テラスハウスが売れない。その理由とは?売却のためにしたい6つの行動
テラスハウスが売れない主な理由は、「住宅ローンが通りにくい」「需要が限定的」「同じような賃貸物件が複数ある」ためです。
本記事では現役の不動産売買担当者が、テラスハウスが売れずに悩んでいる方へ売れない理由と、売却のためにしたい行動の詳細を解説します。
まずは、スムーズに家を売却するために必要な知識として、売りたい物件はそもそもテラスハウスに該当しているのか(長屋やタウンハウスでないか)を確認のうえ、具体的にどんな行動をすべきか判断しましょう。
もくじ
テラスハウスとは
テラスハウスとは、2階建ての連棟式住宅のことです。種類としては、一戸建住宅に分類されます。
各住戸に対してテラスと専用の庭があるのが特徴で、一般的な戸建住宅との違いは、隣家との壁が共有でつながっていることです。
建物の種類としては長屋と同じですが、最近ではデザイン性の高いスタイリッシュな物件も多く、現代風の呼び名でテラスハウスと呼ばれています。
また、テラスハウスは、アパートやマンションなどの共同住宅とは違い、共用部分がなく各住戸とそれに続く土地に単独で所有権があるのも特徴です。
よって、住戸が建つ土地の庭や駐車場も、その所有者の専有物となり単独で利用できます。
タウンハウスとの違い
テラスハウスは各住戸が独立して所有権を持ち、庭や駐車場などの共用部分は存在しません。つまり、テラスハウスの住戸とそれに付随する部分は、個別に所有されます。
一方、タウンハウスでは敷地の持分が共有されています。つまり、タウンハウスの敷地は共同所有です。これは、複数の住戸がひとつの建物内に存在し、各住戸が独立して所有権を持つ形態です。
テラスハウスには共用部分がなく各住戸と庭、駐車場などに単独で所有権がありますが、タウンハウスは敷地の持分が共有です。戸建というよりは分譲マンションなどの考え方に近く、タウンハウスの建物はマンションと同様、区分所有建物の扱いになるのが特徴です。
テラスハウスとタウンハウスは同じものとして認識されていることも多いですが、権利の形態に違いがあることは、把握しておきましょう。
長屋との違い
テラスハウスは長屋と同じ種類であるため、明確な違いはありませんが、昔ながらの古びた長屋のイメージとは違い、高いデザイン性に違いがあります。
よって、長屋を近代風にアレンジ・デザインしたのがテラスハウスであり、新築で売り出される物件は、テラスハウスの名称で売られることが多いです。
売りたいテラスハウスが売れない理由
テラスハウスが売りづらい理由を紹介します。
物件によって違いがあるので、以下で紹介する内容から自分のテラスハウスが売れない理由を分析してみましょう。理由を明確にすることで、売却する方法を考える際に役立ちます。
住宅ローンが通りにくい
テラスハウスは一般的な戸建住宅よりも安価に購入できますが、反面、住宅ローンの利用が難しく、現金でないと購入しにくいデメリットがあります。
住宅ローンを組みにくい理由は複数ありますが、総合すると担保としての評価が一般的な住宅よりも低いからです。
たとえば、金融機関は住宅ローンを融資する際に抵当権を設定しますが、ローンの返済が滞った場合、物件を差し押さえて競売に出し、落札された金額から資金を回収します。このとき、テラスハウスは単独での建て替えやリフォームが難しく、常に隣家に相談し了承・協力を得たうえで作業を進める必要があります。
簡単にいうとテラスハウスは、再活用や手を加えるハードルが高く、扱いにくい物件といえます。よって、その流動性の低さから住宅ローンの利用が難しいため、必然的に買手がつきにくくなるのです。
需要が限定的
一般的な戸建と比較してリーズナブルに購入できるため、住宅ローンを使えなくても現金で購入する層にはニーズがありそうですが、実際、テラスハウスの需要は限定的です。
理由は、将来的な建て替えやリフォームのハードルが高く、利用が難しいことやそれに付随して、そもそもの資産性の低さにあります。
マイホームを購入するとき、売れにくい物件を購入するヒトは限られるといってよいでしょう。テラスハウスの売却を考える際、需要が限定的である点はキーポイントです。
同じような賃貸物件がたくさんある
賃貸物件でもテラスハウスは豊富にあるため、わざわざ購入したいヒトが少ないのも売れない理由です。
