マンション買取の査定方法と評価を上げる4つのポイント
マンションを1日でも早く売りたいときに有効なのが「買取」です。
買取は、査定から現金化までの期間が短いため、売却期限が決まっている場合や、急にまとまった資金が必要になったときに利用されます。ただし、買取価格は、相場よりも低くなる傾向があります。少しでも高く売るには、査定の評価を上げるための対策が大切です。
ここでは、マンション買取の査定方法と評価を上げるポイントについて解説します。
もくじ
マンションの買取とは
買取は、所有する不動産を不動産会社に直接売ることです。マンションの買取をするときは、最初に不動産会社に査定を依頼します。担当者がマンションの査定額を提示し、合意をすれば、売買契約を結び期日までに引き渡して取引完了です。そのため、査定から現金化までの期間が早ければ1カ月程度で終わります。
マンションを売却する場合、不動産会社が見つけた買主に不動産を売却する仲介という方法を取る場合も多いです。では、買取と仲介は、具体的にどのような点が異なるのか違いについて確認しましょう。
買取と仲介の違い
買取と仲介の違いをまとめると次表のようになります。
買取の特徴 | 仲介の特徴 | |
---|---|---|
買主 | 不動産会社 | 主に個人の顧客 |
売却方法 | 不動産会社に直接買い取ってもらう | 不動産会社に仲介を依頼して、市場で売却 |
売却期間 | 約1カ月以内 | 約3カ月~半年 |
売却価格 | 仲介より低くなりやすい | 相場で売却できる可能性がある |
仲介手数料※ | 不要 | 必要 |
売却活動 | 売却活動は不要 | チラシ広告やWebページに掲載。購入希望者が現れたら内覧対応が必要 |
※売却金額が400万円超の場合は、(売却額×3%+6万円)+消費税が上限
買取は、不動産会社がマンションを直接買い取るため、買主が見つからないというリスクがありません。また、仲介もしないため、仲介手数料が不要です。
ただし、不動産会社は、買い取ったマンションを再販して利益を得ます。そのため、売却価格は相場よりも低くなる傾向があります。
マンション買取の査定方法
マンション買取の査定方法には、机上(簡易)査定と訪問査定の2つがあります。
それぞれの特徴について解説します。
机上(簡易)査定
机上査定は簡易査定ともいわれ、過去の取引事例や市場動向・物件の場所や築年数・間取りなどの資料を基に査定する方法です。
書類や簡単なヒアリングだけで査定が完了するため気軽に依頼できます。査定結果は早ければ当日中に届くため、すぐにマンションの価値を確認できます。
しかし机上査定は、マンションの外観や室内の様子を見ないで査定するため、精度は高くありません。そのため、おおよその査定額を知りたい場合に向いている方法といえるでしょう。
初めに机上査定を行い、不動産会社を数社に絞ってから訪問査定を依頼するのが一般的です。
訪問査定
訪問査定は、不動産会社の担当者が現地を訪れ、マンションを直接見たうえで査定する方法です。マンションの外観や室内の劣化状況・騒音・交通の便・日当たりなどの環境について調査し詳細に査定します。
机上査定だけではわからない物件状況をチェックするため、机上査定よりも実際の売却価格に近い査定額を算出できます。ただし訪問査定は不動産会社の立ち会いが必要です。
訪問査定を依頼する不動産会社が多すぎると、売主は対応に負担を感じることもあるでしょう。そのため、訪問査定は、不動産会社を2社程度に絞って依頼することをおすすめします。
マンション買取で評価を上げる4つのポイント
マンションの買取では、不動産会社の担当者が、建物の外観や室内含めて細かいところまで確認します。多くの部分はコントロールすることは難しいのですが、そのなかでも以下の4つのポイントは、売主の努力で評価を上げられる可能性があります。
- 管理状況
- 室内の状況
- 不具合の対処
- 高額査定してくれる会社を探す
訪問査定までに準備を整えておくことで、査定額を上げられる可能性があります。それぞれについて確認しておきましょう。
管理状況
マンションの管理情報を整理し保有しておけば、査定時に高く評価してもらえる可能性があります。訪問査定の際に、管理費や修繕積立金の適正な運用状況やリフォームの履歴・耐震補強の書類など、査定にプラスとなる情報があれば、よい評価を受けやすいためです。
マンションの管理情報については、次のような書類があります。
- マンション購入時の売買契約書
- 重要事項説明書
- 分譲時のパンフレットや間取り図
- マンションの管理規約
- マンションの大規模修繕
- 耐震補強の情報
- 専有部分のリフォーム情報
