マンションを売却すると支払った管理費は戻ってくる?
マンションを売却する際に、前納していた管理費は戻ってくるのか気になっている方もいるのではないでしょうか。本記事ではマンション売却時の管理費の扱いについてはもちろんのこと、管理費の概要や修繕積立金との違い、マンションの売却時に必要な管理費に関する手続き、買主との間での管理費の精算方法などについて詳しく解説します。
- 複数の不動産会社で査定したい
- 早く売却して、ローンに充てたい
- 遠方にある物件なので地元の不動産会社に依頼したい
- いまの物件価値を知りたい
- どの不動産会社に相談していいのかわからない
もくじ
管理費はマンションを売却しても返金されない
結論から述べると、売却する以前に支払った管理費は戻ってきません。多くの場合、管理組合の規約の中で、一度支払った管理費は払い戻しをしない決まりになっています。修繕積立金も同様で、やはり管理規約にて返済しない決まりになっているケースが多いです。
マンションにおける管理費とは?
マンションを購入すると月々、管理費を支払う必要があります。口座振替で支払っている人が多いですが、そもそも管理費とはどのような目的で必要な費用なのでしょうか。概要や金額の理由などについて説明します。
マンションの生活を快適にするための費用
マンションのような集合住宅の場合、自室だけを整えていても快適・安全に暮らせるわけではありません。共有部分や建物全体について常に管理する必要があります。その管理のために使われるのが管理費です。
エントランスや廊下、階段などの共有部分を快適かつ安全に使えるように、維持・管理するための費用として、マンションに住む住人がそれぞれ負担します。管理費の管理は組合が集金して行います。管理費の主な内訳としては、以下のとおりです。
- 共有部分の清掃を行うための人件費
- 電球などの備品・消耗品費
- 消防設備などの点検のための費用
- 防犯カメラやAEDなどのレンタル費
- 宅配ロッカーの運営費
- 共有部分の火災保険料・地震保険料
- 植栽の手入れ
他にも、警備員の巡回や非常ボタンによって駆け付けてくれるような防犯システムについても管理費が使用される場合があります。
金額は専有面積で決まる
管理費は専有部分の床面積、つまり自分で所有している部屋の広さによって、負担割合が変わります。「建物の区分所有等に関する法律」でもマンションの持ち分に応じて、共用部分の負担をするように定められています。管理費については管理組合の規約、決議で具体的な金額を決定するのが一般的です。
国土交通省「平成30年度マンション総合調査結果」によると、駐車場の使用量などからの充当額を含む、管理費の月額平均は1万5,956円(/戸)です。駐車場の使用量などからの充当額を除く場合は平均1万862円です。(※)ただしこれらはあくまでも平均であり、地域やマンションの共有施設、サービスの充実度によっても変わります。また、総戸数規模が大きいほど、管理費は低くなる傾向があります。
※参考:国土交通省「平成30年度マンション総合調査結果」
また住居目的で利用しているか、営業目的で利用しているかによっても管理費の金額が変わってきます。特定の店舗しか使用しない入り口や階段、エレベーターなどがあれば、特定の店舗だけで管理費を負担しなければなりません。
なお、管理費と同様に管理組合から徴収されるものには、修繕積立金があります。修繕積立金も専有床面積により金額が変わります。目安は約1万円ですが、築年数が経過するほど、建物やシステムの劣化が出やすいことから金額が高くなっていきます。
所有権を持つ人が支払う
