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不動産の名義変更にかかる費用はどのくらい?相続・贈与における流れや注意点など詳しく解説

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不動産の名義変更にかかる費用はどのくらい?相続・贈与における流れや注意点など詳しく解説

不動産を名義変更するには費用が発生します。不動産の名義変更を検討している方の中には、不動産を相続・贈与・財産分与・売買した場合にどのくらいの費用がかかるのだろうと考えているケースも多いでしょう。

本記事では、不動産の名義変更にかかる費用や相続・贈与・財産分与・売買を行う際の具体的な流れを解説します。名義変更が必要なケースや名義変更で発生する費用の注意点も合わせて解説するので、ぜひ参考にしてください。

財産分与後に行う名義変更の流れや手続きに

この記事の監修者

司法書士法人リーガル・デザイン
代表社員:細沼 昭久(ホソヌマ アキヒサ)
保有資格:司法書士・行政書士

弊社は2018年に司法書士・行政書士事務所として開業し、2021年に法人化いたしました。

弊社には中国やベトナムをはじめとする外国人スタッフが複数名在籍しており、日本のお客様のみならず海外からのお客様にも数多くご利用いただいております。

私たちはお客様のあらゆるニーズにお応えできるよう真摯に向き合い、お客様にとっての最善を法的な観点からご提案いたします。

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不動産の名義変更とは

不動産の名義変更とは、法務局で土地や建物の所有者の名義を変更する手続きを指し、不動産の名義変更のことを登記といいます。名義変更をしなくても口約束を交わせば不動産の取引が成立することもありますが、法務局で手続きをしなければ万が一トラブルが起こった場合に不動産を所有している事実を第三者に主張できません。

たとえば、不動産の売買契約が成立したものの、名義変更をしなかったことで売主が第三者に売却をするという事態が起こる可能性があります。不動産の買主が自分の所有権を主張したとしても、法務局で名義変更をしていなければ不動産の所有権を持つことを証明できないので不動産を取り返せなくなるでしょう。不動産の契約の成立後に所有権の所在を争う事態を招かないように、土地や建物の相続・贈与・財産分与・売買で所有権が変わる場合は法務局で名義変更することをおすすめします。

不動産の名義変更が必要なケース

不動産の名義変更が必要なケースとして、相続・贈与・財産分与・売買が挙げられます。不動産の名義変更が必要なケース別に、手続きのタイミングや期限を表にまとめました。なお、2024年4月1日から相続登記の申請義務化が施行されます。

※2023年9月時点の情報です

名義変更が必要なケースの手続きのタイミングや期限
名義変更が必要なケース 名義変更のタイミング 名義変更の期限
相続(遺産分割協議をする場合) 遺産分割協議の成立後 遺産協議が成立した日から3年以内
相続(遺産分割協議をしない場合) 相続により所有権の取得を知った後 相続により所有権を取得したことを知った日から3年以内
贈与 贈与を受けた後 なし
財産分与 財産分与の成立後 離婚後2年以内
売買 契約書の記載内容に応じたタイミング なし

名義変更が必要なケースによって、手続きを行うタイミングや期限が異なります。ここからは、不動産の相続・贈与・財産分与・売買のケース別に、名義変更のタイミングなどについて詳しく解説します。

相続

不動産の相続とは、不動産を持つ故人(被相続人)の所有権や管理責任を相続人へ変更する手続きのことです。たとえば、親が不動産を所有したまま亡くなった場合は、その配偶者や子どもなど、法的に認められた相続人が不動産を相続することになるでしょう。その際に不動産の所有権を被相続人の名義から相続人に変更します。

不動産の所有権は所有者が亡くなっても自動的に相続人へ移転しないので、不動産を相続する人は法務局へ行って自分で手続きを行わなければなりません。名義変更のタイミングは遺産分割協議を行った場合は、遺産分割協議が成立した日から3年以内です。一方で遺産分割協議を行わずに相続で不動産を取得した場合は、相続によって所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続の申請(名義変更含む)をします。不動産の相続後に行う名義変更の流れや、手続きに必要な書類については後ほど解説します。

