老後の住み替えに潜む恐ろしい罠――高齢者の転居はリスク大!!
「老後は静かな田舎でのんびりと暮らしたい」という人は要注意!老後の住み替えは、大失敗することがあります。歳を重ねてからの住み替えには、さまざまなリスクがあり、夢想するような暮らしは簡単ではないのです。老後の住み替えには、恐ろしい罠が潜んでいると思ってください。
老後の住み替えには、どんな罠が潜んでいるのかを解説します。しかし、それでも住み替えたい人は、老後の住み替えを成功させる方法を紹介しますので参考にしてください。
この記事でわかること
- 老後に住み替えるリスク
- 老後の住み替えのメリット
- 住み替えを成功させる方法
老後の住み替えに潜む恐ろしい4つの罠
会社を定年退職して、老後に住み替えようとしている人は少なくないでしょう。ところが、老後の住み替えには、さまざまなリスクがあります。罠になり得る老後の住み替えのリスクには、次のものがあります。
安易な移住で失敗しないように、それぞれのリスクを把握しておきましょう。
長生きリスク…寿命は自分で決められない
現在の日本は少子高齢化が進んでおり、65歳以上の人口は28.9%に達しています(2022年10月1日時点)。平均寿命も延び続けており、男性は81.47年、女性は87.57年(2021年時点)で、将来的にはさらに高くなる見込みです。
長生きすることは金銭面だけでなく、肉体面でもリスクがあります。年齢を重ねるほど体力が弱まり、心身に不調を感じる人もいるため、日常生活が困難になる可能性があります。そうすると住み替えた家で暮らし続けられず、再び転居の必要が生じるかもしれません。
参考:内閣府「令和4年版高齢社会白書(全体版)」
参考:厚生労働省「令和3年簡易生命表の概況」
老後資金不足…貯蓄がどんどん減っていく
長寿化は素晴らしいことですが、長生きすることによって、定年後の生活費や医療費、介護費用などの負担が重くなることが懸念されています。
すべての人が貯蓄をしっかりしているわけではなく、貯めていたとしても長生きすることでどんどん資産が減っていくため、不安に感じる人が多いようです。賃貸住宅へ住み替えた場合、家賃を毎月払い続けなくてはならないため、心理的な負担になるでしょう。
そのため、若いうちから老後に受け取る公的年金と必要な生活費を考えながら、貯蓄をしていく必要があります。
賃貸に住めない…高齢者の賃貸借契約の高いハードル
高齢になるほど、賃貸物件を借りるときの入居者審査が厳しくなります。そのため、いままで借りられたとしても、賃貸物件の更新を大家さんに断られるケースも少なくありません。
高齢者が賃貸物件を借りにくい理由には、次の3つがあります。
- 高齢者が賃貸物件を借りにくい理由
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- 金銭面の問題
- 安全面の問題
- 体調面の問題
年金暮らしで一定の収入しかない高齢者は、万が一、不測の事態が発生した場合、家賃を滞納するリスクを抱えています。また、認知症による火の不始末や、お風呂場で溺れるなど安全面でも心配です。近年では高齢者宅を狙った犯罪も多いため、防犯面でも不安といえるでしょう。
急に体調を崩して孤独死することも考えられるため、大家さんとしては面倒なことを避けるため、高齢者に部屋を貸すのをためらうケースが見られます。
移住に失敗…高齢者に田舎暮らしは難しい
高齢者の住み替えに関する罠として知られるのが、移住による失敗です。近年では空気のよい自然のなかで暮らしたいと考えて、都会から田舎に移住する人が増えています。
しかし田舎は都会と違って病院や買い物が不便な地域があり、日常生活が困難になるおそれがあります。また、もともと生まれ育った場所であれば、知り合いや親戚などがいて頼りにできますが、まったくの新参者は「よそ者」扱いを受けることも少なくありません。
理想と現実は違うため、安易な移住は高齢者にとって「孤独」になるリスクを抱えています。
移住を成功させるには、しっかりとしたリサーチなどが必要です。次の記事を参考にして、移住する方法をよく検討しましょう。
見逃せない。老後の住み替えの大きなメリット
いくつかのリスクはあるものの、高齢者の住み替えにはメリットもあります。老後に住み替えるメリットを紹介します。
- 老後の住み替えで得られる大きなメリット
老後の住み替えによって得られるメリットを詳しく解説します。
暮らしやすい間取りで生活できる
老後になると足腰が弱まるため、高低差のない間取りが必要です。段差があると転倒する心配があるため、フラットな床が向いています。バリアフリーの住宅に住み替えると暮らしやすくなるでしょう。
