家はあと何年住める?築20年、築30年の場合は?お答えします!

購入した家にしばらく住んでいると、心配になるのが家の寿命です。
日本の家の寿命は、建物の構造や材料、建てられた時期の建築基準、立地や環境など、さまざまな要因によって変わりますが、一般的に約30年と言われています。しかし、これは社会的・経済的な観点から見た場合の平均的な建て替え時期です。適切なメンテナンスを行えば、もっと長く住み続けることも可能です。
ここでは、まず家の寿命を考える上で重要な指標となる、住宅の構造別の寿命の目安について解説します。その上で、家の寿命に影響を与える要因や、寿命を延ばすための方法について詳しく見ていきましょう。
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家は何年住める?
結論から言うと、住んでいる人が限界を感じるまでは、住み続けることが可能です。実際に、築100年以上が経過した古民家に住んでいる人も少なくありません。適切なメンテナンスとリフォームを行えば、快適性もある程度維持できるでしょう。
とはいえ、築年数が古くなると、修繕箇所も多くなり、費用も高額になります。住み続けるのが難しくなるタイミングが来れば、住み替えを検討する時期と言えます。
では、そのタイミングは大体どれくらいになるのでしょうか。家の寿命の目安となる耐用年数や耐震性能について確認しておきましょう。
家の耐用年数はひとつの目安
築年数の経過した家にあと何年住めるのかは、耐用年数がひとつの目安になります。
国税庁は、家などの資産が使用できる期間として法定耐用年数を定めています。住宅については、以下のとおりです。
構造 | 法定耐用年数(年) |
---|---|
木造 | 22 |
軽量鉄骨造 | 27 |
鉄筋コンクリート造 | 47 |
参考:国税庁「耐用年数(建物/建物附属設備)」
しかし、上記の耐用年数は税務上の減価償却費を計算するうえで定めているもので、耐用年数が過ぎても住めないわけではありません。
国税庁の耐用年数には、もうひとつの規定があります。不動産を売ったときなどの譲渡所得を求めるとき、取得費として構造別に償却年数を決めており、それは上記の法定耐用年数の1.5倍の年数です。
この耐用年数を記載すると次のようになります。
構造 | 耐用年数(年) |
---|---|
木造 | 33 |
軽量鉄骨造 | 40 |
鉄筋コンクリート造 | 70 |
何年住めるかの問いに対する回答としては、近い年数になっているでしょう。
耐震性能から考える家の寿命
家の耐久性がどれくらいあるのかも重要なポイントです。
家の耐久性を表すひとつの尺度として、耐震性能があります。地震大国である日本では、耐震性能が劣っていると、ほかの耐久性に関わる部位が健全であっても大きな地震で倒壊するおそれがあります。
そのため、耐震性能は築年数に関わらず重要なポイントです。
耐震性能の変遷
耐震性能に関係する要素として、耐震基準があります。住宅に関する制度の中では必ずといってよいほど「新耐震基準に適合…」といった表現が出てきます。
新耐震基準は、1981年6月1日から施行された改正建築基準法で定められました。1978年の宮城県沖地震(マグニチュード7.4)による大きな被害状況を受け、建築基準法を改正したものです。
さらに、木造住宅に関しては2000年6月1日にも構造に関する規定が改訂されました。建築確認を受けたのが1981年5月31日以前なのか、2000年6月1日以降なのかによって、耐震性能は大きく異なります。
つまり、耐震性能は以下のように建築年代で区分されます。
- 1981年5月31日までの旧耐震基準の家
- 1981年6月1日以降から2000年5月31日までに確認申請を受けた新耐震基準の家
- 2000年6月1日以降に確認申請を受けた2000年基準の家
また、鉄筋コンクリート造に限ると、1971年にも耐震基準が改訂されました。そのため、1971年以前の鉄筋コンクリート造の家は、上記3つの区分ではなく4つの区分があると理解しましょう。
建築年代別の寿命
前述したように、いつ建築確認を受けたかによって、家の耐久性は大きく変わります。
