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亡くなった親の家を売るには?流れや必要な税金・高く売るポイントなど詳しく解説

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亡くなった親の家を売るには?流れや必要な税金・高く売るポイントなど詳しく解説

親が亡くなった後、親が住んでいた家をどうするか悩んでいる方もいるでしょう。遠方で暮らしている、すでにマイホームを建てたなどさまざまな理由から家を相続しても住まないケースも多いです。所有し続けずに家を売ろうと考えている場合もあります。

本記事では、亡くなった親の家を売る流れや、必要な税金などについて解説します。高く家を売るポイントも解説するのでぜひ参考にしてください。

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亡くなった親の家を売り出すまでの流れ

亡くなった親の家を売り出すまでの流れ

遺産分割協議書と登記申請書

亡くなった親の家を売りたいと考えていても、どのような流れで売ればよいのか分からないという方も多いでしょう。ここでは、親が亡くなった後の相続から売り出すまでの流れを詳しく解説します。

流れ1. 遺言書・遺産を確認する

まずは故人である被相続人が残した遺言書と遺産を確認しましょう。被相続人が残した遺言書がある場合は、遺言書の内容に従って相続を行います。遺言書がある場合はどのような内容が書き残されているのかを確認することが重要です。

被相続人が出生から死亡するまでに築き上げた財産の確認も並行して行いましょう。どのような財産があるのか分からないままでは、相続の手続きを進められません。家や土地、貯蓄や株といった遺産がどのくらいあるのかを把握し、法定相続人と法定相続分を確認していきます。

法定相続人

法律で定められた、被相続人の財産を相続できる人を法定相続人といいます。法定相続人として配偶者や子ども、兄弟姉妹、姪や甥などの血族が挙げられ、法定相続人には順位があります。配偶者は必ず法定相続人となりますが、法律上婚姻が認められている配偶者を指し、事実婚や元配偶者は対象となりません。法定相続人の順位は以下のとおりです。

法定相続人の順位
法定相続人の順位 続柄
第1順位 配偶者・子もしくはその代襲相続人・孫・ひ孫(直系卑属)
第2順位 親・祖父母・曽祖父母(直系尊属)
第3順位 兄弟姉妹もしくはその代襲相続人・甥・姪・伯父・伯母(傍系血族)

第1順位や第2順位に該当する人がいない場合の相続人は、第3位順位の人です。被相続人が亡くなる前に兄弟姉妹が亡くなっているケースでは、甥や姪が代襲相続人として相続の対象になります。

法定相続分

法定相続分とは、法律上で定められた相続割合のことを指します。相続の割合は誰が相続人となるのかによって異なります。法定相続分の割合は以下のとおりです。

法定相続分の割合
法定相続人 法定相続分
配偶者と子ども 配偶者2分の1・子ども2分の1
配偶者と直系尊属 配偶者3分の2・直系尊属3分の1
配偶者と兄弟姉妹 配偶者4分の3・兄弟姉妹4分の1

このように、法定相続人の順位が下がるにつれて、法定相続分の割合も低くなります。また配偶者と子ども2人の場合には、子2人の法定相続分は25%ずつというように、2分の1を子どもが分けることになります。

流れ2. 遺産分割を協議する

遺言書や遺産、法定相続人の確認が終わったら遺産分割の協議を行います。誰が何を相続するのか話し合いを進めます。この際、遺言書がある場合にはその内容に従って分割すればよいので、特に問題はありません。

しかし遺言書がない場合、もしくは遺言書はあるが同意しかねる場合には、相続人全員で話し合って相続分を決めていくことになります。また不動産などの分割できないものを相続する際には、以下の4つの分割方法で分けていきます。

  • 現物分割
  • 代償分割
  • 換価分割
  • 共有分割

それぞれの詳細は以下のとおりです。

現物分割

現物分割とは、遺産をそのまま分割する方法です。たとえば、一戸建ての家が遺産として残されていた場合を例に解説します。その場合、相続人が2人いたとしても家を2つに分けることができません。現物分割では相続人のうち誰か1人が家を相続します。土地の場合には、相続割合分に分けてそれぞれの土地を相続するケースもあります。

現物分割をする際には、物理的に現物分割ができるかどうか、現物分割によって土地などの市場価値が下がらないかの確認が必要です。土地を相続割合分に分けて相続する場合、土地が狭い場合は現物分割することでさらに土地が狭くなってしまうので、価値が著しく減少する可能性があります。

