老後のマンション暮らしに後悔するのはなぜ?幸せになる終の棲家選び
戸建てと比べると老後のマンション暮らしは、快適そうに見えるかもしれません。ところが、なかには終の棲家としてマンション暮らしを選択し、後悔する人は少なくありません。
どうして老後のマンション暮らしに後悔してしまうのでしょうか。そして、老後はどういった住まいを選べばよいのでしょうか。
もくじ
老後のマンション暮らしで後悔する理由
老後の住まいにマンション暮らしを選んで、後悔する方は少なくありません。どうして老後のマンション暮らしに後悔するのでしょうか。理由として、次のものがあります。
- エレベーターがなくて移動が大変
- 設備が古いままで使いにくい
- 住宅ローン以外の維持費がかかる
- マンションの設計が高齢者に合わない
それぞれの後悔する理由を解説します。
エレベーターがなくて移動が大変
老後のマンション暮らしで後悔する理由のひとつが、エレベーターがなくて移動が大変なことです。さらにマンションでは、管理費や修繕積立金が毎月かかります。これらの費用をできるだけ抑えるために、エレベーターなしの低層マンションに住む方は少なくありません。
1階に住めば移動問題は解消しますが、外からのぞき込めてしまったり、空き巣などに侵入されてしまったりするリスクがあります。そういったセキュリティの不安から、2階を希望される方が多いです。しかし、老後は足腰が弱くなるため、2階であってもエレベーターがなければ移動が大変です。
設備が古いままで使いにくい
購入した当時は最新の設備だったとしても、長く住んでいるうちに古く、時代遅れになります。築年数40年以上のマンションは、購入価格や家賃が安いものの、設備が古く使いにくいケースが多いです。
キッチン、浴室などは古いままだと使いにくいだけでなく、掃除も大変なため、老後の生活では不便を感じるでしょう。新しいものと取り替えてもスペースが限られているため、望むようなものに替えられないことがあります。
住宅ローン以外の維持費がかかる
マンションでは住宅ローンの支払いがなかったとしても、管理費や修繕積立金などの維持費がかかります。マンションによって異なりますが、管理費と修繕積立金の合計額は2万円程度が一般的です。決して高い金額ではないため、購入時は気にしない方が多いでしょう。しかし、マンションによっては築年数が経過すると、修繕の必要な箇所が増えて維持費が値上がりすることがあります。
老後は年金と貯蓄で生活することになります。長く住み続けていくうちに貯蓄が減り、管理費や修繕積立金が重く負担となって老後の生活にのしかかるのです。
マンションの設計が高齢者に合わない
マンションの設計が高齢者に合わないと、生活の負担が大きくなります。浴室に段差があったり、トイレが狭くて動きにくかったり、若いうちは気づかなかった高齢者に使いにくい設計が気になりはじめます。
リフォームをすることもできますが、マンションの規約やもともとの設計などの問題から完全には解消できないことも多いです。老後は足の筋肉やバランス感覚といった身体機能が衰えるため、設計に不都合があると生活に支障をきたすことになります。
住み替えると後悔するマンションの特徴
住み替え先としてマンションを検討している場合は、次の特徴をチェックしましょう。少なくとも、次の特徴に当てはまるマンションは、老後の住み替え先に適していません。
- 管理組合がほとんど機能していない
- 駅や医療機関、便利な施設から遠い
- セキュリティ対策がされていない
それぞれどうして後悔するのかを解説します。
管理組合がほとんど機能していない
管理組合とは分譲マンションの建物や敷地を共同で管理する組織のことで、構成員はマンションの購入者です。
住人がマンション管理に無関心だったり、高齢者が増えたりすると、管理組合は存続しているもののほとんど機能しなくなっていきます。そういったマンションでは、破損箇所の修繕や設備の更新がなかなかされず、徐々に環境が悪化します。
管理組合が機能していないマンションは、定期的な清掃や点検が行われないため、衛生的な問題だけでなく設備故障の原因にもなります。近隣トラブルが起きても対応してくれないおそれがあるため、そのようなマンションはおすすめできません。
駅や医療機関、便利な施設から遠い
駅や医療機関、便利な施設から遠いと、日常生活を送るうえで不便です。老後は身体機能が衰えるため、車の運転には不安があります。高齢者の免許返納を推奨している地方公共団体(自治体)もあるほどです。
「病院が遠くて通院が大変」「スーパーが近くになくて困る」などの理由から、外出が億劫になりかねません。出不精になると、ますます足腰が衰えてしまう原因になります。老後の暮らしに少しでも不便さを感じないよう、駅や医療機関などが近くにないマンションは避けましょう。
セキュリティ対策がされていない
マンションによっては、セキュリティ対策がされていない場合があります。基本的に多くのマンションでは、オートロックやモニターつきインターホン、防犯カメラなどのセキュリティ対策がしっかりしています。
しかし築年数の古いマンションだと、防犯カメラはおろか、通話機能のついたインターホンすらないこともあります。こういったマンションでは、どんな人が訪ねてきたのかがわからないため、老後の住まいとしては不安を感じます。高齢者世帯は詐欺師をはじめとする犯罪者に狙われやすいため、セキュリティの低いマンションへは住み替えないほうがよいでしょう。
幸せな老後を過ごせる終の棲家の選び方