たとえば、1980年に建てられた家の場合、2023年現在ではすでに築43年ですが、旧耐震基準の建物です。耐震補強工事を行っていない家は住まいとしては望ましくないと考えられるでしょう。
では、1982年に建てられた家を考えてみましょう。築41年であり、新耐震基準の建物です。一定の耐震性能は確保されていますが、2000年の改訂基準と比べると耐震性能に多少の不安があります。
一方、2000年の改訂基準により建てられた家は、築23年です。今後のメンテナンスを適切に行えば、前述した1982年に建てられた家よりも長い寿命が期待できるでしょう。
つまり、耐震性能から判断すると、家の寿命は新築したときの年代により変わるといえます。建築年代別に寿命の目安をまとめると、以下のとおりです。
寿命(年) | |
---|---|
旧耐震基準の家 | 40~50 |
新耐震基準の家 | 50~60 |
2000年基準の家 | 60~70 |
新耐震基準が施行されて42年が経過しました。新耐震基準の家の寿命は現時点においては期待値でしかなく、実証されているわけではありません。しかし、旧耐震基準の家がまだ周辺に建っている状態を見ると、上記の期待値はあながち的外れではないでしょう。
【早見表】いま住んでいる家はあと何年住める?
実際、現在住んでいる家にあと何年住めるのでしょうか。あくまでも推定ですが、前述した建築年代別の家の寿命にしたがい、早見表を作りました。
旧耐震基準の家 (寿命:40~50年) |
新耐震基準の家 (寿命:50~60年) |
2000年基準の家 (寿命:60~70年) |
|||
---|---|---|---|---|---|
築年数 | 住める年数 | 築年数 | 住める年数 | 築年数 | 住める年数 |
42 | 8 | 23 | 37 | 1 | 69 |
43 | 7 | 24 | 36 | 2 | 68 |
44 | 6 | 25 | 35 | 3 | 67 |
45 | 5 | 26 | 34 | 4 | 66 |
46 | 4 | 27 | 33 | 5 | 65 |
47 | 3 | 28 | 32 | 6 | 64 |
48 | 2 | 29 | 31 | 7 | 63 |
49 | 1 | 30 | 30 | 8 | 62 |
50 | 0 | 31 | 29 | 9 | 61 |
– | – | ~ | ~ | ~ | ~ |
– | – | 42 | 38 | 23 | 47 |
住める年数はあくまでも仮説にしたがった目安であり、家の耐久性を保証するものではありません。しかし、あと何年かをイメージするには参考になるでしょう。
また、築年数は2023年を基準にして計算しています。2024年以降にこのページをご覧になる方は築年数を修正してご利用ください。
業界経験者が教える!長い年数住める家にする方法
家の寿命を延ばすにはどのような点に気をつけるべきでしょうか。
メンテナンスやリフォームのときに知っておくと得なことなど、住宅建築の専門家しか知らないような情報も紹介します。
耐久性を上げるリフォームをする
家の寿命を延ばすためのリフォームをする場合は、自己判断ではなく専門家による診断を受けることが重要です。
耐震診断やホームインスペクションにより現在の状態を確認したうえで、適切なリフォームを計画しましょう。耐震性能が著しく低い家にも関わらず、耐震補強をせずに外壁の張り替えや間取りの変更など大がかりなリフォームを行うべきではありません。
外壁の張り替えでは、耐力壁の増設が可能です。また、間取りの変更でも同様に耐力壁の増設や補強をする絶好の機会となります。
外見上の新しさを求めるよりも、構造上の問題を解消して耐久性を上げるリフォームを計画することが大切です。
耐久性に影響する屋根と鉄部の塗装
一般的なリフォームメニューとして、外部塗装があります。
外部塗装の部位としては、次のような種類があります。
- 屋根
- 外壁
- 鉄部
このうち耐久性に影響を与えるのは、屋根と鉄部です。鉄部は、たとえばバルコニーの手すりなど、住宅本体と接合するものです。
手すりにサビが発生してしまい、手すりと外壁の接合部から雨水が浸入すると、やがて構造体にまで水が染み、腐食の原因となります。鉄部はあまり意識をしない部位ですが、意外と重要な部位です。

