賃貸併用住宅を売却したい!中古でも売れる条件と売るためにしたいこと
賃貸併用住宅は、一般的な一戸建てやマンションと比べて、家賃収入や節税効果などのメリットがあります。
ただし、特殊な物件であるため、売却する際には工夫が必要です。売れにくい理由や中古物件でも売れる条件、そして売却成功のために事前に準備しておくべきポイントを解説します。スムーズに売却を進めたい方は、ぜひ参考にしてください。
もくじ
【前提】賃貸併用住宅とは
賃貸併用住宅とは、所有者の自宅と賃貸用の住戸がひとつの建物に共存している物件のことです。イメージとしては二世帯住宅に近いですが、親族同士が住む二世帯とは違い、第三者の他人が同じ建物内に住む点が賃貸併用の特徴です。
所有者の居住部分と賃貸用の住戸部分は、同じ建物内でも完全に分けられており、玄関もそれぞれ個別に用意されます。
よくある賃貸併用の例は、2階建てのうち1階に複数の賃貸用住戸、2階全体に所有者の居住スペースを設計した建物です。
また、法律で定めがあるわけではありませんが、一般的に賃貸併用住宅は建物全体の延床面積のうち、所有者の自宅面積が50%以上で設計されています。住宅ローンを利用する際の条件として、売主の自宅面積50%以上が多くの金融機関で求められるためです。
よく似た建物に店舗併用住宅・兼用住宅がありますが、賃貸部分が居住用ではなく、テナントなどの商業用店舗である点に違いがあります。
売れにくい理由
賃貸併用住宅は、一般的な戸建物件よりも売れにくい傾向があり、決して流動性が高い物件タイプではありません。
ここでは、売れにくい理由について解説します。
プライバシーが保たれないイメージがある
同じ建物内に他人である賃借人が住んでいることから、プライバシーが保たれないイメージがあるためです。
いくら所有者の居住部分と賃貸部分が異なる玄関で分かれているとはいえ、ひとつの建物内に住んでいることに変わりはありません。
物件によっては、賃借人の生活音が頻繁に聞こえるケースもあるので、特にプライバシーが気になる人は、賃貸併用を好んで選ばないでしょう。
賃借人との間でトラブルが起きるリスクがある
通常の賃貸経営でも賃借人とのトラブルはつきものですが、賃貸併用の場合は住んでいるのが同じ建物内であるため、より一層気まずい雰囲気となります。
また、仮に賃借人との関係性が良好でも、良好な関係を保つのがわずらわしいと感じるような方からは、選ばれにくいといえます。
空室が続くと住宅ローンの返済に影響する場合も
空室が続き、家賃が入ってこないと住宅ローンの返済に影響する場合があります。
賃貸併用住宅は家賃収入を住宅ローンに補填できるメリットがありますが、空室状態が続くと返済がきつくなるデメリットがあります。
購入を検討する側も賃貸部分の稼働率を必ず確認するので、空室が目立つ物件は売るときに苦戦する危険性が高いです。
住宅ローンのハードルが高い
賃貸併用住宅でも住宅ローン自体は利用できますが、一般的な戸建やマンションと比較すると審査が厳しくなります。
たとえば、自宅部分の延床面積が建物全体の半分以上を占めることが条件になるなど、金融機関によって条件が異なり、ローンの選択肢も少ないことが難点です。
金融機関によって条件が異なるため売却するときは、売主自身でも一度調べてみることをおすすめします。
賃貸管理がめんどう
共用部分の清掃や電気・水道・ガスなどのインフラ整備、必要があれば修繕など、賃貸管理はやることが複数あります。
賃貸併用住宅は管理をすべて所有者自身でやることが多く、賃貸物件を複数所有している場合などを除き、管理会社をあまり利用しません。
戸数が少なくても管理業務はそれなりの手間がかかるため、それ自体がめんどうに感じる方からは、選ばれにくい物件といえるでしょう。
中古でも売れる賃貸併用住宅の条件
売れにくいイメージの強い賃貸併用住宅ですが、物件によっては中古でも問題なく売却できます。
ここでは、売却するうえで強みとなる条件を解説します。
所有者の居住面積が建物の半分以上ある
