リビン・テクノロジーズが20周年 リビン・テクノロジーズが20周年
東証上場 リビン・テクノロジーズ株式会社(東証グロース上場)が運営するサービスです  証券コード:4445

中古住宅を買ってリフォームして売ると儲かる?損失を減らすポイントとは

更新日:
中古住宅を買ってリフォームして売ると儲かる?損失を減らすポイントとは

中古で購入した住宅をリフォームして売ると儲かる事例があります。しかし最近では、中古住宅を自分好みにリフォームして住みたい需要が増えているため、全体をリフォームしてから売るのが正解とは一概にいえません

本記事では「中古住宅の売却で儲けるための基礎知識」「儲かった事例と損した事例」「中古住宅を買ってリフォームして売ったら、購入価格より高く売れるのか」「中古住宅を売って儲ける、損失を減らすポイント」を紹介します。

中古住宅の売却で儲けるための基礎知識

中古住宅を買ってリフォームして儲けるには、以下の3つの概念を再認識する必要があります。

  • 評価額
  • 売却価格
  • 資産価値

評価額

不動産の評価額は行政機関が所有者に対して算出するものであり、税金の基準として利用されます。評価額は土地の価値と建物の価値からなり、建物には耐用年数があり、経年劣化によって価値が低下していきます。

リフォームの有無や内容は評価額に考慮されないことが多いです。これは、評価額の評価基準が一定であり、行政機関が定めた評価基準に基づいて、建物や土地の基本的な価値を算定するためです。

ただし、耐震性や断熱性が向上し、将来的な維持費用が減少する場合など建物の価値が大幅に上昇した場合は、評価額にも反映される可能性があります。

売却価格

売却価格は、不動産会社が査定を行い市場での価値を算出することで決まります。ここでは、リフォームの有無や内容が価格に影響することが多いです。

不動産会社が査定を行う際、市場での需要と供給のバランスを考慮します。そのため、同じエリアや同じ物件でも、リフォームの有無や内容によって、需要が大きく変わる場合があります。

たとえば、内装のリフォームがされた物件は、同じ条件の物件よりも需要が高くなり、売却価格が高くなる傾向にあります。逆に、老朽化が進んでいる物件は需要が低く、売却価格も下がるおそれがあります。このように、リフォームの有無や内容が、物件の需要や市場での価値に影響するため、売却価格にも反映されます。

資産価値

資産価値は、不動産の総合的な価値を示します。土地の立地条件や周辺環境、建物の築年数や設備、間取りなどが考慮され、これらの要素が高い場合には資産価値も高くなります。

また、資産価値は将来的な見通しや利益の期待なども考慮されます。たとえば、周辺環境が整備され、今後の地価の上昇が見込まれる場合には、その不動産の資産価値も上昇する可能性があります。

評価額と売却価格、資産価値は異なる概念であり、それぞれの意味や算定方法が異なるため、混合しないよう注意しましょう。

中古住宅を買ってリフォームして売って儲かった事例

近年のリフォームブームにより中古物件をリフォーム・リノベーションして住みたい!という方が増えています。新築よりも予算を抑えられるうえに、自分好みの家づくりができるためです。

「リフォーム」とは、老朽化した設備を直して新築の状態に近づけることをいいます。具体的には、キッチンやトイレといった設備の修繕、壁や天井のクロスの張り替えなどを指します。

一方、「リノベーション」は性能の向上や価値を高める目的で行われます。和室を洋室にしたり、間取りを変えたりする工事、それに伴った水回りの位置の変更など、大規模な改修を指します。

安い中古住宅を購入し、最低限のリフォームをして売却

中古住宅を売却して利益を得るには、少しでも安い価格で購入することが大切です。

築15年前後の中古物件は狙い目で、比較的安い価格で購入でき、住宅本体は綺麗で設備もまだまだ使える場合が多いでしょう。

24時間換気システムの設置が義務付けられたのは2003年なので、2003年以降の中古物件は、耐震性をはじめとした断熱性や換気の性能などの家の基本性能が高い傾向にあります。つまり、快適に暮らすための高額なリフォーム代を必要としません。

リフォームをして家をきれいに整えることで、家の印象がよくなり売却しやすくなります。コストを抑えつつ家をきれいに見せて売りやすくするには、以下のような方法があります。

