訪問査定の前に準備しておくこと・ものを徹底紹介!
訪問査定は不動産会社の担当者が、売却する不動産を現地で確認する査定のことです。物件情報だけで査定をする机上査定と違い、不動産の状態を実際に確かめるため、より精度の高い査定価格を算出できます。
訪問査定は不動産売却のときに、売り出し価格を決めることが最大のポイントです。正確に査定を行うために、売主が事前に準備しておくこと・ものを紹介します。
もくじ
訪問査定は不動産売却への第一歩
訪問査定とは不動産の査定価格を算出するための、不動産会社による現地調査のことをいいます。不動産売却を検討している人にとって訪問査定は、売り出すときの価格を決めるために必要です。不動産会社による査定は、原則として無料です。
査定価格はあくまでも予想される売却価格であり、必ずその価格で売却できるわけではないことに注意が必要です。
訪問査定で準備するものチェックシート
不動産会社は訪問査定のときに、実際に物件を確認して売主から土地や建物などについて、さまざまな話を伺います。そのときは、次の書類の準備をしておきましょう。
- 登記済権利証(権利証)、登記事項証明書
- 身分証明書
- 公図と地積測量図の写し
- 建築確認済証(建築確認通知書)、検査済証
- 固定資産税及び都市計画税納税通知書
- 購入時の売買契約書、重要事項説明書
- 住宅性能評価書やシロアリ防除の保証書
- 管理規約、管理組合の決算報告書(マンションの場合)
- 住宅ローン返済予定表
これらの書類がないと訪問査定が受けられないわけではありませんが、用意できるものは用意しておくと話がスムーズに進み、査定価格も早めに報告されます。それぞれの書類がどういったものなのかを解説します。
登記済権利証(権利証)、登記事項証明書
登記済権利証や登記事項証明書は、不動産の所有権や権利関係をあらわす証明書です。土地や建物の所在地や所有者、面積などの情報が記載されています。
これらの書類は不動産を購入したときに手渡されています。もし見当たらなければ、登記事項証明書を法務局の窓口、またはWebサイトから申請すれば入手可能です。
身分証明書
査定を依頼した人が、不動産の所有者であることを確かめるために必要です。自動車運転免許証やマイナンバーカードなどの、自身の身元が証明できるものを用意してください。
訪問査定は所有者本人以外でも、所有者から依頼を受けていれば可能です。本人以外が査定を依頼するときは、不動産会社に必要な手続きを確認しましょう。
公図、地積測量図の写し
訪問査定では、土地の形状、隣地との境界などの確認を行います。調査を行ううえで公図と地積測量図は、重要な資料です。
公図や地積測量図の写しは、どちらも法務局に保管されています。公図は土地の形状、地番などをあらわし、隣地との位置関係、境界線がわかる図面です。地積測量図は土地の境界や面積などを、測量によってあらわした図面のことをいいます。どちらも重要事項説明書に添付されています。
建築確認済証(建築確認通知書)、検査済証
建築確認済証(建築確認通知書)とは、建築計画が法例に適合していることが確認されると交付される書類のことです。検査済証は建築確認、中間検査、完了検査を終えると交付されます。検査済証があることで、建築計画どおりに建築されていることが証明できるのです。
訪問査定では、建物の築年数、床面積、内外装、間取りなどの確認を、建築確認済証や検査済証も使って行います。これらの書類は、買主が金融機関から融資を受ける際の必要書類にもなります。
固定資産税及び都市計画税納税通知書
固定資産税と都市計画税の納税通知書は、毎年地方公共団体(地方自治体)から送付されてきます。
内見に来た購入希望者が固定資産税や都市計画税の税額を知りたがることが多いため、不動産会社に伝えておく必要があります。
不動産を売却するときに固定資産税と都市計画税を日割りで計算し、買主からの戻し精算を行うため、納付書も揃えておきましょう。
購入時の売買契約書、重要事項説明書
不動産を購入したときの売買契約書、重要事項説明書もできれば用意しておきましょう。どちらの書類も、どのような条件で売買されたかがわかる重要な書類です。
