マンションの査定価格は階数に影響されやすい!その理由や階層ごとの価格差
マンションの査定結果に階数は影響するのでしょうか。階数が査定価格に影響する理由や階数ごとの価格差、マンションの査定価格を上げる方法について解説します。
マンションの査定価格は階数に影響されやすい理由
マンションの査定価格は階数に影響され、高階層であるほど査定価格が高くなる傾向にあります。ここでは、マンションの査定価格が階数に影響される理由を解説します。
「価格査定マニュアル」に記載されているから
マンション査定は、公益財団法人不動産流通推進センターが提供する「価格査定マニュアル」に沿って査定されます。価格査定マニュアルでは、所在階数が高いほど評価点が上がり、1階ではマイナス5点、60階ではプラス25点と規定しています。
画像引用:公益財団法人不動産流通推進センター『「価格査定マニュアル」による査定方法』
このマニュアルに従い、高層マンションでは階数が1つ上がるごとに査定価格が約0.5~2.5%上昇する傾向にあります。
仮に、査定価格が1階ごとに評価が0.5%上がるマンションだとしましょう。10階で4,000万円の部屋が20階ではプラス5%の評価で4,200万円、5階ではマイナス2.5%の評価で3,900万円の査定になります。
眺望がよいから
高階層であるほど眺望がよいため査定価格は高くなります。
高階層になるほど景色を遮る建物がなくなり、また、眺望がよいことを部屋探しの条件に挙げる方も多いため、高階層の部屋は高価格で取引される傾向にあります。
日当たりがよいから
高階層であるほど、日当たりがよいため査定価格は高くなります。
日当たりのよい部屋は、夏場であれば湿気が少ないためカビが発生しづらく、冬場であれば部屋の温度が高くなり暖房費の節約につながります。そのため、日当たりのよい部屋は人気があり、高価格で取引されます。
生活音が気にならないから
最上階は上階の生活音がないため価値が高いとされています。マンションにおいて、お互いの生活音は切っても切り離せない問題です。最上階や防音性の高い部屋は、足音や物音に悩まされる心配がないため、価格が高くても引く手あまたになります。
希少性が高いから
高階層の部屋は数が限られているため、人気があります。眺望や日当たりのよさ、生活音に悩まされないことなどを兼ね備えた部屋は希少価値が高いため、常に需要があり高価格で取引されます。
階数ごとにどの程度査定価格が異なるのか?一般的なマンションの場合
「14階建て高層マンション、1階査定価格4,000万円」をモデルケースとして、低階層・中階層・高階層それぞれの査定価格とその理由を解説します。
階層 | 査定価格(万円) | 中階層または低階層との価格差 | 高階層または中階層との価格差 |
---|---|---|---|
低階層 | 4,000 | 中階層より340万円安い | 高階層より630万円安い |
中階層 | 4,340 | 低階層より340万円高い | 高階層より290万円安い |
高階層 | 4,630 | 低階層より630万円高い | 中階層より290万円高い |
なお、低階層、中階層、高階層に明確な定義はありませんが、国土交通省の「長寿社会対応住宅設計指針」によると、以下の記載があります。
(1)6階以上の高層住宅にはエレベーターを設置するとともに、できる限り3~5階の中層住宅等にもエレベーターを設ける。
引用:国土交通省「長寿社会対応住宅設計指針」
これによると1~2階が低階層、3~5階が中階層、6階以上が高階層といえます。
低階層(1階~2階または建物の1/3の高さ)
低階層は、一般的には3階未満あるいは建物の3分の1程度に位置する高さと認識されています。サンプルとして、14階建て高層マンションの低階層1~2階(1階部分と仮定)の価格は「4,000万円」と査定します。
中階層との価格差は約340万円、高階層との価格差は約630万円になります。価格設定が低い主な理由は、次のとおりです。
- ほかの建物で眺望が遮られる
- 日当たりが悪い
- 風通しがよくない
また、外からの騒音が大きいこと、防犯性が低い印象を与えること、プライバシーが守りづらいことなども価格に影響します。ただし、低階層であっても以下のような特徴がある場合は高評価につながります。
- 専用の庭がついている
- 共用施設やエントランスが豪華
- タワーマンションである
- 防犯や防災対策に力を入れている
中階層(3階~5階または6~10階)
中階層は、一般的には3~5階あるいは6~10階程度にある高さと認識されています。サンプルとして、14階建て高層マンションの中階層3~5階(4階部分と仮定)の価格は「4,340万円」と査定します。