屋根の塗装

鉄部の塗装
外壁は防水・透湿シートの状態が重要
外壁も雨風を防ぐ重要な部位と考えられますが、1990年頃以降は外壁に通気層を採用している家が多くなっています。
通気層とは、外壁仕上げの内側にある外気が通る層で、室内からの湿気を外気に排出する働きがあります。
新築住宅の工事などで外壁の仕上げがされていない状態で、数週間も雨ざらしになっている現場をよく見かけます。室内に雨水が入らないのは、通気層に「防水・透湿シート」があるためです。

外壁の防水・透湿シート
つまり、外壁の防水性は、外壁の仕上げ材よりも、通気層の防水・透湿シートが重要な役割を果たしています。そのため、外壁のリフォームは、防水・透湿シートが劣化するのを防ぐためと考えるほうがよいでしょう。
外壁の張り替えリフォームをする場合は、防水・透湿シートの状態を確認することが、耐久性を維持させるために重要です。
自然環境を考えた家のメンテナンスをする
耐久性が維持されている家は本来の寿命まで住めますが、耐久性が低下してくると家の寿命は短くなります。
耐久性が低下するほとんどの原因は、自然環境や災害です。たとえば、以下のようなケースがあります。
- 大きな地震により構造体に損傷が生じた
- 洪水による浸水により床・土台・柱が腐朽した
- くり返しの雨漏りにより構造体が腐朽した
- 水回りの壁や床に湿気による劣化現象が生じている
このような場合は、構造部材の交換や補強を含めたリフォームをするのがよいでしょう。耐久性が低下した部位をそのままにしておくのは、家の寿命を縮める要因となります。
家は寿命が来る前に手放すのが得策
家が持つ寿命ぎりぎりまで住み続けるか、それより前に家を手放すのか、判断に迷う方もいるでしょう。詳しい考え方を紹介します。
専門家に耐久性を判断してもらう
前述したとおり、日本の住宅は建築年代によって耐震性能が異なります。そのため、すべての家について共通した「寿命は○○年」といった基準はありません。
建てられた時期と現在の状況によって個別に判断する必要があります。
また、リフォームをする場合は、現状を正確に把握し、より耐久性を維持できるリフォームを行う必要があります。
専門家に耐久性を確認してもらえば、「いつまでに売ったほうがよい」といった答えが返ってくるかもしれません。耐久性は売却時期を決める重要なポイントといえます。
周辺環境の変化も売却時期を決めるためのポイント住んでいる家を売る時期を決めるのには、もうひとつの重要なポイントがあります。
耐久性においてまだまだ住める家であっても、周囲の環境が変化し住みにくくなるケースもあります。
- 公共交通の縮小や路線変更
- 商業施設や利便施設の撤退
- 学校や病院などの移転
主に人口減少に起因する政策の変化や社会インフラの縮小です。
たとえば、住まいや公共サービスなどの機能を集約した都市として「コンパクトシティ」という概念があります。売れるはずの家がコンパクトシティのエリア外にあるために売れない、といった現象も起こり得るでしょう。
家の売却は、所在エリアの特性にも注目する必要があります。
いつでも売れる準備が大切
前述したように、まだまだ住める家であっても売りにくいケースがあります。売却可能性はケースバイケースで考える必要があり、「築○年以内なら売れる!」と決めつけるのは危険です。
場合によっては更地にしたほうが早く売れるケースもあります。家の売却は売る側の思いや希望より、買う側の条件に合致させることが重要です。
また、資産価値より市場価値を考慮した売却戦略を考える必要もあるでしょう。
つまり「いまならいくらで売れる?」という視点で、常に資産の価値を客観的に把握しておき、売るタイミングを逃さないような準備が大切です。
そのために、不動産一括査定サイトの「リビンマッチ」を活用し、所有する不動産の市場価値を具体的な数値として捉えておきましょう。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
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