費を増やさないためにも、これから紹介する注意点をしっかり理解しておきましょう。

更地にすると固定資産税が上がる

空き家を解体して「土地で売却しよう」と考える人もいますが、自己判断で解体を行うのは避けましょう。土地の所有者には固定資産税の支払いが義務づけられていますが、住宅用地には次のような軽減措置が設けられています。

住宅用地の特例
種類 土地の課税標準額の減額
小規模住宅用地(200㎡までの部分) 評価額×1/6
一般住宅用地(200㎡以上の部分) 評価額×1/3

この軽減措置は、土地に建物が建っていることが条件で適用されます。解体して更地にしてしまうと、翌年の固定資産税が3~6倍ほど高くなるかもしれないのです。そのため、自己判断で解体は行わずに、まずは不動産会社に相談しましょう。

リフォームしても売れないことがある

築年数が経過した空き家の場合、「リフォームしたら高く売れるかもしれない」と考える人も多いでしょう。また、悪徳なリフォーム会社から「リフォームしたら高く売れる」などといわれて、リフォームしてしまったという事例もあります。

しかし、空き家の購入希望者のなかには、自分好みにリフォームしたり、DIYをしたりする人も多いのです。そのため、リフォームをしたからと言って売却価格が大幅に上昇するとは限りません。せっかくお金をかけても無駄になることもあるので、空き家のリフォームは自己判断せず、不動産会社の担当者に相談してから行いましょう。

売却相場と必要経費を把握しておく

空き家を売却する際には、周辺地域の売却相場をリサーチしておくことが大切です。ポイントは、周辺地域で取引された類似物件の取引価格を把握しておくことです。周辺相場を把握しておけば、売り出し価格の設定や購入希望者と価格交渉をするときに役立ちます。

また、不動産売却では仲介手数料、登記費用、印紙税などの諸費用が必要です。不動産売却にかかる必要経費を把握しておくことで、おおよその売却益や売り出し方法も検討しやすくなるでしょう。

400万円以下の空き家は報酬が高くなる

不動産取引は、物件価格が高い=難しい、安い=簡単というわけではありません。かえって400万円以下の空き家売却のほうが難しいケースもあります。また、仲介手数料は物件価格によって決まるため、安い物件のほうが報酬は低くなります。

仲介手数料の計算式
取引額 仲介手数料の上限
200万円以下 物件価格(税抜)×5%+消費税
200万円超~400万円以下 物件価格(税抜)×4%+2万円+消費税
400万円超 物件価格(税抜)×3%+6万円+消費税

上記の表を参考に、100万円の空き家で考えてみましょう。

「100万円×5%」+税=55,000円(税込)

100万円の物件では、不動産業者の報酬は55,000円ということになります。では次に1,000万円の中古物件の仲介手数料を計算します。

「1,000万円×3%+6万円」+税=396,000円(税込)

1,000万円の物件の報酬は、396,000円です。100万円と1,000万円の物件を比較すると、約34万円の差があることがわかります。空き家売却では、相続した物件が遠方にあるケースも少なくありません。物件調査費用や人件費、労力を考えると採算が合わず、不動産会社は赤字になってしまうケースもあるのです。

そこで平成30年1月1日「低廉な空き家等の売却における媒介報酬額(仲介手数料)の特例」が設けられました。この特例によって、400万円以下の空き家などを売却する場合、売主へ請求できる報酬の上限が「18万円+消費税(198,000円)」になります。空き家対策としては有効な手段かもしれませんが、売主にとってはコストが増えることになります。不動産会社から請求されたときに、トラブルにならないよう覚えておきましょう。

売れる空き家と売れない空き家の違い

同じ空き家でも、すぐに売れる空き家となかなか売れない空き家があります。これらの違いはどこにあるのでしょうか。それぞれの特徴について見ていきましょう。

売れる可能性の高い空き家

売れる可能性が高い空き家には、次のような特徴があります。

  • 換気や掃除など手入れがしてある
  • 住環境がよい
  • 価格が適正である

築年数が経過した空き家でも、換気をしたり、掃除をしたり、定期的に手入れをすることで売れる可能性が高まります。また、近くにスーパーや病院、駅やバス停まで近いなど、住環境が整っている空き家は売れやすいでしょう。周辺相場に見合った適正価格も、売れやすくするポイントです。

