賃貸住宅は何歳まで借りられる?高齢者が持ち家から賃貸住宅に住み替える方法
高齢になると、一戸建てを維持、管理していくのは大変です。
建物が老朽化してくると、壁紙やフローリングなどの修繕、屋根や外壁の塗装が必要になるため高額な費用がかかります。また、エアコンや給湯器などの設備が壊れたら、修理費や買換え費用を用意しなければなりません。
高齢になってからの庭木の手入れや草むしり作業も負担になるでしょう。高齢になったら、いっそ持ち家をやめて、賃貸住宅に住んだ方が肉体的にも金銭的にも楽になるかもしれません。
それでは、賃貸住宅は何歳まで借りられるのでしょうか?
もくじ
賃貸住宅は何歳まで借りられるのか
高齢者が賃貸住宅を借りにくいという話はよく聞かれます。では、実際に何歳までなら賃貸住宅を借りられるのでしょうか。
年齢に関係なく借りられる
賃貸住宅は、一般的には年齢的な制限がないため、だれでも平等に借りられます。
オーナーや管理会社は、高齢であることを理由に入居を拒否できません。しかし(公財)日本賃貸住宅管理協会の調査によりますと、約8割のオーナーが高齢者に対して拒否感を持っています。
出典:国土交通省「新たな住宅セーフティネット制度における居住支援について」
60歳を超えると断られることもある
同じく国土交通省の調査によりますと、オーナーの11.4%が高齢者世帯を入居制限しています。また、60歳以上の単身高齢者を入居不可としている賃貸住宅は10.9%あります。
したがって60歳を超えると、入居を断られるおそれがあるといってよいでしょう。
出典:国土交通省「新たな住宅セーフティネット制度における居住支援について」
年齢制限を設定されていることがある
オーナーや管理会社によっては、年齢制限をしている賃貸住宅もあります。入居審査は収入や雇用状況などについて審査するのが一般的ですが、年齢も入居審査の際に考慮されることもあります。
高齢者が賃貸住宅を借りられない理由
それでは、オーナーはなぜ高齢者の入居を嫌うのでしょうか?
国土交通省によると、高齢者が入居制限される理由は、下図のようになっています。
これを見ますと、家賃滞納・高齢者の健康面・建物の使用方法などについてリスクを感じているオーナーの多さがわかります。
出典:国土交通省「新たな住宅セーフティネット制度における居住支援について」
家賃滞納のリスク
高齢者になると、仕事を辞めて年金生活になるのが一般的です。
年金だけで家賃を支払っていくのは、簡単ではないことをオーナーは十分承知しています。そのため年金以外に収入があるのか、貯蓄が十分にあるのかが入居審査の大事なポイントです。
高齢者の収入が増えることは通常では難しいため、滞納は一時的なものではなく継続される恐れがあります。滞納があった場合、家賃の回収はそう簡単にはできません。
したがって家賃の支払いに不安がある場合、オーナーは入居を断るでしょう。
建物への被害
高齢になると、認知症でなくてもうっかりや物忘れが多くなります。
たとえば、ガスコンロをつけっぱなしにして火災を起こした、風呂の水を出しっぱなしにして階下の部屋に被害が出たという話を聞いたことのある人もいるでしょう。
入居者の過失による修繕コストは、原則として入居者の負担になります。ただし、被害が大きくなると、オーナーにしわ寄せがいく場合があります。
健康面の不安
高齢者は入居したときには元気でも、何年か経つと体調が急激に悪くなることがあります。そのため家賃の支払いが難しくなり、最悪の場合には亡くなることもあるかもしれません。
夫婦で入居した場合には、家の中で倒れても配偶者が病院へと運べます。しかし高齢者が一人暮らしの場合、オーナーは孤独死のリスクを想定するでしょう。
高齢者が部屋で亡くなってから発見までに一定の期間が経過した場合、自然死であっても事故物件として重要事項説明書に記載する必要があります。そのため通常の家賃では借主が見つからず、家賃を大幅に下げて対応せざるを得なくなるでしょう。
そのようなリスクを避けるために、オーナーは高齢者に住宅を貸すことを避けるようになります。
保証人を立てられない
賃貸物件を借りるときには、連帯保証人を必要とする場合が少なくありません。若いときには親が保証人になれますが、高齢者になると親や配偶者・親族が他界し、連帯保証人を立てられないこともあります。
親族がいない場合には、信用を得られなくて賃貸物件を借りられないケースが多くなります。
高齢者が賃貸住宅を借りやすくなるポイント
ここまで解説してきたように、高齢者が賃貸住宅を借りるのは簡単ではありません。ただし、次のような場合は、賃貸住宅を借りられる可能性はあります。
- 家族が近くに住んでいる
- 保証人がいる
- 十分な資産がある
- 高齢者向けの賃貸住宅を選ぶ
- UR賃貸住宅を選ぶ
- 家賃債務保証制度を利用する
家族が近くに住んでいる