贈与

不動産の贈与とは、不動産を贈与したい相手に無償で与えることです。所有者が生前に不動産を与えることから、生前贈与と呼ばれています。たとえば、自分が所有している不動産を子どもや孫へ譲る場合は、贈与に該当します。

贈与では不動産の所有権が他の人へ移転されるので、名義変更が必要です。親から子どもへ、祖父母から孫へなど、親族間での不動産の贈与は名義変更をしなくても成立します。しかし登記手続きをせずに所有者が亡くなってしまうと、故人の財産とみなされて遺産相続の対象になるおそれがあります。

贈与による名義変更の期限は定められていませんが、生前贈与を受けた後にできるだけ速やかに名義変更を行いましょう。不動産の贈与後に行う名義変更の流れや手続きに必要な書類については後ほど解説します。

財産分与

不動産の財産分与とは、夫婦の財産を分けることです。一般的に離婚する夫婦が所有する財産を清算する場合に行われます。法務省によると、財産の公平な分配や離婚後の生活保障、離婚の原因に対する損害賠償の性質があるという考えのもとで財産分与が行われています。(※)

不動産の名義変更を行うタイミングは財産分与の成立後が一般的ですが、事前に協議を進めておき、離婚成立と同時に財産分与をすることも可能です。ただし財産分与で不動産の名義変更をする期限は、離婚の成立後2年以内と決められています。期限を過ぎると家庭裁判所に申し立てができなくなるので、名義変更をする場合は早めに手続きを済ませておきましょう。不動産の財産分与後に行う名義変更の流れや手続きに必要な書類については後ほど解説します。

※出典:法務省「財産分与

売買

売買とは、売買契約を締結して財産の所有権を移転することです。たとえば、土地や建物を買ったり売ったりするケースが売買に該当します。住宅ローンを組んで不動産を購入する場合は、融資元の金融機関の担当者と相談しながら登記手続きを行う必要があります。ただし名義変更を終えるまでに時間がかかる可能性があるので、余裕を持ったスケジュールを立てておきましょう。

不動産の売買で名義変更をするタイミングは、売買契約書に記載された内容に沿って行います。名義変更の期限は法律で定められていませんが、売買契約の成立後に登記手続きをするのが一般的です。不動産の売買契約が成立した後に行う名義変更の流れや契約に必要な書類については後ほど解説します。

相続登記を申請し完了するまでの期間

相続登記の手続きをする場合、必要な書類をそろえた上で法務局の登記相談窓口に提出して申請を行います。法務局に相続登記の申請をしてから登記が完了するまでにかかる期間は、10日〜約2週間が一般的です。

ただし、必要な書類がそろっていなかったり、書類の記載内容に不備があったりすると再度申請し直す必要があり、登記し終わるまでにさらに時間がかかる可能性もあります。また法務局の担当窓口が混んでいる場合は、名義変更するまでの期間が変動する可能性があることを把握しておきましょう。

不動産の名義変更に必要な費用の目安

不動産の名義変更で発生する費用の目安は約5万〜10万円で、加えて各種税金がかかります。不動産の名義変更に必要な費用の内訳は、以下のとおりです。

  • 登録免許税
  • 税金
  • 書類を取得する費用
  • 司法書士への報酬

ここでは、それぞれの費用について詳しくみていきましょう。

登録免許税

登録免許税とは、不動産の名義変更するときに課せられる税金です。不動産を名義変更する際は、登録免許税を法務局に納めなければなりません。登録免許税は、納税額に応じた収入印紙を購入して登記の申請書に添付することで納められます。登録免許税を確認したい場合は、以下の計算式を使用して計算しましょう。

登録免許税額=固定資産税評価額×税率

登録免許税は不動産の相続・贈与・財産分与・売買のケースによって、税率が異なります。相続の税率は0.4%ですが、生前贈与や離婚による財産分与、不動産売買で名義変更が必要になった場合は税率2%で計算します。(※)また、不動産の固定資産税評価額が高いほど納めるべき納税額も増えるので事前にどのくらいの費用を用意しておけばよいか確認が必要です。

