家賃が実る家に住んでいる人の特徴や利点と欠点、買わないほうがいい人
家賃が実る家とは、家賃を支払っていた家が支払い満期を終えると、自分のものになる家のことです。譲渡型賃貸住宅とも呼ばれています。
「住宅ローンなしに家賃を継続的に支払うことで、自分の家を手に入れる」仕組みに注目が集まっていますが、早くもそこに住んでいる人はどんな人なのでしょうか。また、購入して後悔することはあるのでしょうか。
本記事では家賃が実る家の実態に迫ります。
家賃が実る家とは
家賃が実る家は、株式会社Minoru(ミノル)が提供するサービスです。利用すると、自分たちでプランニングした新築戸建て住宅を購入できます。
住み始める際は購入ではなく賃貸契約なので、購入に関わるさまざまなリスクを減らせます。
一般的な賃貸住宅では、大家さんが土地と建物を用意し、家賃を設定して入居者を募集します。一方、家賃が実る家では住む場所や家、家賃を入居者自身で決めます。その後、すでに入居契約が成立している物件に対して、大家さん(投資家)を募集します。
大家さん(投資家)決定後、入居者と土地・建物の所有者である投資家は、「賃貸の契約」と「土地と建物の贈与予約契約」を同時に締結します。
家賃が実る家の特徴は、住みたい地域や間取り、内装のカラーや設備まで、入居を希望する人の希望に合った家を建てられる点です。入居後は、10年から28年のあいだで家賃を支払います。
期間は10年から28年のあいだで6コースの中から自分で選択でき、選んだ期間の最後まで家賃を支払い続けると、その家が自分の持ち家となります。
家賃が実る家に住んでいる人の特徴
この項では、家賃が実る家に住んでいる人の特徴を解説します。
フリーランスや個人事業主など住宅ローンの審査が通りにくい人
家賃の支払い能力はあっても、フリーランスや個人事業主の人は住宅ローン審査に通りにくく、マイホームの購入を諦めることも少なくありません。
しかし、家賃が実る家は住宅ローンを組まなくてもマイホームが手に入るので、フリーランスや個人事業主に人気があります。
また、フリーランスや個人事業主の人は家賃の一部を経費として計上できる場合もあるので、節税にもなります。
失業や転職のリスクに備えたい人
以前はマイホームを持ちたいとなると、35年ローンが一般的でした。しかし、35年間は長く、失業や転職をしたり体調を壊したりして、支払いが困難になることもあるかもしれません。また、マイホーム購入後に転勤が決まって、単身赴任を選択する人もいるでしょう。
起こりうるさまざまな事態を想定すると、35年ローンを組むのはリスクと考えて、マイホームを持たない人もいます。
しかし、家賃が実る家は、あくまで最初は賃貸なので、万が一家賃を払えなくなったり、転勤が決まったりしたら、引っ越しも可能です。もちろんそのまま継続して住んで、マイホームにもできます。
そのため、賃貸と購入の「良いとこ取り」という人もいます。
自分で家をプランニングしたい人
通常の賃貸は、あらかじめ決められた間取りや設備などから物件を選びます。
しかし、家賃が実る家は間取りや設備、カラーまで指定できます。さらに、家賃を支払う期間も自分で決められます。
購入の場合、通常は35年ローンを組みますが、家賃が実る家は10年など短い期間を設定することも可能です。
つまり、自分が住む家を自由に設定できるので、ライフプランに合わせて自由にプランニングしたい人に適しているといえるでしょう。
家賃が実る家を購入するメリット
家賃が実る家に住んでいる人の特徴はわかりましたが、家賃が実る家を購入すると、実際にどのようなメリットがあるのでしょうか。
この項では、メリットを具体的に解説します。
家賃が掛け捨てではなく資産になる
賃貸住宅の家賃は、基本的に掛け捨てが原則です。しかし、家賃が実る家で支払う毎月の家賃は掛け捨てではありません。蓄積されていく累計の支払いは、家の購入費用になります。
家賃を支払い続けるのがもったいないと感じている人も多いでしょう。家賃が実る家では、支払っている家賃がマイホームの代金になるので、家賃が無駄になりません。
大家さん(投資家)にとっては収益性が高い
家賃が実る家に投資する大家さん目線でみると、空室リスクが少ないのもメリットです。
