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定年後に住宅ローンが払えないとどうなる?原因と対処方法を詳しく解説!

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定年後に住宅ローンが払えないとどうなる?原因と対処方法を詳しく解説!

定年後も住宅ローンが残っている人の中には、「払えなくなったらどうしよう」と不安に思う方もいるでしょう。この記事では住宅ローンが払えなくなったときに起こることや、そのときの対処方法、払えない状況を回避するポイントを解説します。

住宅ローンが定年後に払えなくなる原因

住宅ローンは支払い計画を立てた上で契約することが一般的です。それでも払えなくなってしまう原因はどこにあるのでしょうか。

現在、国内の多くの企業が定年退職制度を導入しています。2022年の厚生労働省の調査によると、定年を60歳としている企業は72.3%、65歳以上に設定している企業は24.5%でした。それに対し、多くの金融機関で住宅ローンの完済年齢の上限を80歳前後に設定しています。つまり、住宅ローンの完済年齢が80歳の人は、定年退職後も長く払い続けることになるのです。

ここでは、定年退職後に住宅ローンの支払いが困難になる理由を解説します。

退職金が予想より少ない

長期の住宅ローンを契約している方は、返済に退職金を充てようと考えていらっしゃるかもしれません。しかし、退職金は想定していた額がもらえるとは限りません。厚生労働省の調査によると、大学・大学院卒(管理・事務・技術職)の退職金の平均は、2018年に1,983万円だったのが2023年は1,896万円と減少しています。

退職金は住宅ローンだけでなく、老後の生活費にも充てる必要があるため、退職金が想定より少ない場合は、老後のマネープランに支障が生じるでしょう。

定年後に収入が減少する

定年退職によって収入が減少することも、住宅ローンが払えなくなる原因のひとつです。厚生労働省が行った2023年の調査によると、2人以上の世帯で65歳以上の無職世帯の家計収支は次のとおりです。

  • 平均収入額 22万2,725円
  • 平均支出額 25万2,928円

支出が収入を3万203円上回っています。年金収入だけでは、月々の収支が赤字になってしまうのです。たとえ再就職しても定年前と同レベルの収入を得るのは難しく、定年前と同じように住宅ローンを払い続けることは困難でしょう。

医療費・介護費が増加する

医療費・介護費の増加は、住宅ローンの返済が滞る原因になるおそれがあります。年齢を重ねると健康状態に不安を感じる人が多くなり、医療機関にかかる機会が増えます。日本の健康保険制度がどれほど手厚くても、より高度な医療を受けると医療費がかさんでしまうのです。

また、身内の介護が必要になった場合は介護費用に老後資金を充てなければならず、経済的負担がさらに大きくなるでしょう。

子どもや孫の教育費がかかる

近年晩婚化により、高齢出産の家庭が増えています。そういった家庭では、定年後でも子どもの教育費がかかることは珍しくありません。たとえば、40歳で子どもが生まれた家庭は、定年後の60歳過ぎまで子どもを大学に通わせる可能性があります。教育ローンを親の名義で契約している場合は、住宅ローンと教育ローンの2つが家計を圧迫するおそれがあるのです。

一方で、子どもが早くに成人して家庭を持った場合でも、今度は孫の教育費を負担するケースもあります。

住宅ローンを払えないとどうなる?

定年後、さまざまな要因により住宅ローンが払えなくなるおそれがあります。実際に払えなくなった場合は、どうなるのでしょうか。ここでは、住宅ローンの支払いが滞った際に起きることを順に解説します。

督促状が届く

住宅ローンが払えないままでいると、債権者(金融機関)から電話やメールで連絡があります。対応しないまま一定期間を過ぎると届くのが督促状です。督促状そのものに法的拘束力はありませんが、情報が信用情報機関へわたりブラックリストに載りますブラックリストに載ると新たに借り入れができなかったり、クレジットカードの差し止めをされたりするおそれがあります。

一括返済を求められる

住宅ローンの滞納が4~6カ月続くと、「期限の利益に関する喪失予告通知」が届きます。期限の利益に関する喪失とは、借り入れたお金を分割で返済する権利を失うことをいいます。つまり、借入先の金融機関から残債を一括返済するよう求められるのです。

一方で住宅ローンを滞納しているとき、ほとんどの場合は一括返済が困難です。一括返済が困難な場合、住宅ローンを契約したときに加入した保証会社が債権者に残債を一括返済する「代位弁済」が行われます。その後は、債権者である金融機関ではなく、保証会社に対して住宅ローンを返済していくことになります。

自宅を競売にかけられ強制退去になる

代位弁済のあとも保証会社にローンを返済できずにいると、保証会社は裁判所に対し自宅を競売にかける申し立てをします。ここでいう競売とは、保証会社が抵当権を行使してローンの対象である不動産を強制的に売却することです。

申し立てが承認されれば、競売開始決定の通知が届きます。多くの場合、競売の落札価格は相場の6~7割程度です。競売で家が落札されると、裁判所によって強制退去を命じられ引っ越すことになります。

落札価格によっては、競売後も住宅ローンが残るおそれがあります。住宅ローンの不足分は、競売後に一括返済を求められます。このような状況にならないよう、督促状が届く前に金融機関へ相談しましょう。

