【不動産売却】査定額の出し方とは?依頼方法や基本的なポイントを解説
不動産を売却する際にはまず、不動産会社に査定を依頼しましょう。査定価格は、実際に不動産を売り出す際に参考になる価格です。不動を売却するのが初めての場合、どのように査定を依頼すべきか、査定価格が適正かどう判断すべきかなど分からないことも多いでしょう。
本記事では、不動産売却にあたって査定方法や大まかな流れ、査定価格に影響する要素などについて解説します。
- 複数の不動産会社で査定したい
- 早く売却して、ローンに充てたい
- 遠方にある物件なので地元の不動産会社に依頼したい
- いまの物件価値を知りたい
- どの不動産会社に相談していいのかわからない
もくじ
そもそも不動産の査定とは?
不動産査定とは、一戸建てや土地、マンションなどの不動産を売却したいときに、いくらくらいで売却できそうかを不動産会社に算出してもらうことです。売却したい不動産の状態や間取り、広さ、立地条件、過去の取引事例などが、査定価格を割り出す際の材料になります。
査定価格は、実際に売り出す際に設定する価格のベースになるものです。あくまでも目安となる価格であり、実際の売却価格とは異なるということを把握しておきましょう。
不動産会社によって査定価格は変わる
不動産会社によって、算出される査定価格は異なります。不動産には定価がないため、不動産会社が持っているデータや都合によって、査定価格は変わるのが一般的です。
査定価格は、実際に類似の不動産が売却されたときの価格、該当の不動産の評価、広さなどによって算出されますが、不動産会社によって過去の事例や、不動産の評価はさまざまです。中には自社に売却の仲介を依頼してもらうために、売却相場よりも高めに査定価格を提示する不動産会社や、売却しやすさを考えて確実に売りやすい低めの査定価格を提示してくる不動産会社もあります。
そのため、一社の不動産会社のみに査定を依頼するのではなく、自分自身でも売却相場を調べたり、複数の不動産会社から査定価格を出してもらったりすることが重要です。
査定は基本的に無料
不動産会社による査定は基本的には無料です。不動産会社としても査定はあくまでも顧客との接点・営業活動の第一歩であることから、無料で査定を行っています。
不動産会社の収入は、不動産の売買を成立させた際に発生する仲介手数料であるため、査定では手数料をとらなくても経営が成り立つのです。無料といっても、不動産会社が持っているデータを基に算出しているので、基本的には参考にできるものです。
また不動産の査定でも、国家資格を持つ不動産鑑定士が行う場合は有料となります。ただし、遺産相続や法人間の不動産取引では不動産鑑定士に依頼するケースが多く、個人の不動産を売却する場合には、不動産会社による査定で十分です。
査定価格と売却価格の違い
不動産を売却する際には、以下の3つの価格があります。
- 査定価格
- 売り出し価格
- 売却価格
査定価格は、あくまでも不動産会社が売却相場や過去の事例を基に算出する「このくらいで売れるだろう」という価格です。不動産会社と契約を結んだら、査定価格をベースに売り出し価格を決めます。査定価格は、目安として考えておきましょう。
一方で、売却価格は実際に不動産が売れたときの価格を指します。売主と買主による価格交渉次第で売却価格は変わっていきます。なかなか買主が見つからない場合や、売主ができるだけ早く売りたいときなどには、売却価格を下げるなどの調整を行います。
不動産の査定方法は3種類ある
不動産会社の査定と一口にいっても、実は3種類の方法があります。
- 取引事例比較法
- 収益還元法
- 原価法
ここからは、それぞれの方法について詳細を解説します。
不動産の査定方法1:取引事例比較法
取引事例比較法は、過去に成約した条件が似ている不動産の売却価格を基に、査定価格を算出する方法です。市場性を重視した査定で、特にマンションや土地を査定する際に適した査定法だとされています。
取引事例比較法ではまず、売却したい不動産と条件が似ている不動産を探し出し、m²単価を出してください。割り出したm²単価に、売却したい不動産の面積を乗じます。
たとえば、売却したいマンションと似ているマンションの売却事例があったとすると、取引事例比較法による査定価格の算出方法は以下のとおりです。
- 仮定1:過去に売却されたマンションの面積が75m²、実際の売却価格が3,000万円