※出典:国税庁「No.7191 登録免許税の税額表

税金

不動産の名義変更をする場合、登録免許税以外の税金が発生するケースがあります。不動産の名義変更で発生する可能性がある主な税金は以下のとおりです。

  • 相続税
  • 贈与税
  • 譲渡所得税

相続税とは、財産を相続した際に課される税金のことです。相続した財産の合計が相続税の基礎控除額を超えた場合は、相続税を納めなければなりません。相続税の基礎控除額は以下の計算式を用いて計算できます。(※1)

相続税の基礎控除額=3,000万円+(600万円× 法定相続人の数)

※1 出典:国税庁「No.4152 相続税の計算

贈与税とは、資産の贈与を受けた人に課せられる税金です。ただし、年間110万円以内の資産の贈与を受ける場合は贈与税が発生しません。(※2)譲渡所得税とは、不動産の売却価格が取得価格を超えて売却益が発生する場合に課せられる税金です。

※2 出典:国税庁「No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)

書類を取得する費用

不動産の名義変更をする際は、手続きに必要な書類の取得時に費用が発生する場合があります。書類の取得にかかる費用は、名義変更のケースや手続きの内容によって異なります。

特に相続による名義変更ではそろえるべき書類の種類が多く、約5,000〜約1万円の費用が発生するのが一般的です。また相続の対象者が多い場合や、被相続人が生前もしくは存命中に複数回転籍しているという場合はそれぞれの証明に必要な書類の数も増えるので前述した費用よりも高くなる可能性があります。

不動産の名義変更で必要になる主な書類の種類については、ケース別の名義変更の流れの章で解説しているので、必要書類の種類を確認したい場合はそちらを参考にしてください。

司法書士への報酬

不動産の名義変更に伴う書類の取得や申請は自分でも行えますが、司法書士に依頼することも可能です。

不動産の名義変更を依頼する場合は、司法書士へ対価として報酬を支払わなければなりません。司法書士へ支払う報酬は法律で定められておらず、依頼先によって依頼にかかる費用は異なります。

一般的な相場は約5万〜約10万円とされていますが、申請だけでなく、必要な書類の取得や作成、複数の不動産の名義変更を依頼する場合は別途で追加費用がかかるケースもあるので注意が必要です。

司法書士へ支払う報酬がいくらになるのか正確な費用を知りたい場合は、司法書士事務所へ見積もりを依頼して確認しましょう。

監修者からのコメント

不動産の名義変更にはさまざまなケースがあり、それぞれ必要な費用や書類が異なります。例えば、相続と贈与だけを比較しても、かかる登記費用や収集する書類が変わります。ご自身で調べて登記申請することも可能ですが、登記申請にかかる登録免許税の金額や申請内容、書類に不備があると補正のために余計な費用や手間がかかってしまうため、注意してください。

相続による不動産の名義変更では、遺言書や遺産分割協議書、被相続人の戸籍謄本などが必要です。これらの書類は、場合によっては取得・作成するのに多くの時間と費用がかかることがあります。そのため、もし手続きに不安があるなら、専門家に相談されるようにしてください。

【相続のケース】不動産の名義変更の流れ

【相続のケース】不動産の名義変更の流れ

遺言書

ここからは不動産を相続して名義変更が必要になった際の流れを解説します。相続した不動産の名義変更は、以下のような流れで行われるのが一般的です。

  1. 不動産の相続人を決める
  2. 必要な書類をそろえる
  3. 登記の申請を行う

不動産の名義変更の流れを知ることでスムーズに相続の手続きを進められます。

流れ1.不動産を取得する相続人を決める

不動産を相続して名義変更をする場合は、まず誰が不動産を取得するのか相続人を決定します。不動産を取得する相続人を決める手段として、主に3つの方法があります。

  • 遺言に従って決める
  • 遺産分割協議を行う
  • 調停・審判を行う

不動産を取得する相続人が決まらないと登記手続きを先へ進められないため、状況に合った方法で相続人を決定しましょう。ここでは、上記の3つの方法について詳しく解説します。