管理費は基本的にマンションの所有権を持つ人が支払います。所有権の内訳には、購入した部屋である専有部分、共有部分である共有特分、マンションが建つ土地を利用できる権利である敷地利用権が含まれます。マンションを購入した際には、この3つからなる所有権を持てるようになり、売却時には所有権を譲渡します。
所有権を持つと管理費を支払う義務も生じますが、管理費の支払いについては「建物の区分所有等に関する法律」第十一条第二項の規定により、以下のように定められています。
規約で共用部分の所有者と定められた区分所有者は、区分所有者全員(一部共用部分については、これを共用すべき区分所有者)のためにその共用部分を管理する義務を負う。この場合には、それらの区分所有者に対し、相当な管理費用を請求することができる。
つまり、マンションの部屋を所有している場合には、居住していなくても管理費を支払わなければなりません。売却が決まっても、引き渡し日までは売主が管理費を支払います。
修繕積立金とは用途が違う
前述したとおり、マンションを所有していると管理費とは別に修繕積立金を徴収します。修繕積立金とは一定年数ごとに行う、大規模修繕のための積立金です。
建物には経年劣化があり、定期的にメンテナンスや修繕が必要です。マンションのような大規模な建物であれば、長期的な修繕計画に沿って、修繕が行われます。たとえば、以下のような修繕が考えられます。
- 長期的計画に沿って定期的に行われる修繕
- 災害や事故などで必要になった修繕
- バリアフリー対策
- 耐震工事
- 共用部分のリフォーム
など
計画的に積み立てていくものの、災害のような不測事態が起こると積み立てていた金額だけではまかなえない場合があり、追加徴収される場合も考えられます。
一方、管理費は日々のメンテナンスの中で使われるものです。長期的計画による大規模修繕に使われるのが修繕積立金で、日々の細かいことに使用されるのが管理費であると認識しておきましょう。
マンションから引っ越した後の管理費は精算できるのか
マンションを売却した場合、前納していたとしても返却はされません。ただし、買主に精算して払ってもらうことは可能です。管理費の清算方法について解説します。
日割りで精算する場合がある
多くの場合、マンションの所有者は次月分の管理費と修繕積立金を前納しています。マンションを売却する場合、引き渡し日が月の半ばだと、自分が所有していない期間の分まで管理費と修繕積立金を支払うことになるでしょう。
売主が損をしないように、日割り計算をして所有権が移った日から月末までの分は、買主からその分の費用が支払われるケースもあります。
たとえば管理費が1万5,000円(/月)で、4月15日にマンションの引き渡しをしたとしましょう。その場合、以下の計算式で7,500円分を決済日に買主から支払ってもらえる場合があるのです。
1万5,000円÷30日✕15日=7,500円
なお、マンションの売却が決まっても引き渡し日までは、売主が管理費を支払うルールである点は理解しておきましょう。
売主が1カ月分負担するケースが多い
所有権が移った日から月末までの分を日割りで清算する場合もありますが、売主が1カ月分の管理費を負担するケースも多いようです。管理費を日割り計算しても、さして高額ではないため、わざわざ計算するのが面倒だと感じる人も多いためです。また、売主に対するサービスというような意味合いで、全額負担する考え方もあります。
マンション売却時の管理費に関する明確なルールはないので、仲介する不動産会社などにも相談しつつ、売主と買主の両者で決めるようにしてください。
マンションの売却後に必要な届出とは?
