外国人に土地を売るな!といわれる理由|日本・売主に適した売却相手とは
外国人による、国内の土地買収がメディアで度々話題となっています。2023年5月には、国内の土地を外国人が自由に売買することに問題があるとして、国民民主党が新たな法案を参議院に提出しました。
外国人に土地を売ると、どのような問題があるのでしょうか。外国人に明確な定義はありませんが、当記事では「日本の国籍を持たない者」として解説します。
もくじ
外国人に土地を売るな!といわれる理由
2023年6月時点では、外国人による日本の土地購入・所有が認められています。国土利用計画法や農地法、森林法、地方公共団体(自治体)による都市計画などの規制がかかることがあるものの、基本的に外国人も土地の購入・所有が可能です。
また、売却・贈与・相続もでき、外国人だからといって特別な税金がかかることはありません。
しかし、インターネット上では「外国人に土地を売らない方がよい」など、外国人が日本の土地を所有することに対して否定的な意見があります。以下でその理由を見ていきましょう。
日本人が外国で不動産を所有するのは難しい!不平等では?
まずは外国で不動産を所有することが難しい日本人と比べて、不平等であるとの理由です。外国の中には外国人が自国の不動産の購入・所有を禁止していたり、制限を課していたりするところが少なくありません。
たとえば、日本よりも物価の安い国が多い東南アジアでは、自国の経済や通貨の価値が弱いため、外国人による不動産投資を規制している国がほとんどです。タイやフィリピン、カンボジアでは外国人が土地を所有できず、代わりにコンドミニアムに限って不動産投資が認められています。
またオーストラリアでは、外国人による土地の購入・コンドミニアムの所有が、新築のみに限定されています。
「日本人が一部の外国において不動産所有に制限を受けているにもかかわらず、当該外国の国民が日本で自由に不動産を所有できるのは不当な差別だ」と考えるのは、ごく当たり前のことかもしれません。
住宅ローンの審査に通りにくい
日本人の多くは、土地を含む不動産を購入する際、住宅ローンを組むことが多いでしょう。日本人でもローンの審査に通らないケースがありますが、外国人は日本人以上に審査に通るのが難しいといわれています。
以下は外国人が住宅ローンを組める条件の例です。
- 永住許可を有している
- 日本国籍、または永住許可を有している配偶者が連帯保証人となる
- 団体信用生命保険に加入できる
外国人に融資をすると、多額のお金を持って自国へ逃げてしまうリスクがあります。そのため、基本的に金融機関の多くは外国人への融資に積極的ではありません。
住宅ローンを組むことが土地購入の前提となっている場合、売買契約が成立するまでのプロセスで審査に通らず、それまでの時間と手間が無駄になってしまうおそれがあります。
修繕や建て替えの話し合いに応じてもらえないおそれ
日本人と生活習慣や感覚が異なる外国人の場合、物件の修繕や建て替えの話し合いに応じてもらえないかもしれません。アパートやマンションなどは一定期間が経過すると、大規模な修繕のほか、場合によっては建て替えなどが必要です。
日本人であれば修繕や建て替えの必要性を理解してもらいやすいですが、外国人の場合、価値観の違いやことばの壁により、必要性自体を理解できないおそれがあります。
海外では、日本人だからと外国人価格でお金を請求されるケースがあります。人によって価格が変動するのが当たり前の国で育った場合、「すぐに承諾しなければ値下げしてもらえる」と考える人も一定数いるでしょう。
堂々と自分の意見を主張することが美徳とされる国では、クレームも当然の権利とみなされます。売却後に、売主に対してクレームが入る確率は高いかもしれません。
将来的に領土を奪われる危険性を否定できない
日本国内には外国人による不動産購入が進んでいるエリアがあり、将来的に外国人に領土を奪われる危険性を否定できないといわれています。
外国資本による買収で有名なのが、北海道のニセコです。世界一といわれるパウダリーな雪質で知られており、毎年スキーシーズンには多くの外国人観光客が訪れます。
「ニセコの土地や不動産を購入しているのは、ほとんどが中国か香港資本」という声があり、どれだけ外国人による不動産購入が進んでいるかがわかります。
安全保障上の懸念などから、2022年9月20日に「重要土地等調査法」が全面施行されました。この法律は、国の機能を阻害する土地※が利用されるのを防ぐべく、調査や規制、国による買い取りなどを実施するものです。
国の安全保障上重要な土地の取引に制限が加えられ、外国人による不動産取得に対する規制が行われることで、領土の保護や安全保障の面での懸念に対処しようとしているのです。
外国人に土地を売るメリットもある!