  • 壁紙を張り替える
  • ハウスクリーニングをしてきれいにする

上記により、リフォーム費用を抑えて「住みたい!」と思える快適な住宅を売ることも可能です。

住宅需要の高い地域で、買主にリフォームしてもらう

中古住宅を売却する場合、リフォーム・リノベーションをしてから売却活動をするよりも、そのまま売却活動をしたほうが売却価格を抑えられます。

国土交通省の「中古住宅流通、リフォーム市場の現状」によると、中古住宅を購入して良かった点で多くの回答を得たのは次のとおりです。

中古住宅を購入して良かった点

中古住宅を購入して良かった点

画像引用:国土交通省「中古住宅流通、リフォーム市場の現状

「価格の安さ」以外に注目したいのが「自分の好みに合わせてリフォームできる」点です。約31%の人が自分の好みに合わせてリフォームできる点を中古住宅のよい点と捉えていることから、まずは買主にリフォームしてもらうことを前提に売却活動を進めたほうがよいでしょう。

購入希望者が見つかってからリフォームの希望を確認し、リフォーム分の価格を下げると売却が容易になりやすいです。

買主を確保するには、需要の高い地域の中古住宅を見つけることが大切です。需要が高い傾向にあるのは、次のような利便性が高いエリアの物件です。

  • 主要駅に近く会社や学校に通いやすい
  • コンビニエンスストアやスーパーマーケットが近くにある
  • 銀行や病院、郵便局が近い

住宅需要の高いエリアにある物件は、不動産投資向けの物件として売り出すのもよいでしょう。これは、空室率が低いために安定した家賃収入を得られる可能性があるためです。

また、ファミリー向けの物件では、近くに学校や公園があるか、治安のよさなども重視されます。

ただし、最低限見栄えをよくしておくことが前提です。

空き家をリフォームして転売

誰も住んでいない空き家を購入し、リフォームして見栄えをよくしてから転売することで利益を得られることがあります。売却する物件は大規模なリフォームではなく、部分的なリフォームに留めておき、買主がつきやすい程度にリフォームし、できるだけ利益が出るようにします。

空き家の売主は昨今の不動産税の増加により、早く空き家を手放したい方も多いです。そのため、査定価格よりもかなり低い値段で売り出されている場合があります。このような場合は、売り出し最低価格が低くつけられているため、値引き交渉に応じてもらうことで、安く購入できます。

見栄えのよい物件のほうが売却しやすいため、転売する住宅をリフォームすると、買主を見つけやすくなります。しかし、利益を出すことを考えて転売するには、購入費用とリフォーム費用の合計額以上で売却する必要があります。そのため、空き家のリフォームは部分的なリフォームのみにしましょう。

中古住宅を買ってリフォームして売って損した事例

中古物件は低価格で購入できることが最大の魅力です。ただし、古すぎる中古住宅のリフォームは、想定以上に費用がかかります。古ければ古いほど、構造部材などに問題があり、修繕やリフォームに費用がかかるため注意が必要です。

現在の耐震基準を満たしておらず、基礎や構造部材の損傷を修繕する工事も必要になると、新築購入した場合の費用と同じくらいに高くなることもあります。

古い物件は断熱性、耐震性、換気の性能が十分ではありません。リフォームによりこれらの性能を向上すれば快適に暮らせますが、性能を向上するリフォームには高額な費用が必要です。

古い中古住宅を購入した結果、リフォーム費用が莫大に

リフォームに必要な費用を考えずに中古物件を購入してしまうと、高額な修繕費用が必要になり、不利益をこうむるかもしれません。安い中古物件を購入すれば、リフォーム費用と合算しても、新築を購入するより安く手に入るのが一般的です。しかし、場合によっては想像以上に費用がかかることもあります。

耐震性能の基準が改定されたのは1981年・1999年・2003年です。断熱の基準である省エネ性能は1999年に改定、2003年に24時間換気システムの設置が義務付けられました。これらの年以前の古い中古物件では、家の基本性能が悪く、快適に暮らすための高額なリフォーム費用が必要になるおそれがあります。

築20年の中古物件であれば、多くの水回り設備が老朽化し全面的な交換は避けられない場合が多いです。また、クロスの張り替えや外壁・屋根塗装なども必要になってきます。

さらに、築30年の中古物件では給排水管の老朽化が進んで、漏水の危険性、経年劣化が進んだ結果、耐震性にも問題が出てきます。

高額な費用でリフォームすると買主が見つかりやすくはなりますが、住宅の査定価格はそれほど上がらないため損する場合があります。

湿気のひどい住宅を購入した結果、カビだらけに

築年数の経った中古住宅であればカビの問題があることもわかりますが、築年数の浅い中古住宅でもカビだらけになる場合があります。無人の期間が長いなどの理由で、一定の期間風通しをしていないと、カビや結露が発生しやすくなり、壁や床の下地の痛みが早く進行しやすいためです。