また、相続遺産が分割できないものしかない場合には、誰か1人が相続すると不公平になるので協議が必要です。

代償分割

代償分割とは、相続人のうち誰か1人が財産を取得し、他の相続人に対して代償金を支払うことで清算する方法です。

遺産として3,000万円の価値のある家があった場合を例に解説します。この遺産を子ども3人で相続する場合、1人がまず家を取得して、残りの2人に1,000万円ずつの代償金を支払うという方法です。家や土地などの分割できない遺産しかない場合に使われています。

代償分割は、比較的公平な遺産分割が可能です。また、相続税の負担を軽減できるケースがあるのもメリットです。ただし、代償金を支払わなければならないので、現物を相続した相続人の負担が重くなる可能性があります。代償金を支払うだけの資産面での余力がなければなりません。また代償分割では対象となる不動産の評価が必要ですが、評価額で意見が合わずにトラブルになる場合もあります。

換価分割

換価分割とは、遺産を分割せずに現金に換えてから売却金を均等に分割する方法です。たとえば、3,000万円の家が遺産として残されており、子ども2人が相続人となると仮定しましょう。この場合、換価分割では家を売却した後に1,500万円ずつ分けます。

換価分割のメリットは、現金に換えてから分割するので公平に遺産分割できる点です。不動産の評価方法などで意見が分かれることもないため、トラブルを避けた遺産分割ができるでしょう。代償分割とは異なり代償金の用意も必要なく、金銭的な負担がかかりません。

ただし、換価分割ではまず遺産である不動産を売却する必要があります。売り急いでしまうと売却価格が安くなってしまい、損をする可能性もあるので注意が必要です。不動産会社への仲介手数料などの諸経費も必要で、場合によっては譲渡所得税が発生する可能性もあります。


共有分割

共有分割とは、各相続人の持ち分を決めて共有で遺産を相続する方法です。たとえば、家を子ども2人が共有分割で相続すると仮定しましょう。この場合、それぞれ2分の1の割合で取得します。

共有分割は、遺産の形を変えずに共有する形であり、比較的公平な遺産分割が可能です。しかし共有分割は後々揉めることも多いので、避けられるケースが多いです。たとえば、相続した人のうち1人が土地や家を売却したいと思っても、共有者全員の同意がなければ売却できません。また共有分割では、将来的に権利関係が複雑になり、次の世代が負担や手間を背負う可能性があります。

このように共有分割はデメリットも多く、他の遺産分割を行えない場合の最終手段や、遺産争いが解決せずにとりあえず対処する場合に用いられることが多いです。

流れ3. 相続登記して名義人を変更する

遺産分割の協議が終了した後は、名義変更を行います。家の所有者が亡くなり遺産として新しい所有者に家が渡ったとしても、所有者名義は被相続人のままです。所有者名義を変更しなければ売却ができないので、名義変更の手続きを行わなければなりません。所有者名義を被相続人から相続人の名前に変更しましょう。

名義変更を行う際は、必要な書類をそろえて管轄の法務局に提出します。名義変更に必要な書類は以下のとおりです。

  • 被相続人の戸籍謄本
  • 相続する人の戸籍謄本・印鑑登録証明書
  • 遺産相続人全員の住民票
  • 遺産分割協議書

ただし、名義変更の種類によって必要な書類は異なります。以下の項目で名義変更の種類と特徴について解説します。

法定相続

法定相続とは、法定相続の割合で共有したまま名義変更することです。相続した親の家を売却して現金にし、相続人で公平に分けたい場合には法定相続が向いています。

この場合は相続人の共有名義となり、売却する際には共有者全員の同意が必要です。共有分割はトラブルが起こりやすい遺産分割ですが、初めから家を売却することで合意している場合には問題が起こりにくいでしょう。法定相続の場合に必要となる書類は以下のとおりです。

  • 被相続人の10歳前後から死亡に至るまでの継続したすべての戸籍謄本
  • 被相続人の除住民票もしくは戸籍の附票
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 相続人全員の住民票もしくは戸籍の附票
  • 固定資産評価証明書
  • 相続関係説明図(任意)

