家の売却におすすめのタイミングとは?早く売るためのコツや注意点を解説
家(戸建て)を売却するにはタイミングが重要です。ふさわしくないタイミングを選ぶと想定より低い価格での売却を余儀なくされたり、売却自体が難航したりなどのトラブルが起きてしまうこともあります。そのため戸建ての売却を急ぐ事情がない場合は、適したタイミングになるまで待つのも1つの方法です。
本記事では、戸建ての売却におすすめのタイミングを売却時の注意点も含めて解説します。これから戸建てを売却する予定がある方は、ぜひお役立てください。
- 複数の不動産会社で査定したい
- 早く売却して、ローンに充てたい
- 遠方にある物件なので地元の不動産会社に依頼したい
- いまの物件価値を知りたい
- どの不動産会社に相談していいのかわからない
もくじ
家を売却するタイミングのポイントは全部で6つ
家を売却するタイミングのポイントは、全部で以下の6つです。
- 築年数
- 相場
- 税金
- 金利
- ライフスタイル
- 季節
ちょっとしたことに気を付けるだけでも、高い売却価格でスムーズに戸建てを手放せます。実際に戸建ての売却を検討する際は、これらの6つの要素を総合的に勘案し、自分や家族にとってベストなタイミングを探るのがおすすめです。
ここからはそれぞれのポイントについて、詳しく解説します。
築年数:長くなるほど売却価格が下がる
戸建ての場合経年劣化が起きるため、築年数が長くなればなるにつれて売却価格は下がります。
国税庁では一般的な木造住宅の耐用年数を22年と定めています。(※)つまり建ててから22年で税法上の価値はゼロになるということです。戸建てを築22年以上経過してから売却する場合、耐用年数が残っていないため、建物としての価値がない状態で手放さなくてはなりません。
もちろん戸建ての構造に問題がなく、修繕やリフォームが行き届いている場合、できるだけ安く家を買いたいという層に対して売却できる見込みは十分にあります。ただしそう考える人は少数派である上に、かなり低い売却価格になる可能性が高いです。売却するならなるべく早く準備に取り掛かるようにしましょう。
※出典:国税庁「【確定申告書等作成コーナー】-耐用年数(建物/建物附属設備)」
築15年までの売却がおすすめ
戸建てはできれば築15年までに売却するのがおすすめです。理由として、価値が減少するタイミングがマンションに比べかなり早く訪れることが挙げられます。戸建ての価値は築10年で約半分に、築20年で当初の約1割まで減少するのが特徴です。
戸建てを含め、建物は年数が経てば古くなります。修繕やリフォームを行えば快適に住めますが、すぐに住める新築や築浅物件のほうが好まれるのも実情です。つまりあえて中古の戸建てを欲しいと思う人も減ってしまう以上、それに伴って価値も下落します。
すでに触れたとおり築年数が経っていたとしても、修繕やリフォームが行き届いていれば売れる可能性は高いです。しかし希望売却価格より大幅に低い価格で売らなくてはいけなかったり、販売活動が長期化したりする恐れがあるので注意が必要です。
スムーズかつできるだけ高い価格で売るためには、できれば築15年以内で戸建てを手放すことが望ましいです。ただしあまりに早く手放してしまうと、税金の面で損をする可能性がある点に注意してください。詳しくは後述します。
相場:上がっているときは売却のタイミング
相場の動向も売却のタイミングには影響します。ここからは正確にタイミングを計るために必要な情報について、詳しく解説します。
不動産価格の動向
不動産価格の動向をつかむためには、不動産価格指数をチェックしましょう。不動産価格指数とは、不動産価格の動向を示すために指数化されたデータのことです。
国土交通省が年間約30万件の不動産の取引価格情報をもとに、全国・ブロック別・都市圏別などに算定し、公表しています。これまでの不動産価格指数のデータは、国土交通省のWebサイトから無料で確認可能です。
なお全体的に不動産価格指数は上昇傾向にあります。戸建てにおいても例外ではありません。以下に2022年1月から12月における不動産価格指数をまとめました。(※)
年月 | 戸建ての不動産価格指数 | 前月比 |
---|---|---|
