【無料】土地査定|価格に影響するポイントや査定方法を紹介
ここでわかること・できること
もくじ
土地価格は全国的に上昇傾向
日本の地価は、1980年代後半から1990年代前半にかけてバブル経済の影響で急騰し、その後は長期的に下落傾向にありました。しかし、2013年以降は、アベノミクスやオリンピック開催などの要因で地価が回復し、とくに都市部では上昇率が拡大しました。
2023年の地価公示は、全国平均で全用途平均・住宅地・商業地のいずれも2年連続で上昇し、特に都市部では上昇率が拡大しています。三大都市圏でも上昇が続いており、ウィズコロナの下で回復傾向が顕著です。
国土交通省「令和5年地価公示」より
特筆すべき地点として、中野駅周辺の住宅地が都心部への交通利便性の良さや再開発の進展により地価の上昇が継続していること、北海道北広島市の住宅地が札幌市内の地価上昇に波及して全国1位の上昇率を記録していることが挙げられます。
土地の売却査定は不動産会社に依頼しよう
土地を売却するためには、まずどのくらいで売れるのかを把握する必要がありますが、その際には不動産会社に査定依頼をするのが一般的です。
不動産会社に査定を依頼する方法と注意点について解説します。
査定方法は3種類
不動産会社による不動産査定には、以下3つの種類があります。
- 机上査定
- 訪問査定
- 匿名査定
それぞれに特徴があるため、ポイントを理解して利用しましょう。
机上査定
机上査定は広さや形状など、土地の情報をベースに査定価格を算出する方法です。
具体的には公示価格や査定地の周辺成約事例を根拠に査定価格を算出します。机上査定はスピーディーに査定ができる一方、実際の査定地の確認は行っていないため、精度はそれほど高くありません。そのため、参考価格として使われるケースが多いです。
関連記事:机上査定とは?訪問査定との違い、メリット・デメリットをわかりやすく解説
訪問査定
訪問査定は実際に不動産会社が土地を確認したうえで、査定価格を算出します。
また、訪問査定は土地を売却するうえで、プロの意見を聞けるタイミングでもあります。訪問査定を受ける際は同席し、土地売却を成功させるコツを確認しましょう。
なお、机上査定を受けたあとに訪問査定を受けることが多いですが、少しでも手間を省いて売却したい場合は、机上査定をせずに初めから訪問査定を依頼しても問題ありません。
匿名査定
匿名査定は机上査定の一種で、実名や連絡先を公表せずに依頼する査定方法です。
一部の不動産会社や査定サイトで利用できる査定方法で、不動産会社に個人情報を公開することなく査定価格を提示してもらえます。
机上査定と同じで土地の情報のみで査定価格を算出するため、訪問査定より精度は落ちます。また、不動産会社からすると「コンタクトが取れない顧客」であるため、対応を後回しにされることも多いです。
最悪の場合は対応してもらえず、査定価格の提示を受けられないこともあるため、利用する際には注意しましょう。
関連記事:不動産売却時の匿名査定は便利?注意点やほかの査定との違いについて
関連記事:不動産一括査定は電話がかかってくる?匿名での査定依頼は可能?
査定は複数社に依頼する
査定は1社だけでなく、複数の不動産会社に依頼しましょう。なぜなら、1社だけでは査定価格の正確性が判断できず、適切な売り出し価格の設定ができないためです。
たとえば、本当は5,000万円で売れる土地なのに不動産会社の査定価格が4,500万円だったため、その査定価格が正しいと思い込みそのまま4,500万円で売却してはもったいないです。
そのため、複数の不動産会社を比較検討したうえで可能な限り好条件での売却を目指しましょう。
関連記事:家の査定、どこに頼む?複数社への依頼がおすすめ!依頼先の絞り方とは
一括査定サイトの利用がおすすめ
土地売却を成功させるコツは、信頼できる不動産会社に売却を任せることです。しかし、1社1社にコンタクトを取るのは手間がかかります。そこで、不動産の査定依頼は一括査定サイト「リビンマッチ」の利用がおすすめです。
リビンマッチには多くの不動産会社が登録しており、一度の査定依頼で複数社より査定価格の提示が受けられます。費用は反響単価となっていることが多く、不動産会社が負担するため、売主は無料で利用できます。そのため、多くの売主が一括査定サイトを利用しています。
なお、不動産査定とよく似た依頼方法に、不動産鑑定士による有料の不動産査定があります。公的な証明などを目的としており、一般的な土地売却では利用することはほとんどないため、間違えないようにしましょう。
査定価格の決まり方
不動産会社が土地の売却査定を受けたとき、査定価格はどのようにして算出されるのでしょうか。実は不動産価格を算出する方法が3つあります。
ここでは「取引事例比較法」「原価法」「収益還元法」の3つを紹介します。
