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分筆にかかる費用は?誰が払う?安く済ませるための注意点も解説

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分筆にかかる費用は?誰が払う?安く済ませるための注意点も解説

分筆にかかる費用は、約10~100万円と面積や立地条件などによって変動します。また、原則、その費用を負担するのは分筆を希望する土地所有者です。

  • 分筆を考えているけど、費用はどのくらい?
  • 誰が払うの?安く済ませる方法を知りたい

上記のようなお悩みをお持ちの方へ、分筆にかかる具体的な費用例や、登記にかかる期間、必要書類、安く済ませる方法などを丁寧に解説します。

分筆とは

分筆とは、不動産を所有する際に記録した登記簿上の土地(一筆)を複数に分けることです。土地の単位を「ふで」というため、分ける筆(土地)と書いて分筆といいます。

分筆を行うには、専門家への依頼や必要書類の収集などさまざまな手続きが必要です。以下に、分筆の手続きの流れをまとめました。

  1. 土地家屋調査士へ依頼
  2. 法務局や役所で調査資料を収集
  3. 現地の確認
  4. 土地分割(分筆)案を作成
  5. 隣地所有者や役所職員の現場立ち会い
  6. 境界標の設置や確定図の作成
  7. 登記簿を申請

分筆というと所有する土地すべてを手放すイメージがある方もいますが、所有する土地の一部のみを分筆することも可能です。

必要な費用

ここでは、土地を分筆する際の費用について解説します。

登録免許税は一筆ごとに約1,000円

登録免許税は、分筆登記時に法務局に納める税金です。納税額は1筆あたり約1,000円ですが、分筆する土地の数だけ必要となるため、2つに分筆すると約2,000円です。

一般的には専門家に依頼して分筆するケースが多く、分筆登記申請の依頼料は登録免許税とは別にかかります。100㎡の土地を2つに分筆した場合、依頼料の相場は約6万円です。

資料調査にかかる費用

資料調査とは、登記簿や図面の資料を調査することです。境界が確定していない場合などに、法務局や役所で行います。

土地家屋調査士に依頼すると、境界確認や立ち会いの費用と併せて数十万円程度かかるのが一般的です。土地の面積や分筆する内容によって変動するため、共通の料金表は存在しません。

専門家に依頼せず費用を抑える方法もありますが、近隣とのトラブルを避けたい方は専門家に依頼したほうがよいでしょう。

境界の確認や立ち会いにかかる費用

土地の境界を確認する際には、作業費用が発生します。

土地家屋調査士に依頼する場合、民有地(私有地)の境界確定に平均2万円弱かかります。また、国が保有している土地の境界を確定させることを官有地境界確定といい、相場は約6〜10万円です。

作業料とは別に、隣地の所有者に立ち会ってもらい立会確認書に署名捺印をもらう費用がかかることがあります。立ち会いには無料で応じてもらえることもありますが、立ち会ってもらう所有者が多い場合は予算に組み込んでおいたほうがよいでしょう。

立ち会ってもらうためにかかる費用は所有者1人あたり1万円以上、公用地なら隣接1カ所あたり2万円以上が相場とされています。

境界確認書や、境界確定図などの書類を作成する費用も必要です。これらの費用は資料調査と併せて請求されることが多いため、依頼する土地家屋調査士へ確認しておくとよいでしょう。

境界確定測量の費用は最大で約100万円

境界確定測量には、最大で約100万円の費用がかかるケースがあります。以下の表に、土地面積200〜300㎡の場合にかかる境界確定測量の費用をまとめました。

土地面積200〜300㎡の場合にかかる境界確定測量の相場
測量の状態 費用相場
完了 15~30万円
未完了 30~100万円
未完了かつ官民境界立会(関係者の現地立ち会い)がある確定測量 80万円以上

境界確定測量は、一般的に土地家屋調査士へ依頼します。現状の確認だけでも約15~30万円の費用がかかりますが、新たに境界確定測量を行う必要が出てくると100万円近く、あるいはそれ以上かかるケースがあります。高額になるのは、境界確定のための調査や測量が必要になるためです。