2022年1月 | 112.0 | 1.8 |
2022年2月 | 113.1 | 1.0 |
2022年3月 | 112.0 | -0.9 |
2022年4月 | 115.1 | 2.8 |
2022年5月 | 115.2 | 0.1 |
2022年6月 | 115.5 | 0.3 |
2022年7月 | 116.6 | 0.9 |
2022年8月 | 116.6 | 0.1 |
2022年9月 | 116.9 | 0.2 |
2022年10月 | 114.6 | -2.0 |
2022年11月 | 116.0 | 1.3 |
2022年12月 | 117.0 | 1.0 |
※出典:国土交通省「建設産業・不動産業:不動産価格指数 – 国土交通省」
直近の2022年1月~12月については、不動産価格指数はおおむね上昇を続けています。
相場が右肩下がりなら早めに売却
相場が右肩下がりの場合は、早めに売却しましょう。相場の変動と不動産売却のタイミングに関する基本的な考え方は、以下のとおりです。
- 相場の右肩下がりが続くなら、早く売ったほうが得
- 相場の右肩上がりが続くなら、遅く売ったほうが得
- 相場が横ばいならいつ売っても問題ない
相場が右肩下がりの傾向の場合、時間が経過するにつれ売却価格も下落していくことが多いです。途中で相場が上昇に転じれば事情は変わりますが、さらに価格が下がる可能性もある以上、早めに手放すに越したことはありません。状況次第では、売却損が出てしまう恐れもあります。
一方で相場が右肩上がりになっている場合は、売却を少し待ってみてもよいでしょう。少し待った結果、さらに値上がりすれば売却価格も高くなり、売却益も増えてお得になります。なお横ばいだった場合は、基本的にいつ売っても構いません。他に売却する決め手があれば動きましょう。
ただし将来的にどのように相場が動くかについて、100%正確な情報は誰にも分かりません。右肩下がりだったのが、急に右肩上がりに転じることもあり得ます。後述する税金や金利、ライフスタイルの変化や季節など、さまざまな要素についても考慮しつつ、ベストな時期を決めましょう。
売却相場の調べ方
売却相場の調べ方には、以下の4つの方法があります。
- 実勢価格から調べる
- 地価公示価格から調べる
- 相続税評価額(路線価)から調べる
- 査定価格から調べる
いずれも基本的に無料で調査可能です。それぞれの方法について、基本的な部分を解説しましょう。
【方法1:実勢価格から調べる】
実勢価格とは過去の取引における成約価格のことで、国土交通省の土地総合情報システムから無料で調べられます。期間・タイプ・ロケーションを選択すれば、条件に合った実勢価格が一覧で表示される仕組みです。
【方法2:地価公示価格から調べる】
地価公示価格とは、地価公示法に基づいて国土交通省の土地鑑定委員会が毎年公示する標準地の価格のことです。こちらも土地総合情報システムから調べられます。
【方法3:相続税評価額(路線価)から調べる】
相続税評価額(路線価)とは、国税庁が定めている相続税や贈与税の算定基準となる価格のことです。地価公示価格の約80%と考えておきましょう。国税庁のWebサイトで公開されている財産評価基準書を使って調べられます。
【方法4:査定価格から調べる】
査定価格を使って売却相場を調べることも可能です。その場合、複数の不動産会社に一括査定を依頼しましょう。プロがさまざまな情報を踏まえて総合的に査定してくれるため、効率的に売却相場がつかめます。他の調査方法とは異なり、不動産会社に依頼することにはなりますが、基本的に料金はかかりません。
税金:特例を利用できるタイミングがおすすめ
戸建てなどの不動産を売却する際は、タイミング次第で税法上の特例が利用できます。特例の内容について、詳しく解説します。
住民税と所得税
戸建てを売却した際に利益=譲渡所得が発生すると、住民税・所得税が課税されます。分離課税制度といって、給与所得など他の所得と合算せず、個別に計算するのが大きな特徴です。譲渡所得は以下の式で計算します。
譲渡収入金額-(取得費+譲渡費用)-各種控除=譲渡所得
取得費・譲渡費用には、以下のものが含まれます。