このように、被相続人の戸籍謄本といった書類だけでなく、相続人全員の戸籍謄本などの書類が必要になるので、あらかじめそろえておきましょう。固定資産評価証明書は、市区町村の担当窓口での取得または郵送による取得が可能です。

遺言による分割

遺言書がある場合には、原則として遺言書に従うことになります。相続が発生した場合には、まず遺言書があるかどうかを確認しましょう。遺言書がある場合には、その内容に従って名義変更を行います。

たとえば、住んでいた家と土地を長男に相続させ、別に所有しているマンションを長女に相続させるというような遺言が残っていた場合には、住んでいた家とその土地は長男の名義に変更し、マンションの名義は長女へと変更するといった流れです。

遺言による分割の場合に必要となる書類は以下のとおりです。

  • 遺言書
  • 被相続人である遺言者の死亡事項に関する記載がある除籍謄本
  • 相続人または受遺者の現在の戸籍謄本
  • 遺言により相続または受贈する相続人・受贈者の現在の住民票または戸籍の附票
  • 固定資産評価証明書
  • 相続関係説明図(任意)

遺言による分割で名義変更する際には、遺言書の提出が必要です。遺言書を確認したらしっかりと保管しておきましょう。

遺産分割協議による分割

遺産分割協議とは、相続後に相続人の間で遺産の分割方法を決める話し合いを指します。遺産分割協議は、遺言書はないが法定相続以外の方法で遺産分割をしたい場合や、遺言書はあるが遺言書の内容とは異なる方法で遺産分割をしたい場合に行われる協議です。遺産分割協議を成立させるには、相続人全員の同意が必要なので納得できない相続人がいる場合は話し合いが難航してしまう可能性があります。

遺産分割協議による分割で、名義変更する場合に必要な書類は以下のとおりです。

  • 遺産分割協議書(相続人全員自署・実印押印・印鑑証明書添付)
  • 被相続人の10歳前後から死亡に至るまでの継続したすべての戸籍謄本
  • 被相続人の除住民票または戸籍の附票
  • 相続人全員の現在の戸籍謄本
  • 遺産分割により相続する相続人の現在の住民票または戸籍の附票
  • 固定資産評価証明書
  • 相続関係説明図(任意)

遺産分割協議書の提出が必要になるので、用意しておきましょう。

流れ4. 売買契約書・土地境界線を確認する

相続登記が完了したら、売却する家を購入した際の売買契約書や建築時の請負確認書などがあるかどうかを確認します。これらの書類は、売り出し価格を決める際の資料となる書類です。適切な売り出し価格を決める際に参考となる資料は多いほうがよいので、これらの書類が保管してあるかを把握しておきましょう。

土地境界線の確認も行います。土地境界線の確認は一戸建ての家を売却する際に必要となる情報です。隣家との境界線を明確化して、隣家の所有者の財産を侵害しないように土地境界線の確認が必要です。土地境界線が確定していない場合には、家を売却する前に測量を依頼して確定させておきましょう。測量は、土地家屋調査士に依頼しますが、約35万~45万円の測量費用がかかります。

流れ5. 売却相場を確認する

売却したい家の書類や資料をそろえて土地境界線が判明したら、売却相場の確認を行います。売却したい家と類似する条件の物件を調査して、売却相場を調べましょう。売り出し価格は、基本的に売主が自由に決められますが、売り出し価格が売却相場よりも高すぎると買主が見つからずに売れ残ってしまうでしょう。買主が見つからずに値下げを続けると、結果的に損をする可能性もあります。

適切な売り出し価格を設定するには、事前に売却相場を確認しておくことが大切です。立地や面積、築年数などさまざまな条件を照らし合わせながら、類似する家の売却相場を調査してください。

流れ6. 査定を依頼する

売却相場のリサーチを行った後は、不動産会社に家の売却査定を依頼します。査定方法には、主に2種類あります。

まず1つ目の査定方法は、必要な情報をインターネット上で入力して家の価格を査定する方法です。詳細な調査が必要ないので、すぐに査定価格が算出されるケースも多いです。

2つ目の査定方法は、不動産会社の担当者が家まで訪問して査定価格を算出する方法です。家の劣化や損傷具合、周辺環境、設備や需要などさまざまな要素を参考にして査定価格を算出します。詳細をチェックした上で査定をするので、実際の売却価格に近い価格になる可能性が高いですが、時間はかかってしまうでしょう。

