投資マンションとは?基本的な仕組みや節税効果を解説
不動産投資の中でも注目されているのが投資マンションです。マンション投資はマンションを購入し賃貸経営することで収益を得る手法です。減価償却や経費の計上などで、税負担を軽減することもできます。さらに需要の安定性や将来の資産価値の上昇も期待され、資産形成の手段としても有効です。
本記事では投資マンションの基本的な仕組みや節税効果などについて解説します。マンション投資を検討している場合に、ぜひ参考にしてみてください。
もくじ
マンション投資とはなにか
マンション投資とは、投資目的でマンションを購入し収益を得ることを指します。賃貸料や資産価値の上昇による利益を期待できるため、安定的な収入源や資産形成の手段として人気です。まずは投資マンションの概要について詳しくみていきましょう。
投資マンションとは
投資マンションは第三者に貸し出して家賃収入を得ることを目的としたマンションです。居住用マンションとは異なり、投資として購入します。最近では老後の資産形成などを目的に、マンション投資を考える人が増えています。
マンション投資では安定的な収入源としての家賃収入や、不動産価値の上昇による利益を期待できます。また長期的な視点で資産を形成する手段としても注目されています。将来の収益性やリスクなどを考慮し、適切な条件を満たすマンションの購入が重要です。
投資マンションの主な収入源
投資マンションの主な収入源はインカムゲインとキャピタルゲインの2つです。これらにより、安定的な家賃収入と不動産価値の上昇による利益を期待できます。それぞれについて詳しく解説します。
インカムゲイン
投資マンションにおけるインカムゲインは、資産を保有していることによって得られる収入のことです。具体的には「家賃収入」がインカムゲインとして挙げられます。
たとえば月額10万円の家賃を設定したマンションの一室を貸し出している場合、毎月10万円の家賃収入を得られます。この収入は入居者が退去しない限り継続的に入ってくるため、安定した現金フローを生み出すことが可能です。
多くのマンション投資家はマンション購入に際してローンを組んでいます。そのため家賃収入はローンの返済に充てられるのが一般的です。ローン完済後は純利益となる家賃収入を得られ、老後の生活を支える資金として役立てられます。
マンション投資をすれば、定年退職までにローンを完済し、安定した家賃収入を得ながら生活する、という計画を立てられるでしょう。
キャピタルゲイン
投資マンションにおけるキャピタルゲインは、将来マンションを売却する際に資産価値の上昇によって得られる利益を指します。しかしキャピタルゲインを主な目的として投資マンションを購入するケースは少ないです。キャピタルゲインは将来のボーナスとして捉えられ、インカムゲイン(家賃収入)を主な収益源とするのが一般的です。市場の需要と供給、地域の発展状況などによって影響を受けるため、キャピタルゲインを目的にマンション投資をする場合には、慎重な計画と市場の動向の把握が重要です。
マンション投資における種類
マンション投資には「区分マンション投資」「一棟マンション投資」の2種類があり、またそれぞれに新築か中古かどうかで違いがあります。詳しく解説します。
新築の区分マンション投資
区分マンションとはマンション一棟ではなく、マンションの一室のことです。投資するのが新築の区分マンションの場合、最新の設備やトレンドが備わっているケースが多いのが魅力です。一方で中古マンションに比べて価格が高い傾向にあり、投資コストが高くなる点がデメリットとして挙げられます。
しかし新築は初期の管理やメンテナンスが比較的容易で、入居率が高く賃貸需要が安定しやすいという利点もあります。投資をする際には将来の需要や地域の成長性、購入価格と家賃相場のバランスを考慮したリスクとリターンの判断が必要です。
新築の一棟マンション投資
新築の一棟マンション投資は区分マンションとは異なり、一棟丸ごと購入して行う投資です。一室だけでなく、複数の部屋やフロアを所有します。
