家の売却は内覧で決まる!買主の心をつかむためにやるべき準備と当日の対応
家を売却するときは、購入希望者に対して内覧を行うのが一般的です。家のなかを見てもらうことで、実際に住んだときのイメージができるため、購入意欲を高められます。
ただし、内覧から購入につなげるには、購入希望者の心をつかむ工夫が必要です。それには、適切な準備と当日の対応が重要になるため確認しておきましょう。
もくじ
家の売却に内覧が必要な理由
家を売却するときに内覧を行うのは、購入希望者に室内を見学してもらい、購入を決めてもらうためです。家は高い買い物のため、立地や間取り、価格だけで簡単に決められるものではありません。
購入希望者は、実際に家のなかを歩き回り、部屋の広さや配置、設備などを確認して、さらにどのような人が住んでいるのかを知ることで購入を決めます。そのために内覧が必要なのです。
また、内覧は所有者が購入希望者に直接アピールできる場でもあります。実際に住んでる人しかわからない家の魅力を伝えることで、購入したいと思ってもらえる可能性が高くなります。
家を売却するときの内覧の流れ
家を売却するときの内覧の流れは次のとおりです。
- 不動産会社と打ち合わせをする
- 内覧希望の申し込みがある
- 内覧を実施する
部屋のなかを見ずに家を購入する人はほとんどいません。つまり、家を売却するなら内覧はほぼ必須です。内覧を実施するときは、正しい手順と対応をすることで、早期売却につながる可能性が高くなります。
①不動産会社と打ち合わせをする
家を売却するときは、不動産会社と媒介契約を結ぶのが一般的です。
媒介契約とは、不動産会社に不動産の売却を委託するための契約です。媒介契約を結んだあとは、不動産会社と内覧の条件について打ち合わせをします。
打ち合わせの内容は、内覧可能な日時、内覧の立会いの有無、購入希望者にアピールしたいポイントなどです。売却予定の家に誰も住んでいなければ、不動産会社にカギを預けて、内覧をすべて任せることもできます。
内覧の打ち合わせが終わると、不動産会社は不動産ポータルサイトなどの掲載、チラシの配布、セミナーなどの販売活動をして購入希望者を探します。物件に興味をもった人から内覧の申し込みがあれば、不動産会社は打ち合わせた通りに案内をします。
不動産会社は複数社を比較して選ぶことが重要
媒介契約を結ぶ不動産会社がまだ決まっていない場合は「リビンマッチ」を利用しましょう。
リビンマッチでは売却したい物件の情報を入力すると、最大6社の不動産会社に一括で査定を依頼できます。不動産会社によって販売方法が違うため、同じ物件でも売却価格や売却時期が変わることがあります。
そのため、1社だけに相談するのではなく、複数社の提案を比較して選ぶことが大切です。
②内覧希望の申し込みがある
購入希望者があらわれると、媒介契約を結んだ不動産会社から連絡がきます。その際、内覧の日程調整が行われることが多いです。
内覧希望日は、申し込みから2〜3日後になるのが一般的ですが、翌日や当日を希望する人も珍しくありません。急だからといって内覧を断ると、売却の機会を逃がしてしまうことになります。
そのため、家の販売活動を始めたらできるだけ予定を空けておき、いつでも内覧に対応できるようにしましょう。
内覧の申し込みがなければ条件を見直す
家の販売活動が始まっても、内覧の申し込みが全くないことがあります。
原因はさまざまですが、代表的なものには下記があります。
- 売り出し価格が相場よりも著しく高い
- 販売活動が積極的に行われていない
- 築年数が古い
物件に原因があれば、不動産会社と相談をしてリフォームや値下げなどで対応しましょう。不動産会社が原因であれば、媒介契約先を変える決断も必要です。専任媒介契約と専属専任媒介契約の契約期間は3カ月のため、期間終了後に変更可能です。
③内覧実施
内覧当日は、不動産会社の担当者と購入希望者が待ち合わせをして、一緒に訪ねてくることが多いです。内覧は、媒介契約を結んだ不動産会社の担当者が中心となって進行します。購入希望者は、自分が住む家になるかもしれないので、基本的に家のなかをすべて見て回ります。
また、物件や周辺の環境について、購入希望者から質問されることがあります。不動産会社の担当者に答えてもらうこともできますが、アピールポイントなどを直接伝えたければ、売主自ら話をしても問題ありません。
内覧当日までの準備
内覧で購入意欲を高めるには、内覧当日までに次の準備をしておきましょう。
- 室内の整理整頓をする
- 掃除やメンテナンスをする
- 伝える内容をまとめる