高齢者の場合は、寝室の近くにトイレやバスルームがあると、日常生活をスムーズに送れるようになります。水回りが使いやすい間取りの家に住み替えると、自立しながら生活しやすいのでおすすめです。
家を売却して老後資金にできる
ひとりで身の回りのことができるうちは自宅で暮らせますが、介護度が上がって介助されないと日常生活を送れなくなったら、老人ホームなどの介護施設に入る可能性が高まります。
老人ホームに入居するには高額な入居一時金が必要な場合があり、まとまった資金を調達しなければならないケースがあります。
そのために家を売却して費用を捻出するのもよい方法です。施設に入所したあとも月々の費用がかかるため、家の売却代金を老後資金として活用できます。
高齢者施設は年配の方が使いやすい間取りで安全に生活でき、ほかの高齢者と交流ができるので、楽しく過ごしている人も多く見られます。
利便性のよい土地で暮らせる
バリアフリー仕様にリフォームすれば、暮らしやすい間取りをいまの家でも実現できます。しかし、立地だけは住み替えない限り変えられません。
地方に住んでいて、車がないと日常生活を送れない人も多いでしょう。運転できるうちは問題ありませんが、歳を重ねると免許も返納することになり、誰かの手を借りないと買い物や病院にも行けなくなります。
利便性のよい土地ならバスやタクシーなどを手軽に利用できるため、高齢になっても安心して気軽に外出できます。
家をサイズダウンして生活費を節約できる
子育て中はある程度の広さがあるほうが快適に暮らせますが、子どもが独立して夫婦ふたりだけになると、それほど大きな家は必要ありません。夫婦だけになったタイミングで、戸建てから手ごろな広さのマンションに住み替えるのもよいでしょう。
家のサイズをダウンすると光熱費が下がり、効率よく生活ができます。断熱性も古い戸建てよりマンションのほうが優れているため、電気代や灯油代などを節約でき、生活費の節約を実現できます。また、住み替えに合わせて断捨離を行うなど、終活の一環として行うのもよいでしょう。
理想の住まいを探すより、ミニ戸建てを建ててしまうのもひとつの方法です。費用はかかるものの、これからの生活にぴったり合った家を建てられるため、もっとも快適な家を建てられる方法といえるでしょう。かかる費用などは、次の記事を参考にしてください。
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老後の住み替えに失敗しない5つの方法
高齢になってからではなく、心身ともに元気なうちから老後の住まいについて考えておくことが大切です。老後の住み替えに失敗しない5つの方法について解説します。
- 老後の住み替えに失敗しない方法
住み替えを成功させるため、しっかりと把握しておきましょう。
50代で老後を見据えた住み替えをする
高齢になってしまうと若いころのように、テキパキと動けなくなります。片づけや引っ越しも億劫になるため、できれば50代から老後を見据えた住み替えをするとよいでしょう。
50代になると子どもが独立して家族構成が変わるため、老後を見据えて住まいを見直す人も少なくありません。
50代はまだ現役で働いている人が多いため、住宅ローンを利用して住み替えをする場合は、審査にとおる可能性があります。とはいえ定年が間近ですから、無理な金額の住宅ローンは組まないようにしましょう。老後破産するおそれがあります。
住み替えではなくリフォームで対応する
比較的早い時期にマイホームを建てた場合は、修繕が必要なケースがあります。この場合、住み替えではなくリフォームで対応するのもよい方法です。
段差や温度差のないバリアフリー住宅にリフォームすれば、介護度が低いうちは自宅で暮らせるようになるでしょう。
子どもが近所に住んでいるなど、高齢になっても誰かサポートしてくれる人が身近にいれば、そのまま住み慣れた自宅で暮らせます。
立地・環境を徹底的に吟味する
住み替えるときは、立地・環境を徹底的に吟味してから実行しましょう。
高齢者が住みやすい環境は、自宅から遠くない場所に医療機関や介護施設があるところです。バスなどの公共交通機関が利用しやすく、買い物にも行きやすい利便性の高い立地が理想といえます。治安がよく、生活コストの少ない地域なら、高齢になっても住みやすいでしょう。安易に見知らぬ田舎に移住するのは、おすすめできません。
また、高齢になると夫婦だけ、あるいは単身で住むのは心もとないため、子どもや知人、親戚などがそれほど遠くない場所に住んでいると安心です。
安易に住み替えローンを利用しない
