【最新】神奈川県のマンション価格推移を分析!横浜市などエリアごとの違いや今後の予想も
神奈川県全体のマンション価格は2013年以降、新築、中古ともに40%以上の値上がりをしています。
価格上昇の傾向は、神奈川県だけに限らず、3大都市圏を含め中枢都市でも同じです。これは、2013年から実施されている金融緩和政策の影響もあります。
過去10年間のデータから、神奈川県のマンション価格推移を徹底的に分析します。エリア別の違いにも注目してみましょう。
もくじ
神奈川県全体のマンション価格推移
神奈川県の新築分譲マンションと中古マンションについて、2013年~2022年の10年間における価格推移を紹介します。また、売買される中古マンションの築年数の変化も確認しましょう。
新築分譲マンションの価格推移(過去10年間)
神奈川県における新築分譲マンション価格の推移を確認すると、平均価格は10年間で128.4%、㎡単価は142.1%まで上昇しています。
出典:株式会社不動産経済研究所「マンション市場動向」
平均価格は2017年がピークであり、そのあとはわずかに下落あるいは横ばいの状況です。
新築マンションの場合、㎡単価が上昇すると専有面積を縮小させてマンション価格を抑えようとする動きが出ます。2018年以降の平均価格の横ばいの理由として、そのような背景があると想像できるでしょう。
また、神奈川県全体では、2013年~2017年までの期間と2018年~2022年までの期間で、㎡単価の上昇率に違いが見られます。コスト低減を図る動きもあったと考えられるでしょう。
中古マンションの価格推移(過去10年間)
神奈川県の中古マンション価格について、過去10年間の推移を確認します。
出典:株式会社東京カンテイ「70㎡換算価格推移」
新築マンション価格は2017年に㎡単価のピークがありましたが、中古マンションは2018年が小さなピークです。その後は2年間でわずかな下落傾向があり、2021年、2022年は大きく上昇しているのがわかります。
2022年の中古マンション70㎡換算価格および㎡単価は、2013年と比較し146%まで上昇しました。
中古マンションの築年数推移(過去10年間)
過去10年間に神奈川県で取引された中古マンションの平均築年数と70㎡平均価格を比較すると、以下のグラフになります。
出典:株式会社東京カンテイ「70㎡換算価格推移」
売買される中古マンションは、毎年古くなっているのがわかります。これは、東京都や大阪府でも同様です。
中古マンションの流通が年々拡大しており、リノベーションにより再生されたマンションの市場における比率が増えていることが原因と考えられます。
また、70㎡換算価格は2018年~2020年の期間に若干の下落が見られますが、原因は定かではありません。
神奈川県エリア別のマンション価格推移
神奈川県のマンション市況について以下のエリア別に分析します。
- 横浜市4区(南区・中区・西区・神奈川区)
- 横浜市を除いた6都市(川崎市・藤沢市・
茅ヶ崎 市・相模原 市・平塚市・横須賀市)
さらに、上記10エリアの㎡単価推移を神奈川県全体の平均値と比較してみましょう。
横浜市4区の中古マンション価格推移
横浜市で中古マンションの価格帯が高い中心部4区(南区・中区・西区・神奈川区)の状況を見ていきます。
出典:土地総合情報システム「不動産取引価格情報検索」
横浜市4区(南区・中区・西区・神奈川区)の中で最も㎡単価が高いのは、西区の約89万円です。
一方で、2022年の㎡単価と過去5年間の上昇率をまとめると、以下のようになります。
区 | 2022年の㎡単価(万円) | 2018年~2022年の上昇率 |
---|---|---|
西区 | 89.4 | 1.18 |
中区 | 82.1 | 1.20 |
神奈川区 | 70.7 | 1.14 |
南区 | 62.3 | 1.25 |
南区は㎡単価が約62万円と最も低いですが、上昇率は1.25倍とほかエリアよりも高く、2013年までさかのぼると1.79倍の上昇率です。地価の上昇が影響しているとともに、南区は「住みよいエリア」として人気が高まっていることがわかります。
主要6都市の中古マンション価格推移
横浜市を除いた神奈川県の主要6都市(川崎市・藤沢市・
出典:土地総合情報システム「不動産取引価格情報検索」
川崎市はほかの5市と比べ高い水準であり、2022年の㎡単価は6都市の中で最も低い横須賀市の2.15倍です。
2022年の㎡単価と過去5年間の上昇率をまとめたものが下の表です。
市 | 2022年の㎡単価(万円) | 2018年~2022年の上昇率 |
---|---|---|
川崎市 | 67.8 | 1.22 |
藤沢市 | 51.0 | 1.15 |
43.2 | 1.10 | |