カビや結露の原因となる湿気に対しては、良好な風通しが欠かせません。湿気は季節や時間帯によって変化するため、購入前にはなかなか気がつきにくいものです。

購入価格が安い築20年の中古住宅であれば、外壁・屋根塗装なども必要になり、さらに売却のために、多くの水回り設備が老朽化し交換は避けられないでしょう。また、クロスの張り替えなどでリフォーム費用が高額になってしまいます。

リフォームに関する知識がないまま中古物件を購入する際は、満足できない家になるおそれがあります。どの程度のリフォームが必要なのか、一般の人ではわからないこともあるため、リフォーム会社や仲介の不動産会社とよく相談してから中古物件を購入しましょう。

外装リフォームを怠たった結果、買主が見つからない

中古住宅のリフォームは、内装に集中するケースが多いです。しかし、屋根や壁、窓なども築年数が経てば経年劣化します。

外装のリフォームを後回しにして、壁のひび割れを放置していたために雨漏りが発生したり、壁が腐食したりするのはよくある失敗です。

外装や構造部のリフォームが適切かどうかは素人目にはなかなか判断がつきません。できれば、住宅診断士(ホームインスペクター)などに同行してもらうと安心です。

また、新築の建売住宅の場合は購入してすぐに入居できます。しかし、中古物件を購入し、そこからリフォーム・リノベーションをするとなると、完成するまで時間がかかってしまいます。場合によっては、リフォーム完了までに約4〜6カ月かかります

築年数ごとのリフォーム費用とリフォーム内容
築年数 リフォーム費用 リフォーム内容
~10年 100万円前後 気になる部分のみ
10~20年 約300~500万円
  • 水回り設備の全面的な交換
  • クロスの張り替え
  • 一部分の間取り変更
  • 屋根・外壁塗装
20~40年 約1,000~1,500万円 内装のみ作り直すフルリフォーム(スケルトンリフォーム)
40年~ 約1,000~2,000万円
  • 内装・外装ともに一から作り直すフルリフォーム(スケルトンリフォーム)
  • 耐震工事

中古住宅を買ってリフォームして売ったら、いくらで売れやすい?

国土交通省の「令和3年度 住宅市場動向調査」によると、三大都市圏における中古戸建住宅と中古マンションの購入資金は平均で次のような結果です。

三大都市圏における中古住宅の購入資金の平均(2020年4月~2021年3月調査)
物件種別 平均購入資金(円)
中古戸建住宅 2,959万
中古マンション 2,990万

中古戸建住宅の購入資金の平均は2,959万円、中古マンションは2,990万円でした。また、同調査によるとリフォーム資金の平均は201万円でした。

物件ごとの購入資金、リフォーム資金の平均

物件ごとの購入資金、リフォーム資金の平均

画像引用:国土交通省「令和3年度 住宅市場動向調査」2.4.1 購入資金、リフォーム資金

さらに、公益財団法人東日本不動産流通機構の「首都圏不動産流通市場の動向(2022年)」によると、2022年の成約物件価格の平均は次のとおりです。

2022年の首都圏における中古住宅の成約価格の平均(2020年4月~2021年3月調査)
物件種別 平均成約価格(円)
中古戸建住宅 3,753万
中古マンション 4,276万

上記の情報をもとに、中古住宅を購入後リフォームし売れた場合の利益をシミュレーションしてみました。

  • 中古戸建て住宅を購入後リフォームし売れた場合の利益=3,753万−3,160万(2,959万+201万)=593万円
  • 中古マンションを購入後リフォームし売れた場合の利益=4,276万−3,191万(2,990万+201万)=1,085万円

住宅ローンや仲介手数料、譲渡税などを考慮する必要はありますが、中古戸建て住宅も中古マンションも平均で見ると、どちらも儲けが出ていることがわかりました。

中古住宅を売って損するリスクを減らすポイント

シミュレーションでは、中古戸建て住宅も中古マンションも儲けが出ていましたが、もちろん損することもあります。ここでは、中古住宅を売って損するリスクを減らすポイントを解説します。

一般的には築10〜15年の中古住宅が一番売れています。木造住宅は築年数が経過するごとに価値が低下するため、築15〜20年の家を売る際は、ある程度の修復が必要です。売主の感覚では十分にまだ住める家でも、不動産業界では「ほぼ価値のない物件」と見なされていています