マンションを売却する際には、管理組合を抜ける必要があります。ここからは、マンション売却が決まってから管理組合に対して行うべき手続きや届出について、順番を追って紹介します。
管理会社に連絡を入れる
まず、マンションを売り出したらすぐに管理組合・管理会社へ連絡を入れましょう。
管理組合を抜ける際には書面の提出が必要なので、あらかじめ、段取りと必要書類について確認しておきましょう。
また管理組合の役員が当番制で、自分がちょうど役員を務めているときに、マンションの売却をするケースもあります。役員だからといって売却ができないということはありません。売り出すタイミングで周知をして、すみやかに後任決めをしてもらいましょう。
決済後に書類を提出する
マンションの売却に関する決済が終了したら、事前に管理組合からもらっておいた組合員資格喪失届に必要事項を記入し提出してください。組合員資格喪失届には旧区分所有者である売主の氏名や住所と、新区分所有者である買主について記入します。組合員資格喪失届の宛先は管理組合の理事長になっていますが、必ずしも理事長に提出しなくても大丈夫です。
届出がないと管理費の請求が継続される
管理組合とのやり取りの多くは不動産会社が進行してくれますが、まれに自分自身で行わなければならないケースもあります。届出をしないと管理費が請求され続けるので注意してください。引き落としの場合、気づかないうちに毎月払ってしまっていた、と後悔する場合もあるでしょう。
また、組合員資格喪失届の提出が遅れただけでも、管理費や修繕積立金が引き続き口座から引き落とされる可能性があります。提出が間に合わないと、管理組合にも不要な手間をかけてしまうので、お互いの負担をなくすためにもスケジュールどおり進めましょう。
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マンション売却で管理費の負担を抑える方法
マンションを所有している場合、管理費以外に固定資産税も支払わなければなりません。マンションを売却する際にはできるだけ、適切な処理をしながら、管理費や固定資産税を無駄に支払わないようにしたいものです。ここではマンションを売却の際にコストをできるだけ抑える方法を紹介します。
短期間で売却する
管理費の負担を抑えたい場合には、できるだけ短期間で売却するようにしましょう。管理費はマンションを売りに出していても、居住をしていなくても、所有している限りは払い続けなければなりません。できるだけ短期間で売却して所有権を移せれば、支払う管理費を抑えられます。
できるだけ早くマンションを売却するには、適切な価格で売り出すことや、信頼できる不動産会社を選ぶことがポイントです。また、購入希望者が内覧を希望する際には丁寧に対応して、マンションの良さを少しでも多く分かってもらうようにしましょう。
固定資産税の清算も忘れない
不動産を所有しているのなら、固定資産税を国に納めなければなりません。固定資産税とは所有している不動産の価格に応じて、前払いで納める税金のことです。分割納付もできますが一括納付を選んでいる人も多いでしょう。
固定資産税も、マンションの引き渡し日以降は買主が負担するため、管理費などと同様に精算できます。
固定資産税の起算日は、地域によって1月1日の場合と4月1日の場合があるので、事前に確認をしておいてください。たとえば1月1日が起算日の地域で、すでに10万円の固定資産税を一括納付しており、6月1日にマンションを引き渡す場合は、半分の5万円を決済日に精算します。引き渡し日によっては金額が大きいので、精算を忘れないようにしましょう。
マンションの管理費を滞納するとどうなる?
金銭的な理由などで管理費を滞納する人もいます。滞納すると管理組合から訴えられるケースもあるので注意が必要です。さらにはマンションの売却にも影響が出てきます。ここからは、滞納した場合に起こり得ることについて詳しく紹介します。
督促が来る
マンションの管理費を滞納すると、管理会社から督促がきます。無視をしているとやがて催告書が届き、管理組合の理事会などで滞納の事実が公開されてしまうかもしれません。
ちなみに督促状とは、期限内の支払いがない場合に、支払いを促すために送られてくるものです。財産を差し押さえるような法的効力はありませんが、放置していると連帯保証人や保証人に請求がいきます。またそれでも督促状を無視していると、法的手段をとるための最終通告である催告書が送られてくるでしょう。