- 仮定2:売却したいマンションの面積が70m²
- 3,000万円÷75m²×70m²=2,800万円
さらに、間取りや方角、周辺の環境、角部屋、リフォームの有無、階数などの細かい条件を考慮して査定価格を出します。現地を不動産会社の担当者が見て、評価を加える場合もありますが、情報だけでもおおよその査定ができるのがメリットです。
不動産の査定方法2:収益還元法
収益還元法は、将来的に不動産会社がその不動産を扱うことでどれくらいの収益を出せるのかという観点に基づいて算出する方法です。収益還元法では、不動産としてどのくらいの価値があるのかが重要です。アパートや賃貸マンションなど、投資用の不動産査定でよく使用されます。
また収益還元法には、さらに以下に挙げる2つの種類があります。
- 直接還元法
- DCF(ディスカウントキャッシュフロー)法
直接還元法とは一定期間の純収益を、還元利回りで割って算出する方法です。DCF法とは連続する複数期間、それぞれの純利益を対応する割引率で割り引いて、存在価値を合計して求める方法です。
一般的にDCF法は精度が高いとされており、直接還元法はより簡易的に行えます。どちらを選ぶかは不動産会社次第でしょう。
直接還元法の式は以下のとおりです。
不動産価格=一年間の純収益(収入から経費を差し引いたもの)÷還元利回り
DCF法の式は以下のとおりです。
不動産価格=年間純収益(収益から経費を差し引いたもの)の現在価値の合計₊将来の売却価格の現在値
不動産の査定方法3:原価法
建物を解体した上で同じ建物を建てた場合にいくらかかるかを計算し、築年数に応じて減価修正して査定価格を算出します。計算式は以下のとおりです。
査定価格=再調達価格×延床面積×残存年数(耐用年数-築年数)÷耐用年数
再調達価格は国税庁が算出している、建物の標準的な建築価額表を参考にします。(※1)耐用年数は構造により定められています。木造の法定耐用年数は22年、重量鉄骨造は34年、鉄骨鉄筋コンクリート造または鉄筋コンクリート造は47年です。(※2)
※1参考:国税庁「令和4年分譲渡所得の申告のしかた」
※2参考:国税庁「耐用年数(建物/建物附属設備)」
例として1989年に建てられた、70m²の重量鉄骨造建物で計算してみます。なお、単価が19万の場合となります。
査定価格=19万円×70m²✕29年÷34年=約1,134万円
ただし、この査定法は主に一戸建ての建物部分に使われる方法で、マンションの査定ではあまり活用されません。
不動産売却に向けた査定の流れを解説
査定依頼は不動産の売却を検討し始めた際にまず行うことですが、どのような流れで進めればよいのか意外に分からないという方もいるでしょう。ここからは、大まかな査定の流れについて解説するので、売却のスケジュールを考える際に役立ててください。
1. 査定を依頼する
不動産売却の第一歩として、まずは査定を依頼するのがよいでしょう。売却の意思が固まっていなくても、ある程度の査定価格を見てから、不動産を売却するかどうか検討するのもひとつの方法です。
不動産会社に査定の依頼を行い、売却したい不動産の情報や条件を伝えれば、そのデータを基に査定価格を出してもらえます。査定には、約数日~1週間かかるケースが多いです。ただし査定を依頼したからといって、仲介の契約を結ぶ必要はないので安心してください。
2. 査定の日程を調整する
不動産会社から提示された査定価格を確認して売却の意思が固まったら、より具体的に査定をしてもらうために不動産会社に訪問査定の依頼をします。不動産会社の担当者と相談の上、訪問査定の日時を調整してください。依頼方法はWebサイト、メール、電話などがあります。
3. 現地調査が行われる
あらかじめ不動産会社と調整した日時に、不動産会社の担当者が訪れ現地調査が行われます。現地調査ではデータだけでは分からない、以下に挙げるような要素を基に、より厳密な査定が実施されます。
- 実際の不動産の状態
- 環境・立地条件
- 方角
- 日当たり
- 管理・セキュリティー状況
- 共有施設の状態
など
登記簿謄本と身分証明書、土地の測量図などの書類を準備しておく必要がありますが、不動産会社によって違いがあるので事前に確認しておいてください。
査定時間は基本的に約1時間見ておくとよいでしょう。不動産の状況次第ではもう少し時間がかかる場合もあるので、余裕のあるスケジュールを立てておくことをおすすめします。
