不動産経営はもうかる?基本的な知識と収入額、始め方を解説
不動産経営とはマンション・アパート・オフィスビルなどの不動産を所有し、人に貸し出すことで収益を得るビジネスです。「安定した収益を得られる」「景気に左右されにくい」というイメージがある反面、「十分な知識がないと成功は難しい」と感じる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、不動産経営の基本的な知識や収入額、不動産経営の始め方について、分かりやすく解説します。
もくじ
不動産経営とは?
不動産経営とは継続した事業として不動産を運営し、利益を拡大させていくことです。長期的な視点で不動産を管理し、安定した収益を生み出すことを目的としています。
物件の取得に始まり、賃貸や管理、メンテナンスなどを行いながら物件の価値を維持・向上します。
所有する資産をもとに現物資産を得られるため、うまく軌道に乗せられれば景気に左右されることが少なく、税金対策にもなり安定した不労収入が得られるでしょう。
不動産投資によって収益を得るには、賃貸収入(インカムゲイン)と、物件の売却利益(キャピタルゲイン)の方法があります。
ここでは、賃貸収入(インカムゲイン)を中心に紹介します。
不動産経営で取り扱う物件の種類
不動産経営では、多様な種類の物件を取り扱います。
具体的には、主に次の6種類です。
- アパート・マンション
- オフィスビル
- 商業施設
- 倉庫・工場
- 駐車場
- ホテル・旅館
1つ目のアパート・マンションは、さらに1棟マンション・アパート・区分(ワンルームマンション)・一戸建てなどの種類に分けられます。
6種類の不動産すべてにいえることですが、取得する際には需要・立地・設備などを考慮しながら、適切な物件を選定することが重要です。これらの要件を見誤ると、取得した物件から期待していた賃貸収入を得られないおそれがあります。
経営不振のリスクを避けるためにも、選定は慎重に行いましょう。
不動産経営で得られる収入額
不動産経営で得られる収入の目安について、見ていきましょう。
国税庁は毎年、確定申告をもとに納税者の所得金額や税額などを調査し、結果を公表しています。
2024年(令和6年)2月に公表された「令和4年分申告所得税標本調査結果」によると、アパート経営をはじめとする不動産所得者の2022年(令和4年)の平均所得金額は542.5万円でした。さかのぼって見ると、2017年(平成29年)は517万円、2020年(令和2年)は540万円、2021年(令和3年)は542.7万円となっています。
2021年から2022年にかけてわずかに減少しているものの、平均所得額が年々増加していることが分かります。
また、所得階級別の所得金額の構成割合を見ると、不動産所得者の所得金額で最も割合が多いのは「500万円超・1,000万円以下」で、29.7%でした。次いで多いのが「1,000万円超・2,000万円以下」の21.6%です。
なお、令和4年分の申告納税者数653.3万人のうち、不動産所得者数は105.7万人で申告納税者の16.2%を占めています。
こうした資料から、不動産所得者の収入が比較的高い傾向にあることが読み取れます。一方で、これらの数字はあくまでも目安です。実際の収益は、物件の特性や運営方法によって左右されることを覚えておきましょう。
出典:国税庁「令和4年分申告所得税標本調査結果」
不動産経営の黒字化は一般的に15~20年が目安
不動産経営において、家賃収入から諸経費・ローンの支払い・税金を引いて手元に残る金額をキャッシュフローと呼びます。キャッシュフローの累計が初期費用を上回ることが、不動産経営の黒字化です。
不動産経営は物件の取得費用をはじめとする初期費用が高額になるため、経営が黒字化するまでに時間を要します。黒字化するまでの期間は、物件の購入価格・家賃設定・空室率・運営方法によって大きく異なります。一般的には、15年から20年程度が目安です。
総じて、不動産経営による収入額は高い金額が見込まれますが、安定して高収入を得るためには入念なリサーチや綿密な運営が必要です。
不動産経営の始め方
不動産経営を始めるにあたっては、次の6つのステップを踏む必要があります。
- 不動産経営の目的と計画を明確にする
- 資金計画を立てる
- 物件を選定する
- 物件を運営する
- 収支を管理する
- 物件の価値を維持・向上させる
それぞれのステップについて、詳しく解説します。
1. 不動産経営の目的と計画を明確にする
不動産経営を始める前に、「なぜ自分が不動産経営をしたいのか」という目的と計画を明確にすることが必要です。目的が曖昧かつ計画が不明瞭なまま不動産経営を始めると、ちょっとした要因で資金繰りが難しくなるおそれがあります。
まずは「月30万円の不動産収入を得たい」「定年後の生活資金にしたい」などの具体的なビジョンを描きましょう。描いたビジョンを踏まえた上でどのような物件を取得し、どのように運営していくのか、長期的な視点でプランニングすることが重要です。
2. 資金計画を立てる
不動産経営では、物件を取得するときだけでなく、改修や運営など長期にわたって多額の資金が必要です。これらすべてを自己資金でまかなおうとすると、資金が貯まるまでに何年もかかってしまいますが、融資を受けられればすぐに不動産経営が始められます。