実際、テラスハウスは戸建に住んでいるような住み心地を感じられるため、賃貸物件としても人気が高いです。
マイホームとして購入するとなると、一般的な戸建か分譲マンションに人気が集まるため、テラスハウスはより選ばれるためのハードルが高い物件といえます。
売却のためにしたい6つの行動
テラスハウスをより良い条件で売却するために、おすすめの行動を6つ紹介します。
所有する物件や所有者の状況にもよりますが、より高く、簡単に売却できる方法を紹介しています。以下の内容から、自分が所有する物件に合った行動を見つけましょう。
隣家の住人に買取を打診する
隣家の住人に買取を依頼し、納得してもらえればすぐに売却を進められます。
住戸数が多いテラスハウスの場合は難しいかもしれませんが、たとえば2世帯のテラスハウスであれば、隣家に売ることで隣家にもメリットがあります。
隣家の判断ありきのことなのでハードルは高いですが、関係性が良好な隣家であれば一度相談してみてもよいでしょう。
ほかの隣家をすべて買い取って売却する
ひとつ目の行動とは逆で、テラスハウス内の住戸すべてを買い取り、全体の所有権を手に入れたうえで売却する方法もあります。
資金的なハードルは高いですが、テラスハウス全体の所有権を手に入れることで資産価値が上がります。
こちらも住戸数が多い物件ほど難しいですが、成功すれば売却金額が大きく割高になる可能性があります。
ほかの隣家に声をかけて一斉に売却する
隣家を買い取るパターンと似ていますが、ほかの隣家に声をかけて一斉に売却する方法もあります。
住戸単体だと売りづらいのは、ほかの隣家も同じです。相談すれば、話に乗ってもらえる可能性があります。
所有者が違うとはいえ、テラスハウス全体での売却となれば資産価値は大きく上がります。みんなで売却して売却額を分配する選択肢も、ひとつの有効な手段です。
不動産会社に買取を依頼する
売りにくいテラスハウスは、専門の不動産会社に買取を依頼することも有効な手段です。
立地や道路づけなどの条件がよい土地に建つテラスハウスであれば、将来的に化ける可能性があるので、買取を希望する不動産会社があるかもしれません。
不動産会社への売却は、一般個人との取引と比べてトラブルが少なく手間がかからないため、不動産会社へも一度買取を相談してみるのがおすすめです。
実需ではなく投資用として売却する
少し視点を変えた方法ですが、居住用の実需不動産ではなく、賃貸して家賃収入を得る投資用として販売するのも選択肢のひとつです。
テラスハウスは賃貸需要が高い物件ですので、不動産投資家向けに売却することも有効な方法です。
投資用として売却する際は周辺の賃貸ニーズをよく確認する必要があるため、不動産会社に一度相談してみるのがおすすめです。
不動産の一括査定サイトを利用する
ここまで売却に向けたおすすめの行動を紹介しましたが、売却方法を決定する以前に信頼できる不動産会社を選ばなければ、より高く簡単に売却はできません。不動産会社によって査定価格も、売却の進め方も、ターゲット層も異なるためです。
また、立地がよいなどの理由から需要の高いテラスハウスでも、売却を依頼する担当者のマナーが悪ければ想像通りには売れません。売却担当者が売れない理由になることもあるため、不動産会社選びは大変重要です。
不動産の一括査定サイトを利用すれば、複数の不動産会社に対して一斉に査定依頼できます。特に一括査定サイトリビンマッチに登録している会社は、厳しい審査条件をクリアした信頼できる会社ばかりなので、売りたいテラスハウスをスムーズに売却してくれる会社が見つかりやすいです。
スマートフォンから完全無料で利用できますので、テラスハウスが売れずに悩んでいる方は、ぜひリビンマッチを頼ってください。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
リビンマッチコラムでは、むずかしい不動産の事をできる限りわかりやすく、噛み砕いて解説しています。不動産に対するハードルの高いイメージ、とっつきにくい苦手意識を少しでも取り除いて、よりよい不動産取引のお手伝いをさせていただきます。
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