取引事例比較法
取引事例比較法とは「査定対象の不動産と条件が近い物件が、市場でいくらで取引されているか」をもとに、査定価格を算出する方法です。この査定方法は、実際に取引された実績にもとづき算出されるので、市場相場に近い査定価格を算出できるという特徴があります。
取引事例比較法は、土地やマンションなどの比較対象が多く、明確に条件を判断できる物件に向いています。
たとえば、売りたい土地①があるとしましょう。その土地に似た立地や敷地面積の事例が5件あり、坪単価は下記のとおりだとします。
- 土地②:30万円
- 土地③:40万円
- 土地④:35万円
- 土地⑤:25万円
- 土地⑥:32万円
この場合、土地②〜⑥の平均坪単価は32.4万円です。つまり、売りたい土地①は坪単価32.4万円を基準にして査定が行われるというイメージです。
また、取引事例比較法で物件を査定する際、事情補正、時点修正、地域要因、個別的要因の4つのポイントを考慮して価格を算出する必要があります。取引事例比較法は、さまざまな要因を加味しながら、周辺相場に近い査定価格を算出する最もポピュラーな査定方法です。
事情補正
事情補正とは、通常とは異なる事情がある場合の取引実績を、できるだけ排除して査定することです。たとえば、離婚や転勤、任意売却などで相場より低い価格で売却された事例は、査定価格の算出に加味しないように補正します。
時点修正
時点修正とは、過去の取引実績と比較する際に、今の相場と変わるかどうかを考慮することです。たとえば、比較した物件の取引時期が、その1年間だけ急激な上昇トレンドだった場合、その相場を見極めて、査定価格に反映させる必要があります。
地域要因
これは、査定する不動産のエリアが、比較する不動産のエリアと異なる環境である場合に考慮する要因のことです。具体的には、比較するエリアに嫌悪施設があったり、治安が悪い、またはハザードマップに該当するエリアなどの場合は、そのような地域的な要因も加味して査定しなければいけません。
個別的要因
不動産はオンリーワンですので、それぞれに個別の違いがあります。それを考慮するのが個別的要因です。具体的には、道路幅や隣接建物による日当たり、土地の形状などの条件です。
収益還元法
収益還元法とは、査定する物件が将来生み出すと考えられる収益を計算し、そこから査定価格を算出する方法です。主に賃貸マンションなどの投資用物件の査定に使われます。
たとえば、査定する土地の地代が月20万円だと仮定した場合、年間の利益は240万円です。そこに還元利回りを割って計算します。還元利回りは、一般的に4〜10%になることが多いので、5%だと想定すると査定価格は4,800万円となります。
このように、単純な計算方法で査定価格を算出する収益還元法ですが、仮定される賃料や、収入と支出の根拠が重要になる査定方法といえます。
原価法
原価法とは、今建っている建物を解体し再建築する、または同じような土地を再造成する場合にどれくらいの費用がかかるのかという視点で査定を行う方法です。原価法は、土地や一戸建ての査定によく用いられます。
土地の査定に用いられる場合は、今の土地を元の状態に戻したとして、元通りにするためにかかった費用を算出します。元通りにするための工事費や造成費を加味して評価するのです。
土地は、建物と違い築年数による劣化がないので、立地や周辺環境がよければ、購入時より有利な価格で査定される可能性があります。また、土地と建物を同時に原価法で計算することもできます。土地は上記の方法で価格を算出し、建物は建築費などの再調達原価を加算して査定するのです。
しかし、原価法は同じような面積、構造、築年数であればほとんど同じ査定価格になります。ここで算出された査定価格に、需要の高さや規模などによる補正をかけることで査定が完了します。
大まかな売却価格相場は自分で調べられる
不動産の査定価格は、あくまで売却想定価格であり、実際の売却価格とは異なります。実際の売却価格は売主と買主が最終的に合意した価格になるためです。
大まかな売却価格相場は、自分でも調べられます。また、不動産会社に査定依頼をする前に自分で調べることで、提示される査定価格の適正さを判断できます。
土地総合情報システム
国土交通省が公開している「土地総合情報システム」は、土地の取引価格を確認できます。
検索画面では「物件種別」「エリア」「時期」などが選択できます。所有する土地に似た土地がいくらで取引されているのかを確認しましょう。
また、不動産鑑定士が算出している公示価格の確認もできます。このように、信頼あるデータをもとに自分で売却価格相場を調べたい場合は、土地総合情報システムがおすすめです。
レインズマーケットインフォメーション
国土交通省が公開しているデータベースには、土地総合情報システム以外にも「REINS Market Information」があります。