住宅性能評価書やシロアリ防除の保証書
住宅性能評価を受けていれば住宅性能評価書を、シロアリの防除作業を行っていたら防除の保証書を用意しましょう。
建物がしっかり管理されている証明になるため、査定価格がアップする要因になります。
管理規約、管理組合の決算報告書(マンションの場合)
管理規約や管理費・修繕積立金の決算報告書は、マンションの管理が適正に行われているかどうかを確認するために必要です。
買主がペットを飼っていたり、購入されたあとにフローリングなどにリフォームを希望したりすることがあるため、ペット飼育やリフォーム工事が可能なのかどうかは査定価格に影響します。
住宅ローン返済予定表
住宅ローンを返済中であれば、抵当権が設定されています。抵当権が設定されている場合は、決済時までに抹消する必要があるため、自己資金で抹消するのか、売却代金で抹消するのかを不動産会社と相談して決めましょう。住宅ローン返済予定表はその資料になります。
訪問査定の前にしておきたいこと
書類を揃える以外にも、訪問査定を受ける前にしておきたいことがいくつかあります。訪問査定のときに考えるのではなく、あらかじめ考えておくことで、不動産会社との話し合いをスムーズに進められるでしょう。
売却する不動産の情報収集をしておく
不動産の売却をするときは、査定価格は不動産会社に算出してもらいますが、自分でも売却価格がどれくらいになるか情報収集をしておきましょう。近隣でどれくらいの不動産が売りに出されているのか、どれくらいの価格で売り出しているのかをリサーチしてください。
不動産会社から提示される査定価格が、妥当なものかどうかを判断するために必要です。不動産会社からどれくらいの価格で売りたいのか、希望金額を聞かれることもあります。
価格重視か、日程優先なのか?
家の住み替えや転勤、住宅ローンの解消など、不動産を売却する理由は人それぞれです。そのため、最低でもこの価格で売りたい、またはこの期日までには売却したい、といった方針を決めましょう。
売主の方針が査定価格に影響することがあります。特に売却期日の希望がある場合は、影響しやすい傾向があります。
室内の清掃・整とんをしておく
査定担当者に少しでもよい印象を持ってもらうため、室内の清掃・整とんをしておきましょう。ただし、部屋のすみずみまできれいにしても、残念ながら査定価格は上がりません。査定は全体の雰囲気や、法令関係を重視しているためです。
ただし、不動産を売り出したあとは、内見に来られる方のほとんどがキッチンや浴室といった水回りの汚れやカビを非常に気にします。そのため、掃除すること自体は、決して無駄にはなりません。
不動産会社が教える、訪問査定の重要ポイント
訪問査定で訪れた不動産会社の担当者が、チェックしているポイントについて解説します。訪問査定では、どういったところが見られているのでしょうか。
- 売却理由
- 重要度:★★★★★
- 土地の建築制限
- 重要度:★★★
- 土地の形状、状態
- 重要度:★★★★★
- 建物の状態
- 重要度:★★★
- 周辺環境
- 重要度:★★★★
- 決定権を握っているのは誰か
- 重要度:★★★
不動産会社が訪問査定で重視しているポイントを見ていきましょう。
売却理由
重要度:★★★★★
訪問査定では、まず売却理由を確認されます。住み替えが目的で新居がすでに決まっているのであれば、短期間で成約させなければなりません。そういった理由があると売却活動期間が短くなるため、査定価格はやや低めになります。
単純売却と呼ばれる引っ越し期限がないときは、活動期間を長くとれるため、査定価格はやや高くなる傾向があります。
土地の建築制限
重要度:★★★
土地で重要なのは、接道義務を果たしているかどうかです。もし接道義務を果たしていない土地の場合、再建築不可となるため、査定価格は著しく低くなります。そのほかにも高さ制限など、不動産のあるエリアによってさまざまな制限があります。
ただしこれらの情報は、事前にわかっているもののため、訪問査定でじっくりチェックすることはありません。
土地の形状、状態
重要度:★★★★★