費用の種類 | 具体例 |
---|---|
取得費 |
|
譲渡費用 |
|
また条件に当てはまれば控除が受けられることがあります。一定の金額を譲渡所得の計算にあたって差し引けるため、支払うべき所得税・住民税が少なくなる仕組みです。
譲渡所得がマイナスになった場合は、譲渡損失が発生していることになり、得税や住民税はかかりません。加えて戸建てを手放した年のその他の所得と相殺し、所得税や住民税を減らすことができます(損益通算)。
なお譲渡所得は、長期譲渡所得・短期譲渡所得のどちらに当てはまるかによって、適用される税率がまったく異なる点に注意が必要です。時間に余裕がある場合は、長期譲渡所得として扱われるタイミングまで待ちましょう。詳しくは後述します。
特別控除(3,000万円)
戸建てなどの居住用財産を売却した場合は、譲渡所得から3,000万円までを控除できる特例があります。正式名称は「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」ですが、マイホームを売ったときの特例と覚えておけば問題ありません。
この特例の適用を受けられるなら、戸建ての売却に当たって生じた利益(譲渡所得)が3,000万円までなら、所得税や住民税はかからないことになります。なおこの特例を受けるための主な条件は以下のとおりです。
- 自分が住んでいる家屋を売却する
- 家屋を取り壊していた場合、譲渡契約までの間に土地について他の使い方をしていない
- 売った年、その前年および前々年にマイホームの買い換えなどを含む特例の適用を受けていない
- 売主と買主が、親子や夫婦などの親族関係や内縁関係ではない
また亡くなった家族が住んでいた空き家を相続し、その後売却した場合も一定の条件に当てはまれば、譲渡所得の金額から3,000万円まで控除できます。これを「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」といいます。ただしこの特例の適用を受けるためには、空き家になってから3年経過する年の12月31日までに売却しなくてはいけません。
軽減税率
戸建てを手放した時期によっては、軽減税率の適用が受けられることがあります。戸建てを売却して利益が出た場合、その利益=譲渡所得に対する所得税や住民税を払わなくてはいけません。
そして戸建ての売却にあたって支払うべき所得税や住民税の額は、それまでの戸建ての所有期間によって変わる仕組みです。(※)
項目名 | 概要 | 所得税率 | 住民税率 | 合計 |
---|---|---|---|---|
短期譲渡所得 | 売却した年の1月1日現在で、所有期間が5年以下の場合 | 30.63%(※) | 9.0% | 39.63% |
長期譲渡所得 | 売却した年の1月1日現在で、所有期間が5年を超える場合 | 15.315%(※) | 5.0% | 20.315% |
※復興特別所得税として2.1%相当が上乗せされている
※出典:国税庁「No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)」
このように長期譲渡所得・短期譲渡所得のいずれになるかで、税率は大幅に異なります。急を要する事情がない限りは、長期譲渡所得として扱えるタイミングになるまで売却しないほうが、税金の面から見ればお得です。
なお所有期間が5年を超えるかどうかは、その年の1月1日を基準にして決まる点に注意しましょう。たとえば、2018年4月1日に購入した戸建てを2023年4月1日に売却するとします。購入日から売却日までは5年経っている計算になりますが、2023年1月1日現在での所有期間は4年9カ月に過ぎません。
相続税の特例
戸建てを売却した場合、相続税の特例(取得費加算の特例)の適用が受けられる可能性があります。
取得費加算の特例とは相続後3年10カ月以内に土地や建物、株式など相続財産を売却した場合は、相続税額の一部を取得費に加算することにより、譲渡所得にかかる税金が軽減される制度です。
この特例の適用を受けるためには、以下の3つの条件を満たす必要があります。
- 相続や遺贈により財産を取得した
- 相続税が課税されている