そのため、築22年以上の物件は住宅の価値がほとんどなく、価値となるのは土地だけの場合が多いです。リフォームに費用をかけるよりも「最低限の修繕」「住宅の第一印象をよくする」「ホームインスペクション」という方法を実践すれば、出費を抑えて家を高く売却しやすくなるでしょう。

最低限の修繕

外観が悪いと見栄えが悪く、買主にとって魅力のない物件と見られます。一見してわかる劣化は、応急的に修繕しましょう。

特に、下記のように明らかに見た目の印象が悪い箇所は修繕や清掃をするのが望ましいです。

  • 外壁がはがれている
  • 外壁の色が黒ずんでいる
  • 畳の傷みがひどい
  • 庭が荒れ放題

費用がかかる全面リフォームは避けるべきですが、支払い費用が比較的少なくて済む以下のような簡易修繕はしておきましょう。

  • 外壁の塗装や張り替え
  • 窓やサッシの補修
  • ドアノブや鍵の交換
  • 床や畳の補修
  • 水回りのパッキン交換や水漏れの修理
  • 庭の草むしりや剪定せんてい、花壇の整備

住宅の第一印象をよくする

住宅の査定はプロが行いますが、最終的に家の購入を決定するのは一般の人々です。第一印象が売却に影響しやすいため、できる限り清掃をし、家を綺麗に維持しておくことが重要です。

内覧時に買主がチェックする場所は、トイレやキッチンなどの水回りです。周りをどれだけ綺麗にしても水垢や匂いが残りやすい部分ですので、注意しましょう。水回りが汚いと、購入希望者が現れにくいです。

自分たちだけで完璧に清掃するのは難しい場合が多いため、専門業者に依頼するのもひとつの方法です。ハウスクリーニング業者には家の中をまるごと掃除するサービスもありますが、できるなら効果の高い水回りに絞って依頼するのがおすすめです。

ホームインスペクションをする

ホームインスペクションとは、建物状況調査のことです。中古住宅の外壁や基礎などの劣化状況や補修箇所を住宅診断士が調査し、客観的にアドバイスします。

中古物件の購入者は「建物自体に不具合がないか」を気にします。見た目が多少傷んでいてもリフォームで解消できますが、部屋が傾斜しているなど建物の構造的な欠陥がある場合は、大規模なリフォームが必要です。大規模リフォームが必要な物件は、敬遠されます。

ホームインスペクションは、プロからの調査証明の保障が得られる調査なので、買主の不安が軽減され、中古物件が売りやすくなります。

不動産会社によっては、無料でホームインスペクションを提供している会社があります。特に築年数が経っている家を売る際は、ホームインスペクションを実施して、買主に物件の健全性を売り込みましょう。

優良な不動産会社に相談する

家の売却で損をしないためには、まず複数の不動産会社に査定を依頼することが大切です。中古住宅がいくらで売れるかの目安である「査定価格」は、不動産会社によってばらつきがあるためです。

売り出し価格の相場を確認するには、見積もりを不動産会社1社に依頼するのではなく、複数社に依頼することが重要です。複数社の査定価格を確認したあとは、実際の対応をもとに高値で売却してもらえそうな不動産会社を見極めてください。

なお、複数の不動産会社に査定を依頼するときに便利なのが、不動産の一括査定サイトリビンマッチです。家の簡単な情報を入力するだけで、最大6社の優良会社へ査定依頼できます。一定の審査基準に合格した会社のみが査定対象ですので、ぜひ中古住宅の売却で儲けたい方は、試しに利用してください。

この記事の編集者

リビンマッチ編集部 リビンマッチ編集部

リビンマッチコラムでは、むずかしい不動産の事をできる限りわかりやすく、噛み砕いて解説しています。不動産に対するハードルの高いイメージ、とっつきにくい苦手意識を少しでも取り除いて、よりよい不動産取引のお手伝いをさせていただきます。
誤字脱字や事実誤認などございましたら、ぜひともご指摘ください。

コンテンツの引用ルール

運営会社:リビン・テクノロジーズ株式会社(東京証券取引所グロース市場)

カテゴリー
不動産売却コラム
タグ

リビンマッチコラムを引用される際のルール

当サイトのコンテンツはどなたでも引用できます。 引用にあたって事前連絡などは不要です。 コンテンツを引用される際は、引用元が「リビンマッチ」であることを必ず明記してください。

引用ルールについて

カテゴリー一覧

Copyright © Living Technologies Inc. All rights reserved.
トップへ