この形態の投資には数億円単位の資金が必要となる場合が一般的です。そのため新築区分マンションと比較すると、投資の敷居は非常に高くなります。ただし一度に多くの部屋を所有することで、収益の幅は広がるでしょう。
中古の区分マンション投資
中古の区分マンション投資は、新築と比較して初期コストを抑えられるというメリットがあります。しかし築年数が経過しているマンションの場合、設備が古くなっているため、突発的な修繕費が発生するリスクがあります。例として挙げられるのが乾燥機やエアコンの故障などです。
中古の区分マンションを購入する際には、建物全体の管理状況も把握しておくことが重要です。管理組合の運営や積立金の状況などを確認し、将来の修繕やメンテナンスに備える必要があります。
中古の一棟マンション投資
中古の一棟マンション投資とは、築年数が経過している中古のマンションを比較的安く購入し、安定的な家賃収入を得る投資手法です。差別化を図るためにリノベーションするケースもあります。中古の一棟マンション投資は、リスクや管理の面での専門知識やノウハウが必要です。そのためマンション投資の経験がある投資家向けの方法であるといえます。
マンション投資におけるメリット
マンション投資には、先述したインカムゲイン・キャピタルゲインの利益が得られる他にもいくつかのメリットがあります。ここからはマンション投資で得られるメリットについて詳しく解説します。
節税につながる可能性がある
マンション投資によって節税につながる可能性があります。たとえば、マンションの収益が家賃収入として得られる場合、経費や減価償却費などの税務上の優遇措置を活用すれば、所得税や法人税の節税が可能です。
副業として有効
マンション投資のメリットのひとつは、副業として有効である点です。株やFXのような他の副業と比較して手間がかからず、効率的な収益を得られます。以下にその理由を詳しく説明します。
まずマンション投資は、管理会社に業務を委託可能です。家賃の集金や入居者への対応、メンテナンスなどの業務は、管理会社に任せれば自らの手間はあまりかかりません。また管理会社は専門知識と経験を持っているので、適切な運営を行ってくれる可能性が高いでしょう。
さらにマンション投資は本業のある会社員にもおすすめです。投資にかかる時間や労力が比較的少なく、本業が忙しくても両立させやすいです。定期的な家賃収入が安定して得られるため、副収入を確保しながら将来の資産形成を進められます。
またマンション投資は一度経営する体制を整えれば、収益が継続的に得られるというメリットがあります。これにより、副業としても安定収入を確保できるでしょう。
生命保険や私的年金の代わりになりうる
マンション投資には、生命保険や私的年金の代わりになりうるというメリットがあります。不動産投資ローンを利用した場合、生命保険に加入可能です。この際には住宅ローンを組むときと同じように「団体信用生命保険」に加入します。
団体信用生命保険は借主が死亡、事故、病気などで返済能力を失った場合に、ローンの残債を生命保険で返済する仕組みです。この保険に加入すれば、投資後に万が一の事態が発生した際にローン返済リスクを軽減できます。
またマンション投資は、先述したとおり長期的に安定した収益を得られます。家賃収入によって得た収益は、将来の生活費や資産形成の一部として活用可能です。年齢によっては公的年金をあまり多くもらえない可能性もあります。そのためマンション投資によって得た収益を私的年金の代わりとして使うことも可能です。
ただしマンション投資によってさまざまな費用が発生することは認識しておきましょう。生命保険や私的年金の代替手段としてのマンション投資を検討する場合、保険料やローンの返済料の他にもかかるコストを全体的にシミュレーションして実際に投資をするか決めるようにしてください。リスクとリターンを考えながら適切な投資戦略を立てることで、将来の資産形成や経済的な安定を得られるでしょう。
マンション投資におけるデメリット
マンション投資をする際はメリットだけでなくデメリットについても知っておくことが重要です。ここからはマンション投資のデメリットについて詳細を確認していきましょう。
建物は年数とともに老朽化する
