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相続した不動産を売ったあとの確定申告と必要書類

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相続した不動産を売ったあとの確定申告と必要書類

相続した不動産を売却すると、確定申告が必要になることがあります。確定申告には多くの書類を準備する必要があり、漏れがあるとペナルティを課せられるおそれがあるため注意が必要です。

では、相続した不動産の売却で確定申告をする場合、どのような書類が必要になるのでしょうか。スムーズに確定申告ができるよう、あらかじめ確認しておきましょう。

相続した不動産の売却で確定申告が必要になるケース

相続した不動産を売却した場合、以下のケースでは確定申告が必要になります。

  • 譲渡所得が発生した
  • 控除や特例を適用する

確定申告をしないと、ペナルティを課せられるおそれがあります。該当する場合は忘れずに確定申告を行いましょう。

譲渡所得が発生したとき

譲渡所得とは不動産を売却したときの利益です。譲渡所得は次の計算で求められます。

譲渡所得=売却して得た金額 - (物件取得にかかった費用+売却にかかった諸経費)

譲渡所得が発生した場合には、自身で確定申告を行い納税する義務があります。

上記の計算式は土地を売却した際に用いるシンプルな計算式です。戸建やマンション等の建物がある場合は、減価償却費を考慮して計算する必要があります>。

不動産を売却して譲渡所得が発生した場合、確定申告が必要です。

控除や特例を適用するとき

控除や特例を適用したい場合には、確定申告が必要です。

たとえば、相続した不動産を令和5年12月31日までに売却し、新たにマイホームを購入した場合、売却により損失がでると、その損失をその年のほかの所得から控除ができます(一定の要件あり)。これを損益通算といいます。

損益通算でも控除しきれなかった損失があったときは、譲渡の年の翌年以後3年内に繰り越して控除できます。これを繰越控除といいます。

いずれの控除や特例を受ける際にも、確定申告が必要になると覚えておきましょう。

不動産売却の確定申告に必要な書類

相続した不動産を売却し、確定申告をする際に必要な書類とその流れを解説します。

確定申告する際に必要な書類一覧

確定申告時に必要な書類は以下です。

  • 確定申告書B様式
  • 確定申告書第三表
  • 譲渡所得の内訳書
  • 全部事項証明書
  • 売買契約書のコピー
  • 譲渡費用の領収書のコピー
  • 売買契約書のコピー
  • 取得費用の領収書のコピー
  • その他、源泉徴収票やマイナンバーなど確定申告に必要なもの

相続した不動産を売却したときは、確定申告に多くの書類が必要になります。再提出を求められることもあるため、事前に確認しておきましょう。

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確定申告書B様式(譲渡所得がある場合)

確定申告書B様式は、給与以外の所得がある場合に、その年の所得や税額を計算するための書類です。税務署または国税庁のホームページで取得できます。記入は複雑な場合がありますので、不安な場合は税務署や税理士に相談することをおすすめします。

確定申告書第三表(分離課税用の申告書)

確定申告書第三表は、ほかの種類の所得と分けて課税する「分離課税」に該当する所得を申告する際に利用する書類です。不動産の譲渡所得は、申告分離課税に該当するため、確定申告書第三表の作成が必要です。

税務署または国税庁のホームページで取得できます。記入は複雑な場合がありますので、こちらも不安な場合は税務署や税理士に相談することをおすすめします。

譲渡所得の内訳書

譲渡所得の内訳書は、不動産を売却した場合に譲渡所得がどれくらいあったかを証明する書類です。譲渡所得の内訳書を提出しておくことで、税務署から不動産取引の内訳についてあとから報告を求められるリスクが減少します。

譲渡所得の内訳書は、不動産の売却後に税務署から郵送されてきます。また、確定申告の時期譲渡所得の内訳書は国税庁のWebサイトからダウンロードも可能です。記入した譲渡所得の内訳書は、確定申告の際に提出します。

全部事項証明書(登記簿謄本、登記事項証明書)

全部事項証明書は、不動産に関する情報や登記から現在までの所有者の推移などが記載された書類です。法務局(オンライン申請も可能)で取得可能です。不動産会社が仲介に入っている場合は、用意してくれることが一般的です。

売買契約書のコピー(譲渡時)

確定申告の際は、売却した際の売買契約書のコピーを用意しておきましょう。

譲渡費用の領収書のコピー(譲渡時)

売却時の決済の際に受け取る領収書を一式残しておくようにしましょう。

売買契約書のコピー(取得時)

売却した不動産を取得した際の売買契約書が残っていれば、そちらもコピーを用意しておきましょう。

取得費用の領収書のコピー(取得時)

