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マンション価格の高騰はいつまで続く?値上がりの背景から分析

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マンション価格の高騰はいつまで続く?値上がりの背景から分析

マンション価格は過去10年間で値上がりしており、特に大都市圏では「高騰」といえる状態です。首都圏、とりわけ東京は海外投資家からの関心も高くなっています。

マンション価格の高騰はいつまで続くのでしょうか、いつ値下げに転じる局面を迎えるのでしょうか。

結論からいうと、しばらくは価格の上昇が続くと予想できます。その理由を、現状とその背景にあることから徹底的に分析します。

マンション価格はどれくらい高騰している?

実際、マンション価格はどれくらい高騰しているのでしょうか。

3大都市圏(首都圏・近畿圏・中京圏)における10年間のマンション価格推移と上昇率推移を紹介します。また、地方都市の状況も併せて確認しましょう。

首都圏のマンション価格推移

下記グラフは、首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉・茨城・栃木・群馬・山梨)における10年間(2013年~2022年)のマンション価格推移です。

首都圏中古マンションの㎡単価

首都圏中古マンションの㎡単価

参考:公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2022年)

2022年の㎡単価は67.24万円であり、2013年の39.96万円と比較すると約1.68倍です。

近畿圏のマンション価格推移

近畿圏(大阪・京都・滋賀・和歌山・奈良・兵庫)は、2022年のデータ公表がされていないため、2012年~2021年の10年間でマンション価格の推移を確認します。

近畿圏中古マンションの㎡単価

近畿圏中古マンションの㎡単価

参考:公益社団法人近畿圏不動産流通機構「2021年度年刊市況レポート

2021年の㎡単価は36.04万円であり、2012年の24.20万円と比較すると約1.49倍です。

中京圏のマンション価格推移

下記グラフは、中京圏(愛知・静岡・三重)における10年間(2013年~2022年)のマンション価格推移です。

中京圏中古マンションの㎡単価

中京圏中古マンションの㎡単価

参考:公益社団法人中部圏不動産流通機構「中部圏市場動向

2022年の㎡単価は27.50万円であり、2013年の19.90万円と比較すると約1.38倍です。

3大都市圏の価格上昇率の推移

次に、3大都市圏(首都圏・近畿圏・中京圏)におけるマンションの価格上昇率を見ていきます。

3大都市圏中古マンションの価格上昇率

3大都市圏中古マンションの価格上昇率

グラフは、2013年を始点として2014年以降の価格上昇率を対前年比で示したものです。ただし、近畿圏は2022年データがありません。

首都圏と中京圏を見ると、首都圏は2022年に大きく価格が上昇していますが中京圏は前年とほぼ同じです。

マンション価格の高騰は首都圏でより顕著になっており、特に東京23区の物件が下のグラフのとおり、値上がりを後押ししているといえる状況です。

東京23区中古マンションの㎡単価

東京23区中古マンションの㎡単価

参考:株式会社東京カンテイ「70m2換算価格推移

東京23区と首都圏とでは、㎡単価の乖離かいりが大きくなっている点も注目しましょう。

地方都市への影響

3大都市圏(首都圏・近畿圏・中京圏)におけるマンション価格が高騰している状況を見てきましたが、この影響は地方都市にも及びます。

札幌市・仙台市・広島市・福岡市といった地方中枢都市では、大規模な再開発が実施されています。さらに、タワーマンションを始めとする大規模な複合施設プロジェクトが進行し、3大都市圏と同様にマンション価格の上昇が見られます。

また、今年発表された「令和5年地価公示」によると、これら4市の前年比地価上昇率は4.2%です。さらに周辺都市にも影響が及ぶことが想像され、今後マンション価格の高騰が全国的に広がるといっても過言ではないでしょう

マンション価格が高騰している背景

現在のマンション価格が高騰している原因を探るには、日本経済の歩みを約30年前にさかのぼって理解する必要があります。

この30年は「失われた30年」ともいわれますが、不動産の中でもマンションは投資対象として注目され、2013年以降は投資資金が集まり毎年のように価格が上昇しました。

バブル景気と崩壊

マンション価格の変動は、土地の価格変動がある程度影響を与えています。

下のグラフは1981年~2022年における公示地価の全国住宅地平均と首都圏の新築マンション平均価格の推移を表したものです。

公示地価と首都圏新築マンション価格

公示地価と首都圏新築マンション価格

1986年〜1991年まで続いた「バブル景気」により地価が高騰しました。それに合わせて新築マンション価格も高騰し、わずか5年で公示地価は3倍近くとなり、マンション価格は2倍以上になりました。しかし1990年、1991年をピークにして、どちらも価格が大幅に下落しています。

バブル景気の原因は、政府の財政政策と日本銀行(日銀)の金融政策による「景気刺激策」でした。不動産業界に膨大な資金が流れ、多くの大開発と不動産投資が行われました。

しかし、行き過ぎた景気刺激策を改めて金融引締め政策を実施したため、不動産業界に流れていた資金が縮小、都心を中心とした地価が大幅に下落しました。これを「バブル崩壊」といいます。

リーマンショックと金融緩和政策

バブル崩壊から日本経済は停滞が続きます。目立った景気回復がなく、現在まで続いている状況を「失われた30年」といいます。

「失われた30年」を表す指標としてさまざまなものがありますが、一目でわかりやすい指標としてIMDの「世界競争力ランキング」があります。

バブル経済のピークにおいて1位であった日本は現在34位であり、この間日本で働く人々の給料は横ばいが続いていました。

参考:IMD「World Competitiveness Ranking

30年の間に経済回復の時期がなかったわけではありません。バブル崩壊後約10年後の2002年には景気回復期を迎え、2006年~2008年には地価やマンション価格が上昇します。