38.6 | 1.29 | |
平塚市 | 33.5 | 1.27 |
横須賀市 | 31.5 | 1.30 |
6都市(川崎市・藤沢市・
10エリアの中古マンション㎡単価推移
横浜市4区(南区・中区・西区・神奈川区)と主要6都市(川崎市・藤沢市・
エリア | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 上昇率 |
---|---|---|---|---|---|---|
神奈川県平均 | 41.3 | 41.1 | 41.0 | 44.5 | 50.3 | 1.22 |
横浜市西区 | 76.0 | 76.7 | 76.7 | 82.8 | 89.4 | 1.18 |
横浜市中区 | 68.7 | 67.2 | 79.6 | 74.2 | 82.1 | 1.20 |
横浜市神奈川区 | 61.8 | 62.0 | 62.6 | 66.1 | 70.7 | 1.14 |
川崎市 | 55.6 | 55.9 | 59.3 | 62.0 | 67.8 | 1.22 |
横浜市南区 | 50.0 | 50.6 | 56.7 | 59.3 | 62.3 | 1.25 |
藤沢市 | 44.4 | 44.6 | 43.3 | 46.7 | 51.0 | 1.15 |
39.4 | 40.9 | 38.8 | 41.5 | 43.2 | 1.10 | |
29.8 | 31.5 | 32.4 | 33.6 | 38.6 | 1.29 | |
平塚市 | 26.4 | 28.1 | 27.1 | 29.6 | 33.5 | 1.27 |
横須賀市 | 24.2 | 26.9 | 26.3 | 27.8 | 31.5 | 1.30 |
出典:土地総合情報システム「不動産取引価格情報検索」
横浜市4区(南区・中区・西区・神奈川区)と川崎市および藤沢市が神奈川県平均を超えています。
また、2018年からの5年間における上昇率は、横浜市南区、
今後の予想!神奈川県のマンション価格はどうなっていく?
令和5年分の地価公示価格、路線価が公表され、全国的な地価の上昇傾向があります。特に横浜駅付近では上昇率が2桁で、神奈川県全体では路線価平均が前年比2%の上昇です。
地価の上昇によりマンション価格も新築、中古ともに単価が上昇する傾向が予測されています。
神奈川県内で特に注目したいエリアについて分析しましょう。
横浜市は西区と中区が今後も好調
神奈川県のマンション市場を予想するにあたって、中心的なエリアは引き続き横浜市の西区と中区だといえます。
みなとみらい周辺の再開発が今後も続き、横浜市の中心としてのポテンシャルはますます大きくなるでしょう。また、隣接する南区は価格上昇が目立っており、その傾向は今後も続くと考えられます。
横浜市は東京都の衛星都市としての側面と国際的な観光都市としての側面があり、インバウンドの回復が地域の経済にも好影響を与えるでしょう。それに伴い投資対象としての魅力は大きく、マンション価格の上昇傾向は止まらないと見てよいようです。
上昇率の高い4市の今後
横浜市以外で注目したいのは、上昇率の高い
下のグラフは神奈川県の主要6都市(横浜市を除く)における㎡単価の上昇率を2018年から見たものです。
出典:土地総合情報システム「不動産取引価格情報検索」
地価の上昇とコロナ禍からの本格的な回復により、今後のさらなる上昇可能性は高く、注目したい市場といえるでしょう。
神奈川県のマンションは今、売ったらいくら?
神奈川県は横浜市が中心ですが、川崎市・
また、マンションをはじめとした不動産市場において、首都圏の一部である神奈川県として捉える視点は必要です。しかし、各都市の経済的ポテンシャルがマンション価格に影響を与えているため、マンション相場は各都市の個別状況を重視して捉えましょう。
物件の個別状況によっても価格に差はあるため、現在の価格を正確に知るためには不動産査定の利用が必須といえます。
不動産査定は、1社だけに限らず必ず複数の不動産会社に依頼しましょう。不動産会社によって価格の算出方法が異なるケースがあるためです。
しかし、複数の不動産会社を探し、それぞれの会社の情報を収集するだけでもかなりのエネルギーを使わざるを得ません。
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この記事の編集者
リビンマッチ編集部
リビンマッチコラムでは、むずかしい不動産の事をできる限りわかりやすく、噛み砕いて解説しています。不動産に対するハードルの高いイメージ、とっつきにくい苦手意識を少しでも取り除いて、よりよい不動産取引のお手伝いをさせていただきます。
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