売れにくい空き家

では次に、売れにくい空き家の特徴を見ていきましょう。

  • 立地が悪く生活が不便
  • 建物の状態が悪くそのままでは住めない
  • 売り出し価格が適正でない

立地が悪く、生活環境が整っていない物件は売れにくい傾向にあります。たとえば、バスが1日に数本しか来ない、スーパー、コンビニがない、車がないと生活できないなどの物件です。また、建物の老朽化が進み、雨漏り、床の腐敗、庭が荒れている物件も売れにくいでしょう。

物件に問題がある場合は、売り出し価格を相場より下げるなど、物件の適正価格を見極めて売り出すことが重要です。

空き家を売却する流れ

空き家を売却する際の流れは、以下のとおりです。

  1. 価格査定
  2. 媒介契約書の締結
  3. 売却活動の開始
  4. 売買契約締結
  5. 引き渡し

まずは、不動産会社に査定依頼をします。査定には、机上査定(簡易査定)と訪問査定の2種類ありますが、机上査定で複数の不動産会社に依頼し比較してみましょう。不動産売却において不動産会社選びは非常に重要です。査定価格の高さだけでなく、レスポンスのよさや担当者の対応、売却実績などを考慮して依頼先を選びましょう。

依頼する不動産会社が決まったら訪問査定を行い、実際に空き家の状態や周辺状況を見て改めて査定を行います。不動産会社が掲示した査定価格に納得できたら、不動産会社と媒介契約を結びます。

媒介契約は「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類あり、売主がどの媒介契約を結ぶか選択できます。それぞれの特徴は次のとおりです。

媒介契約の種類
  一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約
自己発見取引 できる できる できない
依頼できる会社の数 複数可 1社のみ 1社のみ
売主への報告義務 なし 2週間に1回 1週間に1回
指定流通機構への登録義務 義務なし あり あり

媒介契約を締結したら、売却活動の開始です。不動産会社は指定流通機構への登録や不動産サイト、チラシなどで宣伝活動を行います。購入希望者があらわれたら条件交渉を行いますが、多くの場合、価格交渉(値下げ)が行われます。

早期で売却するには柔軟に対応することも大切ですが、できるだけ双方が納得できる金額での売却を目指しましょう。契約内容に売主と買主が合意したら売買契約を締結します。無事に契約が終われば、建物(鍵)の引き渡しを行い完了です。

空き家を売却するためのアドバイス

ここからは空き家を売却するためアドバイスを紹介します。これから空き家売却を検討している人や、思うように空き家が売れずに悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。

定期的に換気や清掃を行う

空き家を売却するには、購入希望者によい印象を与えることが大切です。たとえば「窓が締め切られていて、ニオイがこもった古い家」と「換気と掃除がされていて古くても手入れが行き届いた家」ではどちらが好印象でしょうか。

多くの人は、後者によい印象を持つでしょう。建物の状態によっては、ところどころリフォームが必要となる場合もありますが、換気と掃除を行うことで購入希望者によい印象を与え、購入につながりやすくなります。

清掃業者に依頼する

空き家が遠方の場合や、忙しくて管理できない場合は、清掃業者に依頼するのもおすすめです。特に水まわりは汚れやすく、掃除するのもなかなか大変です。コストはかかりますが、プロに任せたほうが効率的なケースもあります。

不動産会社に買い取ってもらう

空き家をなるべく早く売却したい人は「不動産買取」も有効な手段です。仲介で売却するよりも売却価格は安くなりますが、売却に時間をかけず、すぐに現金化できます。

また、そのままの状態で買い取ってもらえるため、掃除や修繕の手間がかかりません。遠方で空き家の管理に悩んでいる人や、思うように売れずに悩んでいる人は、買取を検討してみるとよいでしょう。

複数の不動産会社に査定を依頼する

空き家を売却するときは、複数の不動産会社に査定を依頼しましょう。査定価格の基準は、不動産会社によって大きく異なります。

また、複数社に査定依頼をすることで物件の相場がわかります。極端に高い金額を掲示してきたり、反対に安すぎたりする不動産会社には注意が必要です。なるべく希望に近い価格で売却できるよう、不動産会社選びは慎重に行いましょう。

複数の不動産会社に査定を依頼するときは、一括査定サイトのリビンマッチが便利です。物件の情報を一度入力すれば複数の不動産会社を紹介し、そのなかから査定を依頼する不動産会社を選択できます。

この記事の編集者

リビンマッチ編集部 リビンマッチ編集部

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