マンション投資のデメリットのひとつとして、建物の老朽化が挙げられます。マンションの寿命や老朽化は、マンションの構造や築年数に関係しています。
日本においてマンションには約100年の歴史があり、分譲マンションが普及し始めたのは1960年頃です。その当時に建てられたマンションは築60年であり、老朽化問題が本格化するのはこれからであるといえます。
マンションの構造は、主に鉄筋コンクリート造(RC造)と鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)の2種類が主流です。一般的には、「マンションの寿命=コンクリートの寿命」とされています。
建物が経年劣化すると劣化したコンクリートの補修や設備の更新をしなければなりません。これには費用や手間がかかるため、修繕積立金の適切な管理を行う必要があります。
また老朽化したマンションを建て替えるという選択肢もあります。ただしその場合、取り壊しや建設費用がかかり、多くの手続きを行う必要があるという課題も考えなければなりません。
空室のリスクがある
マンション投資では、マンションに空室が生じることによって、収益が得られずに経済的な損失を被る可能性があります。具体的には、マンションのローンを返済中に、空室が多くローンの返済額が家賃収入を上回ってしまう可能性がゼロではありません。これによってキャッシュフローがマイナスに転じ、自己資金で補填しなければならない可能性もあります。
また単身者向けのマンションの場合は、入居者の入居期間が短いケースが多いです。空室が埋まりやすい反面、簡単に退去してしまうため空室リスクが高まります。
空室リスクを回避するためには、賃貸需要の高いエリアや需要が安定しているエリアのマンションを選ぶことが重要です。またマンションの管理を整えて魅力的な設備・サービスを提供すれば、入居者の満足度が上がり長期間入居してもらえる可能性が高まります。
まとまった資金が必要
多額の資金が必要な点はマンション投資のデメリットのひとつといえるでしょう。マンションを購入するためには、数百万~数億円を超える購入資金が必要です。金融商品と比較すると、多額の資金を準備しなければなりません。
ただしマンション投資においては、不動産投資ローンの活用が可能です。不動産投資ローンを利用すれば、投資タイミングでは自己資金を一部で済ませられます。ローンを活用する際には頭金や利子、返済期間などを考慮して返済計画を立てるようにしましょう。
個人情報の一部を公開しなければならない
マンションをはじめとした不動産を購入すると、法務局で登記手続きをしなければなりません。登記手続きは、不動産の所有者や固定資産税の納税義務者を明らかにするために行われる重要な手続きです。登記情報は法務局が保管する登記簿に記録されます。
この登記簿には不動産の詳細情報や所有者の情報が記載されています。登記簿は法務局で数百円の手数料を支払えば誰でも閲覧が可能です。そのためマンションの住所さえ知っていれば誰が所有者なのかが簡単に分かってしまいます。自身がマンションを所有していることを知られたくない場合は、デメリットとして感じるケースもあるでしょう。
天災に見舞われるおそれがある
近年東海地震や首都直下地震などの大規模な地震が予測される中で、いつどのような災害が発生するかは誰にも予測できません。
マンション投資においては、ローンを組む際に火災保険の加入が義務付けられています。火災保険は建物の火災や爆発、水災などの損害に備えるための保険です。また地震保険の加入も可能です。地震保険は地震による損害を補償する保険であり、マンション投資においては地震のリスクに備えるための重要な保険といえます。
ただし天災による被害については、保険によるリスク回避だけでは限界があります。保険の加入の他にも、建物の耐震性や災害対策の強化、適切な点検・メンテナンスなどを行うことが重要です。
瑕疵のリスクがある
マンション投資におけるリスクのひとつが「瑕疵(かし)」です。瑕疵とは、建物に欠陥や不具合があることを指します。
具体的な瑕疵の例としては、建物の経年劣化による老朽化や、設備の故障です。たとえば、屋根や外壁の劣化による雨漏りや、配管やエアコンの故障などが挙げられます。また施工ミスによる構造上の問題や、不正や欠陥があった場合も瑕疵に含まれます。