なお、査定を依頼する際には、複数の不動産会社に依頼することがポイントです。複数社に依頼することで査定価格の比較検討ができます。複数社に依頼する際には、一括査定サービスを利用すると便利です。まずは一括査定サービスで複数社に査定を依頼し、その中で気になった不動産会社に詳細な査定をしてもらうという方法もよいでしょう。

流れ7. 不動産会社と媒介契約を結び、売り出しをスタートする

査定が終わったら、自分に適した不動産会社と媒介契約をしましょう。媒介契約とは、家を市場に出して売り出す際に必要な販売活動の進め方や、売却したときの仲介手数料などについて取り決めた契約を指します。

媒介契約には、専任媒介契約と専属専任媒介契約、一般媒介契約があります。専任媒介契約と専属専任媒介契約は一社のみと契約を交わしますが、一般媒介契約は複数の不動産会社に依頼できる契約です。専任媒介契約は1週間に1回販売活動の進捗報告などをしてもらえるので、一般的には専任媒介契約を選んだほうがよいとされています。

媒介契約後は不動産会社に販売活動を任せつつ、購入希望者より内覧の希望があったときは丁寧に対応するようにしましょう。

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亡くなった親の家を売る際に必要な税金

亡くなった親の家を売る際に必要な税金

相続税の申告書

亡くなった親の家を売る際には、税金がかかります。実際にどのような税金がかかるのかを把握しておき、あらかじめ費用を準備しておくとよいでしょう。ここでは、家を売る際に必要な税金を詳しく解説します。

相続税

不動産相続に限らず遺産を一定額以上相続した時には、相続税が発生します。相続税の対象はさまざまで、家や土地だけでなく預金や証券、株、自動車、骨とう品、保険の権利など多くのものが課税対象です。相続が必要になった翌日から10カ月以内に相続人は税務局に自ら報告しなければなりません。忘れずに申告を行いましょう。

相続税の課税価格・税率・控除額について表にまとめたので参考にしてください。

相続税の課税価格・税率・控除額
課税価格 税率(%) 控除額(円)
1,000万円以下 10
3,000万円以下 15 50万
5,000万円以下 20 200万
1億円以下 30 700万
2億円以下 40 1,700万
3億円以下 45 2,700万
6億円以下 50 4,200万
6億円超 55 7,200万

※出典:国税庁「相続税の税率

登録免許税

登録免許税とは、亡くなった親から不動産などの遺産を相続し、名義変更を行う際にかかる税金です。相続時の名義変更では相続登記という手続きが必要になりますが、この手続きを行う際に登録免許税が課せられます。登録免許税は以下の計算式で求められます。(※)

登録免許税=固定資産税評価額×0.4%

相続登記の手続きは自分で行うことも可能です。ただし、手続きの内容が複雑で素人ではスムーズに進まないケースも少なくありません。相続登記を行う場合には司法書士に手続きを代行してもらうケースが多いでしょう。司法書士に代行してもらう場合は報酬手数料が必要です。登録免許税とは別に報酬も用意しておきましょう。

※出典:国税庁「No.7191 登録免許税の税額表

印紙税

印紙税とは、亡くなった親から相続した家を売却した際に発生する税金のことです。家や土地などを売却する際には、買主との間に売買契約を取り交わすことになりますが、その際に売買契約書を交わします。売買契約書に印紙を貼りつけることで納税したことになります。印紙税の金額は売買価格によって変動するので、事前に確認しておきましょう。

契約金額に対する印紙税額を表にしてまとめたので、参考にしてください。なお、2024年3月31日までの間に作成される売買契約書であれば軽減措置の対象になります。

契約金額に対する印紙税額
契約金額 印紙税額(円) 軽減措置後の印紙税額(円)
10万円超50万円以下 400 200
50万円超100万円以下 1,000 500
100万円超500万円以下 2,000 1,000
500万円超1,000万円以下 1万 5,000
1,000万円超5,000万円以下 2万 1万
5,000万円超1億円以下 6万 3万
1億円超5億円以下 10万 6万

※出典:国税庁「不動産売買契約書の印紙税の軽減措置

譲渡所得税

譲渡所得税とは、家を売却した際に利益が発生した場合にかかる税金です。売却して得た金額が所得扱いになり、課税対象となります。譲渡所得税は家の所有期間によって税率が異なるので、売却予定の家の所有期間を調べておきましょう。所有期間が5年以下の場合には短期譲渡所得税、5年を超える場合は長期譲渡所得税が課税される仕組みです。