悪質であれば裁判と差し押さえに発展するケースもあります。またペナルティとしては遅延損害金が加算されてしまいます。
買主から滞納分を請求される
マンションの売却時に、売主が滞納していた管理費の債務は、買主が引き継ぐというのが法律上のルールです。前の所有者が管理費を滞納していた場合、管理組合は新しい所有者にも滞納分を請求できると「建物の区分所有等に関する法律」で定められています。しかし、それでは新しい所有者は損をしてしまうため、買主は売主に請求をします。
マンション売却時に受け取った代金は、住宅ローンが残っていればその支払いに充てられ、残った分で滞納していた管理費を支払いましょう。残りがない場合には買主へ催促がいき、買主が代わりに支払った場合には買主から滞納分を請求されます。
売却に悪い影響を与える
管理費を滞納していても売却は可能です。しかし、売買契約とともに重要事項説明書で、管理費の延滞について買主へ説明する義務があります。前述したとおり、多くの場合は売却代金から管理費が引かれます。
しかし売却で利益が出ず、売主が管理費を支払えなければ買主が負担しなければならないので、そのようなマンション自体、購入したくないと考える人が多いでしょう。管理費の延滞があると買主を見つけにくくなるので、しっかりと月々、支払うようにしてください。
査定価格が下がる
不動産会社は査定をする際に、管理費の滞納がないかもチェックします。万が一、滞納がある場合、査定価格は下がるでしょう。滞納がある場合に、広告に「滞納分は売主が払う」と明記してもらうことで、査定価格を下がらないようにする方法もありますが、いずれにせよ購入希望者からの印象はよくないので期日内に支払うようにしてください。
マンションが他人のものになるケースもある
あまりにも滞納が悪質となると、口座を差し押さえられたり、マンションを競売にかけられたりして滞納分を回収されてしまうケースがあります。競売にかけられれば、マンションは他人のものになります。
ただし、すぐに競売となるわけではありません。滞納について管理組合の理事会で対応が協議され、滞納の金額が大きかったり、再三の催促にも応じなかったりすると、訴訟を起こされ競売を申し立てられる場合があるのです。競売は「建物の区分所有等に関する法律」でも認められています。
競売申立をされると、競売申立費用や弁護士費用も、滞納者が支払う必要があります。もし滞納した分が払えないとなったら、売却にかけられる前に任意売却をし、売ったお金の中から滞納分を払うのがよいでしょう。
マンション売却の流れを確認
ここからはマンション売却の流れを紹介します。どのタイミングで管理費の精算をしたらよいかも確認しましょう。
流れ1:売却相場を調べる
マンションの売却をする際は、不動産会社に査定を依頼するところから始めます。査定価格は不動産会社によっても異なるので、複数の不動産会社に依頼をして査定結果を確認してください。
またその際には、自分自身でも売却相場を調べるようにしましょう。調べ方としては、国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営・管理している不動産流通標準情報システム「レインズ・マーケット・インフォメーション」を利用する方法があります。(※)売却したいマンションと似たような立地条件、築年数、広さ・間取りの成約価格を確認すればだいたいの売却相場が分かるでしょう。
※参考:レインズ・マーケット・インフォメーション「不動産取引情報提供サイト」
流れ2:不動産会社と媒介契約を結ぶ
複数社の査定結果を確認した上で、不動産会社と媒介契約を結びます。媒介契約には以下の3種類があるので、自分に合った媒介契約を選びましょう。
- 一般媒介契約
- 専任媒介契約
- 専属専任媒介契約
一般媒介契約
一般媒介契約とは、複数の不動産会社に販売活動を依頼できる媒介契約です。また、売主自身で買主を見つけた場合には、契約した不動産会社を通さなくても取引が可能です。
契約の有効期間については法律的な成約はありませんが、国土交通省は3カ月以内を推奨しています。
また一般媒介契約には、明示型と非明示型があります。明示型は不動産会社に対して他に契約している不動産会社を通知しなければならず、非明示型はその必要がありません。
媒介契約の中でも自由度が高く、自分でも買主を見つけられる可能性のある人に向いています。
専任媒介契約