瑕疵が発生した場合、マンションの売主は補償をしなければなりません。しかし場合によっては、修繕費を支払わなかったり、瑕疵を認めなかったりしてトラブルが発生する可能性もあります。
またそもそも売主が瑕疵について気づいていないケースもあります。投資マンションを購入する前には、入念な建物の点検や調査などをするようにしましょう。
投資マンションが節税につながる仕組み
投資マンションでは、節税の効果が期待できます。ここからは投資マンションが節税につながる仕組みについて具体的に解説していきます。
課税を先延ばしにできる
マンション投資における節税には、税金の支払いを先延ばしにできる効果があります。具体的には保険料の支払いや解約時がポイントです。保険料を支払った年には損金として計上できるため、その年の所得から差し引けます。これによって税金の負担を軽減可能です。しかし数年間保険料を支払い続け、ある年で保険を解約した場合、解約返戻金(かいやくへんれいきん)が戻ってきますが、この返戻金は課税されます。
つまり保険の解約時には課税されるため、納税を先延ばししている状況といえます。ただし保険料を計上することで当該年の納税額を軽減し、キャッシュフローに余裕が生まれるので、先延ばしの効果は無意味ではありません。
なお節税を行う際には法的なルールを守りつつ、適切に対策をとるようにしましょう。税金に関する専門家のアドバイスを聞くのもおすすめです。
相続税を抑えられる
投資マンションを相続する際には、故人の相続財産の評価額を減らすことで税額を軽減できます。相続税は相続財産の評価額に基づいて課税されますが、不動産の評価額は購入価格ではなく、相続時の評価額が基準です。
たとえば1億円で購入したマンションの投資を行っていた場合でも、相続時にはそのマンションの評価額は購入価格の約5~8割になる場合が一般的です。この評価額から基礎控除を引き、残った金額に税率をかけて相続税が計算されます。そのため不動産の評価額が低いほど相続税が少なくなり、節税対策ができるのです。
所得税・住民税の削減につながる
マンション投資によって得られる収入は不動産所得や譲渡所得として扱われます。一方、会社員が勤務先から受け取るのは給与所得です。
マンション投資によって赤字が発生した場合、給与所得と相殺する損益通算を行えます。損益通算ではマンション投資による損失を給与所得と相殺して、課税所得を減らすことが可能です。所得税や住民税は課税所得をもとに課税されます。損益通算によって所得税や住民税の課税額を軽減し、節税対策を行えるのです。
法人化による節税も可能
マンション投資によって得られる不動産所得が900万円を超える場合、所得税の税率は33%である一方で、法人税は最大で約23%の税率です。そのため法人化することで、所得税の節税が可能です。(※1~2)
※出典:国税庁「No.2260 所得税の税率」
※2 出典:国税庁「No.5759 法人税の税率」
さらに法人化して自身の家族を役員に就任すれば、不動産所得の分散や相続税対策が可能です。また家族が役員になることで所得の配分や財産の管理を柔軟に行えるので、相続時の負担軽減にもつながります。
ただし法人化するためには会社の設立費用などさまざまなコストがかかることを認識しておきましょう。また法人化には税務や法的な手続きが必要なため、専門家のアドバイスを受けながら適切な手続きを行うことがおすすめです。
減価償却についても知っておこう
減価償却は、マンション投資において重要な要素です。ここからは減価償却とは何か、減価償却の活用法などについて解説していきます。
減価償却とは
マンション投資における減価償却とは、マンションの耐用年数に応じて購入費用を分割して経費として計上する制度のことです。
具体的な例を挙げると、たとえば1億円の新築マンションを購入した場合、耐用年数が20年であるとします。この場合年間で500万円を経費として計上できます。つまり、毎年の税金評価の際に購入費用を一度に計上するのではなく、耐用年数に応じて分割して経費化することで、所得税や法人税の節税効果が期待できるのです。