遺言に従って決める

被相続人が遺言書を残している場合は遺言内容に従い、不動産を取得する相続人を決めます。遺言とは、財産を持っている人が自分の死後に財産を渡す相手や内容を生前に指定することです。遺言を残す場合は、民法で定められたルールにのっとって遺言書を作成する必要があります。

民法のルールに即していない遺言書は、被相続人が作成したものであっても法律上無効となります。法律上有効と認められた遺言書がある場合は、その遺言内容に沿って不動産の相続人を決定するのが原則です。遺言書がない場合や、遺言書が法律上無効とされた場合は民法が定める法定相続人の順位に従い、不動産を取得する相続人を決めます。(※)

※出典:国税庁「No.4132 相続人の範囲と法定相続分

遺産分割協議を行う

遺産分割協議とは、すべての相続人が集まり相続する内容や割合、相続人などを話し合うことを指します。遺産分割協議は法律上有効とされる遺言書がない場合や、遺言書に不動産の取得者の指定がない場合に行われるのが一般的です。遺産分割協議で決定した内容は、参加者全員が同意しなければ成立しません。仮に一人でも納得できない人がいる場合は、全員が同意するまで話し合いを続ける必要があるでしょう。

すべての参加者が納得した上であれば、財産を法定相続人の順位に従って分けなくても問題ありません。たとえば子どもが相続を放棄し、すべての財産を被相続人の配偶者が受け取るといったことも可能です。

調停・審判を行う

遺産分割協議で参加者の同意が得られない場合は、裁判所による調停や審判の手続きを踏み、不動産を取得する被相続人を決定します。調停とは家庭裁判所で行われる話し合いのことで、調停委員の立ち会いのもとで実施されます。調停委員とは、社会生活上における知識・経験が豊富な人や各分野の専門家から選出された人のことです。調停委員は話し合いに立ち会うのみなので、遺産分割協議の参加者が相続人を決める必要があります。

調停で相続人が決まらない場合は、裁判所による審判が行われます。審判とは、裁判所が相続人を決定する手続きのことです。審判では法定相続分に従い、遺産が分割されます。

流れ2.必要な書類をそろえる

不動産を取得する相続人が決定したら、名義変更に必要な書類をそろえます。相続による名義変更に必要な書類は以下のとおりです。

  • 登記申請書
  • 遺産分割協議の内容をまとめた書類
  • 不動産の固定資産税評価証明書
  • すべての相続人の印鑑証明書
  • すべての相続人の戸籍謄本
  • 被相続人の戸籍謄本(出生から死亡まで)、除籍謄本、原戸籍謄本
  • 被相続人の除票
  • 不動産を取得する人の住民票

なお、相続人の状況によって上記に挙げた書類以外に取得が必要な書類があります。たとえば、被相続人の配偶者や子ども以外の人が不動産を取得する場合です。被相続人の兄弟姉妹、甥・姪が不動産の相続人となった場合は、以下の書類を用意する必要があります。

  • 被相続人の兄弟姉妹の戸籍謄本(出生から死亡まで)、除籍謄本、原戸籍謄本
  • 被相続人の甥・姪の戸籍謄本(出生から死亡まで)、除籍謄本、原戸籍謄本

不動産の名義変更に必要な書類の数が多いと、書類の不備があった場合に登記の完了までに時間がかかりやすいため、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

流れ3.登記の申請を行う

不動産の名義変更に必要な書類をそろえた後は、書類一式を持参して法務局の登記相談窓口へ提出して登記の申請を行います。不動産の登記は、相続する不動産の所在地を管轄している地方公共団体(自治体)の法務局へ申請します。登記の申請方法は、主に以下の3つです。