専任媒介契約は、契約を取り交わす不動産会社が一社のみの媒介契約です。専任媒介契約を結んだ後に他の不動産会社に依頼することは、宅地建物取引業法で禁じられています。
契約の期間は3カ月以内と定められ、それを超えることはできません。不動産会社は売主に対して2週間に1回以上、販売活動の状況を報告する義務があります。不動産情報システムである「レインズ」への登録は媒介契約から7日以内に行われます。売主自身が買主を見つけることも可能です。
複数の不動産会社と連絡を取り合う時間がなく、一社とじっくりとやり取りしたい場合に向いています。
専属専任媒介契約
専属専任媒介契約では、専任媒介契約と同様に、複数の不動産会社と契約できません。
契約の有効期間は専任媒介契約と同様に3カ月ですが、販売活動の報告義務は1週間に1回以上と、媒介契約の中も特に細かく進捗を確認できます。
専属専任媒介契約では確実に仲介手数料が入るため、不動産会社は積極的に販売活動を行ってくれます。また、媒介契約の5日以内にはレインズへの登録義務があるので、なるべく早めに買主を見つけたい方に向いています。
ただし売主自身が知人や親族などを通じて買主を見つけても、直接契約をすることができず、媒介契約を結んだ不動産会社を通して取引を行わなければなりません。
流れ3:販売活動をスタートする
不動産会社と契約をしたら販売活動がスタートします。売り出す際に重要なのが売り出し価格です。売主が自由に決められますが、高く設定しすぎると売れ残る可能性があるので、売却相場をチェックしたり、不動産会社が算出した査定価格を参考にしたりしながら決めるようにしましょう。
売り出す際にはチラシや不動産会社のWebサイトなどでマンションを紹介してもらえますが、その際に重要なのが写真です。チラシやWebサイトを見た人に買いたいと思ってもらえるように、きれいな状態で撮影した写真をまとめておきましょう。
流れ4:売買契約を結ぶ
購入希望者が現れて条件が合えば売買契約を結びます。売買契約は引き渡し日の約1~3カ月前に締結することが一般的です。
売買契約を結ぶ際には契約書の内容をしっかりと確認しましょう。内容の説明については不動産会社から買主に対して行います。また、マンションについて問題がある場合には、売主には告知義務があります。売買契約を結ぶ前までに告知を済ませるようにしましょう。告知をしなければならない内容としては、マンションの欠陥やトラブルのほかに、前述した管理費の滞納などに関することです。
すべての内容確認が終わったら、売買契約書に署名と捺印をし、手付金を受け取ります。手付金は売却価格の約5~10%と考えておきましょう。このタイミングで不動産会社に対しては仲介手数料の半額を払います。
また売買契約が決まったら、管理組合に連絡をとって管理組合を抜ける手続きを忘れないようにしてください。
流れ5:マンションを引き渡す準備をする
売買契約を済ませると約1~3カ月後に引き渡しとなるので、準備を始めましょう。引き渡しまでに必要な準備としては以下があります。
- 住宅ローン残債の清算をする
- 司法書士に所有権移転の登記手続きを依頼する
- 仲介手数料の残額を不動産会社へ支払う
- 売却するマンションを住まいとして利用していた場合は部屋の片づけ、クリーニング、新居への引っ越し
住宅ローンの残債があれば、繰り上げ一括返済で支払いを済ませましょう。返済ができたら、司法書士に抵当権抹消登記の手続きをしてもらいます。そのままにしておくと、売却に不都合が出るので注意してください。
所有権移転の登記手続きについては、売買契約後に登記義務者(売主)と登記権利者(買主)の連盟で提出します。法務局に提出するタイミングは一般的には引き渡し日のため、それまでに提出に必要なマンションの登記識別情報や固定資産税評価証書、印鑑証明書などの準備をしておきましょう。
流れ6:決済・引き渡しする
売買契約をした日から1~3カ月後の約束をしていた日に、決済と引き渡しをします。引き渡しには、売主と買主、不動産会社、金融機関の担当者、司法書士が同席します。
決済では書類を確認の上、手付金を除いた残りの売却代金を受け取ってください。決済を確認したら司法書士はその日のうちに、法務局へ所有権移転の登記手続きをしに向かいます。
鍵は買主へすべて渡し、宅配ロッカーや集合ポストがある場合には、開け方などの説明を行ってください。時間がかかるケースもあるため、当日は別の予定を入れない方が安心です。