低階層との価格差は約340万円、高階層との価格差は約290万円です。価格設定理由として挙げられるのは、次のとおりです。
- 低階層ほど低くもなく、高階層ほど高くもないバランスの取れた階数
- 高齢者でも住みやすい
- 眺望や日当たりがよい
- 外からの騒音が少ない
- 風通しがよく湿気がたまりにくい
- 高階層に比べエレベーターの所要時間が短い
高階層(6階以上または11~15階)
高階層は、一般的には6階以上もしくは11~15階程度にある高さと認識されています。サンプルとして、14階建て高層マンションの高階層6階以上(10階部分と仮定)の価格は、「4,630万円」と査定します。
低階層との価格差は約630万円、中階層との価格差は約290万円です。価格設定の主な理由は次のとおりです。
- 眺望や日当たりが抜群によく通気性もよい
- 防犯性が高くプライバシーを確保しやすい
- 住んでいることがステータスになり、常に高い需要がある
どの階数でも!マンションの査定価格を上げる方法
ここまでは、階数ごとの査定価格について解説してきました。では、階数以外の要素で査定価格を上げる方法はないのでしょうか。ここでは、どの階数でもマンションの査定価格を上げる方法について解説します。
高く売却できる時期を狙う
マンションの売却はタイミングが重要であり、1年の中で高く売れる時期があります。そのため、意図的に高く売れる時期を狙えば、どの階数のマンションであっても高く売ることが可能です。
マンション需要がもっとも高くなる時期は、新年度や新生活が始まる2~3月です。売却活動には3~6カ月程度の時間を要するため、9~12月頃から売却に向けた活動を開始することをおすすめします。
築年数が浅いうちに行動する
マンションの査定価格は、当然に築年数が浅いほど高くなります。築浅物件は人気で特に築10年前後のマンションは、もっとも需要が高く、早期に売れる傾向にあります。
マンションを高く売りたいのであれば、少しでも早く行動した方が高値で売れやすいでしょう。ただし、駅近など利便性が高く、好立地に位置している場合には、築年数が古いマンションであっても、高値で取引される場合もあります。
所有しているマンションの売却に強く、信頼できる不動産会社に依頼する
所有しているマンションの売却を得意とする不動産会社に依頼することも、マンションの査定価格を上げる有効な方法です。
マンションの売却が得意なのは、分譲元の不動産会社です。特に、地域独自のブランドマンションである場合は、自社ブランドのファンを顧客として抱えている可能性もあります。分譲元の不動産会社であれば、自社ブランドのマンションを高値で取引したいと考え、売却活動に力を入れて動いてくれるでしょう。
不動産の一括査定サイトを利用する
マンションの査定価格は不動産会社によって異なるため、複数の会社に査定を依頼し、比較検討することが重要です。
複数の不動産会社に依頼するには、個々に依頼するのではなく「不動産の一括査定サイト」を利用するのがおすすめです。不動産の一括査定サイトでは、売却したいマンションの必要情報を入力するだけで、複数の不動産会社に査定依頼できます。
一括査定サイトには、国内の大手はもちろん、地域密着型で活動している有力な地元不動産会社まで、多くの不動産会社が登録されています。特に一括査定サイトのリビンマッチに登録されている不動産会社は、厳正な審査で選定されているため信頼できます。
一括査定サイトで自分のマンションを高く評価してくれる不動産会社を探し、その査定価格の根拠と、過去の取引事例を確認するのがおすすめです。
まとめ
今回はマンションの査定価格が階数に影響される理由や、階層ごとの価格差について解説しました。査定価格が階数に影響される理由として「価格査定マニュアル」に記載されていること、眺望や日当たりがよいことなどが挙げられます。また、低階層は外からの騒音が大きいこと、防犯性が低いこと、プライバシーが守りづらいことなどから低評価になりがちです。
一方、高階層は抜群の眺望であること、防犯性が高いこと、ステータスになることなどから高評価です。さらに、階数に左右されず査定価格を上げる方法は、高く売却できる時期を狙うこと、不動産の一括査定サイトを利用することなどが挙げられます。マンションの査定価格でお困りであれば、ぜひこの記事にある内容を参考に行動してみてください。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
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