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不動産の相続登記に必要な書類とは?手続きの手順と費用についても解説

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不動産の相続登記に必要な書類とは?手続きの手順と費用についても解説

不動産を相続すると、所有者が変わるため相続登記が必要です。不動産登記は、司法書士に依頼することもできますが、自分で手続きを進めると費用を抑えられます。

ただし、相続登記は、専門的な知識が必要になるため、事前に確認しておかないと手間や時間がかかる場合があります。

ここでは、不動産の相続登記を自分で進めるための手順と費用を解説します。

この記事の監修者

司法書士法人リーガル・デザイン
代表社員:細沼 昭久(ホソヌマ アキヒサ)
保有資格:司法書士・行政書士

弊社は2018年に司法書士・行政書士事務所として開業し、2021年に法人化いたしました。

弊社には中国やベトナムをはじめとする外国人スタッフが複数名在籍しており、日本のお客様のみならず海外からのお客様にも数多くご利用いただいております。

私たちはお客様のあらゆるニーズにお応えできるよう真摯に向き合い、お客様にとっての最善を法的な観点からご提案いたします。

会社ホームページ:司法書士法人リーガル・デザイン

不動産の相続登記とは

不動産の相続登記とは、被相続人(亡くなった人)から相続人へ建物や土地などの所有権を移すときに行う手続きです。不動産を相続しただけでは、所有者が被相続人のままなので、第三者に所有権があることを証明できません。しかし、相続登記を行うことで、不動産の所有者になれるため、第三者に主張できます。

不動産の相続登記の手続きに要する期間は、約2カ月とされています。以下のとおり相続登記に必要な書類を準備する期間と、法務局へ申請し完了するまでの2つの期間があるためです。

  • 書類を準備する期間:数週間~2カ月
  • 法務局へ相続登記申請し完了するまでの期間:約1週間

相続する不動産が複数ある場合は、取得する書類が増えるため、相続登記が完了するまでに時間がかかります。そのため、早めに準備しておくことが重要です。

2024年4月1日から義務化される

従来、相続登記は強制ではありませんでした。そのため、相続した不動産の所有者を被相続人のままにしても特に問題はなかったのです。

しかし、相続登記をしない不動産が増えたことで、近年、所有者の特定できない空き家や空き地が増えてきました。所有者が不明な不動産は、売買ができないため放置されてしまいます。結果、都市開発に影響を与えるおそれがでてきました。

国土交通省が2022年に行った調査によると、所有者不明となっている土地は24%あり、そのうち61%が相続登記の未了です。

所有者が不明な土地の割合と原因

所有者が不明な土地の割合と原因

出典:法務省「民法等一部改訂法・相続土地国庫帰属法の概要

このような問題を解決するために法律が改正され、2024年4月1日から、相続登記の申請が義務化されました。

2024年4月1日以降は、不動産の相続を知った日から3年以内に相続登記を行う必要があります。正当な理由がないのに相続登記の申請を行わなかった場合、「10万円以下」の過料かりょうとなるため注意しましょう。

相続登記の義務化は、2024年4月1日以前に相続を受けていた不動産も対象です。

すでに相続が終わっているのに相続登記が済んでいない不動産について、実際に東京法務局に問い合わせをしたところ、2024年4月1日から3年以内に相続登記を行えば問題ないとのことでした


相続登記にかかる費用

自分で相続登記を行う場合「登録免許税」「必要書類を取得するための費用」がかかります。司法書士に相続登記を依頼することもできますが、依頼するための費用が別途発生します。

司法書士に依頼すると手間がかからないのですが、そのぶん費用がかかります。相続登記にかかる費用をなるべく低く抑えたい人は自分で相続登記を行うとよいでしょう。

また、必要書類をコンビニで取得すると、窓口より交付手数料が安くなる傾向にあります。相続登記にかかる費用について詳しく解説します。

書類の取得費

不動産の相続登記に必要な書類は、以下のとおりです。

  • 被相続人の、除籍謄本と改製原戸籍かいせいはらこせきとうほんを含む戸籍
  • 被相続人の住民票、もしくは戸籍附票
  • 相続人の戸籍謄本
  • 相続人の住民票
  • 固定資産税評価額証明書、もしくは課税証明書

それぞれの費用と取得場所については、次のとおりとなります。

相続登記に必要な書類と費用
相続登記に必要な書類 費用 取得場所
被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
(除籍謄本と改製原戸籍を含む)
  • 戸籍謄本:450円
  • 除籍謄本:750円
  • 改製原戸籍:750円
被相続人の本籍地の市町村役場
被相続人の住民票
(もしくは戸籍附票)
  • 約200~350円
    (各自治体で異なる)
被相続人が最後に居住していた地にある市町村役場
相続人の戸籍謄本
  • 戸籍謄本:450円
本籍地の市町村役場
相続人の住民票
  • 約200~350円
    (各自治体で異なる)
居住地にある市町村役場
固定資産税評価証明書
  • 約300円
    (各自治体で異なる)
不動産が所在する市町村役場

取得費を抑えるには、コンビニで交付を受けるとよいでしょう。マイナンバーカードを用いて、コンビニで住民票や戸籍謄本の交付を受けると、市町村役場の窓口よりも費用が数百円安くなる傾向にあります。コンビニで交付可能な証明書の種類や交付手数料は市区町村によって異なります。

出典:総務省「コンビニ交付

登録免許税

不動産の相続登記には、登録免許税がかかります。登録免許税の税率は、相続した不動産の「固定資産税評価額」に対して0.4%、遺言によって法定相続人以外の人が不動産を相続した場合は2%です。