  • 法務局の担当窓口で申請する
  • 必要書類を郵送して申請する
  • 登記申請システムで申請する

登記の申請は、上記の3つから自分に合った方法を選びましょう。書類の不備や修正が不安な場合は、法務局の担当窓口へ持参する方法がおすすめです。

【贈与のケース】不動産の名義変更の流れ

不動産を贈与した場合の名義変更の流れを解説します。主な流れは以下のとおりです。

  1. 贈与の内容を決める
  2. 必要な書類をそろえる
  3. 登記の申請を行う

実際にどのように不動産の名義変更が行われるのか、確認しておきましょう。

流れ1.贈与の内容を決める

不動産を生前贈与する場合は、当事者が集まって贈与する財産の種類やタイミングを決めるところから始めます。不動産の生前贈与の場合、年間110万円を超える財産の贈与を受けると贈与税が生じます。不動産の資産価値が高く、110万円を超える可能性があるかどうか、事前に確認しておきましょう。

なお、法人から贈与を受けた場合や扶養義務者から生活費・教育費に充てる目的で財産の贈与を受けた場合など、贈与税がかからないケースもあります。

また贈与税が発生する場合でも特例の要件を満たしていれば贈与税を軽減できる可能性もあるので税務署や確定申告の書類作成を依頼する税理士などに相談してみましょう。

流れ2.必要な書類をそろえる

贈与する財産の種類やタイミングが決まった後は、名義変更に必要な書類をそろえます。贈与で不動産の名義変更が必要な場合に用意しておくべき主な書類は以下のとおりです。

  • 登記申請書
  • 登記識別情報
  • 不動産の固定資産税評価証明書
  • 贈与契約書
  • 財産を贈与する人の住民票
  • 贈与を受ける人の印鑑証明書

上記はあくまでも一般的な不動産の名義変更に必要な書類であり、状況によっては他の書類の取得が必要になる場合があります。たとえば、2005年の不動産登記法の改正後に取得された不動産には登記識別情報が発行されていますが、2005年以前に取得している不動産には登記識別情報が発行されていません。その場合、登記識別情報の代わりに権利書を提出するとよいでしょう。

不動産の贈与における必要書類の種類や不備について不安があるときは、贈与を受ける不動産の所在地を管轄する法務局の登記相談窓口に確認すると安心です。必要書類の詳細については後ほど解説します。

流れ3.登記の申請を行う

不動産の贈与を受ける必要書類をそろえた後は法務局へ申請します。登記手続きが行えるのは不動産の所在地を管轄している法務局です。不動産の所在地を確認し、管轄の法務局へ必要書類を提出しましょう。登記の申請方法は以下の3つが挙げられます。

  • 法務局の登記相談窓口へ書類を持参して申請する
  • 書類を郵送して申請する
  • オンラインで申請する

ただし、オンラインで申請できる登記申請システムを利用する際は準備に時間がかかります。登記手続きを急いでいる場合や申請回数が少ない場合は、他の申請方法がおすすめです。また登記手続きに不備がないか不安なときは、法務局の登記相談窓口で申請するとよいでしょう。

【財産分与のケース】不動産の名義変更の流れ

【財産分与のケース】不動産の名義変更の流れ

家の模型

財産分与による不動産の名義変更の流れを解説します。具体的には、次のような流れで手続きが進められます。

  1. 財産分与の取り決めを行う
  2. 必要な書類をそろえる
  3. 登記の申請を行う

それぞれどのように進めていくのか詳しい流れをみていきましょう。

流れ1.財産分与の取り決めを行う

財産分与によって不動産の名義変更が必要な場合は、夫婦で財産分与の取り決めを行います。離婚は財産を共有する婚姻関係を解消することを指しており、夫婦間での取り決めによって共有する財産の所有権を調整する必要があります。財産をどちらか一方に譲渡して名義変更し、所有者を明確にしておきましょう。夫婦間の財産とは、不動産や預貯金など婚姻期間中に2人で築いた資産のことです。

