相続した不動産の名義変更に必要な書類と手続きの流れを解説
不動産を相続したときの手続きのひとつに名義変更があります。相続による不動産の変更は「相続登記」と呼ばれ、被相続人から相続した際に必要な手続きです。
相続登記は、必要書類をそろえて適切な手順で進めることが重要です。相続登記に必要な書類と手続きの流れについて確認しましょう。
この記事の監修者
司法書士法人リーガル・デザイン代表社員:細沼 昭久(ホソヌマ アキヒサ)保有資格:司法書士・行政書士
弊社は2018年に司法書士・行政書士事務所として開業し、2021年に法人化いたしました。
弊社には中国やベトナムをはじめとする外国人スタッフが複数名在籍しており、日本のお客様のみならず海外からのお客様にも数多くご利用いただいております。
私たちはお客様のあらゆるニーズにお応えできるよう真摯に向き合い、お客様にとっての最善を法的な観点からご提案いたします。
会社ホームページ:司法書士法人リーガル・デザイン
もくじ
相続した不動産の名義変更が必要な理由
不動産の名義は、相続したタイミングで自動的に変更されるわけではありません。そのため、不動産を相続したあとは、名義を被相続人から相続人に変更する必要があります。
相続した不動産や土地などの資産について名義を変更する手続きは、相続登記と呼ばれます。相続登記は、法律が変わったことで、2024年4月1日以降は一定期間内に手続きを行わないと罰則を受けるようになります。
そのほか、不動産の名義を被相続人のままにしておくことで、さまざまな制限がかかるため、手続きを忘れずに行いましょう。
2024年から義務化される
2024年4月1日から、相続登記の申請が義務化されるので注意しましょう。
- 相続(遺言も含みます。)によって不動産を取得した相続人は、その所有権の取得を知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければなりません。
- 遺産分割が成立した場合には、これによって不動産を取得した相続人は、遺産分割が成立した日から3年以内に、相続登記をしなければなりません。
- 上記いずれについても、正当な理由なく義務に違反した場合は10万円以下の過料(行政上のペナルティ)の適用対象となります。
つまり、相続を受けてから3年以内に名義を変更しなければ、過料の対象となるおそれがあります。
相続トラブルなどで期限に間に合わない場合は「相続人申告登記」を検討しましょう。相続申告登記をすれば、履行したものとみなされます。相続人が正式に決まった場合は、改めて相続登記をおこないます。
特別な事情がなければ、早めに手続きを完了させて「いつの間にか期限を過ぎていた」ということがないよう対策しましょう。
監修者からのコメント
法改正で相続登記が義務化されてから、不動産の相続手続きについてのご相談が増えています。
相続登記に必要な書類として遺言書や遺産分割協議書などがあげられますが、これらは正しく作成されていなければ法的な効力がありません。
たとえば、遺産分割に参加すべき人が全員そろっているのか等細かいチェックが必要になります。
相続登記は書類作成や資料の収集等手間や時間がかかるため、ご自身で手続きを進めていく中で難しいと判断したら遠慮なく専門家にご相談されるようにしてください。
名義が被相続人のままだと売却できない
相続した不動産を売却する場合、名義変更が必須です。
不動産を売却するには、名義人の同意が必要になるためです。つまり、不動産の名義を変更しておらず、名義が被相続人のままの不動産は、売却できません。
同様に、賃貸や銀行の担保にすることもできないので注意しましょう。
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相続した不動産の名義を変更する流れ
相続した不動産の名義変更は、以下の流れで進めます。
- 必要書類を集める
- 法務局で登記申請をする
それぞれの手続きでもれがあると、やり直しになるおそれがあります。名義変更を円滑に進められるように確認しておきましょう。
なお、相続する不動産の相続人がまだ確定していない場合は下記のコラム記事をご確認ください。
1.必要書類を集める
相続した不動産の名義を変更する手続きを進めるには、最初に必要書類を用意します。書類の種類は、相続ケース別に異なるため事前の確認が必要です。
なかには「相続人全員の戸籍謄本」など取得に時間がかかる書類も含まれています。自分ひとりですべてを準備できるとも限らないので、なるべく早い段階から書類の取得に向けて動くとよいでしょう。
なお、必要書類の詳細は後述します。
2.法務局で登記申請をする
必要書類が集まったら、登記申請をおこないます。登記申請の方法は「オンライン申請」と「書面申請」の2種類があります。
オンライン申請
オンライン申請は、パソコンに申請用総合ソフトをインストールして手続きを行う方法です。登記・供託オンライン申請システム「登記ねっと・供託ねっと」を利用することで、オンラインで手続きができるため法務局まで足を運ぶ必要がありません。
また、夜9時まで受け付けているため、法務局が開いている時間に行けないという人でも手続きが可能です。
書面申請