流れ7:確定申告する
売却で1,000万円以上の利益が出たら、確定申告を行ってください。理由は、利益として出た1,000万円が課税所得として課税対象となり、確定申告が必要なためです。確定申告はその年の1月1日から12月31日までの所得に対する税額を計算して、正しく納税する制度です。例年、指定された期間に、住んでいる地域の税務署に申告します。
確定申告に必要な書類は以下のとおりです。
- 確定申告書
- 売買契約書
- 分離課税用の確定申告書
- 譲渡所得の内訳書
- 仲介手数料の領収書、印紙税の領収書
気をつけるポイントとしては、マンションの売却による利益と売却価格は異なる点です。マンション売却による所得は、確定申告では譲渡所得といいます。譲渡所得は以下のように計算します。
譲渡所得=マンション売却による収入額(売却価格)-(マンションの取得費₊譲渡費用)
マンションの取得費とは、売却したマンションを購入したときの取得費のことで、譲渡費用は今回の売却時にかかった仲介手数料などの費用のことです。多くの人はさほど利益が出ていないか、譲渡損失が出ている可能性もあるでしょう。
一括査定サービスを活用すると便利
マンションの査定を依頼する際に、多くの不動産会社とやり取りをする時間がとれない場合は、インターネットの一括査定サービスを活用する方法がおすすめです。ここからは一括査定サービスを利用するメリットと注意点について紹介します。
メリット
一括査定サービスは、インターネットに接続できるスマートフォンやパソコンがあれば手軽に査定依頼できるのが大きなメリットです。好きな時間にアクセスできるので、昼間は働いていて忙しい人にも便利です。一社ずつ不動産会社を探すのは手間がかかりますが一括査定サービスならば、手軽に検索して連絡がとれます。
無料で利用ができ、査定依頼したからといって査定結果に不満があれば、媒介契約をしなくても問題ありません。複数社の査定をまとめて受けられるので比較検討しやすく、自分に適した不動産会社を見つけやすいでしょう。
注意点
一括査定サービスを利用して査定の依頼ができるのは、一括査定サービスに登録している不動産会社のみです。不動産会社が一括査定サービスに登録するには費用がかかるため、自分が利用したいと思っていた不動産会社が登録していない場合もあるでしょう。登録者数が多い一括査定サービスを利用するのはもちろんのこと、一括査定サービスとお目当ての不動産会社への直接の依頼を同時にするのもよいでしょう。
また一括査定サービスは、匿名では利用できないケースが多い点にも注意してください。査定をするにあたって、個人情報や売却したいマンションの条件などを入力する必要があります。個人情報を入力するのが不安という方は、一括査定サービスの個人情報の取り扱いについて事前に確認しておきましょう。
まとめ
マンションの管理費は、マンションに住む住人の快適さと安全のために、マンションの管理に使われています。マンションを区分所有していれば、管理組合に毎月管理費を支払わなければなりません。
一度支払った管理費はマンションを売却しても返金されませんが、月の途中にマンションを売却して所有権を譲渡した場合は、日割り計算の上、余計に払いすぎた分を、買主に支払ってもらうことも可能です。また余分に管理費を支払わないためにも、マンション売却時には適切にマンションの管理組合を抜ける手続きを行いましょう。
なお、マンションを売却する際には、まずは一括査定サービスで査定を依頼するのがおすすめです。不動産の価格比較のポータルサイト「リビンマッチ」では、マンションの情報などを一度入力するだけで、最大6社の不動産会社へ査定を依頼できます。大手不動産会社から地元の不動産会社まで、さまざまな不動産会社が参加しているので、自身に合った不動産会社を見つけやすいでしょう。リビンマッチを運営するリビン・テクノロジーズ株式会社ではプライバシーマークを取得しており、個人情報の保護を徹底しているので、安心してご利用ください。
- 複数の不動産会社で査定したい
- 早く売却して、ローンに充てたい
- 遠方にある物件なので地元の不動産会社に依頼したい
- いまの物件価値を知りたい
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この記事の編集者
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