知り合いが不動産屋のメリットとデメリット|仲介手数料は無料になる?
自宅などの不動産を売却したいとき、候補先としてまず思い浮かぶのが不動産屋の知り合いです。知らない営業担当者に依頼するより、知り合いに取引を依頼したいと思う方は多いでしょう。
しかし、不動産屋で働く知り合いに売却を依頼するのは本当に有利なのでしょうか。本記事では、知り合いの不動産屋に不動産の売却を依頼するメリットとデメリットを現役の不動産営業担当者が中立的な立場から解説します。
事前に確認するべきポイントや仲介手数料の値引きについても解説するので、知り合いの不動産屋で取引を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
もくじ
知り合いの不動産屋に仲介を依頼するメリット
知り合いの不動産屋に仲介を依頼する場合、依頼する知り合いとの仲の深さにもよりますが、おおよそ以下のようなメリットが挙げられます。
- 積極的に販売活動をしてくれる
- 丁寧に対応してくれる
- 仲介手数料の値引きに応じてくれる
- 裏話を教えてくれる
積極的に販売活動をしてくれる
知り合いだと、不動産売却で最も重要な販売活動を積極的にしてくれる可能性が高いです。
比較的少額な物件や一般的に売りにくい物件であっても知り合いの物件であれば、何とか売却しようと動いてくれるでしょう。
不動産の売却は仲介会社が積極的に動いてくれない限り、売るのが難しいため、知り合いだからと販促に力を入れてくれることはメリットです。
丁寧に対応してくれる
知り合いであるからと丁寧に対応をしてくれることです。
お金が絡むこともあり、知り合いに対して雑な対応をする営業担当者は少ないでしょう。通常であれば聞いてくれないような要望をしても、知り合いだからと対応してくれるケースがあります。
仲介手数料の値引きに応じてくれる
売却が完了した際に、不動産屋に支払う仲介手数料の値引きに応じてくれる可能性があることです。
もちろん仲の深さによりますが、知り合いであれば、よりよい条件で取引を進めようと努力してくれるケースが多いでしょう。
ただし、知り合いだからと当然のように手数料の値引きを交渉すると関係性が崩れてしまうおそれがあるため、頼み方には注意しましょう。
裏話を教えてくれる
取引をする相手方の情報や物件のことなど、通常の顧客には話さない裏話を教えてくれるケースも知り合いであれば考えられます。
通常であれば売主と買主の間に立って平等な立場で取引するところですが、不動産担当者が知り合いであれば、売主に有利になるように話を進めてくれる可能性もあるでしょう。
不動産を有利な条件で取引するには、仲介会社が取引の相手方をいかにコントロールするかで決まります。そのため不動産担当者が味方についてくれることは、メリットです。
知り合いの不動産屋に仲介を依頼するデメリット
知り合いが働く不動産屋で取引することはメリットだけではありません。知り合いとはいえ、お金が絡むことや相手も仕事として業務を行うため、以下で紹介するデメリットを考えておく必要があります。
- 知り合いのスキル次第で売却に苦戦することも
- ヒトによっては言いたいことが言えないことも
- 相手の給料が歩合制であれば値引きが給料に響いてしまう
- 物件の
瑕疵 などトラブル時に気まずくなることも
知り合いのスキル次第で売却に苦戦することも
たとえば、ほかの不動産屋をまったく検討せず、知り合いだけに売却を任せてしまった場合、そのスキル次第で売却に苦戦することが考えられます。
腕のよい営業担当者であれば買主をすぐに見つけてもらえる可能性もありますが、そうでない場合、なかなか買主が見つからず売却できないリスクもあるでしょう。
売却を検討する際の状況にもよりますが、「早く売りたい」や「高く売りたい」など強い希望がある場合は、知り合いだけに単独で依頼するのは、あまりおすすめできません。
ヒトによっては言いたいことが言えないことも
相手が知り合いだと言いたいことが言えない性格の方にとっては、逆にデメリットになるおそれがあります。
たとえば、物件価格の指値交渉があった場合、本当は売りたくない金額でも頑張ってくれた知り合いのことを考えると断りにくいと感じることもあるでしょう。
取引を進めるなかでトラブルや揉め事が発生した場合、その後の関係に亀裂が生じることも十分に考えられるため、事前に考慮したうえで業務を依頼する必要があります。
相手の給料が歩合制であれば値引きが給料に響いてしまう
