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【最新】世界の不動産価格ランキング!日本は何位?売買に適した国とは

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【最新】世界の不動産価格ランキング!日本は何位?売買に適した国とは

日本の不動産価格はここ数年、マンションを中心に上昇中ですが、世界的に見るとどれくらい高いのでしょうか。また物価の影響を受けずに、住宅の価格がどれだけ変動したかを把握するための「実質住宅価格指数」は、どうでしょうか。

世界の不動産価格と実質住宅価格指数、不動産売買・投資に適した国について、わかりやすく解説します。

世界の不動産価格ランキング!1平方メートルあたりの価格は?

各国の国立銀行および統計局のデータをもとに、2023年9月時点における世界の不動産価格ランキングを紹介します。なお、1平方メートルあたりの価格・円ベースは、1ドル148円で計算しています。

2023年9月時点の世界の不動産価格ランキング
順位 国/都市 地域 ドルベースの金額/1平方メートル 円ベースの金額/1平方メートル
1 香港 アジア 2万5,133ドル 約370万円
2 シンガポール アジア 1万8,632ドル 約275万円
3 スイス/チューリッヒ ヨーロッパ 1万7,702ドル 約260万円
4 イスラエル/テルアビブ 中東 1万4,740ドル 約220万円
5 ルクセンブルク ヨーロッパ 1万2,965ドル 約190万円
6 フランス/パリ ヨーロッパ 1万966ドル 約160万円
7 デンマーク/コペンハーゲン ヨーロッパ 8,407ドル 約125万円
8 オランダ/アムステルダム ヨーロッパ 8,024ドル 約118万円
9 スウェーデン/ストックホルム ヨーロッパ 7,327ドル 約108万円
10 アイルランド/ダブリン ヨーロッパ 7,312ドル 約108万円
18 日本/東京 アジア 4,691ドル 約69万円

参考:Global Property Guide「Real Estate Prices and Rents Comparison by City

1位:香港 ・アジア(2万5,133ドル / 約370万円)

ヴィクトリア・ピークから見える香港の夜景

ヴィクトリア・ピークから見える香港の夜景

2023年9月時点で、世界一不動産価格が高い国(都市)は香港です。その主な理由として真っ先に挙げられるのは、土地の狭さです。香港の面積は約1,100平方キロメートルと東京都の約半分に過ぎません。その狭い土地に約730万人もの人口が集中しています。

また、香港は国際的なビジネスハブとしての位置づけが強く、低い法人税率(約16.5%)消費税・付加価値税(VAT)の非課税が、多くのグローバル企業にとって魅力となり、高いオフィス需要につながっています。

さらに、近年では中国本土との経済的連携が強化されることで、さらなる人口増加とグローバル企業の進出が見込まれます。これら多くの要因が相まって、香港の不動産に対する需要は非常に高く、その結果として不動産価格が高額になっています。

2位:シンガポール・アジア(1万8,632ドル / 約275万円)

シンガポールにあるガーデンズ・バイ・ザ・ベイ

シンガポールにあるガーデンズ・バイ・ザ・ベイ

2位にランクインしたのは、東南アジアの都市国家シンガポールです。

不動産価格が高い背景にはいくつかの要因がありますが、特に目立つのは1位の香港と同じく国土の狭さです。国土は約720平方キロメートルで、これは東京23区と同程度の面積です。

この限られた土地に560万人もの人々が暮らしているのですから、不動産の価格高騰は避けられません。これに加えシンガポールは、観光業が盛んであることも忘れてはいけません。

多くの高級ホテルやリゾート施設が点在することで、周辺の観光資源へのさらなる投資を招き不動産価格を押し上げます。そして、観光資源の充実が再び高級ホテルの不動産価格の上昇を招く循環になっています。

さらに、シンガポールは治安が良いことでも有名です。治安の良さは、特に家族連れや高齢者にとって魅力的な条件となり、安全な環境で生活したいという富裕層・準裕福層の移住を促す要因となっています。

お金に糸目をつけず自らと家族の安全を優先する富裕層の移住は、さらなる不動産価格の上昇を招くでしょう。


3位:スイス(チューリッヒ)ヨーロッパ(1万7,702ドル / 約260万円)

チューリッヒにあるリンデンホフの丘

チューリッヒにあるリンデンホフの丘

スイスのチューリッヒは世界的に見てもトップクラスの金融センターで、多くの銀行や金融機関が拠点を置いています。このような背景から、ビジネス関連の不動産、特にオフィスビルや高級住宅の需要が高く、それが不動産価格を押し上げています。