短期譲渡所得税と長期譲渡所得税の計算方法は以下のとおりです。

短期譲渡所得税と長期譲渡所得税の計算方法
短期譲渡所得税 譲渡所得×39.63%(所得税30%+復興特別所得税0.63%+住民税9%)
長期譲渡所得税 譲渡所得×20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)

※出典:国税庁「No.3211 短期譲渡所得の税額の計算

※出典:国税庁「No.3208 長期譲渡所得の税額の計算

このように、家を5年を超えて所有していた場合のほうが税率は低くなり、譲渡所得税は安くなります。

亡くなった親の家を売る際の税金を抑える方法

亡くなった親の家を売る際に、できるだけ税金を抑えたいと考える方も多いでしょう。ここでは、相続した家を売る際に税金を抑える方法を詳しく解説します。

所有していた家の取得費用が分かる書類を探す

亡くなった親が所有していた家を売る際には、どの程度の取得費用がかかったのかを調べて明らかにすることが大切です。購入時の契約書がないか、リフォームなどにかかった費用の領収書がないかなど、具体的な証拠となる書類を探しましょう。

取得費用とは、家の購入価格やリフォームなどにかかった費用や家の取得にかかったすべての出費を含んだものです。取得費用は、譲渡所得を計算する際の材料になります。

売却価格から取得費用を引いた金額が譲渡所得となり、取得費用が高ければ高いほど譲渡所得が少なくなります。譲渡所得が減少すれば、その分譲渡所得税が抑えられるので節税につながるでしょう。取得費用が不明でも売却価格の5%を概算取得費として譲渡所得の算出に使うことができますが、実際の取得費用よりも概算取得費が低いと譲渡所得税の負担が大きくなります。

譲渡費用を計上する

亡くなった親が所有していた家を売る場合に、譲渡費用をもれなく計上します。譲渡所得を算出する際には、取得費用だけでなく譲渡費用の情報も必要です。譲渡費用とは、家を売却するときに発生する費用を指し、主に以下のような費用が含まれます。

  • 不動産会社への仲介手数料
  • 清掃費用
  • 引っ越し費用
  • 売買契約書の印紙代
  • 測量費用
  • 建物の補修費
  • 買主との交渉時に要した交通費や通信費など

これらの譲渡費用と取得費用を売却価格から引いた金額が、譲渡所得です。譲渡費用をもれなく計上することで譲渡所得が低くなり、結果として譲渡所得税を抑えられます。

譲渡費用として計上するには、領収書や契約書などの書類が必要です。測量や家のクリーニング、引っ越しなどをした場合には、支払った金額と内容を証明できる書類をしっかりと残しておきましょう。

所得費用が証明できない場合は取得費加算の特例を活用する

取得費用を証明できない場合は、取得費加算の特例を活用しましょう。取得費加算の特例とは、家の取得価格が分からない場合や証明できない場合でも、一定の取得費用を加算することを認める制度です。通常は、相続税評価額の80%を取得費用として加算することが認められています。取得費加算の特例を活用することで譲渡取得が減らせるので結果として譲渡所得税の節約につながります。

取得費加算の特例を適用するには、条件を満たす必要があるので税務署に確認してみましょう。取得費加算の特例を利用する際の条件は以下のとおりです。(※)

  • 相続や遺贈によって財産を取得した者である
  • 財産を取得した人に相続税が課されている
  • 相続開始のあった日の次の日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡している

これらの条件を満たしていない場合は、特例の利用が認められないので注意しましょう。

※出典:国税庁「No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例

条件に合えば小規模宅地等の特例を活用する

条件を満たしている場合、小規模宅地等の特例を活用してから家を売却すれば、相続税を抑えられます。小規模宅地等の特例とは所得税法の特例であり、主な利用条件は以下のとおりです。(※)

  • 面積が330m²以下である
  • 被相続人が居住していた
  • 被相続人の配偶者や同居していた親族など

ただし相続人が誰なのかによって適用要件が異なります。配偶者が相続した場合は問題なく適用可能です。ただし、同居の親族やそれ以外の親族が相続する場合は、別の要件を満たす必要があるので、詳しくは税務署に確認しましょう。