- 取得した財産を、相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡している
なお取得費に加算する相続税額は、以下の式で算定します。
譲渡したほうが納付すべき相続税額 × 譲渡資産の相続税の課税価格 ÷ 債務控除をする前のその方の相続税における課税価格 = 取得費に加算する相続税額
譲渡所得金額は以下の式で計算されるため、結果として税金が安くなる仕組みです。
収入金額-(取得費+取得費に加算する相続税額+譲渡費用)-特別控除=譲渡所得金額
なおこの特例と空き家の譲渡所得の特例は同時に利用できないため、どちらか一方を選択適用することになります。どちらを選択すべきか判断に迷った場合は、不動産会社の担当者や税務署に相談しましょう。
- 複数の不動産会社で査定したい
- 早く売却して、ローンに充てたい
- 遠方にある物件なので地元の不動産会社に依頼したい
- いまの物件価値を知りたい
- どの不動産会社に相談していいのかわからない
金利:低いときが売却のタイミング
住宅ローンの金利が低いときも、戸建ての売却には適しています。購入希望者にとっては、それだけ有利な条件で住宅ローンを契約できるからです。住宅ローンの総返済額は金利に比例するため、できるだけ低い金利で契約できるに越したことはありません。
金利は0.01%違うだけでも、総返済額に大きく影響します。たとえば4,000万円を借り、30年かけて元利均等方式で返済したとしましょう。金利(固定金利)が年1.96%と年1.97%の2つのケースを想定すると、総返済額は以下のように異なります。
- 年1.96%の場合:5,294万円
- 年1.97%の場合:5,301万円
このような背景があるため、住宅ローンの金利が低いうちに買ってしまおうと考える人も多くなります。購入希望者が多ければそれだけ早くて高く売れる可能性も高いでしょう。
ただし住宅ローンの金利が低いときは、景気が悪い局面が多い点に注意が必要です。景気が悪いと消費が冷え込む上に、不動産価格の相場も下がってしまいます。築古や駅から遠いなど、条件が不利な戸建ての場合は特に思うように売却できない可能性もあるため、住宅ローンの金利は売り時を考える上での1つの要素として捉えてましょう。ただし実際に売るかは、他の要素も考慮した上で決めるのをおすすめします。
ライフスタイル:大きな変化があるタイミングに売却を検討する
ご自身のライフスタイルに大きな変化が起きた場合、そのまま同じ場所に住み続けていると何かと不便な部分も出てくるでしょう。その場合、戸建てを売却することを検討してみるのもおすすめです。
たとえば以下の出来事があった場合は、戸建ての売却を検討してもよいでしょう。
- 子どもの結婚、出産、独立などで家族構成が変化した
- 自分や家族が転勤することになった
- 家族や親族の介護が必要になった
たとえば子どもが社会人になって独立し夫婦2人だけになった場合、コンパクトで駅に近いマンションに住み替えたほうが、移動や手入れの面で楽になることもあります。
また自分や家族が転勤することになった場合も、売却を検討すべきタイミングです。3年後に現在の勤務地に復帰するなど期間が明確に定められている場合を除き、いつ再びその家に住めるようになるかは明確に分からないためです。
家族や親族の介護をしなければならない場合も、戸建ての売却を検討するタイミングになり得ます。たとえば介護をしながら2階建ての戸建てに住んでいる場合、階段の上り下りはとても危険かつ不便です。リフォームで対応することもできますが、リフォーム難しい場合は売却も視野に入れましょう。
- 複数の不動産会社で査定したい
- 早く売却して、ローンに充てたい
- 遠方にある物件なので地元の不動産会社に依頼したい
- いまの物件価値を知りたい
- どの不動産会社に相談していいのかわからない
季節:購入希望者が増えるタイミングがベスト
戸建てを売却する場合、以下のような背景から購入希望者が増える3月頃に合わせて売却するのがおすすめです。
- 転勤・人事異動などの理由により勤務地が変わる
- 子どもの進学・進級に合わせて引越しを検討する人が増える