さらに、アルプスの山々や湖などの観光資源も豊富で観光業が盛んです。観光地に近い地域では、ホテルや民泊施設、飲食店などの不動産価格が高くなります。

加えて、チューリッヒの高品質な公共サービスや教育、治安の良さに魅力を感じた富裕層や海外からの移住者が、高い生活の質を維持するために惜しみない支出をするため、物価が上昇し不動産価格を押し上げる要因となっています。

4位:イスラエル(テルアビブ)中東(1万4,740ドル / 約220万円)

テルアビブにあるビーチ

テルアビブにあるビーチ

4位にランクインしたのは、イスラエル第二の都市テルアビブです。イスラエルの経済的および文化的な中心であり、中東の「シリコンバレー」とも称されるほど、多くのスタートアップ企業やテクノロジー関連の企業が集まっています。

しかし、不動産の供給が需要に追いついていないため、不動産価格は急上昇しています。

また、地中海に面した美しいビーチと温暖な気候があり、観光業も盛んです。観光地としての人気は、ホテルや民泊、レストランなどの商業不動産にも影響を与え、不動産価格をさらに押し上げています。

これらの要因が重なり、テルアビブの不動産価格は持続的に高い水準を保っています。

5位:ルクセンブルク・ヨーロッパ(1万2,965ドル / 約190万円)

ルクセンブルクにあるノイミュンスター修道院文化会館

ルクセンブルクにあるノイミュンスター修道院文化会館

5位はヨーロッパの非常に小さな国家、ルクセンブルクです。国土面積は神奈川県程度と非常に小さい国ですが、国民1人当たり名目GDP(国内総生産)が世界一を誇っている非常に高所得者が多い国です。(IMF(国際通貨基金)の2022年統計より)

さらに住宅購入に関する規制が少なく、外国人でも容易に不動産を購入できるため、不動産価格高騰の要因となっています。

日本は58カ国中18位:東京・アジア(4,691ドル/約69万円)

銀座4丁目交差点

銀座4丁目交差点

1980年代後半のバブル経済まっただ中、東京の銀座は世界の地価ランキングで1位に輝いていました。しかし、バブル崩壊後、地価は急速に下落していきます。

その後、少しずつ上昇するものの銀座を含む東京全体の地価は、かつてのように世界一地価が高い場所という称号を取り戻せていません。

香港やシンガポールなど別都市が国際ビジネスの拠点として東京を追い越す形で発展していったことや、長いデフレ期間が続き、不動産への投資意欲を低下させたことが主な要因といわれています。

2021年、2022年の首都圏における新築マンション価格はバブル期を超える高値を維持していますが、それでも銀座を含む東京の不動産価格は世界的に見るとまだまだ伸びしろがある状況です。



世界の不動産価格上昇ランキングがわかる実質住宅価格指数

住宅価格指数とは住宅価格の変動を表す指数です。基準年を設けその日を100として、それ以降の住宅価格の上昇や下落をパーセンテージで表します。

この住宅価格指数を物価の変動を考慮して表したのが、実質住宅価格指数です。仮に住宅価格が2倍になっても物価が2倍になっていたら「住宅価格ではなく物価の上昇」という考えのもとに示される指標です。

単純に不動産価格だけを見ても、その国の不動産の価値が上がっているかを見極めることはできません。

つまり、実質住宅価格指数を比較することで、より正確に不動産の価値が上昇している国を把握できるのです。

世界の実質住宅価格指数ランキング
順位 実質住宅価格指数
1 トルコ 1,089.49
2 ハンガリー 259.87
3 ロシア 244.57
4 アイスランド 229.58
5 リトアニア 210.93
6 チェコ共和国 210.55
7 ポルトガル 203.94
8 エストニア 196.66
9 ラトビア 193.78
10 メキシコ 186.47
44 日本 128.53

参考:OECD Data「Housing prices」(基準年2015=100、2023年第3四半期または最新の値)

1位:トルコ:1,089.49

トルコのイスタンブールにあるガラタ塔からの風景

トルコのイスタンブールにあるガラタ塔からの風景

実質住宅価格指数ランキングの1位がトルコである理由は、高いインフレ率と富裕層の投資意欲です。

トルコのインフレ率は、2022年10月に過去最高の85.51%に達し、翌11月にも84.39%と高止まりしました。12月には64.27%と、わずかに低下しましたが、これらの数字は2000年から2021年までの年平均10.9%と比べ、非常に高いインフレ率です。(参考:Global Property Guide)

このインフレによる資産の目減りを嫌った富裕層・準裕福層が、不動産に資産を集中したため、実質住宅価格指数の上昇を招いています。

さらにトルコでの不動産取引は、米ドルやユーロ建ての取引が禁止されているため、トルコの通貨である「トルコリラ」での取引を余儀なくされます。それにより不動産価格がほかの物価の上昇率を上回り、実質住宅価格指数を上昇させる結果となりました。