なお、小規模宅地の特例を活用するには、基本的に相続税申告の期限まで相続した家を保有している必要があります。相続税の申告は被相続人である親が亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内に行う必要があるため、それまでは家の売却を待つのも選択肢の一つです。

※出典:国税庁「No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)

相続された家が空き家であれば相続空き家の3,000万円特別控除を活用する

相続された家が空き家の場合は、相続空き家の3,000万円特別控除を活用できます。相続した家に誰も居住しておらず空き家状態になっていた家を売却する場合、その売却所得から3,000万円を控除することが可能です。これにより、譲渡所得を大幅に減らせるので譲渡所得税を大幅に抑えられます。

ただし、相続空き家の3,000万円特別控除を利用するには、条件があります。特例が適用される条件は以下のとおりです。(※)

  • 相続開始の直前において被相続人の居住用として使われていた家屋(1981年5月31日以前に建築された家屋である)
  • マンションなどの区分所有建築物以外の家屋である
  • 相続の開始直前において被相続人以外に居住していた者がいない
  • 相続の時から譲渡の時まで、事業や賃貸、居住用に使われていない
  • 家屋を取り壊さずに売る場合、現行の耐震基準を満たしている
  • 相続の開始があった日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却する

※出典:国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例

亡くなった親の家を高く売るポイント

亡くなった親の家をできるだけ高く売りたい場合には、ここから紹介する3つのポイントを意識しましょう。

余裕を持ったスケジュールで進める

亡くなった親の家を高く売るには、スケジュールに余裕を持つことが重要です。相続税の節税を目的に売る場合は、早く売却したほうがよいケースもあるので、節税目的以外の場合にはできるだけ余裕のあるスケジュールを設定しましょう。

売り急いでしまうと結果的に売却価格が安くなってしまう可能性があります。家の査定依頼から引き渡しまで約6カ月はかかると見込んでスケジュールを組みましょう。

状況によっては家を解体することも検討する

亡くなった親の家を相続する場合、状況次第では家を解体したほうがよいケースもあります。古い一戸建ての場合には劣化や損傷が進んでいて利用価値が低く、買主が見つからない場合もあるでしょう。古い家が残っていることが原因となり売れないときには解体を検討してください。解体費用の相場は以下のとおりです。

解体費用の相場
構造 解体費用/建物35坪の場合(円)
木造 140万~175万
鉄骨造 210万~245万
鉄筋コンクリート造 245万~280万

地方公共団体(自治体)によっては解体の補助金を設けている場合もあるので解体を検討している家がある地方公共団体(自治体)に確認してみましょう。また、解体するかどうかは不動産会社に相談してから決めることもポイントです。

一括査定サービスを利用する

亡くなった親から相続した家を高く売りたい場合には、複数の不動産会社に査定依頼を出すことが重要です。査定価格は不動産会社によって異なります。複数の不動産会社を比較することで、どの不動産会社で高く売れそうかの判断が可能です。また他の不動産会社の査定価格と大きな差がある場合は、なぜ大きく差があるかをしっかりと確認しましょう。

相続の手続きに追われて複数の不動産会社に個別で査定依頼を出せないという場合には、一括査定サービスの利用がおすすめです。

一括査定サービスを利用すれば、家の所在地や広さ、間取りなどの基本的な情報を入力するだけで複数の不動産会社に一括で査定を依頼できます。インターネット環境があれば24時間いつでも査定依頼ができるので、他の手続きや対応で忙しい場合にもぴったりです。手軽に複数の査定結果を比較検討できるので、より条件のよい不動産会社を見つけやすいでしょう。

まとめ

亡くなった親から相続した家を売却する際には、多くの手続きが必要です。スムーズに売却を目指して、相続した家を売却する際の流れを把握しておきましょう。また、家を高く売るには複数の不動産会社に査定を依頼することが重要です。

不動産の価格比較のポータルサイト「リビンマッチ」では、家の情報などを入力するだけで一度に最大6社の不動産会社に査定依頼を行えます。簡単45秒の入力で依頼できるので、相続手続きに追われている方でも手軽に利用できます。利用料は無料なので、家の売却を検討している場合はぜひ活用してみてください。

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この記事の編集者

リビンマッチ編集部 リビンマッチ編集部

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