4. 査定書が完成する
査定書が完成したら不動産会社から提示されます。不動産査定書には主に以下の5つの内容が記載されています。
- 査定をした不動産の概要
- 査定をした不動産のエリア内や近隣における、似たような不動産の売り出し事例
- 査定価格・予想売却価格・売り出しの推奨価格
- 売却に関するスケジュール
- 売却にかかる諸費用
予想売却価格は不動産会社が「これくらいで売れるだろう」と予想する売却価格です。一方、売り出しの推奨価格は不動産会社が「このくらいで市場に出すとよい」と考える価格です。
売却にかかる諸費用は、不動産会社の取り分となる仲介手数料や、登記費用などの内訳です。また査定価格の根拠や、売り出す際の販売戦略などの記載もあります。この文章が短すぎている場合や、不誠実と感じられるような内容が含まれていたら注意しましょう。
査定に必要な書類とは
査定を受ける際にはいくつか必要な書類があります。
- 登記簿謄本
- 不動産購入時の売買契約書
- 土地の測量図または建物の図面(購入時のパンフレットでも可)
- リフォームをしている場合はリフォーム時の契約書
- (マンションの場合)マンション維持費の確認書類
- (マンションの場合)マンションの管理規約
- (マンションの場合)マンションの長期修繕計画書
- 住宅ローンの返済予定表
- 本人確認書類
土地の測量図または建物の図面は法務局やインターネットなどで取得可能です。マンションの場合、購入した際のパンフレットに掲載されている場合もあるので確認してみてください。
なお、必要書類については不動産会社によっても若干違いがあるので、事前に確認しましょう。
不動産の査定価格が適正であるか判断する方法
売却した後で損に気づいて後悔しないように、提示された査定価格が適性であるか、よく吟味する必要があります。ここからは査定価格をチェックするための方法を紹介します。
複数の不動産会社に査定価格を出してもらう
一社だけの査定では、適切な査定価格であるかどうかが分かりません。そこで複数の不動産会社に査定を依頼することが大切です。査定は基本的には無料な上、査定を依頼したからといって必ずしも仲介契約を結ぶ必要はないので、少なくとも約2~3件の不動産会社に依頼するようにしましょう。
一社だけに査定を依頼した場合、査定価格が妥当か判断する材料がないため、売り出し価格を決めるのが難しくなりますが、複数の査定価格を見比べることで、判断しやすくなります。
また複数の不動産会社とやり取りをする中で、不動産会社ごとの強みも見えてきます。たとえば地域密着型の不動産会社であれば、地元とのネットワークの中で買主を見つけてくれます。一方で、大手の不動産会社であれば広いネットワークが魅力です。それぞれの強みを見つけながら、契約の判断をしてください。
- 複数の不動産会社で査定したい
- 早く売却して、ローンに充てたい
- 遠方にある物件なので地元の不動産会社に依頼したい
- いまの物件価値を知りたい
- どの不動産会社に相談していいのかわからない
一括査定サービスをうまく活用しよう
複数の不動産会社から査定結果を受け取る場合にはインターネットの一括査定サービスを利用する手があります。
一括査定サービスは、Webサイトを通じて、複数の不動産会社に一度にまとめて査定を依頼できるサービスです。以下に挙げるようなさまざまなメリットがあります。
- Webサイトの指示に従って必要事項を記入するだけで、短時間で査定依頼が可能
- 査定を依頼したら、一定期間で複数の不動産会社からの査定の提示が届く
- 無料で利用できる
- インターネット環境さえあれば、24時間いつでも気軽に査定を依頼できる
- 複数の不動産会社の査定結果をまとめて比較検討できる
- 登録している不動産会社が多い一括査定サービスならば、今まで知らなかった不動産会社を見つけられる
このように、忙しくて複数の不動産会社に問い合わせをする時間がない方にもうってつけのサービスです。複数の査定結果をしっかりと吟味した上で、自身の条件に合った信頼できる不動産会社と仲介契約を結べるでしょう。
また、一括査定サービスの中には優良な不動産会社のみが登録されているケースもあります。初めて不動産売却をする場合、不動産会社のよさは個人では把握しきれないので、安心感があるのもメリットです。
不動産会社に査定価格の根拠を尋ねる
査定報告書を受け取ったら、査定価格の根拠や不明点などを不動産会社の担当者に尋ねるようにしてください。