家賃が実る家に住む人は、その家を自分の家にする前提で購入するわけですから、引っ越しなどで空室になるリスクは少ないでしょう。空室数が少なければ、大家さんにとって気になる利回りも下落する心配が少なくなります。
一般的に賃貸は、住む人がなかなか見つからなければ家賃を下げる必要があります。しかし、投資した物件にずっと住んでくれるのであれば、住む人を探す手間も家賃を下げる手間もありません。
住む人にとっては収益性が高いのはデメリットに
住む人にとっては、家賃が実る家の収益性が高いことは一定のデメリットも考えられます。
まず、家賃が実る家は通常、ほかの物件よりも家賃が高い傾向があります。そのため、住む人にとっては経済的な負担が増える心配があるでしょう。
また、2022年時点で入居待ち数1万人以上と需要が高いため、希望の物件に入居するには候補者との競争に勝つ必要があります。競争が激しい場合、住む人にとっては選択肢が制限され、好みや条件に合う物件を見つけることが難しくなるかもしれません。
さらに、家賃交渉の余地が少ないことも考慮しなければなりません。需要が高い物件では、大家さんは家賃を下げる必要性を感じず、交渉が難しい場合があります。
以上のように、家賃が実る家に住む人にとっては高い家賃、入居競争の激化、家賃交渉の制限といったデメリットが考えられます。
住宅ローンの借入が必要ない
マイホームを購入する場合、ほとんどの人が住宅ローンを利用することになるでしょう。しかし、住宅ローンの審査に通らない人もいます。
たとえば、以下のような人が挙げられます。
- フリーランスや個人事業主
- 契約社員など、非正規雇用者
- 年齢が若く、年収が低い人
- 過去にキャッシングやクレジットカードなどの事故歴がある人
- 勤続年数が短い人
上記の人は定期的な収入があったとしても、住宅ローン審査が通りにくいです。しかし、家賃が実る家は家賃を支払うだけなので、住宅ローンが必要ありません。
そのため、住宅ローンの借入が難しい人も、家賃の実る家を利用すればマイホームを手に入れられます。
住宅手当が支給される
勤務先によっては、住宅手当や家賃補助の支給は賃貸のときだけで、住宅を購入すると支給を受けられなくなる場合があります。その場合、住宅ローンの支払いが発生したのにもかかわらず、入ってくるお金が少なくなってしまいます。
しかし、家賃が実る家は賃貸住宅なので、住宅手当や家賃補助などの支給を継続できるメリットがあります。
家賃が実る家を購入するデメリット
この項では、家賃が実る家のデメリットを具体的に解説します。
住宅ローンより割高になる可能性がある
家賃が実る家では、通常の住宅ローンに比べ月々に支払う家賃が10〜50%くらい高くなるといわれています。支払い期間は自分で設定できますが、支払い期間が短くなるほど家賃は高くなります。たとえば、10年で家賃を払い終えるとすれば、その短くした期間分だけ家賃は高くなります。
さらに、最初に家をカスタマイズする際は基本的な設備や装飾品に加えて、自分が導入したい設備を追加できます。しかし、追加の設備を導入する際は家賃が高くなります。
住宅ローンは低金利で、35年と長期で支払いますので、家賃が実る家と比べると月々の支払いは安いでしょう。
しかし、物件の購入には以下のような諸経費がかかるのが一般的です。
- 不動産仲介手数料
- 登録免許税、不動産取得税、固定資産税
- 住宅ローン事務手数料、保証料、印紙代
- 火災保険、瑕疵担保保険
不動産を購入する際の諸経費は、物件の約10%といわれています。住宅ローンより月々に支払う費用は高い可能性がありますが、家賃が実る家は申込金だけで入居できるため、手数料などの諸経費を抑えられます。
団体信用生命保険が適用されない
家賃が実る家は賃貸なので、団体信用生命保険が適用されません。
団体信用生命保険とは、住宅ローンの債務者がローン返済期間中に亡くなったり、高度障害状態になったりした場合に、住宅ローンの残りがゼロになる保険です。
家賃が実る家は賃貸借契約なので、団体信用生命保険に加入できません。マイホームを購入するメリットのひとつに「家が生命保険代わりになる」ことがありますが、家賃が実る家を賃貸として借りている期間は、別の生命保険に入る必要があります。
違約金が発生する
家賃が実る家は、5年未満に退去する場合、最大で家賃20カ月分の違約金が発生します。