流れ2.必要な書類をそろえる

財産分与の取り決めが終わった後は名義変更に必要な書類をそろえます。不動産の名義変更には、以下に挙げる書類の準備が必要です。

  • 登記申請書
  • 離婚協議書
  • 戸籍謄本(離婚の記載がある)
  • 固定資産税評価証明書
  • 登記識別情報通知または権利証
  • 印鑑証明書
  • 不動産の所有者になる人の住民票の写し
  • 本人確認書類

登記申請書は不動産の名義変更を申請する書類です。離婚協議書は財産分与の取り決めの内容をまとめた書類で、誰が何を所有するのかを明確にする上で必要です。相続による不動産の名義変更の場合は、被相続人やその関係性を証明する目的で戸籍謄本が必要ですが、財産分与では離婚の記載を確認することを目的に戸籍謄本を取得します。

固定資産税評価証明書とは、不動産の固定資産税評価額を証明する書類のことで、不動産の所在地を管轄している役所で発行します。登記識別情報通知が発行されていない不動産の場合は、権利証を持参しましょう。

印鑑証明書とマイナンバーが記載されていない住民票の写しは、不動産を取得する人の分を用意します。離婚によって氏名や住所が変わる場合は、住所変更や氏名変更の手続きを済ませておく必要があります。また財産分与をする人と受ける人のいずれも、運転免許証や保険証など本人確認ができる書類を準備しておきましょう。

流れ3.登記の申請を行う

財産分与による不動産の名義変更に必要な書類を取得した後は、法務局で所有権移転登記の申請を行います。所有権移転登記の申請は双方の同意の上で行う必要があるので、相手から協力を得られない場合は手続きを進められません。

財産分与を請求できる期限は、離婚後2年までと決まっています。(※)期限内に登記の申請を済ませておくことが大切です。ただし離婚後2年を超えた場合でも、相手が登記の申請に応じてくれる場合は財産分与が認められます。

※出典:法務省「財産分与

【売買のケース】不動産の名義変更の流れ

不動産の売買契約の成立後は、以下のような流れで名義変更を進めます。

  1. 売買契約を結ぶ
  2. 必要な書類をそろえる
  3. 土地の引き渡し・購入代金の支払い
  4. 登記の申請を行う

不動産の売買が行われた際は、土地の引き渡しや購入代金の支払い後に名義変更するのが一般的です。

流れ1.売買契約を結ぶ

不動産を売却する際に必要な契約内容が決まった後は、売買契約の締結を行います。不動産の売買契約とは、売主が不動産を売却し、買主がその不動産を買い取る契約のことです。売主と買主が対面で契約書の内容を確認し、契約内容に問題がなければその場で署名・捺印をします。その後、買主が売主へ手付金を支払い、売主は不動産会社へ仲介手数料を支払うというのが一般的な流れです。

流れ2.必要な書類をそろえる

不動産の売買によって土地や家の所有権が変わる場合は、登記手続きが必要です。登記手続きに必要な書類は以下のとおりです。

  • 売買契約書
  • 登記識別情報通知または権利証
  • 固定資産税評価証明書
  • 印鑑証明書
  • 住民票

売買契約書は、不動産の売買に関する契約内容をまとめた書類です。売買契約書は、不動産の売買契約の事実を証明する際に欠かせません。売買する不動産の登記識別情報通知も、登記手続きに必要な書類のひとつです。2005年以前に取得した不動産を売却する場合は、登記識別情報通知ではなく権利証を用意します。

固定資産税評価証明書は、登記手続きの際に法務局へ登録免許税を納める上で必須の書類です。固定資産税評価証明書に記されている固定資産税評価額を基に、課せられる登録免許税が変わります。また売主は、3カ月以内に発行された印鑑証明書を用意しておく必要があります。一方の買主が準備しておく書類は住民票です。

登記手続きを司法書士に依頼する場合は、運転免許証や保険証などの本人確認ができる書類を準備しておきましょう。不動産の名義変更は売主と買主の双方が一緒に手続きを進められるので、不動産の引き渡しと同日に行われることがあります。

流れ3.土地の引き渡し・購入代金の支払い

土地の引き渡しは売買契約の締結時ではなく、残りの購入代金を支払う決済日に行われます。売買契約の締結日より後に土地の引き渡しが行われるのは、この間に買主が住宅ローンを申請し、審査結果を待つ必要があるからです。