住宅ローンを返済中でも、住み替えローンを利用することで金融機関から住み替え先の家の購入資金を借りられることがあります。住み替えローンとは、住宅ローン返済中に家を売却したうえで新居の購入資金を調達する借り入れ方法です。
住み替えローンは残債があっても新たな借り入れができるものの、売却する家の残債と住み替え先の購入資金の両方をまかなうため、借入金額が高額になってしまいます。そのため審査が厳しく、申し込めば誰でも借りられるわけではありません。
住み替えローンの金利は通常の住宅ローンより高い傾向にあり、たとえば、住宅ローンの変動金利の相場は0.5%ですが、住み替えローンの金利の相場は2~4%です。借り入れできたとしても金利が高いため、家計を圧迫するリスクがあります。
したがって、安易に住み替えローンを利用しないようにしましょう。利用するときは返済計画をきちんと立ててから実行することをおすすめします。
専門家からアドバイスを受ける
老後の住み替えでは資産管理や生活設計など、さまざまなことを検討、判断する必要があります。しかし、自身ですべて最適な判断を下すのは難しいでしょう。そのため、専門家に相談して、アドバイスを受けることをおすすめします。
不動産コンサルタントは物件の価値や市場動向を見極め、売却のタイミングや住み替え先を提案してくれます。個人でも気軽に相談できるので、売却の判断に迷っている方はぜひ利用しましょう。1回あたりの利用料金は5,000円程度からとなっています。
ファイナンシャルプランナーは家計の状況や生活設計を視野に入れ、住み替えが将来の生活にどう影響するかを計算し、具体的なアドバイスを提供してくれます。ファイナンシャルプランナーへの相談は、1時間あたりの相談料が5,000円から1万円が目安となっています。
専門家に相談することで、最適な住み替えプランを選ぶことが可能になります。安心して老後を過ごすため、専門家の意見を活用しましょう。
住み替えによる家の売却は不動産会社選びが重要
老後の住み替えは自主的に行うものなので、時間をたっぷりとかけられるのがメリットです。家を売却して資金にあてたい人は、売却に焦ることなく、じっくりと納得のいく金額で家を売りましょう。
計画的に不動産売却、住み替えをすすめるには、提案力に優れた不動産会社を見つけて売却を依頼することが大切です。提案力のある不動産会社を見つけるため、家の査定は複数の不動産会社へ依頼してください。1社だけだとよいのか悪いのか判断できません。
複数の不動産会社へ査定を依頼するときは、一括査定サイトの「リビンマッチ」が便利です。売却する家の情報を一度入力するだけで、複数の不動産会社へ査定を依頼できます。1社1社に連絡する手間がかかりません。
各不動産会社の査定価格や提案内容、接客態度などを比較して、信頼できる不動産会社に売却を依頼してください。
リビンマッチで住まいの査定を依頼する
自宅がいくらで売れるのかを知るには、不動産会社の査定が一番の近道です。リビンマッチなら一度の入力で、複数の不動産会社へ査定を依頼できます。
リビンマッチのご利用方法
- 物件種別・都道府県を選択して「査定を依頼する」をクリック
- 自宅の所在地、広さ、連絡先などを入力
- 査定を依頼する不動産会社を選択
- 不動産会社から査定の連絡が届く
もし気に入った転居先が見つかって、家の売却を急いでいるなら、不動産買取という方法もあります。仲介による売却と異なり、不動産会社が家を買い取る売却方法です。買主を見つける手間がかからないため、1カ月もあれば引き渡しまで完了します。
ただし不動産買取の売却価格は、市場価格と比べると3割ほど安くなるのが一般的です。早く家を手放したい人向けの売却方法です。
- 老後の住み替えリスクとは?
- 長生きによって老後資金が不足するおそれがあります。また、高齢者は賃貸住宅が借りにくいため、住みたい家に住めないかもしれません。
- 老後の住み替えに失敗しない方法は?
- 体の自由が利く50代から準備を進めるのがおすすめです。ただし、住宅ローンや住み替えローンなど、金銭的な負担のかかる方法は避けましょう。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
リビンマッチコラムでは、むずかしい不動産の事をできる限りわかりやすく、噛み砕いて解説しています。不動産に対するハードルの高いイメージ、とっつきにくい苦手意識を少しでも取り除いて、よりよい不動産取引のお手伝いをさせていただきます。
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