費用を抑えたいところですが、専門知識がない限り境界確定測量を自力で行うことは難しいでしょう。近隣とのトラブル回避のためにも、専門家に依頼することをおすすめします。

書類請求にかかる費用は1つあたり約500円

分筆を行う際には、以下の書類が必要です。

  • 登記事項証明書
  • 公図、地積測量図

書類は法務局に請求します。取得費用は請求方法によって異なり、1通あたり430~600円かかります。

インターネット環境が整っている現在では、書類請求は地方公共団体(自治体)の窓口や郵送だけでなくオンラインでも可能です。忙しい方はオンライン請求、パソコンやスマートフォンの操作が苦手な方は窓口や郵送での請求など、ライフスタイルに合わせた書類請求ができます。

書類作成を依頼したときの報酬は約2〜50万円

境界確定には、さまざまな書類が必要です。慣れない作業と時間の確保が必要になるため自力で行うのは難しく、多くの方は専門家に依頼します。

書類の数や土地面積によって異なりますが、専門家への報酬額の相場は約2〜50万円です。

少数の書類を作成するのみであれば数万円におさまりますが、登記や資料収集まで依頼に含めた場合や官有地と接地していた場合は数十万円以上かかるケースもあります。

分筆登記申請を依頼する報酬として約5万円

分筆登記申請を専門家に依頼した場合の費用は、依頼報酬として約5〜6万円です。

境界確定測量を終え境界確認書の作成ができたら、法務局で分筆登記申請を行います。
分筆登記申請に必要な書類は、以下の3つです。

  • 登記申請書
  • 地積測量図
  • 歌謡界確定資料

分筆登記申請が終わると、分筆した土地に番地が与えられ新たな土地となり、登記記録作成が行われます。

費用は誰が払う?

分筆の費用は、専門家に依頼すると内容によっては100万円以上かかります。ここでは、分筆の際に発生した費用を誰が支払うのかを解説します。

支払う人物は法的に定められていない

分筆に必要な費用を誰が支払うのかは、法的に定められていません。

費用を誰が支払うのかを決める際は、以下のように分筆したい理由をもとに考えるのが一般的です。

  • 分筆するつもりがなかった:買う人(買主)が支払う
  • 分筆しないと売却が難しい:売る人(売主)が支払う

つまり、分筆によりメリットを受けるほうが支払うということです。

売る側のメリットが多ければ売主が負担

以下のように、売る側(売主)のメリットが多い場合、分筆の費用は売主が負担します。

  • 土地の所有者が所有する土地を一部だけ分筆したいとき
  • トラブルを避けるため土地面積の実測を土地の所有者が申し出たとき

しかし、土地面積を計測する必要性が高い、計測を契約上決められているなどの理由がある場合は、双方で費用を折半することも可能です。

買う側に測定のメリットがある場合は買主も負担

分筆費用は、どの段階の費用も誰が支払うのかが法的に定められていません。買う側にメリットがある場合は、買主に負担してもらえるケースがあります。

たとえば、売主が分筆するつもりのなかった土地について、買主から分筆してほしいと申し出たケースを考えてみましょう。この場合は買う側にメリットがあるといえるため、資料調査から境界確定測定にかかる費用の全額、または一部を買主に負担してもらえる可能性があります。

相続のためであれば相続人で分担

分筆の目的が相続のためであれば、相続人が土地の面積に応じて分筆費用を分担します。
相続目的で分筆する際は、以下のようなデメリットがある点を理解しておきましょう。

  • 分筆登記の手続きが複雑である
  • 税金が高くなる
  • 活用方法が限定される

相続した土地を分筆する際は、専門家を交えた慎重な検討をおすすめします。

分筆をできないケースもある

所有する土地を分筆したいと思っても、以下のような理由から分筆ができないケースがあります。

  • 隣人が境界立ち会いを拒否した

    →土地の境界が確認できない、国土調査の際に境界が確認できなかった

  • 土地面積が0.01㎡以下

    →土地活用が困難

  • 地区計画の規定を下回る

    →分筆した土地が著しく狭い、土地の形が不形成

専門家と契約する前に、そもそも土地の分筆が可能かを確認しておくとよいでしょう。

分筆登記にかかる期間

分筆登記にかかる期間は、境界が確定しているのか未確定なのかによって異なります。

分筆登記にかかる期間
境界確定済み 2~3週間
境界確定済み 2~3カ月
筆界特定制度を利用 1年以上かかる場合がある

● 筆界特定制度とは,土地の所有者として登記されている人などの申請に基づいて,筆界特定登記官が,外部専門家である筆界調査委員の意見を踏まえて,現地における土地の筆界の位置を特定する制度です。

