【最新版】東京都の一戸建て価格推移を分析!今後はどうなる?上昇率が高いのは?
東京都ではマンション価格の上昇が続いており、特に一部の新築・高級物件では前年同期比+60%となった事例もあります。対して一戸建ては、そのように大きな値上がりがあるわけではありません。
とはいえ、地価の回復や資材高騰の影響から、今後は値上がりが続くと考えられます。
東京都の一戸建て価格推移を徹底的に分析します。また、注目すべきエリアの価格上昇率や、今後の動向予測も確認しましょう。
もくじ
東京都全体の一戸建て価格推移
東京都の一戸建てに焦点を当て、新築と中古それぞれの価格推移を紹介します。
新築一戸建ての価格推移
東京都における新築一戸建ての価格推移は、新型コロナウイルスが流行する前、大きな変化はありませんでした。それでも2019年6月に5,216万円を記録したあと、7月には4,861万円と約7%の下落を見せています。
新型コロナウイルスの流行拡大にともない平均価格は下落し、2020年9月に4,288万円まで下がりました。その後、徐々に上昇に転じ、2023年1月に5,858万円を記録しています。
下のグラフは、2018年~2022年までのデータを年間平均にし、年ごとの推移と2023年1月以降の状況を月単位で表したものです。
出典:東京カンテイ「一戸建て価格推移」
2020年が年平均の最低価格となり、4,487万円です。その後、毎年平均価格は上昇しており、ピークである2023年1月の5,858万円以後はわずかですが下落傾向が見られます。
中古一戸建ての価格推移
東京都における中古一戸建ての価格は、2019年3月が5,856万円だったのに対して、2019年9月に4,91530万円まで下落しています。その後も上下を繰り返し、2021年1月に記録した4,478万円が、2018年以降2023年8月までの期間で最低の価格でした。
2018年~2022年までのデータを年間平均にし、年ごとの推移と2023年1月以降の状況を月単位で表したのが下のグラフです。
出典:東京カンテイ「一戸建て価格推移」
年平均では2021年の4,655万円が最低の価格で、2023年1月に6,493万円を記録したあとは下落傾向があります。
なお、詳しくは後ほど解説しますが、新築よりも中古のほうが平均価格が高い理由として、中古は「土地面積」と「建物面積」が広いことが考えられます。
土地・建物面積と築年数の推移
一戸建ての価格は、土地価格と建物価格の合計です。そのため、土地と建物それぞれの面積によって価格が変動します。
下のグラフは、東京都における一戸建ての土地と建物の面積を2018年~2022年で年平均として表したものです。
出典:東京カンテイ「一戸建て価格推移」
土地だけを見ると、中古一戸建てのほうが新築一戸建てよりも広く、2018年では17.8㎡、2022年では11.7㎡の差があります。
注目したいのは、中古一戸建ての土地面積が減少傾向であり、逆に新築は増加傾向にある点です。建物面積も中古のほうが新築よりも広いですが、その差はわずかに縮まってきていることがわかります。
中古一戸建ての土地面積が減少しているのは、都心部への人口集中が影響していると考えられます。駅近など条件がよい土地が不足して価格が高くなっており、土地面積を抑える傾向があります。
東京都エリア別の一戸建て価格推移
中古一戸建ての年間売買件数が70件以上ある東京都の21区市について、2018年~2022年まで過去5年間の価格推移を紹介します(数値は年度ベースです)。
上昇率30%超のエリアの一戸建て価格推移
新型コロナウイルス流行の前である2018年や2019年から比較し、中古一戸建ての平均価格が30%超上昇したのは江戸川区・中野区・目黒区・日野市の4区です。
最も上昇率が高いのは目黒区ですが、平均価格も最高であり2022年度で1億3,240万円となっています。
出典:公益財団法人 東日本不動産流通機構「レインズデータライブラリー」
エリアごとの上昇率は以下のとおりです。
エリア | 上昇率(%) |
---|---|
目黒区 | 53 |
日野市 | 33 |
江戸川区 | 31 |
中野区 | 31 |
目黒区以外の3エリアは2019年に下落があり、その時点からの上昇率です。目黒区は2019年にわずかな上昇があったため、2018年からの上昇率になっています。
日野市が目黒区に次いで33%の上昇率ですが、平均価格は2022年で3,291万円と東京都の中では低い水準であり、今後の上昇が注目されます。
上昇率20~30%のエリアの一戸建て価格推移
中古一戸建ての価格が、新型コロナウイルスの流行前から20~30%上昇したエリアは、世田谷区・葛飾区・練馬区・品川区・小平市・足立区・町田市・板橋区・大田区の9区市です。葛飾区は2020年に下落がありますが、ほかはすべて2019年の価格が低くなっています。
最も高い上昇率は世田谷区の28.5%であり、平均価格もこのグループでは最も高い8,867万円です。
出典:公益財団法人 東日本不動産流通機構「レインズデータライブラリー」
エリアごとの上昇率は以下のとおりです。
エリア | 上昇率(%) |
---|---|
世田谷区 | 29 |
葛飾区 | 28 |
練馬区 | 26 |
品川区 | 26 |
小平市 | 25 |
足立区 | 125 |
町田市 | 122 |
板橋区 | 121 |
大田区 | 120 |
注目したいのは、小平市が入っていることです。2022年の平均価格は3,838万円であり、決して高い水準ではありませんが、今後の上昇率に期待できるでしょう。
価格上昇率・平均価格・売買件数ランキング
中古一戸建ての年間売買件数が70件以上ある東京都の21区市について、区市ごとの「価格上昇率」「平均価格」「取引件数」をランキングにしたのが次の表です。
順位 | エリア | 上昇率(%) |
---|---|---|
1位 | 目黒区 | 53 |
2位 | 日野市 | 33 |