書面申請は、法務局の窓口で直接申請する方法です。不動産の所在地を管轄する法務局まで足を運ぶ必要がありますが、担当者に書類の記載方法など細かな質問ができます。
現在法務局・地方法務局の各登記所では窓口相談の事前予約制が導入されています。予約なしの場合、相談できなかったり長い待ち時間が発生したりすることもあるので注意が必要です。
相続した不動産の名義変更に必要な書類
不動産を相続する方法は、以下の2パターンがあります。
- 遺産分割協議によって相続する
- 遺言によって相続する
名義変更に必要な書類は、不動産を相続する方法によって異なります。それぞれの方法に必要な書類を確認しておきましょう。
遺産分割協議によって相続する
遺産分割協議で相続した不動産を相続登記する場合、以下の書類が必要です。
- 相続人全員の戸籍謄本
- 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
- 被相続人の住民票の除票
- 不動産取得者の住民票
- 相続する不動産の固定資産評価証明書
- 収入印紙
- 登記申請書
- 返信用封筒
- 遺産分割協議書
- 相続人の印鑑証明書
遺産分割協議の結果、法定相続人が法定相続分のとおりに相続する場合は、遺産分割協議書と相続人の印鑑証明書は不要です。
相続人が1人の場合は遺産分割協議書が不要
不動産の相続人が1人の場合や、他の相続人全員が相続を放棄したときは、遺産分割協議が必要ありません。そのため、遺産分割協議書は不要です。
遺言によって相続する
被相続人が遺言書を残しており、その内容に従って不動産の相続を行う場合、相続登記には以下の書類が必要です。
- 相続人全員の戸籍謄本
- 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
- 被相続人の住民票の除票
- 不動産取得者の住民票
- 相続する不動産の固定資産評価証明書
- 収入印紙
- 登記申請書
- 返信用封筒
- 遺言書
- 遺言執行者の印鑑証明書(選任されていた場合)
- 遺言執行者選任審判謄本(家裁の審判で選任の場合)
- 相続人の印鑑証明書(遺言執行者が選任されていない場合)
遺言書の内容によっては、遺産相続手続きを行う遺言執行者が選定されている場合があります。また、選定されていない場合は、第三者に決めてもらうか、家庭裁判所に決めてもらいます。
いずれかの方法によって提出する書類が異なるため確認が必要です。
相続した不動産の名義変更にかかる費用
相続した不動産の名義変更にかかる費用は、下記のとおりです。
費用の種類 | 金額の目安 |
---|---|
必要書類の取得費用 | 約500~1,000円 × 相続人の人数分 |
登録免許税 | 不動産の固定資産税評価額 × 0.4%または2% |
登録免許税は、相続登記の申請をする際に納めます。税率は、法定相続人が相続した場合は0.4%、遺言によって特定の人に財産を相続する「遺贈」であれば2%です。
たとえば、固定資産税評価額2,000万円のマンションを法定相続人が相続すると、登録免許税は8万円になり、遺贈だと40万円となります。
なお、不動産の固定資産税評価額は、市区町村から送付される固定資産税の通知書に記載されています。高額な不動産であれば登録免許税も高くなるので、事前におおよその額だけでも把握しておくとよいでしょう。
専門家に依頼する場合は別途費用がかかる
相続登記は、司法書士に依頼することも可能です。
司法書士に依頼すれば、相続登記に必要な書類の取得や手続きを一任できるため、手間や時間がかかりません。
依頼には約5万~15万円の費用がかかりますが、円滑に進めたい場合は検討してみましょう。
なお、司法書士への報酬は自由化されており、依頼先事務所や担当者により差があります。相続人の人数や不動産の個数に応じて見積もりが変動するため、事前に予算と併せて相談しておくのがおすすめです。
相続した不動産を売却するならリビンマッチがおすすめ
住む予定のない不動産を相続したときは、なるべく早いタイミングで売却を検討しましょう。
不動産を所有していると、税金や維持にかかる費用が発生するため金銭的な負担が増えます。
また、築年数が古くなることで資産価値も落ちやすくなるためです。
相続した不動産を売却するなら、不動産一括査定サイト「リビンマッチ」をご利用ください。リビンマッチを利用すれば、複数の不動産会社に一括で査定を依頼できます。
査定内容を比較すれば、高く売れる不動産会社に依頼できる可能性があります。
リビンマッチは24時間365日受け付けており、最短45秒で入力が完了します。すきま時間で気軽に利用できるため、ぜひこの機会にご活用ください。
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弊社は2018年に司法書士・行政書士事務所として開業し、2021年に法人化いたしました。
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リビンマッチ編集部
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