不動産会社によっては、利益を求めて高めに査定をしたり、売りやすさを考えて低く査定したりしている場合もゼロではありません。
査定結果が不動産本来の価値に見合っているかを確認するために、高く評価された部分や低く評価された部分、査定価格の内訳などを確認するようにしてください。細かく分かりやすく説明できるのであれば契約を考えてもよいでしょう。反対に質問をしても納得できる回答を得られない場合は、別の不動産会社への依頼を検討するのがおすすめです。
自分で売却相場を調査する
マンションの売却相場は自分自身でも、公的な情報を基にある程度は調べられます。不動産会社から提示された査定価格が妥当かを知るためにも、以下で紹介する方法で調査してみてください。
調査方法1:レインズ・マーケット・インフォメーション
「レインズ・マーケット・インフォメーション」で、自分が所有している不動産と同じ地域の似たような不動産の取引情報を見て、売却相場を調べる方法があります。(※)
※参考:レインズ・マーケット・インフォメーション「不動産取引情報提供サイト」
レインズ・マーケット・インフォメーションとは、国土交通大臣が指定している不動産流通機構が運営している不動産流通標準情報システムです。同じく不動産流通機構が運営しているWebサービスにレインズがありますが、不動産業界向けのため、会員でなければ閲覧ができません。一方レインズ・マーケット・インフォメーションは誰でも閲覧ができるWebサイトです。
所有している不動産がある都道府県や地域、最寄り駅、間取り、築年数などを選択すると、条件に合った不動産の売却価格を確認できます。データはまとめて確認できるほか直近1年の取引情報がグラフでも表示されるので、売却相場を知るのに便利です。
調査方法2:公示価格
地価公示価格は土地の価格のことです。国土交通省が毎年3月下旬ごろに土地取引の指標として、地価公示価格を発表しています。公的な機関が発表している価格であり、土地の価値を知る目安になるでしょう。
公示価格を調べるには国土交通省の「国土交通省地価公示・都道府県地価調査の検索」ページから調べられます。(※)
※参考:国土交通省「国土交通省地価公示・都道府県地価調査の検索」
調査方法3:路線価
路線価とは路線ごとの土地の価値を示した価格です。所有している不動産のある地域が、現在、どれくらいの価値を持っているかの判断材料として使用できます。
路線価は、相続や遺贈、贈与によって取得した財産にかかる相続税や贈与税を確認する場合に使われるケースが多いです。国税庁の「路線価図・評価倍率表」で調べられます。(※)
※参考:国税庁「路線価図・評価倍率表」
調べ方はまず、トップページにある日本地図から都道府県を選択し、次の画面で市区町村や町名、路線価図ページ番号などを絞り込んでいきましょう。地図が現れるので、道路上に数字を確認できます。この数字が路線価で、1m²あたりの価格を千円単位で表示しています。
不動産の査定価格に影響する要素とは
不動産会社が査定をする際、どのような要素を参考にしているのでしょうか。ここからは、マンションや一戸建ての査定価格に影響を与える要素について見ていきましょう。
要素1:築年数
特に築年数はマンションの査定価格への影響が大きい要素のひとつです。マンションや一戸建てなどの不動産は築年数が新しいほど査定価格は高くなりやすく、古いほど査定価格は低くなりやすいでしょう。具体的には以下のとおりです。
築年数 | 首都圏におけるm²あたりのマンションの売却価格(/円) ※2023年4~6月 |
---|---|
~築5年 | 112.5万 |
~築10年 | 102万 |
~築15年 | 89.1万 |
~築20年 | 78.4万 |
~築25年 | 69.7万 |
~築30年 | 53.2万 |
築30年~ | 40.9万 |
※出典:レインズ・マーケット・インフォメーション「不動産取引情報提供サイト」
レインズ・マーケット・インフォメーションにおける2023年4月~6月のデータで中古マンションの売却価格を見てみると、築0~5年の場合はm²単価が112.5万円だったものが、築30年以上の場合は40.9万円にまで下がっています。マンションや一戸建てだと丁寧に住んでいたとしてもどうしても経年劣化があるため、年数が経つにつれて査定価格が下がってしまうのです。
