リビン・テクノロジーズが20周年 リビン・テクノロジーズが20周年
東証上場 リビン・テクノロジーズ株式会社(東証グロース上場)が運営するサービスです  証券コード:4445
通話・相談無料:9時~18時(年末年始を除く)tel:0120-139-179

夫名義の家、離婚したら?主張したい妻の権利と損しないための対策

更新日:
夫名義の家、離婚したら?主張したい妻の権利と損しないための対策

「夫と離婚したいが、家の名義が夫になっている」「離婚後の生活が不安で踏み切れない」「子どものことを考えると離婚しても今の家に住み続けたい」

結論、離婚しても夫名義の家に住み続けることは可能です。

ここでは、夫名義の家に住んでいる離婚したい妻の視点から、離婚したら夫名義の家はどうなるのか、離婚後に損をしないために知っておきたい権利や準備の方法などについて解説します。

離婚したら夫名義の家はどうなる?共有財産の分与について

離婚したら夫名義の家がどうなるかを知るには、まず共有財産について把握する必要があります。

共有財産とは、夫婦が結婚していた期間に協力して築き上げてきた財産のことです。この共有財産を話し合って分け合う手続きを財産分与といいます。預貯金や家財道具、車、貴金属のほか、家や土地といった不動産も対象です。

民法第768条では、離婚の際に共有財産の分与を請求できると定められています。

(財産分与)

第七百六十八条 協議上の離婚をした者の一方は、相手方に対して財産の分与を請求することができる。

2 前項の規定による財産の分与について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、当事者は、家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することができる。ただし、離婚の時から二年を経過したときは、この限りでない。

3 前項の場合には、家庭裁判所は、当事者双方がその協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮して、分与をさせるべきかどうか並びに分与の額及び方法を定める。

民法「第七百六十八条(財産分与)

財産分与は離婚から2年以内に行う必要があります。また、財産分与の対象は通常「別居時」を基準に判断されます。そのため、別居後に取得された財産は分与の対象外となるため注意が必要です。

夫婦間の収入格差は財産分与に影響しない

夫が外で働き、妻が専業主婦で家庭を支えているご家庭の場合、「自分の稼いだお金ではないから」と思われる方もいるでしょう。

しかし、裁判所はいわゆる「内助の功」を認めています。夫だけに収入がある場合でも、妻の支えがあったからこその成果であり、共有財産の財産分与の割合は原則として「2分の1ずつ」と考えられています。

ご家庭によって事情は異なり、一方の特別な努力や能力によってほとんどの財産の形成がなされたと裁判所が判断する場合は割合が変わることもありますが、例外的なケースとなります。

特有財産は財産分与の対象外になる

夫婦の所有する財産は、共有財産と特有財産の2種類に分けられます。このうち特有財産は夫婦の一方が配偶者と無関係に取得した財産とされ、財産分与の対象にはなりません。

たとえば、婚前から貯金していた預金や相続財産などが特有財産と認められる可能性があります。ただし財産分与の際、特有財産であることが証明できなければ共有財産に含まれることがあるため注意が必要です。

結婚前に取得した財産であっても結婚生活の間の財産と混然一体となっている場合も多いため、特有財産であることを証明できる書類などを準備しておきましょう。

住宅ローン完済済みの場合

家も財産分与の対象に含まれるため、住宅ローン完済済みの場合、通常は家の価値を「2分の1ずつ」の割合で公平に分けます。これは、家の名義人が夫婦共有ではなく夫単独になっていても同様です。

財産分与は、夫婦が共有財産を貢献割合に応じて分けることとされています。名義人によって分与の割合が考慮されることはありません。

婚姻中に夫婦の協力によって得た財産ならば、夫のみが名義人となっていても、財産分与の対象です。

住宅ローン未完済の場合

住宅ローンが未完済の場合、残債務が財産分与に影響するため、手続きが少々複雑です。

家の価値が住宅ローンの残高を上回る場合、売却価格からローンや手数料などを引いた後に残りのお金を分け合えます。

一方、家の価値が住宅ローンの残高を下回る場合、預貯金などから住宅ローンを完済しないと売却ができません。住宅ローンを完済していない家は、抵当権が設定されています。まずは抵当権を抹消しないと、金融機関から競売にかけられるリスクがあります。そのような家を購入したい人は、まずいないでしょう。

つまり、売却価格で補えない住宅ローンの残高を事前に支払う必要があります。

銀行との契約内容次第ですが、夫が名義人、妻が連帯債務者や連帯保証人になっている場合、銀行との関係で負債を負っているため返済の義務が残ります。

住宅ローンの名義人が夫で、離婚後に夫の返済が滞ったため銀行から保証人の妻へ請求があった場合、返済をしなくてはなりません。離婚後にこのような保証関係を解消したい場合、契約者がローンの借り換えを行い、保証関係の解消を銀行へ依頼することになります。

家の購入時、必要な手続きだからと渡された書類にそのまま署名をしてしまい、自分が連帯債務者や連帯保証人になっていたことを把握できていないケースも多いため、住宅ローンの返済が残っている場合はまず契約関係の確認をしましょう。



離婚したら夫名義の家には住めないの?名義変更は?