3月末を年度末としている企業では、そこを一区切りとして4月1日を転勤・人事異動による着任日としていることが多いです。そのため3月中には引越しを終わらせたいと考える人も多くなるでしょう。
また子どもの進学・進級に間に合うように、引越しを検討する人も一定数は存在します。この場合も3月中には引越しを終わらせないとスケジュール的に厳しいかもしれません。
3月中に戸建ての引き渡しを完了させるためには、遅くても12月末までには不動産会社を探しておくことが望ましいです。地方に住んでいるなど、売却に時間がかかりそうな事情があるなら、さらにもう少し早めに動き始めるようにしましょう。
もちろんこれ以外の時期に売却することが不可能なわけではありませんが、できるだけスムーズかつ高い価格での売却を望む場合は、3月中に売却することを前提に動くのが望ましいです。
家の売却を避けるべきタイミングとは
戸建ての売却を避けるべきタイミングについても解説します。以下のいずれかの場合は売却しないのが無難です。
税制優遇が適用されないとき
税制優遇が適用されないときは、戸建ての売却を避けるべきです。分かりやすい例として、長期譲渡所得と短期譲渡所得の場合を考えてみましょう。
たとえばある年の1月1日現在で、売却しようとする戸建てを所有していた期間が4年10カ月に達していたとします。その場合、時間的猶予があるなら待ったほうがよい場合があります。戸建ての所有期間が5年を超えれば、譲渡所得を長期譲渡所得として扱えるようになるためです。
仮に戸建ての売却により1,000万円の譲渡所得が発生したとしましょう。短期譲渡所得として扱われた場合は、所得税・住民税は以下のように計算されます。
1,000万円×39.63%=396万3,000円
一方で長期譲渡所得として扱われた場合は、所得税・住民税の合計は以下のように計算されます。
1,000万円×20.315%=203万1,500円
193万1,500円もの差になり、負担が大幅に抑えられます。なお税制優遇が適用されるタイミングの判断は、専門的な知識がないと間違ってしまうことがあります。売却するタイミングを判断する際は、不動産会社の担当者や税務署にも確認しておきましょう。
- 複数の不動産会社で査定したい
- 早く売却して、ローンに充てたい
- 遠方にある物件なので地元の不動産会社に依頼したい
- いまの物件価値を知りたい
- どの不動産会社に相談していいのかわからない
相場価格が上昇しているとき
相場価格が上昇しているときも、売却は急がないほうが無難です。前述したとおり、一般論として相場の右肩上がりが続く場合、遅く売ったほうが得とされています。つまり、すぐに売らずにさらに値上がりするまで待ってから売ったほうが、売却価格が高くなりやすいのです。
タイミング次第では、購入価格よりさらに高い価格で売れる可能性もゼロではありません。特に都市部にある駅近や築浅の物件は、有利になるケースが多いでしょう。
すでに触れたとおり、全体的に不動産価格指数は上昇傾向にあります。この傾向が続く場合、すぐに売却せずしばらく待ってみてもよいかもしれません。
ただし、長期間右肩上がりの状態が続くことも考えられるため、○年○月まで待つなど、具体的なタイムリミットを決めておきましょう。区切りがないとかえって売却するチャンスを逃してしまう可能性もあります。
素早く家の売却を決める2つコツ
素早く戸建ての売却を決めるためには、以下の2点に気を付けましょう。
- 早めに準備に取り掛かる
- 買い取りも視野に入れる
早めに準備に取り掛かる
戸建てを含めた不動産を売却する際のステップは以下のとおりです。
流れ | 必要な期間の目安 |
---|---|
|
約1~4週間 |
|
約3~6カ月 ※買主が見つかるまで |
|
約1~2カ月 |
|
確定申告の締め切りは翌年の2月16日から3月15日まで |
最初に事前の準備が必要になります。戸建てを売却する上で必要な情報の収集・整理はこの期間内に行いましょう。特に以下の点に留意して行動してください。
- 戸建ての売却相場を調べる
- 住宅ローン残債を確認する
- 必要書類をできる限りそろえる
- アピールポイントをまとめる
次に売却を依頼する不動産会社を決めます。複数の不動産会社に査定を依頼し、結果を比較検討しましょう。