不動産投資への融資は、数年前から審査が厳しくなったといわれています。かつては自己資金が不要なフルローンも可能でしたが、最近では2〜3割の頭金を求められるケースが増えているのです。
資金調達法を考える際に、すべてを融資に頼ることはおすすめできません。自己資金や借入金のバランスを考慮したうえで、資金計画を立てることが重要です。
3. 物件を選定する
資金計画を立てたら、次は物件の選定です。
不動産経営の成否は、物件選定にかかっているといっても過言ではありません。立地や設備、価格などのさまざまな角度から検討し、適切な物件を選定しましょう。特にアパート経営においては現地に足を運んで、周辺住民の様子や騒音などの生活環境を調査することが不可欠です。
物件が決まったら、実際に物件を取得します。不動産売買契約を結び、所有権が移転すれば物件の取得が完了です。
4. 物件を運営する
物件を取得した後は、運営を始めましょう。賃貸物件であれば、賃貸契約書に盛り込む家賃・契約期間・禁止事項などの詳細を決定して入居者を募集し、管理業務を行います。物件の維持・管理や、メンテナンスなどの業務も必要です。
物件が自宅から近く、自身で管理できれば問題ありません。
自身での管理が難しい場合は、管理会社に委託することをおすすめします。自身の負担が軽減されるうえ、物件管理のプロにさまざまな業務を任せられるため安心です。
管理手数料の一般的な目安は、家賃収入の約5%です。
5. 収支を管理する
不動産経営においては、収支の管理が非常に重要です。
不動産から得られる賃料収入は安定しているイメージがありますが、毎月滞りなく賃料が入ってくるとは限りません。入居者の家賃滞納や回収ミスなどが起きる場合もあります。そういった問題を抜かりなくチェックする必要があるのです。
収入を適切に管理できないと、収支のバランスが保てません。赤字の状態が続くようなら、事業からの撤退を余儀なくされるおそれがあります。
収支の管理は、不動産経営の肝であると心得ましょう。
6. 物件の価値を維持・向上させる
不動産経営では、物件の価値を維持・向上させることも重要な業務です。基本的にアパートやマンションなどの物件は、築年数が経つにつれて価値が下がってしまいます。価値を高める努力を怠れば、入居者を集めることは難しくなっていくでしょう。
物件の価値を高める手段としては、次のような施策が挙げられます。
- 壁紙の張り替えや畳の入れ替えなど内装の修繕
- 古くなった設備の交換
- 外観の変更
- Wi-Fiの設置
これらの施策を行うことによって、家賃を下げることなく入居者を集められるでしょう。
リスク管理を徹底する
不動産経営において、想定されるリスクはさまざまです。リスクを極力回避するために、あらゆる手段を講じておく必要があります。
懸念される第1のリスクは、空室のリスクです。
空室のリスクを回避するには、前述したように定期的なメンテナンスを行って物件の価値を維持・向上させることが重要です。また、入居者のターゲットを絞って、物件を差別化することも有効でしょう。
想定される第2のリスクは、自然災害です。
台風や地震などの自然災害による、物件への甚大な被害に備えなくてはなりません。自然災害による被害のリスクを軽減させるには建物の耐震性を高めたり、火災保険や地震保険に加入するなど、物件に見合った対策がされているかを定期的に見直すことが重要です。
また、1つの地域にまとまった数の物件を持つのではなく、異なる地域で複数の物件を経営することで自然災害のリスクを分散させることが可能となります。
不動産の売却なら一括査定サイトが便利
ここまで、不動産経営における賃貸収入(インカムゲイン)を中心に解説してきました。
もう1つの不動産収益である売却利益(キャピタルゲイン)を得ることを検討しているなら、不動産一括査定サイト「リビンマッチ」の利用をおすすめします。
リビンマッチは、売却を考えている不動産について、複数の不動産会社に一括で査定を依頼できるサービスです。
リビンマッチを利用すれば、手間を掛けることなく売却価格の比較ができます。高く売れるところに依頼すれば、より多くのキャピタルゲインが得られるでしょう。
最短45秒の入力で、最大6社の不動産会社から査定を取ることができます。査定は無料で行えますので、少しでも興味のある方はリビンマッチを利用してみてはいかがでしょう。
2022年からリビンマッチのコラム記事の執筆・編集を担当しています。不動産の財産分与に関する記事執筆が得意です。住宅設備機器の専門商社に6年間従事した知識と経験を活かして、不動産に関する知りたかったこと、知っておいた方がいいことをわかりやすく伝えられるように心がけています。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
リビンマッチコラムでは、むずかしい不動産の事をできる限りわかりやすく、噛み砕いて解説しています。不動産に対するハードルの高いイメージ、とっつきにくい苦手意識を少しでも取り除いて、よりよい不動産取引のお手伝いをさせていただきます。
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運営会社:リビン・テクノロジーズ株式会社(東京証券取引所グロース市場)
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