不動産を取得した際の決済で受け取った領収書を用意しておきましょう。

その他、源泉徴収票やマイナンバーなど確定申告に必要なもの

源泉徴収票やマイナンバー等を控えて、用意しておきましょう。

特例を利用するための確定申告に必要な書類

特例を利用し確定申告をする場合には、次の資料が追加で必要になります。

  • 譲渡所得の内訳書(5面)
  • 売却した不動産の登記事項証明書
  • 被相続人居住用等確認書
  • 売買契約書のコピーなど売却価格を証明する書類

書類に不備があると特例が適用されないおそれがあります。忘れずに用意しましょう。

譲渡所得の内訳書(5面)

特例を適用する場合、譲渡所得の内訳書(5面)が必要です。この書類には売却に伴う所得の内訳が詳細に記載されており、特例を適用する際には不可欠です。税務署で入手可能です。

売却した不動産の登記事項証明書

特例の適用には、売却した不動産の登記事項証明書が必要です。法務局で入手でき、不動産の所有権や担保権に関する正確な情報が含まれています。

被相続人居住用等確認書

特例を利用する場合、被相続人が居住用に利用していた等の確認書が必要です。「空き家の譲渡所得3,000万円特別控除」の適用を受ける際に必要になります。

被相続人居住用家屋等申請書を市区町村の窓口へ提出することで発行されます。市区町村によってはWebサイトから申請書がダウンロードできるため、記入していくと発行がスムーズです。

売買契約書のコピーなど売却価格を証明する書類

特例の条件を満たすためには、正確な売却価格の証明が求められます。

相続した不動産の売却で確定申告するときの流れ

相続した不動産を売却し確定申告するときの流れを、5つのステップに分けて解説します。

  1. 売買契約の締結
  2. 税務署の相談
  3. 書類の収集
  4. 計算と申告書作成
  5. 申告と納税

①売買契約の締結

買主と不動産の売買契約を締結して、取り決めた期日までに引き渡しを行います。売買契約の際に作成される売買契約書や重要事項説明書は、必ず大切に保管しておきましょう。

②税務署の相談

売却に伴う税金について、税務署や税理士に相談し、必要な書類や手続きについて確認します。お住まいの地域によっては、確定申告の相談会が実施されている場合があり、無料で税理士と個別に相談できます。

申し込みが必要になる場合があるため、利用する際は税務署のWebサイトなどを確認しておきましょう。

③書類の収集

相続登記、譲渡契約書、課税標準の評価額証明書など、確定申告に必要な書類を収集します。書類によっては取得に時間がかかる場合があり、確定申告期限ギリギリになると、間に合わないおそれがあります。

そのため、早めに取得をしておきましょう。詳細は前章をご確認ください。

④計算と申告書作成

譲渡所得税を計算し、確定申告書を作成します。確定申告書を税務署に提出する際、その場で間違いを指摘されることは基本的にありません。確定申告書を提出したあとに内容に間違いがあり、納税額を少なく申告していた場合は修正申告を行いましょう。

⑤申告と納税

作成した確定申告書を税務署に提出し、税金を納付します。確定申告の期限は、不動産を売却した年の翌年3月15日です。期限を過ぎて申請をしたり、申請を忘れたりするとペナルティを課せられるため注意しましょう。

確定申告をする際の注意点

確定申告する際に必ず注意すべき、2つの事柄について解説します。

申告漏れがあるとペナルティが課せられる

確定申告時に最も注意が必要なポイントの一つは、申告漏れです。収入や所得に関する事実を漏れなく申告することが非常に大切です。申告漏れが発覚した場合、税務署は追徴課税を行い、さらにはペナルティを課すことがあります。

注意すべきポイント

  • 全ての収入源や所得を確認し漏れがないか確認する
  • 確定申告書の記入漏れや誤りがないか慎重に確認する
  • 専門家に相談し、必要な情報や書類を漏れなく提出する

追加課税などのペナルティを課されないよう、十分に気をつけましょう。

申告期限に間に合わないと無申告加算税がかかる

確定申告の期限に遅れると、無申告加算税がかかります。期限を守ることは非常に大切であり、遅延によるペナルティを避けるためには次のように計画的に行動する必要があります。

注意すべきポイント

  • 確定申告の期限を事前に確認し、余裕をもって手続きを進める
  • 期限内に提出が難しい場合は、期限までに税務署に連絡し、申告の延長を依頼する
  • 期限内に提出が難しい場合でも、無申告加算税を回避するためにできる限り早く手続きを行う

確定申告に不安を感じる場合は、税理士や税務署への相談を積極的に行いましょう。

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この記事の編集者

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