住宅ローンが払えなくなったときの対処法

住宅ローンを払えないまま自宅を競売にかけられる前に、不動産の所有者ができることは何かあるでしょうか。ここでは、代位弁済に至る前に所有者ができる対処法を解説します。

資産を整理して資金を捻出する

身のまわりの資産を整理して、返済資金の捻出を試みてください。掛け捨てではない貯蓄型の生命保険があれば、解約して返済に充てましょう。

掛け捨ての生命保険であっても、契約内容の見直しによって毎月の保険料が減り、経済的に余裕が生まれる可能性があります。並行して親戚や知り合いに相談し、お金を借りることも検討しましょう。住宅ローンの返済が滞り始めたとき、誰にもいわず独りで抱え込むことが一番危険です。早めに身近な人に相談をしてください。

借入先の金融機関に条件緩和などの相談をする

住宅ローンの借入先である金融機関に相談するのも、対処方法のひとつです。「返済期間を延ばす」「月々の返済額を減らす」など、返済条件を緩和してもらえることがあります。長期間の返済実績があり、金融機関に借り換えを認められれば、一時的に返済負担を減らせる措置を受けられます。

親子リレーローンへの借り換えも、有効な選択肢のひとつです。これは親から子へと2世代にわたって返済していく住宅ローンで、親の年齢では難しい長期ローンを組むことが可能になります。金融機関としても住宅ローンを完済してもらいたいため、相談をすれば返済条件の緩和を期待できます。住宅ローンの返済が苦しくなったら、早めに相談しましょう。

自宅を売却する

自宅が競売に出される前に、自身で自宅を売却する方法もあります。売却の種類はさまざまで、どの形の売却を選択できるかどうかは滞納の有無や、住宅ローンの残債によって異なります。売却の種類によっては、売却後にそのまま住み続けることも可能です。

不動産会社に売却依頼する

ひとつ目は、不動産会社に売却を依頼する方法です。アンダーローン(売却額がローンの残債を上回る状態)であれば売却した利益が手もとに残り、その後の生活再建に充てられる可能性があります。ただし、不動産を売却するまで、数カ月はかかるとされています。売却を決めたのであれば、早い段階で話を進めましょう。

親族間売買

自宅を親族が購入することを、親族間売買といいます。また親子間で自宅を売買する、親子間売買もあります。いずれにしても、相手が親族のため、売却後に安い賃料、もしくは無料で同じ家に住まわせてもらえることもあるでしょう。ただし、親族間売買だと、購入する親族が住宅ローンを組むことが難しいケースもあります。

任意売却を行う

すでに滞納がある場合やオーバーローン(売却額がローンの残債を下回る状態)の場合は、勝手に自宅を売却できません。しかし、債権者の許可を得れば、売却できます。これを任意売却といいます。任意売却は、自宅が競売に出される前に行う必要があります。そのため実行できる期間が限られますが、競売と違って不動産会社に依頼して売り出せるため、市場価格で売却することが可能です。

返済不能になったと周囲に知られずに、売却を行えるメリットは大きいでしょう。任意売却後はローンの残債を分割して返済することになります。

定年後の住宅ローン返済に不安を感じたら

定年後の住宅ローンの返済に少しでも不安を感じたら、早めに対策を採ってください。対策を考えないまま返済を滞納し始めると、採れる対策が限られてしまいます。ここでは、住宅ローンを滞納する前にできることを紹介します。

資金に余裕があるうちに繰り上げ返済する

定年退職前の安定した収入があるうちに、できるだけ繰り上げ返済をしましょう。繰り上げ返済の方法は、2種類あります。

返済期間短縮型
返済した金額に応じて返済期間を短くする方法
返済額軽減型
返済した金額の分だけ毎月の返済額を減らす方法

借入先の金融機関にシミュレーションしてもらい、自身に合った方法を選択してください。

定年後の再就職先を確保する

長い老後を安心して暮らすには、定年退職後の再就職先を確保して、住宅ローン返済のための収入を少しでも増やしましょう。再就職先としては、会社の再雇用制度や勤務延長制度の利用がおすすめです。また、シニア専門の求人サイトやクラウドソーシングを利用して、再就職先を探す方法もあります。

金融機関や住宅ローン返済の専門機関に相談する

定年退職後のローン返済の負担をできるだけ減らすために、金融機関や住宅ローン返済の専門機関に相談しましょう。返済プランの見直しや借り換えなど、状況に合った提案をしてもらえます。親子リレーローンへの借り換えや自宅の売却など、早い時期に相談すれば、採れる対策も多くあります。決して独りで抱え込まないようにしましょう。

まとめ

定年退職後、収入の減少と医療費や子どもの教育費など支出の増加で住宅ローンの支払いが難しくなる人は少なくありません。住宅ローンを繰り上げ返済したり、自宅を売却したりと対処法はさまざまです。状況に合った手段を採って、定年後に備えましょう。自宅の売却価格を知るなら、複数の不動産会社に一括して査定を依頼できるリビンマッチがおすすめです。家の情報を入力するだけで、最大6社の不動産会社から査定を受けられます。まずはリビンマッチを利用してみましょう。

この記事の編集者

リビンマッチ編集部 リビンマッチ編集部

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