たとえば相続した不動産の固定資産評価額が2,000万円の場合、法定相続人が相続した場合の登録免許税は8万円です。遺言によって法定相続人以外の人が相続した場合は、40万円になります。

固定資産税評価額は、毎年市町村役場から送付される「固定資産課税明細書」に記載されています。固定資産課税明細書に「評価額」または「価格」と表記されています。

登録免許税の納付は、現金または電子納付で行います。現金の場合は、税額を金融機関等に納付したあと、登記の申請書に領収書を添付して提出します。

司法書士への報酬

不動産の相続登記を司法書士へ依頼する場合、別途費用が発生します。不動産の評価額や物件数などに応じて、司法書士事務所ごとに費用が異なりますが、約5~8万円かかる傾向にあります。

また、戸籍の取得や遺産分割協議書の作成まで総合的な依頼を司法書士へ行うと、相場として約7万円~約15万円かかるでしょう。

相続登記を自分ですれば司法書士への報酬が発生しない

自分で相続登記を行うと、司法書士への報酬が発生しないため、費用を安く抑えられます。しかし、相続登記を行うには「書類の取り寄せ」や「法務局への申請」といった手間や時間がかかります。

また、以下のようなケースでは特に手間や時間がかかる傾向にあるため、自分で不動産の相続登記を行うことが難しい場合は、司法書士へ依頼した方がよいでしょう。

  • 相続する不動産が遠方にある
  • 相続する不動産の数が多い
  • 相続人の数が多い
  • 相続人の中に未成年や認知症の方、疎遠な人、行方不明者などがいる
  • 相続登記を長期間放置している状態

不動産の相続登記を行う手順

不動産の相続登記は、通常以下の手順で行います。

  1. 書類の取得
  2. 登記申請書の作成
  3. 登記申請書を法務局へ提出
  4. 登記完了証・登記識別情報通知書の交付

不動産の相続登記を行う手順について、詳しく解説します。

監修者からのコメント

相続登記の手続きは、相続人の方がご自身で進めることもできます。

しかし、相続財産の調査、戸籍の収集、遺産分割協議書等の作成、登記申請書の作成などは、思ったよりも手間や時間がかかります。相続登記を長い間しておらず、何代にもわたって放置しているケースでは、相続人のさらに相続人と話し合いをしなければいけません。万が一話し合いが難航すれば裁判にまで発展することもあり、解決までに相当の時間を要するケースもあります。

ご自身で手続きを進めていく中で難しいと判断したら遠慮なく専門家にご相談されるようにしてください。

1.書類の取得

不動産の相続登記には、相続があったこと、そして相続人が適切であるかを証明する必要があります。戸籍の記録事項証明書(戸籍抄本や除籍抄本)により、相続の開始証明と、法定相続人の特定が可能です。

戸籍ごとに、本籍地のある市区町村へ請求しましょう。なお、本籍が変更されている場合は、その本籍ごとに戸籍関係書類の請求が必要です。

2.登記申請書を作成する

書類の取得が終わったら、法務局へ提出する登記申請書を作成します。登記申請書は、書面とオンラインどちらでも作成可能です。オンラインの場合は、法務局のホームページから、登記申請書の様式をダウンロードできます。

作成は、直接パソコンで入力するか、黒インク、もしくは黒ボールペンで記入します。使用する黒ボールペンは、インクが消せるものは不可になっているため注意しましょう。

登録申請書が複数枚ある場合は、申請人がホチキス留めしてください。申請人が2人いるのであれば、そのうちの1人がホチキス留めをします。そして、以下のように各用紙のつづり目に契印をしましょう。

契印

契印

出典:法務局「登記申請手続きのご案内

3.登記申請書を法務局へ提出する

登記申請書を作成したら、不動産の所在地を管轄している法務局へ提出します。

法務局へ登記申請書を提出する方法は以下のとおりです。

  • 窓口に持参する
  • 郵送する
  • オンラインで申請する

法務局の窓口へ登記申請書を持参することが難しい場合、郵送やオンラインでの申請もできます。郵送で登記申請を行うときは、書留郵便で送付します。封筒の表面に「不動産登記申請書在中」と記載してください。

4.登記完了証・登記識別情報通知書の交付

法務局へ登記申請を行い、登記が完了すると「登記完了証及び登記識別情報通知書」が交付されます。なお、登記完了証及び登記識別情報通知書は、法務局の窓口で受領するか、郵送で受領するか選べます。

法務局の窓口で受領する場合は、登記申請書に押印したものと同じ印鑑を準備してください。郵送での受領を希望するのであれば、登記申請書と一緒に「返送用の郵便切手」と「宛名を記入した返信用封筒」を提出しておきましょう。

「登記完了証及び登記識別情報通知書」が交付されると、不動産の相続登記が完了したことになります。また、「登記完了証及び登記識別情報通知書」は再発行や再交付ができないため、交付されたら大切に保管しておきましょう。

相続した不動産を売るなら一括査定サイト「リビンマッチ」が便利

不動産を相続すると、維持や管理に必要な費用が発生します。住む予定や利用する予定のない不動産を相続すると費用の負担が大きくなるため、早めの売却を検討しましょう。

不動産を売却するなら、一括査定サイトリビンマッチが便利です。不動産を高く売るためには、複数の不動産会社の査定結果を比較して契約先を決めることが大切です。不動産会社を1社ずつ探して査定を依頼するのは手間や時間がかかりますが、リビンマッチであれば、一度に複数の不動産会社に査定を依頼できます。

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この記事の編集者

リビンマッチ編集部 リビンマッチ編集部

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