ただし、戸建てとマンションの成約事例は調べられますが、土地の情報はありません。
土地の取引価格を知りたいときは、築年数が古い戸建ての成約事例を参考にしましょう。築20年を超えるような木造住宅は建物の価値がほとんどなく、土地のみの価値になるためです。
不動産情報サイト
SUUMOやアットホームといった不動産情報サイトでは、現在公開されている物件価格を確認できます。
ただし、土地の販売価格は、売主の事情によって相場よりも高い価格で公開されることがあります。そのため、あくまでも競合物件がどのくらいの価格であるかを確認するために利用しましょう。
土地査定シミュレーション
土地査定シミュレーションとは、自分の所有する土地の売却価格を簡単にわかるサービスです。インターネット上で、土地の所在地や面積などの情報を入力すると、AIなどが過去の取引データをもとに査定価格を算出してくれます。
「査定結果がすぐにわかる」「不動産会社を通さないので、営業電話が来ない」などのメリットがあります。
しかし、実際の売却価格とは乖離する可能性がある点には注意が必要です。土地は面積や道路への設置面積など、個別要素が強い不動産です。土地査定シミュレーションは、あくまでも目安として利用しましょう。
土地の査定価格に影響を与えるポイント
売却したい土地が相場よりも高く評価されるのか、そうでないのかは気になるところです。どのような条件の土地であれば、査定時に高い評価を受けられるのでしょうか。価格への影響が大きいポイントを3つ紹介します。
土地の形状や広さ
土地の形状や広さは、価格に大きな影響を与えます。
形状の悪い土地は、利用しにくい部分が生じるため、価格が低くなる傾向があります。宅地であれば、正方形や長方形の土地が住宅を建築しやすいため、比較的価値が高いでしょう。
また、広さも重要です。用途に合った適切な広さであることが望ましく、宅地であれば約30〜40坪が相場です。
告知事項
告知事項とは、土地や土地の周辺で事故や事件、自殺などがあった場合に事前報告する情報です。
物件資料にも記載する必要がある告知事項ですが、嫌悪感を抱く人が多いため査定価格は相場から大きく下がるおそれがあります。告知事項が必要となるケースは以下の4つです。該当する場合は必ず売却依頼する不動産会社に相談してください。
告知事項が必要なケース | 例 |
---|---|
物理的瑕疵がある | 雨漏り、シロアリ被害、土壌汚染など |
心理的瑕疵がある | 自殺、殺人事件、事故など |
環境的瑕疵がある | 周囲に異臭・騒音のある施設があるなど |
法的瑕疵がある | 法令制限に違反しているなど |
関連記事:事故物件の売却方法や相場を紹介|必要以上の値下げには注意?
関連記事:孤独死は告知義務がある?不動産の売買に与える影響とは
再開発計画
駅の周辺エリアや土地区画整理事業など、街の価値が一気に高まる事業計画が実行されることがあります。
もしこういった再開発計画内に土地がある場合、数年後に価値が上昇する可能性が高いです。そのため、それを見越した売り出し価格を設定してもよいでしょう。
また、土地区画整理事業などで所有する土地を市区町村が利用する目的がある場合は、市区町村に売却するケースもあります。
土地の売却査定はリビンマッチ
土地の売却査定は不動産一括査定サイトのリビンマッチが便利です。
土地の簡単な情報を入力するだけで、複数社に査定依頼ができます。リビンマッチには土地売却の対応が可能な不動産会社が多く加盟しているため、きっと信頼のできる不動産会社が見つかります。
土地の売却を迷っている方でも利用できますし、査定依頼の費用はかかりません。リビンマッチを利用して、まずは土地の査定価格を把握しましょう。
大手住宅メーカーの注文住宅販売や不動産テック企業の仲介業務に4年間携わり、不動産取引にかかわった件数は350件以上にわたります。2021年よりリビンマッチコラムの執筆・編集を担しています。皆さんが安心して不動産取引を行えるよう、わかりやすくリアルな情報を発信します。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
リビンマッチコラムでは、むずかしい不動産の事をできる限りわかりやすく、噛み砕いて解説しています。不動産に対するハードルの高いイメージ、とっつきにくい苦手意識を少しでも取り除いて、よりよい不動産取引のお手伝いをさせていただきます。
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運営会社:リビン・テクノロジーズ株式会社(東京証券取引所グロース市場)
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