契約締結後、すぐに販売活動が始まります。まずは内覧希望者に対応できるように部屋の掃除をしておき、できるだけ内覧希望者を多く受け入れられるよう、販売活動を行っている期間中は、スケジュールを上手に調整するのも重要です。
購入希望者が現れたら条件交渉を行い、問題がなければ契約に進みます。その後物件を引き渡し、利益が出た場合は確定申告をすれば一連の流れは終了です。
買い取りも視野に入れる
できるだけ早めに戸建てを手放したい場合は、買い取りも視野に入れましょう。買い取りとは、不動産会社に戸建てなどの不動産を買い取ってもらうことです。
戸建てなどの不動産を売買する場合は、不動産会社に買主になる人を探してもらうのが一般的です。一方で買い取りでは不動産会社が自ら買主になります。買い取った不動産をリフォーム、リノベーションを施した上で売却するのが主な目的です。
なお、どのタイミングで買い取りするかによっても、方法が以下の2つに分かれます。
- 即時買い取り:すぐに不動産会社に買い取ってもらう
- 買い取り保証:3カ月など、仲介による一定期間の売却活動をした後、売れなかった場合は不動産会社に買い取ってもらう
利用する側における買い取りのメリットは以下のとおりです。
- 短期間で現金化できる
- 内覧対応をする必要がない
- 仲介手数料は払わなくてよい
- 査定価格と買い取り額に開きがない
- 契約不適合責任が問われない
一方でデメリットは以下のとおりです。
- 仲介で売却する場合より価格が低くなりがち
- 買い取りに対応している不動産会社自体が少ない
築年数が古かったり事故物件だったりするなど、売却に時間がかかりそうな場合は買い取りも併せて検討しましょう。不動産会社によっては買い取り保障をしてくれるケースもあるため、一度相談してみることをおすすめします。
- 複数の不動産会社で査定したい
- 早く売却して、ローンに充てたい
- 遠方にある物件なので地元の不動産会社に依頼したい
- いまの物件価値を知りたい
- どの不動産会社に相談していいのかわからない
家を売却するタイミングを決定する際の注意点
ここからは戸建てを売却するタイミングを決定する際の注意点について解説します。戸建てを売却する際は、これらに気を付けてスムーズに売却を進めましょう。
売却期間は地域によって異なる
不動産の売却期間は平均で約6カ月ですが、地域によって異なります。
首都圏などの都市部にある戸建てであれば、6カ月よりも早く売却できる可能性があります。公益財団法人東日本不動産流通機構「2022年 首都圏不動産流通市場の動向」によれば、首都圏の中古戸建住宅の場合、レインズへの登録から成約に至る日数は、81.2日でした。(※)
この調査によると約3カ月で売却できている計算になります。ただしこれはあくまでも平均値であるため、これより時間がかかる可能性があることを認識しておきましょう。また地方で売却する場合、6カ月よりも時間がかかることが多いです。
※出典:公益財団法人東日本不動産流通機構「2022年 首都圏不動産流通市場の動向」
必要に応じてプロに相談する
必要に応じてプロに相談することは、戸建てを含めた不動産を売却する上で非常に重要です。自分だけで適切な売却のタイミングを計るのはそう簡単ではありません。
たとえば相場が上がっているときは売却に適したタイミングですが、タイミングを把握するには時系列順にデータを追っていく必要があります。また税制優遇が適用されないときに売却してしまうと支払うべき税金が多くなり、かえって損をすることも考えられます。
このように不動産を売却すべきタイミングを判断するには、専門的な知識と経験が必要です。普段からさまざまな不動産売買に関わり、経験豊富な不動産会社に相談するとよいでしょう。ちょっとした疑問でも遠慮なく質問してみるのをおすすめします。
売却期間は依頼した不動産会社にも影響される
売却期間は依頼した不動産会社にも影響されます。端的にいえば、不動産会社が営業に力を入れてくれるかどうかで決まるということです。