ただし減価償却には所定のルールや規則があり、適切な方法で計算と記録を行う必要があります。また減価償却の対象となるのは建物や設備などの耐用年数が定められているものであり、土地などは対象外です。マンション投資において減価償却を活用すれば、年間の税負担を軽減できるでしょう。
減価償却の期限
減価償却には不動産ごとに期限が設定されています。一般的な期限として、木造アパートの場合は22年、鉄筋コンクリートマンションの場合は47年が減価償却費を計上できる期間です。(※)減価償却期間終了後は、これまで計上していた減価償却費がゼロになり、税金の負担も一気に増加します。
※出典:東京主税局「主な減価償却資産の耐用年数表」
この点を考慮すると、マンション投資においては減価償却期間を踏まえて売却のタイミングを考えることが重要です。減価償却期間が残っているうちに売却をすれば、減価償却費の計上による節税効果を最大限に活用できます。
マンション投資における注意点を解説
投資マンションは非常に大きな買い物であり、できる限り失敗は避けたいものです。ここからは、事前に把握しておきたいマンション投資における注意点について解説します。
不動産所得も課税される
そもそも不動産所得は課税対象となることを忘れてはいけません。黒字である場合はその収入に応じて税金が課されます。
損益通算や減価償却などの手法を活用することで税金を節税することも可能ですが、節税だけを目的としてマンション投資を行う場合は注意が必要です。
新築のワンルームマンションは避けたほうが無難
マンション投資において、新築のワンルームマンションは避けたほうが無難です。新築ワンルームマンションは減価償却期間が長く、年間に計上できる減価償却費が少ない傾向があります。先述したとおり減価償却費は不動産所得の節税手段となるため、その額が少ないと税金もあまり軽減されません。
さらに運用がうまくいってマンションが黒字になると、収入が増える一方で税金の負担も増加してしまいます。これによって投資による収益が相殺される可能性もあります。マンション投資では新築のワンルームマンションを避け、中古マンションや築年数が経過したマンションなどを選ぶ方が、節税効果を最大化しやすくなります。
追加融資を受けられない場合がある
マンション投資では、必要なときに追加融資を受けられない場合があります。特にすでに多額の借り入れがあり、さらに赤字経営が続いている場合は、新たな融資の審査を通過できない可能性があります。
マンション投資において融資が必要になるのは、主に大規模修繕のタイミングです。追加融資を受けられない状況では、修繕や改装などの必要な経費をまかなえず、マンションの老朽化が進行し、さらに空室が増えてしまうという悪循環につながります。これによって赤字が膨らんでしまうと、投資による収益性が悪化してしまうでしょう。
追加融資を受ける場合や借り入れの額を増やす場合には、収益の安定性や返済能力を示すことが重要です。
資金繰りの悪化で住宅ローンの返済が難しくなる可能性がある
マンション投資では資金繰りの悪化によって、ローンの返済が難しくなる可能性があります。入居者の減少により、家賃収入を得られなくなると返済負担が重くなります。返済が滞ると、マンションを差し押さえられてしまうおそれもあるでしょう。
賃貸需要の見極めが大切
マンション投資において賃貸需要の見極めは非常に重要です。賃貸需要が低い場所に建っているマンションは空室リスクが高まります。その結果収益が見込めないケースもあります。
そのためマンション投資をする際には、地域の需要や人口の動向、周辺施設の充実度などを十分に調査し、マンションの選定を慎重に行うようにしましょう。需要が安定している地域や人気の高い地域でマンション投資をすれば、安定した収益を得やすいです。
共有名義にする場合は慎重に判断する
共有名義とは、複数の人が不動産の所有権を持つ形態です。共有名義では所有者全員の同意が必要な場合があり、以下に挙げるようなリスクがあります。
- マンションの売却や修繕などの意思決定が難しくなる
- 共有者間の意見の相違やトラブルが発生する可能性がある