離婚後、夫名義の家に住めるか住めないかは、家の財産分与の方法により異なります

家の財産分与の方法

家は財産分与の中でも大きな割合を占めますが、主な分与の方法としては以下のとおりです。

  • 夫が名義人となって住み続け、妻に評価額の2分の1を支払う
  • 妻が名義人となって住み続け、夫に評価額の2分の1を支払う
  • 売却して代金を精算する

家が共有名義の場合、そのままの状態で離婚をすると将来的に家を売却するときや、リフォームの出費負担、子どもへの相続などトラブルの原因となることがあります。

そのため、住み続ける側が単独で家や住宅ローンの名義人となる、もしくは売却して代金を精算するほうが望ましいです。

住宅ローンの名義を妻に変更する場合

もし離婚後も妻が家に住み続けることを望む場合、夫に相応の代償金を支払い、家と住宅ローンの名義を妻に移してもらうことが一般的です。

妻は以下のようなデメリットがありますが、先にあげた相手との将来的なトラブルを未然に防ぐことができるのが最大のメリットです。

  • 夫への代償金が必要になる
  • 住宅ローンの返済義務が妻側に残る
  • 夫が住み続けることを望む場合は、調停や訴訟手続きが必要になる

住宅ローンの名義変更をしない場合

家と住宅ローンの名義人を夫にしたまま、妻が住み続けることも可能です。

ただし、住宅ローンの契約内容によっては、ローンの名義人が住むことが条件になっている場合が多く、その場合は契約違反になるおそれがあります。

契約違反であるかどうかは、「名義人の住民票の場所が以前と異なる」といった事実から推測できます。金融機関に知られた場合は名義人の夫にローンの一括返済を求められるリスクがあるため、事前に確認しておきましょう。

契約違反の場合、妻が対価を受け取る側となりますが、住み続けるには夫の合意が必要となる夫への家賃支払の義務が生じるなどのデメリットが残ります。

【ケース別】妻がより多くのお金をもらうための対策

離婚をするとき、「とにかく夫と早く離れたい」「夫ともうこれ以上関わりたくない」といった心情になっても珍しくありません。

しかし、話し合いや財産分与に関する取り決めもしないまま夫と疎遠になってしまうと、本来もらえるはずの財産をもらわないまま別れることになってしまいます。

特に、以下の場合は離婚時の条件を有利に進め、より多くのお金を受け取れるよう対策しておきましょう。

夫側に悪意の遺棄があった場合

婚姻関係にある夫婦は、「同居の義務」「協力義務」「扶助の義務」を果たす関係にあり、違反をした場合、民法第752条では離婚原因になるとされています。

(同居、協力及び扶助の義務)

第七百五十二条 夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない。

引用:民法「第七百五十二条(同居、協力及び扶助の義務)

悪意の遺棄とは「夫婦関係が破綻しても構わないという意思」を持って「正当な理由もなく同居・協力・扶助の義務を怠ること」を指します。

たとえば、生活費を渡さないことや理由のない別居が該当するため、「離婚を切り出した途端に夫名義の家だからといって追い出された」「生活費を渡してくれなくなった」などの事実を証明できれば、慰謝料など離婚上の条件を有利に進められる可能性があります。

夫側が有責の場合

離婚原因が夫側にある、つまり夫側が有責かどうかは法定離婚事由を確認するとわかります。

法定離婚事由は、法律で認められた離婚理由です。これに該当していると、裁判では強制的に離婚が成立する場合があります。さらに、夫に慰謝料を請求できる可能性が高くなります

法定離婚事由は以下の5つです。

  • 不貞行為(妻以外と性的関係を結ぶ)
  • 悪意の遺棄(「同居義務」「協力義務」「扶養義務」の3つを放棄)
  • 3年以上の生死不明
  • 回復の見込みのない強度の精神病
  • 上記以外の婚姻を継続しがたい重大な事由(DV(暴力)や犯罪など)