入居を希望する方と、その土地と建物を所有する投資家の方は、「賃貸の契約」と「土地と建物の贈与の予約契約」を締結します。そのため、投資家を守るために違約金を支払う必要が出てきます。
しかし、家賃が実る家に5年以上住むと、通常の賃貸と同じように退居も可能です。
家賃が実る家の購入が向いてない人
この項では、家賃が実る家の購入が向いていない人について解説し、最後に解決策を提案します。
一般的な住宅ローンの審査が通る人
一般的な住宅ローンの審査が問題なく通る人は、住宅ローンを利用できない家賃の実る家ではなく、住宅ローンを利用できる家を購入したほうがよいでしょう。
なぜなら、住宅ローンを利用すると住宅ローン減税控除が受けられたり、団体信用生命保険に加入できたりするためです。住宅ローンを組むことで、好きな場所や自由なデザインなど、何の制限もなく、家を購入できます。
家賃が実る家も自由度は高いですが、売却も視野に入れていることから購入不可の地域があります。そのため、47都道府県すべての地域で建築できるわけではありません。
また、家賃が実る家は間取りや設備などを選べますが、変わった間取りやデザイン性の高い建築はできません。こだわりの住宅を建てたい人は、家賃が実る家は不向きといえるでしょう。
売却を想定していない大家さん(投資家)
家賃が実る家を投資目的で購入した大家さん(投資家)目線の話ですが、退去されたあとも、そのまま賃貸住宅として新たな入居者を待つのはおすすめできません。
途中で退去者が出た場合、「株式会社Minoru(家賃が実る家を手がけている会社)」は「大家さん(投資家)」に対して中古住宅として売却することを推奨しています。そのまま賃貸住宅などとして、利用する予定で建てていないためです。
大家さんの利益を守るためにも、建築の際は中古住宅の需要が高いエリアを選んでいます。大家さんが売却しやすい仕組みになっているのです。
そのため、「入居者がマイホームにするつもりで選んだけど、途中で出ていくことになった」などの場合にも対応可能です。
上記の事情を考慮すると、売却を想定していない大家さんは、そもそも家賃が実る家が向いていないかもしれません。
持ち家や相続した実家があり、売却するとお金が手に入る人
持ち家や相続した実家がある人は、売却することで現金が手に入ります。「ローンが通らないけど、家が欲しい」人は売却で手に入れた現金を元手に、賃貸物件を借りるか新たな住宅を購入するか、自分の都合に合った選択ができます。
家賃が実る家は賃貸物件より自由度は高いものの、決まったプランの中から設備を選ぶため、完全に自分好みの家にはなりません。また、入居から5年未満の解約には、最大で家賃20カ月分の違約金が発生します。月に10万円の家賃を支払っていたら、違約金は200万円です。
団体信用生命保険にも入れないため、別の保険に入っていないと万が一契約者が死亡してしまった場合、家族が家賃を負担する必要があります。
このように家賃が実る家は、途中解約や契約者の死亡時に負担が大きいです。人生何が起こるかわからないので、解約の心配がなく、契約者が死亡するリスクがゼロという人はほとんどいないでしょう。
一方、家賃が実る家ではなく、新しい住宅を購入する場合は、一定期間にわたってローンや家賃を支払い続ける必要があります。しかし、持ち家や実家の売却によって得られる現金を活用すれば、より自分の都合に合った家を自由に選択できます。現金を手に入れることで、将来の不確実な状況に対しても柔軟に対応できるでしょう。住宅ローンを利用して家を購入すれば、団体信用生命保険にも入れます。
そのため、すでに持ち家や相続した実家があり、売却によってお金を手に入れられる場合には、家賃が実る家の購入は向いていないかもしれません。現金を手に入れることで、より自由な選択肢を持てるからです。
理想の家に住むには持ち家を少しでも高く売却したいですが、不動産会社に1社ずつ査定を依頼すると、時間がかかり過ぎてしまいます。早く次のステップに進むために、条件のよい不動産会社を短時間で効率よく見つける方法があります。
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この記事の編集者
リビンマッチ編集部
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