共有名義のマンション投資においては、共有者間の信頼関係や円滑なコミュニケーションがかかせません。またリスクを最小限に抑えるためには、明確なルールや契約内容の明示が必要です。
投資マンションを活用した節税に向いている人・向いていない人の特徴
マンション投資における節税対策は、メリット・デメリットなどを熟知した上で行う必要があります。ではどのような人が投資マンションを活用した節税に向いているのでしょうか。向いている人・向いていない人の特徴について解説します。
向いている人
投資マンションを活用した節税に向いている人は、まず年収が1,200万円以上の人です。年収が約1,200万円以上の場合、課税所得が900万円を超えるため、所得税の税率は33%です。また5年を超える保有期間を経てマンションを売却すると、長期譲渡所得となり譲渡税は20%です。(※)
※出典:国税庁「No.3208長期譲渡所得の税額の計算」
そのため年収が約1,200万円以上であれば、所得税と売却時の譲渡税に10%以上の差が生じます。所得税と譲渡税の差が大きくなり、年収などによっても異なりますが100万円以上の節税の効果になるケースもあるでしょう。
向いていない人
年収が1,200万円未満の場合は所得税の税率が比較的低いため、節税効果を実感しにくいかもしれません。したがって節税よりも収益を重視するのがおすすめです。マンション投資にはリスクや手間が伴うため、節税だけを目的とするよりも、収益を最大化することを重視しましょう。
投資マンションを活用した節税のシミュレーション
投資マンションを活用した節税のシミュレーションは、必要な経費や不動産収入などを算出して行います。ここからは具体的な方法についてみていきましょう。
1.経費を計算する
投資マンションを活用した節税のシミュレーションでは、まず経費を計算します。必要経費としては考慮されるのは、主に以下に挙げる費用です。
- 修繕費
- 修繕積立金
- 管理委託費
- 減価償却費
- 固定資産税
- 火災保険料
- 地震保険料
なお、減価償却費は投資マンションの購入価格を耐用年数で割ることによって算出できます。
2.マンション投資による収入を計算する
次にマンション投資による収入を計算します。毎月の家賃収入の他に収入の内訳として挙げられるのは、以下に挙げる費用です。
- 共益費
- 管理費
- 駐車場代
- 礼金
- 契約更新料
正確な計算のためには、家賃収入とそれに関連する収入項目を適切に把握する必要があります。
3.不動産所得を計算する
不動産所得は、マンション投資による収入から経費を差し引いた金額のことです。2で計算した収入から1で計算した経費を差し引けば算出できます。
もし不動産所得が黒字の場合、その金額は課税所得に加えられ、所得税がかかります。一方で不動産所得が赤字の場合、損益通算が可能であり、他の所得と相殺すれば節税効果が期待できます。
なお、損益通算や減価償却費を計上して節税を図るためには、確定申告を正確に行う必要があります。毎年の確定申告は忘れずに行いましょう。また適切な経費の計上や税制改正の把握も重要なので、専門家への相談や税務ソフトウェアの活用を検討しましょう。
マンション投資における初期費用の目安
マンション投資をする際に気になることのひとつが初期費用ではないでしょうか。ここからは初期費用の目安を紹介します。ただしあくまでも目安であるため、マンション投資を行う際には、しっかりとシミュレーションを立てるようにしてください。
初期費用はマンション購入価格の約20~30%が目安
マンション投資をする際に必要な初期費用の目安は、一般的にマンション購入価格の約20~30%です。初期費用にはマンション購入のための頭金だけでなく、諸費用も含まれます。たとえば、不動産取得税や登記費用、仲介手数料、銀行融資の手数料などが挙げられます。
頭金の目安はマンション購入価格の約10~20%です。また頭金を用意できる場合、ローンの審査がとおりやすくなります。金融機関は投資家の収入、借り入れの履歴などを詳細に確認しますが、頭金の額によっても返済能力を見極めているためです。その他にもマンションの収益などもローン審査の要素として考慮されるケースがあります。