マイホームを購入していたら、一生懸命に働いて手にした家にいつまでも住み続けたいと思う人も多いでしょう。しかし、歳をとることによる身体機能が衰えたり、周辺地域が購入時から変化したりして、老後も住み続けるのが難しくなることがあります。
そういったときは、無理して同じ家に住み続けるよりは、高齢者の生活に適した住宅への住み替えを検討しましょう。幸せな老後を過ごせる、終の棲家になる住宅を選ぶポイントを紹介します。
- 安全性の高い間取りや設備
- 安心して暮らせる周辺環境
- 高齢者が参加できるコミュニティ
それぞれのポイントについて詳しく解説します。
安全性の高い間取りや設備
老化によって筋力が衰えたり、病気になったりすると、ごくありふれた設計の家でも暮らしにくくなることがあります。そういった事態に備えて、高齢者が過ごしやすい設計のされた間取りの住宅への住み替えが理想的です。
屋内に段差がなく、移動のときに転倒のリスクがないフラットな設計が理想的です。どうしても段差の生じてしまう場所には、手すり、スロープなどがあると安心です。
段差につまずいて転倒すると骨折してしまい、なかなか治らず寝たきりになってしまうことがあります。屋内をフラットにするだけでなく、すべりにくい床材かどうかも確認してください。車いすを利用することにも考慮して、通りやすい幅も確保できるとなおよいでしょう。
ヒートショック※の対策をされていて、部屋ごとの寒暖差が生じないことも重要です。浴室やトイレなどの温度差によってヒートショックを起こすこともあるため、断熱性能が高く、浴室などに暖房設備がある住宅がおすすめです。
※ヒートショック
部屋ごとに寒暖差の大きさから血圧の急上昇、急降下などが起こり、身体に悪影響を及ぼすこと。心筋梗塞などを起こし、死に至ることもある。
安心して暮らせる周辺環境
医療機関やデイケア施設などが住宅から近く、通いやすい場所に住宅があると高齢者には安心して暮らせます。スーパーやコンビニなどの商店も家から近いと、気軽に買い物へ出かけられるでしょう。
外出してから長々と歩かなくてはならない立地は、高齢者の負担になり、やがて出歩くこと自体を避けるようになります。近くに必要なものがそろっている環境は、家に引きこもらせない効果があるでしょう。
また、通行の激しい道路があると、交通事故に遭うリスクがあります。車どおりの激しい道路を避けて移動できるかどうかもチェックしておきたいところです。
高齢者が参加できるコミュニティ
住み替えた先の地域に、高齢者が参加できるコミュニティがあると、老後の生活はぐっと楽しいものになります。高齢者が住み替えると孤立しやすく、時間を持て余した生活になってしまうことがあります。そんな生活では、どんなに住みやすい地域だったとしても、幸せな老後生活とはいえないでしょう。
新しい地域に溶け込むのであれば、コミュニティに参加するのがもっとも簡単な方法です。一緒に趣味をはじめられるコミュニティがないか調べてみましょう。多くの人と接する機会があれば、孤独感が解消されて、日々の生活も楽しくなるでしょう。
老後にもおすすめの趣味は、釣り、読書、デッサン、生け花、写真などです。幸せな老後を過ごすためにも、参加できるコミュニティが近くにある住宅を探してみましょう。
自宅を売却すれば住み替えの費用に
住み替え先が賃貸住宅だったとしても、老後の身には決して安くない金額がかかります。不動産売却で自宅を売り、住み替えの費用にあてることをおすすめします。
自宅を売却すればメンテナンスの費用がかからない、固定資産税がかからないといったメリットがあります。そのため、自宅を所有したまま住み替えるより、金銭的な負担を軽減できます。できるだけ費用を節約したい老後では、もう使わない不動産は負担になるだけなので売却がおすすめです。
契約する不動産会社は複数社から見つける
大切な自宅ですから、できるだけ高く売却したいところです。不動産を高く売却するには、契約する不動産会社の力量が重要になります。不動産の価値を正しく見抜き、スムーズに売却できるプランを提案できる、信頼のできる不動産会社に依頼しましょう。
不動産を売却するときは、一括査定サイトの「リビンマッチ」をご利用ください。不動産の情報や連絡先を入力するだけで、複数の不動産会社から査定価格の提案を受けられます。複数社のなかから信頼できる不動産会社を見つけて契約しましょう。
あまり時間をかけたくない場合は、不動産買取という方法もあります。仲介と違って買主を探すのではなく、不動産会社が直接買い取る不動産の売却方法です。買主を探す必要がないためそれだけ早く売却できるのがメリットです。
不動産を買い取った不動産会社はその後、家を解体して更地にしたり、リノベーションをしたりして再販売をします。不動産買取ではそれらの費用を差し引かれるため、売却価格は市場価格の約8割になるのが一般的です。
時間はかかるものの高く売却できる可能性のある仲介か、早く売却できるものの価格が安くなる買取か、よく検討して選びましょう。
老後のマンション暮らしで気になること
- 老後にマンション暮らしで後悔する理由は?
- 高齢者だと住みにくいマンションに暮らしていることが原因です。また、マンション暮らしでかかる諸費用が老後の生活に負担になる人もいます。
- 老後に住むべきでないマンションの特徴はなに?
- 管理組合が機能していない、駅などから遠い、セキュリティ対策がされていないマンションは、高齢者が住むには適していません。安心して暮らせるマンションを探しましょう。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
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