- マンション管理費や修繕積立金の額を確認できる書類
なお次の書類は、マンションを売るときに必要になるのできちんと整理しておきましょう。
- 登記識別情報あるいは登記済証(権利証)
- 固定資産税納税通知書あるいは固定資産税評価証明書
- 住宅ローンの返済予定表
室内の状況
買取査定の際には、最低限の掃除は行い清潔感のある状態にしておきましょう。訪問査定時に室内にものがあふれていると正確な査定ができないためです。壁や床の状態がわからない、設備が使えるかどうかわからない、といった状態のまま訪問査定を受けると、予想よりも低い査定額を提示されるおそれがあります。
不動産会社が買取るマンションはリフォームをして再販するため、ハウスクリーニングを依頼して隅々まできれいにする必要はありません。
しかし、ものが散らかっていて室内の状態がよくわからないという場合は、整理整頓をしておくことで査定額が上がる可能性があります。
不具合の修繕
部屋に不具合がある場合には、最低限の補修はしておきましょう。
部屋をリフォームする必要はありませんが、壁紙の剥がれや引き戸・ドアなどの立て付けが悪いところは自分でも直せます。不具合な部分を少しでも直しておけば、評価が上がる可能性があります。
室内に大きな不具合や故障があれば、査定の際に正しく申告しておきましょう。訪問査定を行うのはプロです。隠してもすぐに見つけられてしまいます。仮に査定時に見つけられなかったとしても、後から発覚すると契約解除や損害賠償を請求されるおそれがあります。
高額査定してくれる会社を探す
査定額に納得がいかない場合は、ほかの不動産会社を探しましょう。買取の査定は、不動産会社により情報や資料が異なるため、評価に大きな差が出ます。
そのため、複数の不動産会社に依頼をすれば、希望額で買取ってくれるところが見つかるかもしれません。複数の不動産会社に査定を依頼する場合は、一括査定サイトが便利です。
一括査定サイトは、一度で複数社に査定を依頼できるため、手間と時間を省けます。
マンション買取の注意点
マンションの買取は、あらかじめ注意すべき点がいくつかあります。これらの点を踏まえておかないと、後悔することにもなりかねません。
売却価格が仲介よりも低い
マンションの買取価格は、仲介で売ったときの7~8割程度になるのが一般的です。
価格が低くなる理由は、不動産会社が買い取ったマンションをリフォームや修繕をして転売することによります。したがってあまり手を加えないで済むマンションであれば、仲介の9割程度の高価買取をしてくれることもあります。
なおつぎのようなケースでは仲介での売却が難しいため、売却価格は低くなっても買取してもらったほうが良いでしょう。
- 築年数が古い
- 早く現金化したい
- 近隣に知られずに売却したい
- 交通の便が良くない
- 環境が良くない
- 事故物件
ただし、マンションは耐用年数が長いため、築年数が古くても売れる可能性があります。最初から買取にすると損をすることがあるため、まずは仲介を利用してみましょう。
相場価格を事前に調べておく
マンションの買取を依頼する際には、あらかじめ相場価格を調べておきましょう。
周辺相場を把握することで、所有するマンションがいくらで売れそうかわかります。相場を掴んでおけば、適正な価格で買取を依頼できます。
マンションの相場を把握する方法には、不動産ポータルサイトや不動産会社のホームページ・不動産流通機構が運営するレインズなどがあります。
1社だけに査定を依頼しない
マンションの買取査定は、1社だけでなく複数の会社に依頼しましょう。
1社だけに限定して依頼した場合、査定価格が適正かどうかは判断できません。複数の不動産会社に依頼すれば、査定価格を比較できるため、適正な価格を提示してくれる不動産会社を選べます。
また一括査定は、やりとりの過程で信頼できる不動産会社かどうかを見極めることもできます。複数の不動産会社に査定を依頼するには、一括査定サイトを利用するのが便利です。「リビンマッチ」を利用すれば、一度に複数の不動産会社に査定を依頼できるため、手間と時間を省き高価買取を期待できます。
2022年からリビンマッチのコラム記事の執筆・編集を担当しています。不動産の財産分与に関する記事執筆が得意です。住宅設備機器の専門商社に6年間従事した知識と経験を活かして、不動産に関する知りたかったこと、知っておいた方がいいことをわかりやすく伝えられるように心がけています。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
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