2位:ハンガリー:259.87

ハンガリー国会議事堂(ブダペスト)

ハンガリー国会議事堂(ブダペスト)

世界の実質住宅価格指数ランキングの2位はハンガリーです。中央ヨーロッパに位置するEU(欧州連合)加盟国ですが、独自の通貨であるフォリントが使用されています。

2008年のリーマンショック時は金利が低い外貨(日本円やスイスフラン)建ての住宅ローンが普及していたことから、ローンを支払えずマイホームを手放す人が続出し、不動産価格が下落しました。

しかし、2015年以降は外貨建て住宅ローンの救済策が採られたことや、自宅の購入時に補助金を支給したり、住宅ローンの金利を優遇したりするなど、中央銀行の対策が功を奏し、不動産価格が上昇に転じました

3位:ロシア:244.57

ロシアの首都モスクワにある赤の広場(国立歴史博物館)

ロシアの首都モスクワにある赤の広場(国立歴史博物館)

ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカはBRICS(ブリックス)として、将来的な経済成長が高く評価されている新興国です。

しかし、ロシアは政治的に西側諸国との緊張が続いており、2022年2月に勃発したロシアのウクライナ侵攻はその緊張を高める要因となりました。侵攻の影響で多くの国際的制裁がロシアに課され、投資先としての魅力は確実に減少しています。

特に、ヨーロッパやアメリカからの外資が撤退するおそれがあり、経済的リスクが高くなるでしょう。このような状況は、ロシアの実質住宅価格指数にも影響を与える危険性があります。

4位:アイスランド:229.58

アイスランドの首都、レイキャヴィクの街並み

アイスランドの首都、レイキャヴィクの街並み

4位のアイスランドは、北極圏に浮かぶ小さな島国で金融立国でもあります。リーマンショック時は自国通貨アイスランド・クローナの暴落を受け、2008年10月に債務不履行を起こしました。

しかし、その後の経済は順調に回復。現在は実質住宅価格指数も高い水準を維持しています。

5位:リトアニア:210.93

リトアニアにあるトラカイ城

リトアニアにあるトラカイ城

5位はバルト海に接する東欧の国リトアニアです。EU加盟国であり、通貨はユーロを使用しています。

実質住宅価格指数は高いですが、輸入の約30%をロシアが占めている点には注意が必要です。ロシアがウクライナに侵攻しているいま、地理的リスク・経済的リスクが高まっています。

日本は50カ国中44位:128.53

日本は50カ国中44位です。

実質住宅価格指数は不動産価格の上昇を表すものではなく、物価の上昇と不動産価格の上昇の差を表す指数ですから、日本で生活している私たち日本人にとって、不動産価格が投機マネーで無駄に上昇していない証明でもあります。

逆に不動産投資家の視点から見ると、「これから上昇する余地がある」と考えることもできます。


不動産売買・投資に適した国を見分ける目安はイールドスプレッド

イールドスプレッドは、国債の長期金利と投資対象(不動産、社債、株式など)の期待利回りとの差を指します。

たとえば、国債の金利が1%で、年間利回りが5%を期待できるマンションがある場合、イールドスプレッドは(5%-1%で)4%です。このイールドスプレッドが大きいほど、その国は不動産投資に適している、といえます。

なぜなら、不動産ローンの金利がその国の長期国債金利にもとづいて設定されるためです。信用の高い借り手は、より低い金利で資金を調達できます。

日本でもっとも信用される借り手は日本政府であり、その国債金利がローン金利の基準となります。このように、国債金利に加えて借り手の信用(返済能力)が考慮され、不動産ローンの金利が設定されます。

さらに、イールドスプレッドは投資対象の期待利回りも反映しているため、イールドスプレッドが大きい国は、低い金利で高い利回りを期待できる不動産への投資チャンスが広がっているわけです。


日本の不動産利回り−住宅ローン金利の「イールドスプレッド」は世界1位?

2022年上半期、海外からの日本への不動産投資は前年同期比で50%減少しました。(参考:CBRE)しかし、これは取引可能な物件が限られていたことが要因で、依然として不動産の需要は強い状態が続いており、オフィスや住宅のポートフォリオに関するいくつかの大規模な取引もありました。

かつて世界で一番高い土地が銀座だったころ、日本の金利は高く、銀行預金だけで年利5%が当たり前でした。しかし、現在の日本国債の金利は世界最低水準です。

2023年10月初旬時点でアメリカの長期国債が4%代後半の利回りであるのに対し、日本の10年国債は1%にも届いていません

長年に渡り低金利が続き、世界一低い金利でローンを組むことができる日本は不動産投資に適しているといえるでしょう。

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この記事の編集者

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