しかし、2008年9月のリーマンショックにより、再び地価とマンション価格は下落しました。

その後リーマンショックからの景気回復策として、政府が実施したのが「アベノミクス」と呼ばれる経済政策です。現在まで続く日本銀行の「異次元金融緩和政策」により、2013年から首都圏の新築マンション平均価格は上昇を始めます。

一方で、住宅地の公示地価は全国平均で見ると、わずかな上昇を続けようやく2022年、2023年に至り、全用途において上昇が確認されるようになりました。

このような30年間の軌跡を見ると、2013年からの金融緩和政策が現在のマンション価格高騰へとつながっているのが理解できます。

投資対象としてのマンション

前述したように、首都圏におけるマンション価格の高騰は際立っています。首都圏とりわけ東京は海外投資家からの関心も高く、新築マンション価格はバブル期のピークを超えています。

東京は、森記念財団 都市戦略研究所が発表している「世界の都市総合力ランキング」で、ロンドン、ニューヨークに次いで第3位のランキングを2016年から維持し続けています。投資対象としての評価に申し分ないといえます。

また、首都圏は高い賃貸住宅需要に裏付けられた収益性の高さが、海外投資家からも評価されています。新築マンションの品薄感が今後も中古マンション需要を押し上げると考えられます。

マンション価格の高騰はいつまで続く?

冒頭でもお伝えしたように、しばらくはマンション価格の上昇が続くと予想できます。

現在の状況から考えられるシナリオを紹介します。

高騰が続くシナリオ

マンション価格の高騰が今後も続くと考えられる要素は次の3つです。

  • 日本銀行の金融緩和政策が継続
  • 円安が継続
  • 大都市における活発な再開発

日本銀行の金融緩和政策はアベノミクスを踏襲したものですが、消費者物価の前年比上昇率2%という目標を定めています。

日本銀行は、2013年1月に、「物価安定の目標」を消費者物価の前年比上昇率2%と定め、これをできるだけ早期に実現するという約束をしています。

日本銀行『より効果的で持続的な金融緩和について』

つまり、2%に達すると金融緩和政策の見直しが行われることを意味しています。

現在、日本においてはあらゆる生活必需品の値上げがニュースになっていますが、賃金の上昇が追い付いていかなければ、上昇率2%には達しません。2023年6月15日と16日に開かれた金融政策決定会合では「2025年に2%に接近するが、達することはない」と示されています。

金融緩和が続くと円安も継続し、海外の投資資金は引き続き日本、特に東京に流入することが予想できます。

さらに、3大都市圏(首都圏・近畿圏・中京圏)と地方中枢都市(札幌市・仙台市・広島市・福岡市)を中心とした、大再開発プロジェクトが今後数年は続くため、マンション価格を押し下げる要因は見当たらないといえるでしょう。

高騰が止まるシナリオ

日本国内の状況からは、マンション価格の高騰もしくは高い水準の継続は予想されますが、価格が下落する要因も探ってみましょう。

日本銀行の異次元金融緩和政策は、世界各国の状況と比較して非常に特殊な環境を作り出しており、いつかは金融引締めに転換する時期が来るでしょう。しかし、その時期を現在はまったく見通せず、マンション価格の高騰が止まるシナリオは描きにくいといえます。

現在の円安は円とドルとの金利差が原因といわれており、円安が円高になると予想できる材料は現在のところはありません。

つまり、現時点ではマンション価格が下落するとの予想は非常に難しいといえます。少なくとも現在の水準が維持されながら、上昇傾向が続くと考えるのは疑いようがありません。

マンションを売るタイミングを考える

マンションの価格が上がり続けるとき、売るタイミングを決めるのは難しいことです。「明日はもっと上がるかもしれない」「あさってはもっと上がるかもしれない」と考えて、売却を待つ人もいるかもしれません。逆に「下がるかもしれない」と考えるときには、急いで売ろうとするでしょう。

株の売買では毎日チャートのチェックを行い、取引時間中は板情報でリアルタイムの価格変動をキャッチできます。しかしマンションの場合、大きな価格変動はリアルタイムではなく、ある程度の時間経過によって傾向を読むしかないのです。

公益財団法人 不動産流通機構の「レインズデータライブラリー」では、毎月の中古マンション成約件数や成約㎡単価が公開されています。一般の方がこのようなデータから自身のマンションが「いま、いくらで売れるのか?」を探ることは可能なように思えますが、実は簡単ではありません。

より正確なマンション価格を知るには、市場全体の流れや傾向に加えて、物件ごとの特殊性を評価する必要があります。

そのためには、不動産査定一括査定サイト「リビンマッチ」の利用がおすすめです。リビンマッチは、簡単な物件情報を入力するだけで、複数社から査定結果を受け取れる無料のインターネットサービスです。専門家の視点からマンションごとの売るタイミングを知れますし、複数の査定価格を比較すると、より正確な「いま、いくらで売れるのか?」がわかります

マンション価格の高騰に関するよくある質問

マンション価格の高騰はいつまで続く?
今後もしばらくは続くと考えられます。その理由のひとつは、現在行われている日本銀行の金融緩和政策が継続されるためです。金融緩和が続くと円安も継続し、海外の投資資金は引き続き日本、特に東京に流入することが予想できます。また、大都市における活発な再開発が今後数年は続くため、マンション価格を押し下げる要因は見当たらないといえるでしょう。
マンション価格はどれくらい高騰している?
2022年における首都圏マンションの㎡単価は67.24万円であり、2013年の39.96万円と比較すると約1.68倍です。また、近畿圏は10年間で約1.49倍、中京圏は約1.38倍になっています。マンション価格の高騰は首都圏でより顕著になっており、特に東京23区の物件が値上がりを後押ししているといえる状況です。

この記事の編集者

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