外国人に土地を売るな!といわれている理由を解説しましたが、土地を売るメリットがあるのも事実です。
以下で紹介するメリットを正しく理解したうえで、外国人に売却するか検討しましょう。
売れない土地を買い取ってもらえる
日本人にとっては魅力的ではなく、なかなか売却できないような土地でも、価値観や見方の異なる外国人であれば魅力を感じて買い取ってもらえるかもしれません。日本人と外国人とでは、それぞれ土地に対して求めているものが異なるケースがあるためです。
たとえば、住宅やマンションといった物件の場合、一般的に日本人は新しいものを好みますが、外国人の多くはどちらかというと、趣や風情がある古いものを好みます。
そのため、一般的に売りにくいといわれる田舎の土地も、外国人には売れる可能性があります。
悪意のない外国人であれば、土地を有効活用してもらえる
まだまだ使える土地を、そのまま活用しないのはもったいないことです。ただ土地を所有しているだけで固定資産税や都市計画税などがかかり、毎年出費だけが重なっていきます。
日本人にはなかなか売却できない土地を外国人に売ると、毎年かかっていた税金がなくなり、さらにまとまった金額の収入を得られるでしょう。
悪意のない外国人へ売却すれば、売った土地を有効活用してもらえます。さらに飲食店や商業施設を建ててもらえれば、地域に住んでいる人たちにも貢献できます。
売却できる可能性が向上する
外国人も土地を売る対象とすれば、売却できる可能性が向上します。
国土交通省が実施した「令和2年度海外投資家アンケート調査」によると、調査対象とした海外機関投資家などのすべてが、今後は「日本の不動産市場への投資額を増加させる」と答えています。
いかに外国から、日本の不動産が注目されているかがわかるでしょう。日本に注目している外国人も対象とすることで、土地の売却確率・売却額の向上が期待できます。
日本にも売主にも!メリットの大きい売却相手
外国人に土地を売るメリットはあるものの、デメリットもあるわけですから、一番よいのは日本と売主の双方にメリットがある売却相手に売ることです。
日本にも売主にもメリットのある、主な売却相手を見ていきましょう。
日本の不動産投資家
不動産投資家とは所有している賃貸アパートや賃貸マンションなどの不動産から、収益を得ている人を指します。入居者とのやり取りや家賃回収、清掃といった物件管理は、管理会社へ委託しているケースがほとんどです。
立地や土地の形状などから一般的に売却が難しいものも、不動産投資家なら買い取ってもらえるかもしれません。彼らは格安の不動産を購入し、リフォームしたうえで転売するためです。
不動産会社
土地の売却を考えたとき、一番最初にイメージするのが不動産会社かもしれません。不動産会社を活用した土地売却の方法には、仲介と買い取りの2種類あります。
仲介は売主と買主のあいだに入り、売却を仲介(媒介)するものです。不動産投資家が、買主となることもあるでしょう。金額など、自分が提示した条件に合った購入希望者を見つけやすいメリットがあります。
買い取りは不動産会社が直接買ってくれるものです。「査定から決済までが短期間で済む」「仲介手数料がかからない」などが、メリットとして挙げられます。
資金に余裕のある日本人
不動産会社の仲介ではなく、個人間で土地を売却すると、仲介手数料がかかりません。
また、相手が知り合いなら、交渉がスムーズに進むでしょう。
売却相手が気になる!不安な方は不動産会社へ相談を
思い入れのある土地や不動産ですから、どんな相手に売るのか気にされる気持ちもわかります。できるだけ「売ってよかった」と思える人に売りたいと思うのは、当然のことです。
実際、外国人に土地を売ると聞くと、「売れれば誰でもよいのか」と反対する声もあるかもしれません。しかし、外国人に土地を売ると決めた人は、外国人だからではなく、ほかの要素を考慮して判断したのでしょう。
どんな相手に売るかを判断する際は、金額面やその人の人柄、信頼性、今後どのように土地を使う予定なのか、などを総合的に見て判断することが大切です。
「売却相手が気になる」「自分がふさわしいと思える相手に売りたい」と考えている方は、不動産会社へ相談しましょう。優良な不動産会社であれば、一人ひとりの希望や条件を聞き取ったうえで、最適な売却相手を見つけてくれます。
優良な不動産会社探しは、不動産の一括査定サイトリビンマッチが便利です。一度の情報入力で最大6社の不動産会社から土地や不動産の査定結果を比較できるため、より希望に合った会社が見つかります。
相談時には自分の希望や不安を明確に伝え、納得のいく売却先が見つかるようコミュニケーションを大切にしてください。
不動産会社はプロフェッショナルであり、売主の利益を最大化するために尽力してくれます。相談を通じて適切な売却相手を見つけ、思い入れのある土地をふさわしい相手に売却しましょう。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
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