たとえば夫が不倫やDV(暴力)など離婚の原因を作り婚姻関係を破綻させた場合、妻から慰謝料の請求ができ、調停や訴訟などの裁判所の判断も有利になる可能性があります。

借金がある場合

夫にいくら借金があっても、妻が借金を差し引いたプラスの財産が欲しい場合は、話し合いをすることが可能です。

話し合いで夫から合意を得られたら、プラスの財産の半分を妻が取得できます。

たとえば、夫が借金の債務者の場合は離婚後に夫が個人の責任で返済する必要があり、妻が負担する必要はありません

また、夫が妻に隠れて個人的な娯楽やギャンブルなどの遊興費の借金を抱えていたとします。債務者が妻となっていた場合、借金を妻が負担するのでは不公平です。

その場合は夫に抗議し、夫側に借金を負担してもらうなど、しっかりと主張するようにしましょう。

財産分与は収入や名義、借金の割合の有無にかかわらず、妻側にも夫側にも平等に認められている権利です。

損しないために!夫名義の家に住む妻が離婚前にしておきたいこと

権利を主張するためには、入念な準備が必要です。離婚時、また離婚後の生活にとって特に重要となる以下の準備は、しっかり行うようにしましょう。

弁護士など専門家の助言を得る

夫側に離婚原因を作り出した事実があっても、そのことを証明できなければ調停や訴訟などで認められる可能性は低くなります

特に相手が争う姿勢であるときは、解決のために専門的な知見が必要となることも多く、なるべく早い段階で弁護士などの法曹関係者から助言を得たうえで進めていくことが重要です。

公証役場で公正証書を作成する

財産分与の方法が決まったあとは、離婚の届出までに公正証書や離婚協議書などの契約書を作成しておくことが望ましいです。

慰謝料などの主張が認められ、夫側からの支払が分割で長期間にわたる場合、将来的に支払いが滞るおそれもあります。

時間がたつにつれて疎遠になり、連絡が取れなくなってしまう場合もあるため、公正証書を作成しておくと、いざというときも給与を差し押さえるなどの方法ですぐに対処できます。

家の価値を不動産会社から確認する

財産分与のもととなる家の価格は時価で計算し、適切に評価する必要があります。時価は一般市場で住宅を売却した場合に予想される住宅の価格となり、実際には売却をしない場合でも不動産会社に依頼することで算定できます。

特に妻が注意すべき重要なポイントは、不動産会社は依頼者の希望に沿った価格で査定することが多い点です。夫側に時価評価額の算定を一任した場合、夫が自分に有利な方向で算定する可能性があるため、適正に時価を査定することが重要です。

不動産会社の行う査定方法は、主に2つあります。

  • 机上査定
  • 訪問査定

机上査定

机上査定は、実際の物件に訪問しないで行う査定方法です。類似物件の過去の売買実績や市場状況を考慮したうえで、おおよその査定額が算出されます。

訪問査定

訪問査定は、不動産会社の担当者が実際に物件を訪問して査定が行われます。家の築年数、劣化状況だけでなく、日照や周辺環境まで考慮するため、机上査定よりも精度の高い査定ができます。

査定は複数の不動産会社に依頼する

不動産会社によって査定の方法や基準も異なるため、複数の不動産会社へ査定を依頼し、価格を比較することで適正な相場を見極めることが必要です。ただし、複数の不動産会社へ足を運ぶのは手間や時間がかかり、現実的には難しい場合もあります。

そこでおすすめなのが、家の一括査定サイトを利用する方法です。一括査定することで複数の不動産会社へ一括で査定を依頼でき、売却価格を比較検討することが容易にできます。

さらに、一括査定サイトでは信頼できる不動産会社を厳選して登録しているため、数多くある不動産会社の中から自分で査定先を探す手間を省くこともできます。情報の入力後、不動産会社が複数提示されるので、その中から査定を依頼したい不動産会社を選択しましょう。

この記事の編集者

リビンマッチ編集部 リビンマッチ編集部

リビンマッチコラムでは、むずかしい不動産の事をできる限りわかりやすく、噛み砕いて解説しています。不動産に対するハードルの高いイメージ、とっつきにくい苦手意識を少しでも取り除いて、よりよい不動産取引のお手伝いをさせていただきます。
誤字脱字や事実誤認などございましたら、ぜひともご指摘ください。

コンテンツの引用ルール

運営会社:リビン・テクノロジーズ株式会社(東京証券取引所グロース市場)

カテゴリー
不動産売却コラム
タグ
離婚と家

リビンマッチコラムを引用される際のルール

当サイトのコンテンツはどなたでも引用できます。 引用にあたって事前連絡などは不要です。 コンテンツを引用される際は、引用元が「リビンマッチ」であることを必ず明記してください。

引用ルールについて

カテゴリー一覧

Copyright © Living Technologies Inc. All rights reserved.
トップへ