子どもや兄弟などの家族が近くに住んでいる高齢者は、賃貸を借りやすくなります。家族が近くに住んでいれば、本人と連絡がつかなくなった場合でも、すぐに部屋に駆けつけて様子を確認してもらえます。
また、何かトラブルが発生したときも、家族のサポートを受けやすいためです。そのため、オーナーの心配も払拭でき入居しやすくなるでしょう。
保証人がいる
連帯保証人を立てられる高齢者は、入居審査に通りやすくなります。
連帯保証人は、借主が家賃の滞納や設備を破損させたとき、本人に代わって責任を負う人をいいます。本人に支払い能力がなくても、連帯保証人に請求ができるため、オーナーや管理会社から見れば安心です。
そのため、連帯保証人がいれば、高齢者でも賃貸住宅を借りられる可能性が高くなるでしょう。
ただし、連帯保証人は、だれでもなれるというわけではありません。一般的には甥や姪などの3親等以内の親族を条件とする場合が一般的です。
収入や居住地などの条件を満たせば、友人でも連帯保証人として認められるケースがあるため、不動産会社に確認してみましょう。
十分な資産がある
高齢者が賃貸住宅を借りるには、預貯金などの資産も重要です。高齢になると、主な収入源は年金です。
令和5年度の国民年金の受給月額は6万6,250円で、厚生年金の夫婦2人分の標準的な受給月額は22万4,482円となっています。
年金は年6回に分けて入るため安定していますが、今後上がる可能性は限りなくゼロに近いでしょう。さらに、高齢者は体調不良などで、急な出費がでやすいことから、家賃の滞納が起こりやすくなります。
しかし、十分な資産を保有していれば、万が一家賃の支払いが年金でまかなえなくても、預貯金を使えるため滞納を防げます。そのため、入居審査の際、十分な預貯金があると判断されると、審査に通過する可能性が高くなります。
高齢者向けの賃貸住宅を選ぶ
「サービス付き高齢者向け住宅」は、高齢者が安心して暮らせるように考えて作られた賃貸住宅です。この住宅を利用すれば、自宅と同様に自由に生活できます。
また、賃貸住宅のため一時金の心配もなく、比較的リーズナブルな家賃で入居できるのもメリットです。安否確認サービスと生活相談サービスも義務付けられているため、高齢者は安心して暮らせるでしょう。
UR賃貸住宅を選ぶ
UR賃貸住宅の「高齢者向け優良賃貸住宅」を利用すれば借りやすくなります。
この住宅は、世帯全員の所得月額の合計が15.8万円以下であれば、家賃の一部を国とURが折半して負担してくれます。事故や急病などの場合には緊急対応サービスもあるため、高齢者は安心して暮らせるでしょう。
またUR賃貸住宅では、以下のような高齢者用の住宅を取り揃えています。
- 高齢者等向け特別設備改善住宅
- 健康寿命サポート住宅
- シルバー住宅
- URシニア賃貸住宅
UR賃貸住宅は、礼金や仲介手数料・更新料・保証人が不要なため高齢者におすすめです。
家賃債務保証制度を利用する
「家賃債務保証制度」は、高齢者が賃貸物件を借りるときに、一定の保険料を支払うことで、高齢者住宅財団が連帯保証人になってくれる制度です。この制度は60歳以上の人の居住支援サービスで、これを利用することで入居審査に通りやすくなります。
賃貸住宅に住み替えるなら現在住んでいる家を少しでも高く売りましょう
賃貸住宅に入居する場合、敷金や礼金などの一時金と毎月の家賃が必要になります。そのため現在住んでいる住宅を売却して住み替える場合、できるだけ高く売却したいものです。
住宅をできるだけ高く売却する場合なら「リビンマッチ」を利用しましょう。リビンマッチは、(株)マーケティングアンドアソシェイツの「査定サイト認知度No.1」、「使ってみたい査定サイトNo.1」に選ばれる一括査定サイトです。複数の不動産会社に一括で査定を依頼できるため、査定結果を比較して条件のよい不動産会社に売却を依頼できます。
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2022年からリビンマッチのコラム記事の執筆・編集を担当しています。不動産の財産分与に関する記事執筆が得意です。住宅設備機器の専門商社に6年間従事した知識と経験を活かして、不動産に関する知りたかったこと、知っておいた方がいいことをわかりやすく伝えられるように心がけています。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
リビンマッチコラムでは、むずかしい不動産の事をできる限りわかりやすく、噛み砕いて解説しています。不動産に対するハードルの高いイメージ、とっつきにくい苦手意識を少しでも取り除いて、よりよい不動産取引のお手伝いをさせていただきます。
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運営会社:リビン・テクノロジーズ株式会社(東京証券取引所グロース市場)
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