所有者の居住面積が建物全体の半分以上かどうかで、購入希望者の人数が変動します。
金融機関の多くは、所有者の居住面積が建物の半分以上あることを住宅ローンの利用条件にしているためです。
住宅ローンを利用できない物件は現金で購入する必要があるため、購入できる母数が少なく、売主は必然的に物件価格を下げる必要が出てきます。
賃貸部分が満室稼働している
賃貸部分に空室がなく満室稼働しているかどうかは、家賃収入の額や住宅ローンの返済に影響する部分ですので、欠かせないポイントです。
利回りが高い
規模の違いはあるものの一部が賃貸物件ですので、利回りは売却するうえで大切な要素です。
まずは家賃収入を計算し、利回りから逆算して売却価格を決めましょう。利回りは、以下の計算式で算出でき、高いほど優良物件と評価されます。
利回り=年間家賃収入÷物件価格×100(%)
賃借人との関係性が良好である
賃貸併用住宅において欠かせないのが、賃借人との関係性です。オーナーと入居者の関係性が悪い物件はトラブルにつながりやすいため、購入希望者が見つかりにくくなります。
新しい買主に対してスムーズに引き継ぎができるよう、賃借人との関係性は必ず良好にしておきましょう。
立地や道路付けなど土地の条件がよい
立地や道路付けなど、土地の条件がよい物件は賃貸併用に限らず売れやすいです。
特に以下のような好条件の土地は、それだけで価値が高くなります。
- 駅から近い
- 前面道路の幅員・間口が広い
- 高低差が少ない
- 整形地(正方形などの整った形の土地)
売るために売主がしたいこと
賃貸併用住宅を売るために、売主がしたほうがよいことを解説します。
以下では、売却に向けて努力で改善できるポイントを紹介するので、ぜひ参考にしてください。
賃貸部分を満室にする
まずは、賃貸部分を満室稼働させることです。
空室があると住宅ローンの返済に響くため、購入者側から見てマイナスイメージとなります。賃貸専門の不動産会社に営業活動をするなど、空室部分を埋めたうえで売却活動を行うと、購入希望者が見つかりやすくなります。
賃借人との関係は良好にしておく
賃借人との関係性があまりよくない場合には、売却活動に向けて関係性を改善させておきましょう。
次に購入する側からすると、前オーナーと賃借人の関係性が悪い物件を買うのは、不安要素が大きいです。ヒトによっては、購入前に入居者との顔合わせを求めてくるケースもあるため、賃借人との関係性は売却において大切なポイントです。
共用部分をきれいにしておく
どんな物件でもそうですが、購入希望者が内覧に来たときに備えて屋内だけでなく、屋外の特に共用部分は、必ずきれいにしておきましょう。
共用部分に関してはきれいにしていないと、「あまりキレイに使ってくれない入居者なのでは」など、さまざまな悪い憶測につながりイメージが下がります。
共用部分は、売却活動を始める前に隅々まで清掃しておきましょう。
賃貸併用住宅の売却に強い会社に依頼する
賃貸併用住宅は一般的なマイホームと比べて特殊な物件であり、どちらかというと収益物件の売却に強い不動産会社のほうが、実績豊富なケースが多いでしょう。
そんな賃貸併用の売却実績が豊富な会社を探すには、不動産の一括査定サイトリビンマッチが便利です。リビンマッチであれば、ひとつの窓口で最大6社に査定依頼できるため、その物件に合った不動産会社が見つかりやすいです。
ぜひ、査定価格などをもとに収益物件や賃貸併用住宅の売却実績がどのくらいあるか確認し、売却を成功させてください。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
リビンマッチコラムでは、むずかしい不動産の事をできる限りわかりやすく、噛み砕いて解説しています。不動産に対するハードルの高いイメージ、とっつきにくい苦手意識を少しでも取り除いて、よりよい不動産取引のお手伝いをさせていただきます。
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