税金や各種手数料が発生する
初期費用として、マンション購入費の他に以下に挙げる税金がかかります。
- 登録免許税
- 不動産取得税
- 金銭消費貸借契約書の印紙税
- 売買契約書の印紙税
また不動産会社への仲介手数料、不動産登記を依頼する司法書士の手数料なども必要です。
ただし仲介手数料と売買契約書の印紙税以外の税金は、確定申告の際に経費として計上できるので、節税に活用できます。初期費用のうち税金や手数料に関する部分は、適切に経費計上するようにしてください。
初期費用をできるだけ抑える方法とは
マンション投資で初期費用をできるだけ抑えるには、以下の方法が挙げられます。
マンションの購入価格の交渉
マンションの購入価格が高ければ、不動産会社への仲介手数料も高くなります。購入価格については、一度不動産会社や売主へ交渉してみるのもひとつの方法です。
取引形態の選択
投資マンションを購入する際の取引形態によっては仲介手数料がかからない場合もあります。たとえば直接買主と売主が交渉して取引を行う直接取引や、不動産会社を介さずに売買契約を結ぶ直接契約などもあるので、適切な取引形態を選ぶことも費用削減のポイントです。
不動産会社の比較検討
投資マンション購入時に不動産会社へ仲介を依頼する際も、複数の不動産会社を比較し、マンションの購入価格はもちろん、手数料やサービス内容などを確認しましょう。複数社の条件を比較検討することで、より自分にマッチしたマンション購入を行える可能性が高まります。
金融機関の比較検討
投資マンションを購入する際にローンを利用する場合、複数の金融機関の条件を比較検討しましょう。金利や融資手数料を見比べて、初期費用を抑えられる金融機関を選んでください。
一定のタイミングで投資マンションの売却を検討するのもおすすめ
マンション投資においては減価償却期間を踏まえて売却を検討しましょう。先述したとおり、減価償却期間が残っているうちに投資マンションを売却すれば、減価償却費の計上による節税効果を最大限に得られます。
マンション売却をする場合には、まずは売却するマンションの査定を受けましょう。その際におすすめなのが、不動産の一括査定サービスです。一括査定サービスでは、Webサイト上でマンションの情報などを入力するだけで複数の不動産会社から査定価格を受け取れます。一社ずつ査定を依頼する手間が省ける上に、査定価格やプランを比較検討できます。また一括査定サービスは無料で利用できる場合がほとんどです。インターネット環境さえあれば、24時間いつでも手軽に利用できます。仕事や家事などで忙しい方にもおすすめです。
複数の不動産会社の中から、自身の条件に合った会社を見つけ、契約を結びましょう。不動産会社と契約を結べば、投資マンションを売りに出すことができます。
まとめ
本記事では投資マンションの基本について詳しく解説しました。マンションには区分マンションや一棟マンションなどの種類があり、どのようなマンションに投資するかしっかり考える必要があります。
またマンション投資を行えば安定した家賃収入を得られ、資産形成できる可能性がありますが、その一方で初期費用やリスクについても考慮しなければなりません。可能な限り収益性を高めるためにも、投資マンションでは減価償却の活用などによって節税対策を行う方法もあります。減価償却の期間を超える前に、投資マンションを売却して別のマンションを購入するというのも選択肢のひとつでしょう。
なお、投資マンションを売却する際には、不動産の価格比較のポータルサイト「リビンマッチ」の利用がおすすめです。リビンマッチではマンションなどの情報入力を最短45秒で行えて、最大6社の不動産会社から一括で査定を受け取れます。大手不動産会社から地元の不動産会社まで、全国のさまざまな不動産会社がリビンマッチに参加しているので、自分の希望や条件に合った会社を見つけやすいでしょう。24時間いつでも無料で利用できるので、お気軽に活用してください。
この記事の編集者
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