ただし、築20年を超えたころから下落率は少なくなり始め、築26年以上ではほぼ横ばいになります。築年数がある程度経っている場合には、築年数よりも立地条件やマンションのグレードなどの影響が大きくなるでしょう。
要素2:立地条件
立地条件も査定価格に大きく影響します。たとえば駅からのアクセスがよれば査定価格は上がり、駅から離れれば下がっていきます。路線も重要な要素で、都心部へアクセスしやすい路線かつ駅から近い場合にはより高い査定価格になりやすいです。
また、近くに学校やスーパーマーケット、ショッピングセンター、コンビニ、公園、学校、役所など暮らしに便利な施設があるとより査定価格は上がるでしょう。治安がよく、落ち着いて暮らせる環境である点も大切な要素です。
一方でごみ処理場など、ややネガティブなイメージを与える施設が周辺にあると、査定価格は下がりやすい傾向があります。
要素3:維持管理状況
部屋の維持管理状況も査定価格を大きく左右します。古いマンションや一戸建ては査定価格が下がりやすいですが、築年数が浅い場合でも管理状況が悪く、壁にひびが入っていたり、カビが見つかったりするようであれば査定価格は低くなります。特に、生活に欠かせない水回りの汚れが目立つのはマイナス要素です。
またマンションにおいては、共用部分の管理状況も査定に影響があります。共用部分の維持管理がしっかりと行われ、修繕などが適切に行われているかどうかもチェックのポイントです。維持管理には、マンションの住民が出す管理費や修繕積立金が必要ですが、その金額も査定価格に影響します。
要素4:日当たりや風通し
住み心地という点では、日当たりや方角も大きなポイントです。日当たりが悪いと、住み心地が悪いだけではなく部屋にカビが発生しやすく、維持管理に苦労をする心配があるため買主が見つかりにくいと判断され、査定価格が下がる傾向にあります。
方角は南向きであれば査定価格がプラスになりやすく、次いで東、西、北の順で査定価格が下がりやすいです。
風通しも重要なポイントです。風通しが悪いと室内に湿気がこもりやすくなります。マンションの場合は角部屋ならば開口部が多く、換気しやすいので査定価格が高くなります。
【理由別】不動産を売却する際に考えておきたいポイント
不動産の売却を考える理由は、人それぞれです。離婚や転勤などの事情により、今住んでいる部屋を手放す人もいるでしょう。現金が必要になったり、子どもが増えて住み替えを考えたりする人もいます。ここからは売却する理由別に、売却時に考えておきたいポイントを紹介します。
離婚で売却する場合
離婚で家を売る場合は、夫婦でどのように財産を分けるかをはっきりさせなければなりません。一般的には売却して得たお金を2分の1ずつ分けますが、お互いの収入や離婚理由、その他の財産の分配によっても変わってくるので、事前にしっかりと話し合って合意しておきましょう。
婚姻前から所有していた不動産や、夫婦どちらかが親から譲り受けた場合には、財産分与の対象になりません。
また、住宅ローンが残っていて売却価格を残金にあてる場合には、自分たちの財産にはならず、財産分与の対象外です。ただし、婚姻後に住宅ローンを支払った分は共有財産となるため、いくら払ったかを確認し、お互いが支払った金額の割合を出して、計算して分与します。
転勤で売却する場合
転勤が理由で不動産を売却する場合、転勤する日よりも前に売却しておきたいなど、希望のスケジュールがあるケースがほとんどです。転勤が決まり、今住んでいる家には戻らないと決まったら、早めに査定を受けるなど、行動に移すようにしましょう。
転勤の日までに売却ができなくても、不動産会社は動いてくれます。売却のための販売活動の報告は電話やメールで受けられますが、その際に遠方にいてもコミュニケーションがとりやすい担当者を選ぶのがおすすめです。
また、売却をせずに賃貸に出す方法もあります。家賃が定期収入になる点がメリットです。一方で賃貸に出す場合、管理が必要である点はデメリットでしょう。不動産会社に管理を依頼することもできますが、家賃の約10~15%の管理費用を払わなければなりません。得られる利益やかかる手間などを総合的に考えて、売却するか賃貸に出すか早めに決めるようにしましょう。
資金難で売却する場合
資金難の場合、十分な売却益が出るように少しでも高く売却できるような工夫が必要です、また早めに現金が欲しい人にとっては、スピードも必要でしょう。