依頼をする不動産会社を選ぶ際は、チラシのポスティング、不動産ポータルサイトへの掲載やSNSでの拡散など、その不動産会社がどのような営業活動を行っているかをチェックしてみましょう。また質のよい不動産会社を見つけるためには、複数の不動産会社に相談して比較することが大切です。
加えて担当者とのコミュニケーションも営業活動の成果に影響を及ぼします。たとえば、何かを質問した際にすぐに返答してくれたり返答できない場合は、その理由をはっきり伝えてくれる担当者であれば、信頼して任せることができるでしょう。
また該当の不動産に対してなかなか問い合わせが入らなかったとしても、その事実を対処法とともに伝えてくれる担当者であれば、安心して任せられるはずです。
コミュニケーションをストレスなく密に取れるようにするためにも、自身と相性がよく信頼できる担当者を見つけましょう。
販売活動開始後、少しでも担当が合わないと思ったら担当者を変更してもらうことも1つの手段です。またなかなか売却できないようなら、不動産会社の変更も視野に入れましょう。
家を売却するなら不動産の一括査定を利用しよう
戸建てを売却する場合、不動産の一括査定を利用しましょう。不動産の一括査定とは、同時に複数の不動産会社に売却価格を査定する依頼を行えるサービスのことです。
Webサイト上のフォームから売りたい戸建ての情報や連絡先などの個人情報を入力し、送信すれば不動産会社から連絡が来ます。
不動産の一括査定のメリットは、少ない手間で複数の不動産会社とコンタクトが取れて査定価格を把握できることです。自分でしなくてはいけないのは、Webサイト上のフォームから情報を送信するだけなので、いつでもどこでも対応できます。
なお利用者が料金を払う必要はなく、無料で利用できるケースがほとんどです。
また不動産の一括査定は、非常に便利ではあるものの注意点もあります。
まず複数の不動産会社と接点を持つ以上、場合によっては営業電話が何度もかかってくるかもしれません。ある程度の対応は必要になりますが、どうしても電話対応を避けたい場合は、メールなど電話以外の方法での連絡を希望しましょう。
また不動産会社によっては、査定の基準や根拠は異なりまったく違う査定価格が出ることもあるため、どの価格を信じるべきか分からず混乱することもあるかもしれません。
なので一括査定を依頼するWebサイトは、信頼できる会社が運営しているかも確かめて選びましょう。不動産サービス総合比較サイトのリビンマッチでは、最大6社の査定価格を比較できます。
売却したい戸建ての物件種別、都道府県、市区町村、町名を選択し、無料一括査定のボタンをクリックするだけので手続きは完了です。決して難しい操作ではないので、まずはお気軽に利用してみてください。
- 複数の不動産会社で査定したい
- 早く売却して、ローンに充てたい
- 遠方にある物件なので地元の不動産会社に依頼したい
- いまの物件価値を知りたい
- どの不動産会社に相談していいのかわからない
まとめ
戸建てを売却する場合は、タイミングを見計らって動くことが重要です。本記事で紹介した、戸建てを売却するのに適切なタイミングのポイントを参考に、想定よりもよい条件で売却することを目指しましょう。
また売却するためには情報収集や不動産会社の選定、販売活動などさまざまな手順を踏まなくてはいけません。一般的には6カ月はかかるので、住み替えたい時期から逆算して早めに行動することをおすすめします。
リビンマッチでは、戸建てを売却する際の心強いパートナーとなる不動産会社を厳選してご紹介しています。適切なタイミングで戸建てを売却したい、どこの不動産会社に頼むべきかわからない、希望の条件に合う不動産会社がなかなか見つからないなど、戸建て売却に関するお悩みがある方は、ぜひ不動産サービス総合比較サイトのリビンマッチを利用してみてください。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
リビンマッチコラムでは、むずかしい不動産の事をできる限りわかりやすく、噛み砕いて解説しています。不動産に対するハードルの高いイメージ、とっつきにくい苦手意識を少しでも取り除いて、よりよい不動産取引のお手伝いをさせていただきます。
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