● 筆界特定とは,新たに筆界を決めることではなく,実地調査や測量を含む様々な調査を行った上,もともとあった筆界を筆界特定登記官が明らかにすることです。

● 筆界特定制度を活用することによって,公的な判断として筆界を明らかにできるため,隣人同士で裁判をしなくても,筆界をめぐる問題の解決を図ることができます。

引用:法務局「筆界特定制度

分筆は、売主だけの問題ではありません。境界確定時に隣人の協力が必要です。分筆をスムーズに進めるためには、不測の事態に備えて早めに行動することをおすすめします。

分筆時に必要な書類

分筆に必要な書類は、以下のとおりです。

  • 登記申請書
  • 境界確定資料→筆界確認書、境界の同意書
  • 地積測量図
  • 地形図
  • 代理権限証明書
  • 案内図
  • 委任状(家屋調査士に依頼する場合)

分筆がスムーズに進むよう、必要な書類は前もって用意しておきましょう。

分筆を安く済ませるための注意点

専門家に依頼して資料作成や時間をかけて測量を行う場合、分筆には100万円以上の費用が必要になることもあります。

ここでは、分筆を安く済ませるための注意点を3つ解説します。

事前に境界を確定させておく

分筆にかかる費用は、土地の境界確定測量の有無が大きく影響します。また、分筆する土地が大きいほど、境界確定測量にかかる費用は高額になります。

過去に土地を測量している場合は、データを保存しているケースがほとんどです。過去のデータによって境界が確定できれば、土地の境界確定測量は不要になるため、費用を節約できるでしょう。

分筆を検討する際には、土地を購入した際に依頼した家屋調査士に相談することをおすすめします。

評判のよい依頼先を選ぶ

仲介会社に土地家屋調査士を紹介してもらえるケースもありますが、安く依頼したいなら自分で探すのがおすすめです。

インターネットでの評判や口コミなどをもとに分筆の経験が豊富であるか、司法書士が在籍しているかなど、詳細に確認しましょう。そのうえで、信頼できそうな土地家屋調査士を数名選定し、1人に絞りましょう。

分筆の際は、土地の売買に関しての流れも決めておくとスムーズに売買まで進められます。忙しくて不動産会社に直接相談する時間がない方は、一括査定サイトリビンマッチを利用するのがおすすめです。複数の不動産会社が査定した査定価格を比較できます。

依頼をするときは相見積もりを取る

土地家屋調査士に依頼する場合は、必ず複数社から見積もりを取るようにしましょう。3〜4社から見積もりを依頼すると、おおよその費用相場や適正価格を確認できます。

ただし、安すぎたり高すぎたりなどの極端な費用の見積もりを出す会社への依頼は、避けたほうが無難です。

依頼を検討している土地家屋調査士に不安がある方は、日本土地家屋調査士連合会の「懲戒処分情報」を参考にしましょう。懲戒処分された土地家屋調査士の氏名と、その処分内容が公開されています。

まとめ

土地の広さや分筆する数によって、分筆費用は異なります。しかし、評判のよい依頼先を選定するなど十分な対策ができれば、出費を抑えることにつながります。

なお、土地を売却する際は、不動産の一括査定サイト「リビンマッチ」がおすすめです。利用すると、最大6社の優良会社より「いくらで売れそうか」査定してもらえます。優良会社に売却方法などの相談もできるので、ぜひお気軽にご利用ください。

この記事の編集者

リビンマッチ編集部 リビンマッチ編集部

リビンマッチコラムでは、むずかしい不動産の事をできる限りわかりやすく、噛み砕いて解説しています。不動産に対するハードルの高いイメージ、とっつきにくい苦手意識を少しでも取り除いて、よりよい不動産取引のお手伝いをさせていただきます。
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