現金は売買契約時には手付金しか受け取れず、全額もらえるのは引き渡しのタイミングです。売りに出してから約1カ月で契約ができたとしても、そこから1~2カ月は待つ必要があります。なお、不動産の状況によっては、3カ月以上経っても売れない可能性もゼロではありません。
売れないとなると売り出し価格を下げなければなりませんが、それでは十分な現金が手に入らない可能性もあります。そこでスピードと売却価格のバランスを考えながら、調整をしていく必要があります。
もし、スピードを重視して売却相場よりも売却価格が下がってもよい場合は、買取を利用する手もあります。買取は不動産会社に直接不動産を買い取ってもらう方法で、仲介での売却よりは安くはなりますが、査定が済んだらすぐに売ることが可能です。
相続で売却する場合
相続したマンションを現金化した上で、相続人となる兄弟同士で分けるケースがあります。マンションを相続したらまず、遺産分割協議をした上で相続登記や相続税の申告をしなければなりません。相続登記の期限は定められていませんが、名義変更をしないと売却できないので必ず行うようにしてください。相続税の課税対象であれば、被相続人が亡くなったことを知った翌日から10カ月が相続税申告の期限です。(※1)
※1 出典:国税庁「No.4205 相続税の申告と納税」
相続税が課税されるのは遺産の総額が基礎控除を超えたときです。基礎控除額は法定相続人の人数によって変わります。
買い替えで売却する場合
買い替えをする場合、不動産会社による査定が重要なポイントです。高い価格で今の家が売れれば、その分、新居のグレードを上げることが可能です。新居の購入資金を計算するためにも、できるだけ正確に査定してもらうようにしましょう。
買い替えの場合は、売却と新居を購入するタイミングを合わせることで、無駄を省けます。新居の購入よりも売却が早いと、一時的に他の賃貸物件などに住まなければなりません。新居を購入したもののいつまでも売却ができなければ、その分の固定資産税や管理費などがかかり続けてしまいます。
タイミングよく両方が見つかるのは難しいですが、できるだけスケジュールを合わせるようにしましょう。
同居のために売却する場合
親世帯や子世帯などと同居をするために、今の住まいを売却する方もいます。新しく二世帯住宅を建てて、親世帯と子世帯が同時に引っ越しをする場合や、もともとある親世帯に子世帯が引っ越す場合もあります。
二世帯同居が理由の売却では、期限はさほど設けずに、納得のいく価格で売りたいという方が多いようです。特に親がすでに所有している家に引っ越す場合、新居購入のために住宅ローンを利用する必要がないため、無理して早くに売却しなくてもよいと考える傾向にあります。
すでに親世帯が住んでいる家に引っ越しを済ませ、空き家の状態で売却活動をするほうが楽になるというメリットもあります。購入希望者が内覧する際も、家具や荷物などを整理する必要もなく、生活状況を見られる心配もありません。ただし、人が住んでいない部屋は思いのほか劣化が早い傾向にあります。カビが出たりホコリがたまったりすると、部屋の印象が下がってしまいやすいので、定期的に部屋を換気するなど、管理を忘れないようにしてください。
まとめ
不動産を売却するには、まずはどの程度の価格で売れるかを知るために査定を受けます。不動産会社が持っているデータや担当者の評価、査定方法などによっても査定価格は異なるため、複数の不動産会社に査定を依頼しましょう。複数の査定結果を比較検討して、自分の条件に合っており信頼できる不動産会社に任せるようにしてください。
また査定については、一括査定サービスを活用するのもおすすめです。不動産の価格比較のポータルサイト「リビンマッチ」では一度情報を入力すれば最大6社に査定の依頼が可能です。大手不動産会社から地元の不動産会社まで、全国にあるさまざまな不動産会社が参加しているので、自分に合った不動産会社を探せるでしょう。インターネット環境さえあれば24時間いつでも無料で利用でき、査定の申し込みは最短45秒で完了するので忙しい人もお気軽に検討してみてください。
- 複数の不動産会社で査定したい
- 早く売却して、ローンに充てたい
- 遠方にある物件なので地元の不動産会社に依頼したい
- いまの物件価値を知りたい
- どの不動産会社に相談していいのかわからない
この記事の編集者
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