3位 | 江戸川区 | 31 |
4位 | 中野区 | 31 |
5位 | 世田谷区 | 29 |
6位 | 葛飾区 | 28 |
7位 | 練馬区 | 26 |
8位 | 品川区 | 26 |
9位 | 小平市 | 25 |
10位 | 足立区 | 25 |
11位 | 町田市 | 22 |
12位 | 板橋区 | 21 |
13位 | 大田区 | 20 |
14位 | 東村山市 | 19 |
15位 | 杉並区 | 17 |
16位 | 西東京市 | 17 |
17位 | 江東区 | 16 |
18位 | 調布市 | 16 |
19位 | 三鷹市 | 15 |
20位 | 府中市 | 13 |
21位 | 八王子市 | 10 |
順位 | エリア | 平均価格(万円) |
---|---|---|
1位 | 目黒区 | 13,240 |
2位 | 世田谷区 | 8,867 |
3位 | 品川区 | 7,451 |
4位 | 杉並区 | 7,180 |
5位 | 中野区 | 6,894 |
6位 | 大田区 | 6,491 |
7位 | 三鷹市 | 5,636 |
8位 | 練馬区 | 5,522 |
9位 | 江東区 | 5,472 |
10位 | 板橋区 | 5,139 |
11位 | 調布市 | 4,890 |
12位 | 江戸川区 | 4,361 |
13位 | 府中市 | 4,111 |
14位 | 西東京市 | 4,093 |
15位 | 小平市 | 3,838 |
16位 | 葛飾区 | 3,826 |
17位 | 町田市 | 3,695 |
18位 | 足立区 | 3,592 |
19位 | 日野市 | 3,291 |
20位 | 東村山市 | 2,915 |
21位 | 八王子市 | 2,753 |
順位 | エリア | 売買件数(件) |
---|---|---|
1位 | 世田谷区 | 329 |
2位 | 八王子市 | 278 |
3位 | 練馬区 | 252 |
4位 | 町田市 | 242 |
5位 | 大田区 | 200 |
6位 | 杉並区 | 191 |
7位 | 足立区 | 190 |
8位 | 江戸川区 | 160 |
9位 | 葛飾区 | 147 |
10位 | 板橋区 | 111 |
11位 | 府中市 | 102 |
12位 | 中野区 | 97 |
13位 | 品川区 | 88 |
14位 | 東村山市 | 83 |
15位 | 日野市 | 81 |
16位 | 三鷹市 | 80 |
17位 | 目黒区 | 78 |
18位 | 調布市 | 77 |
19位 | 江東区 | 74 |
20位 | 小平市 | 71 |
21位 | 西東京市 | 71 |
上昇率、平均価格、取引件数のすべての項目で10位以内に入るエリアは、世田谷区と練馬区です。
2つの項目で10位以内に入るエリアは、目黒区・江戸川区・中野区・葛飾区・品川区・足立区・杉並区・大田区・板橋区という結果になりました。
これらの11区は一戸建ての流通が活発であり、平均価格も高く、なおかつ価格上昇率が高いエリアと位置づけられます。
今後の予想!東京都の一戸建て価格はどうなっていく?
東京都の一戸建て価格は、今後上昇する可能性が高いです。
どの程度値上がりするのか、一戸建て価格に影響を及ぼすと考えられる要因について解説します。
地価の回復と資材高騰が価格上昇に影響
2023年3月に公示価格、7月には路線価が発表されました。全国的な地価の上昇傾向が昨年に続いて見られ、バブル経済崩壊以来31年にして地価回復が確実になったと考えられます。
今後は景気回復の状況によりますが、東京都における地価の上昇は続くといえます。一戸建て価格は土地価格が大きなウェイトを持つため、地価の高いエリアほど価格が大きく上昇する可能性が高いでしょう。
2021年に始まったウッドショックに続き、ウクライナにおける情勢の悪化など、建設資材の高騰が続いています。また、建設業界は現在人手不足が続いており、人件費高騰も建設コストを押し上げています。
建設コストの高騰は、新築住宅の工事費だけではなく、既存住宅のリフォーム工事費にも影響が出ます。新築一戸建てと中古一戸建てともに建物価格の上昇も生じるでしょう。
人口減少社会における都心集中
地価の回復や建設資材の高騰は全国的に共通していることですが、東京都に限って一戸建ての価格に影響を与える要因を挙げると、人口集中です。
総務省統計局が2023年1月に公表した「住民基本台帳人口移動報告 2022年(令和4年)結果」によると、東京都の転入者は転出者よりも3万8,023人超過しています。2021年の7倍に相当する規模であり、すでに人口減少社会に入った日本において、東京に人口が集中する状況が再び生じているのです。
人口増加は住まいに対する需要の増加となり、一戸建ての価格を押し上げる要因のひとつです。特に東京都は世界からの投資資金が流入しており、全体的な不動産価格を上昇させる環境下にあるといえるでしょう。
上昇局面の今、売ったらいくら?
前述したとおり、バブル経済崩壊以来、30年以上に渡って低迷していた地価がわずかずつでも上昇する局面に入りました。とはいえ、自分が所有する一戸建てがいくらで売れるのかを知るには、不動産取引の動向をできるだけ正確に把握する必要があります。
一括査定サイト「リビンマッチ」を利用すると、複数の不動産会社による査定で所有する一戸建ての今の資産価値を教えてもらえます。
また、現状は売却の意思がなくても、将来的に売却する可能性がある場合は、査定を行う過程で各社の特徴を知ることで、コンサルタントとしてふさわしい会社を見つけられます。
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この記事の編集者
リビンマッチ編集部
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