手数料を少しでも減らしたい気持ちは誰にでもあるでしょう。しかし、不動産仲介の営業担当者は給料が歩合制であるケースが多く、手数料の値引きは相手の給料を下げることにつながります。
つまり、営業担当者が知り合いのよしみから歩合ゼロを了承した場合は、手数料が無料になるケースもあります。
しかし、値引きが知り合いの給料減少につながることは、頭に入れておく必要があります。
物件の瑕疵 などトラブル時に気まずくなることも
取引した物件に瑕疵があった場合など、契約したあとにトラブルが発生するとお互い気まずくなってしまうおそれがあります。
物件を引き渡したあとに買主から知り合いの会社にクレームが入ってしまうと、こちらに落ち度がなくても申し訳ない気持ちになりやすいです。
単純に相手の仕事を増やすことにつながり、取引後のトラブルで知り合いと気まずくなってしまうケースは少なくないでしょう。
不動産売却を知り合いに依頼する前に確認したいこと
不動産売却を知り合いに依頼する前に確認するべきポイントを紹介します。
知り合いだからと完全に任せてしまうのではなく、以下の点を確認したうえで実際に依頼するか検討しましょう。
- 知り合い以外の不動産屋にも査定依頼
- 担当者に査定価格の理由を確認
- 知り合いが勤める会社の口コミもチェック
知り合い以外の不動産屋にも査定依頼
知り合い以外の不動産屋にも査定を依頼してみることです。
知り合いの不動産屋だけに依頼してもそれが適正であるかどうかの判断ができません。仮に、知り合いの営業担当者に悪意がないとしても、査定価格が相場からずれているケースも考えられます。
そのため、知り合い以外の不動産屋に最低3社以上は査定依頼をして比較してみることをおすすめします。ほかの会社のほうが、スムーズに売却できると感じた場合は、そちらに依頼したほうがよいでしょう。
担当者に査定価格の理由を確認
知り合いの営業担当者に査定価格の根拠を確認することも大切です。
査定価格を算出するために仲介会社は、さまざまな物件調査をします。単純な近隣相場だけでなく、物件周辺の生活施設や雰囲気、物件の状態などを調査し、対象物件の強みと弱みを考慮したうえで査定価格を出します。
査定価格の理由が明確でない場合、しっかりと物件調査をしていないおそれがあります。根拠のない査定価格を提示している不動産屋は、仮に知り合いでも信用できないので、売却の依頼を考え直したほうがよいでしょう。
知り合いが勤める会社の口コミもチェック
確認事項の最後は、インターネット上で知り合いが勤める会社の口コミをチェックすることです。
あまり関係ないと思われがちですが、口コミは不動産業界においても会社を判断するうえで大切な指標です。
もちろん、すべてを信じる必要はありませんが、評判が悪い会社はインターネット上の口コミもひどい場合が多いです。事前に口コミをチェックしたうえで、気になる内容があれば担当者に確認して実情を確認してみるとよいでしょう。
利用者の口コミはもちろんですが、インターネット上の口コミは転職サイトにある過去に勤務していた社員が書いた口コミも参考になるでしょう。
なお、当メディアのリビンマッチは、不動産屋ではなく不動産の一括査定サイトですが、加盟しているのは第三者機関の信用調査を突破した優良な不動産屋のみです。口コミだけでなく、一括査定サイトの信用基準をクリアしているかどうかも、参考になるでしょう。
不動産屋の知り合い単独での依頼は推奨できない
検討した結果、知り合いの不動産屋に依頼するのはよいですが、デメリットを考えると単独で依頼するのはおすすめしません。
複数の不動産屋を比較・検討したい場合は、不動産の一括査定サイトリビンマッチを利用すると便利です。
複数の不動産屋を個別に検討するのは、手間も時間もかかりますが、リビンマッチであれば最短で複数社に不動産の査定依頼ができます。
インターネット上から簡単に一括査定出来ますので、チェックしてみてください。
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この記事の編集者
リビンマッチ編集部
リビンマッチコラムでは、むずかしい不動産の事をできる限りわかりやすく、噛み砕いて解説しています。不動産に対するハードルの高いイメージ、とっつきにくい苦手意識を少しでも取り除いて、よりよい不動産取引のお手伝いをさせていただきます。
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