住宅ローンの審査に無事に通り、金融機関から融資が開始される日が残りの購入代金の決済日となります。金融機関の住宅ローンが実行されることで、買主は購入代金を売主の銀行口座に振り込み、その後土地が買主へ引き渡されます。

流れ4.登記の申請を行う

土地の登記手続きは、法務局で申請できます。ただし住宅ローンの残債があり、抵当権がついている不動産を売却する場合は、住宅ローンの完済後に抵当権の抹消手続きを行っておかなければなりません。したがって、住宅ローンの完済と抵当権の抹消手続きを済ませてから登記手続きを行う必要があります。また抵当権の抹消手続きを行う場合は、事前に借入先の金融機関に連絡を入れた上で必要書類を用意しておくことが大切です。

不動産名義変更の費用に関する注意点

不動産の名義変更で発生する費用について、いくつかの注意点があります。特に不動産の贈与や相続によって名義変更が必要になった場合、以下で解説する注意点に気をつけましょう。

贈与に関する注意点

親から子どもへ不動産の名義を変更する際に、贈与税が発生する場合があります。贈与税が発生する理由は、親から子どもへ名義変更すると法律上で贈与とみなされるからです。先述したとおり、贈与税は年間110万円を超えた資産を贈与する場合に発生します。贈与税の計算式は以下のとおりです。

贈与税=(贈与を受けた財産の合計価格-基礎控除110万円)×税率

贈与税の一般税率を基礎控除後の課税価格別に一覧表にしました。

基礎控除後の課税価格と贈与税の一般税率
基礎控除後の課税価格 贈与税の一般税率(%)
200万円以下 10
300万円以下 15
400万円以下 20
600万円以下 30
1,000万円以下 40
1,500万円以下 45
3,000万円以下 50
3,000万円超 55

※出典:国税庁「No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)

上記の一覧表からも分かるとおり、贈与税はあらゆる税金の中で高い税率が定められているので、親から子どもへ不動産の名義変更をする際は慎重に検討するようにしましょう。

相続に関する注意点

不動産を相続する際は、相続の対象となる不動産について故人となった被相続人から詳しく確認できません。不動産に関する情報を集める場合は、毎年4〜6月にかけて地方公共団体(自治体)の役所から送付される固定資産税課税明細書が役立ちます。固定資産税課税明細書を確認すれば、相続の対象となる不動産の情報を集められるからです。

ただし固定資産税課税明細書は、被相続人が所有しているすべての不動産が記載されているわけではありません。たとえば、私道のように非課税の不動産を所有している場合は固定資産税課税明細書に記載されない可能性があります。

被相続人が所有しているすべての不動産を調べたい場合は、地方公共団体(自治体)で管理している名寄帳を確認しましょう。名寄帳とは、固定資産税課税台帳を所有者別にまとめた帳簿のことです。

まとめ

不動産の名義変更にかかる費用は、名義変更が必要なケースや対象の不動産の価値によって異なります。不動産の売却による名義変更を行う場合は、信頼できる不動産会社に相談することが大切です。

不動産の価格比較のポータルサイト「リビンマッチ」では、最大6社の不動産会社に売却したい不動産の査定を一括で依頼できます。査定価格を手軽に比較検討できるのはもちろん、大手不動産会社から地元の不動産会社まで、さまざまな不動産会社が加盟しているので、自分に適した不動産会社を見つけやすいでしょう。不動産の売却を検討している方は、お気軽にご利用ください。

この記事の編集者

リビンマッチ編集部 リビンマッチ編集部

リビンマッチコラムでは、むずかしい不動産の事をできる限りわかりやすく、噛み砕いて解説しています。不動産に対するハードルの高いイメージ、とっつきにくい苦手意識を少しでも取り除いて、よりよい不動産取引のお手伝いをさせていただきます。
誤字脱字や事実誤認などございましたら、ぜひともご指摘ください。

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