土地の形状、状態も重要なポイントです。土地の形や高低差、隣地への越境物といった、書類などの情報だけではわからないことも、訪問査定で明らかになります。現地で得られた情報は、査定価格にも大きく影響するでしょう。
ほかにも上下水道、ガス管が公道から引き込まれているのか、第三者の土地を経由しているのかなども重要なポイントになります。
建物の状態
重要度:★★★
訪問査定では建物の状態を、しっかりと確認されます。不動産会社がチェックする項目は非常に多く、すみずみまでチェックして建物を評価します。
間取り、給排水設備、壁や床の状態、雨漏りやシロアリの有無といった建物の状態だけでなく、日当たり、風通し、眺望などもチェックの対象です。
売買のあとでトラブルになるおそれがあるため、自身でわかっている不備があれば、不動産会社に伝えておきましょう。売買成立後に発覚すると損害賠償を請求されることもあるため、隠しておくメリットはありません。
周辺環境
重要度:★★★★
最寄り駅からのアクセスなどが、周辺環境でもっとも重視されます。徒歩圏内なのか、バスが必要なのかで大きく評価が変わります。道路に歩道や街灯があるのか、坂道なのかもポイントになります。
そのほかにも、学校や公園、病院、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、郵便局などの生活に便利な施設が近くにあると好評価の対象です。逆にゴミ集積所、工場、墓地などは減点評価になります。
決定権を握っているのは誰か
重要度:★★★
不動産会社の担当者は、訪問査定をするときに家族のなかで誰が決定権を握っているのかもチェックしています。
売り出し価格を決めるときや、購入希望者との価格交渉のときに、誰と話をしたほうがよいのかを見極めるためです。
訪問査定で売主がチェックすること
不動産会社が物件を査定するだけでなく、逆に売主が不動産会社をチェックする場でもあります。訪問査定を受けたあとは、媒介契約を結ぶ不動産会社を選ぶことになるため、訪問査定のときにどんな会社かチェックしましょう。
訪問査定で不動産会社をチェックするポイントを紹介します。
不動産会社の得意な物件を確認する
得意・不得意が不動産会社によってあるため、不動産売買が得意な会社かどうかを確認しておきましょう。
不動産売買が得意な会社、賃貸が得意な会社、営業エリアごとの得意・不得意など、不動産会社によってさまざまです。不動産売買が得意な会社でも一戸建ては得意でない、ということもあるため、しっかりと確認することが大切です。
査定を依頼するときに、複数の不動産会社を選んでおくとよいでしょう。誰もが知っている大手不動産会社、地元密着型の中小不動産会社など幅広く依頼してください。
担当者の人柄を見る
訪問査定に来る不動産会社の担当者は、基本的に売主が選ぶことができません。不動産会社によりますが、担当者ごとに担当エリアがあったり、順番が決まっていたりするため、売主が特定の担当者を指名できないことが多いのです。
ほとんどのケースで、訪問査定の担当者がそのまま売却の担当者になります。そのため、訪問査定は売主にとって、担当者を見極める機会でもあります。
誠実に活動してくれるのか、自分との相性がよいのかなど、さまざまな面から担当者の人柄をチェックしましょう。
不動産売買は担当者個人の力量に左右される部分が大きく、あまりやる気のない担当者にあたってしまうと売却に支障が出ることがあります。力量のある担当者は他社にもコネクションがあり、お互いで物件を紹介し合っています。そんな人が担当者になってくれると心強いでしょう。
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この記事の編集者
リビンマッチ編集部
リビンマッチコラムでは、むずかしい不動産の事をできる限りわかりやすく、噛み砕いて解説しています。不動産に対するハードルの高いイメージ、とっつきにくい苦手意識を少しでも取り除いて、よりよい不動産取引のお手伝いをさせていただきます。
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