家の販売活動が始まると、内覧の申し込みがいつ来るかわかりません。準備には思ったよりも時間がかかるため、申し込みがあってからでは間に合わないことがあります。
販売活動の期間中は、いつ内覧の申し込みが来ても万全の対応ができるように準備を進めておきましょう。
室内の整理整頓をする
内覧当日は、室内を整理整頓しておくことで購入希望者の購入意欲を高められます。
隅々まで整理整頓されている家は、清潔感が出るだけでなく、室内を広く見せる効果があります。壁や床などの傷や傷みの状態も確認しやすいため、不透明な部分がなくなり、購入希望者の評価が高くなるためです。
また、内覧では、クローゼットや押入れ、洗面台下の収納の中など、普段人に見せることのない場所も確認します。表向きだけでなく、どこを見られてもいいような整理整頓を心がけましょう。
なお、物が多くて整理整頓が難しい場合は、トランクルームなどを借りて一時的に避難させることも検討しましょう。
掃除やメンテナンスをする
内覧の前は、家の掃除やメンテナンスも欠かせません。
家の掃除で特に注意したいのが玄関と水回りです。玄関は、購入希望者が最初に見る場所です。ゴミやホコリ、余計な靴、私物があると、その時点で購入意欲が下がるおそれがあるため、徹底的な掃除や片づけが必要です。
また、キッチン、洗面台、お風呂、トイレなどの水回りは汚れやすく、購入希望者も注目するポイントです。水アカやカビなどが発生していると不潔感を与えるため、こすりあらいや漂白をして汚れが目立たないように対策が必要です。
さらに時間に余裕があれば、フローリングにワックスをかけてツヤを出したり、窓ガラスを拭いて室内を明るくするなどのメンテナンスもしておきましょう。
臭い対策も大切
内覧では室内の臭い対策も重要です。部屋の臭いが購入希望者にとって不快だった場合、購入意欲が下がるおそれがあります。
排水溝は、専用の洗浄剤を使って臭いの原因を取り除くほか、シューズボックス、押し入れなどは、こまめに換気して臭いがこもるのを防ぎましょう。
また、日々生活をしていると、室内にさまざまな臭いが少しずつ染みついていきます。壁紙、カーテン、カーペットなどにも臭いが染みついていることがあるため、費用は掛かりますがハウスクリーニングの依頼も検討しましょう。
伝える内容をまとめる
内覧時は、購入希望者から家のことについてさまざまな質問を受けることがあります。不動産会社の担当者が回答できるものもあれば、売主にしか答えられないものもあります。
売主の回答が購入の決め手になることもあるため、質問に対して答えられるように事前に準備しておきましょう。
内覧時によく質問される内容は次のとおりです。
- 家を売却する理由
- 周辺の騒音状況
- 値引きの可否
購入希望者は、リアルな情報を求めているため、売主からの回答を望むかもしれません。しかし、回答が難しい質問であれば、不動産会社の担当者に答えてもらうこともできます。
また、価格交渉などの質問はトラブルを避けるため、その場で回答せず必ず不動産会社を通して行いましょう。
内覧中にすべきこと
購入希望者が内覧に来たときは、次のことを心がけましょう。
- 購入希望者に明るい態度で接する
- 部屋を明るくする
- アピールポイントを伝える
内覧を申し込む人は、購入意欲が高いと考えられます。家に対して持っている不安や疑問が内覧で解決すれば、家の売却に一歩近づくでしょう。
内覧にかかる時間は1~2時間程度です。限られた時間のなかで購入希望者に買いたいと思われるような対応をしましょう。
購入希望者に明るい態度で接する
内覧中は、購入希望者に対してだけでなく、不動産会社の担当者にも明るい態度で接するように心がけましょう。初めての内覧は緊張するかもしれませんが、それは購入希望者も同じです。初めての場所や人に緊張や不安な気持ちがあるかもしれません。
しかし、明るい態度で接してもらえれば、購入希望者はリラックスした状態で内覧を進められます。購入希望者は気になることがあれば気軽に売主へ質問できるため、内覧を通して不安や疑問が解消しやすくなります。
結果、家の購入を前向きに検討する可能性が高くなるでしょう。
身だしなみも整える
内覧時には身だしなみも大切です。清潔感のある服装やふるまいをすることで、購入希望者の印象がよくなります。
スーツなどのフォーマルな服装で対応する必要はありませんが、スウェットや寝起きのようなぼさぼさの髪型で対応すると、購入希望者からの印象が悪くなるおそれがあるため注意しましょう。
部屋を明るくする
内覧時は、部屋をできる限り明るくしておきましょう。明るい部屋は、気持ちが明るくなるだけでなく、開放感があるため実際より広く感じさせる効果があります。
また、室内の状態もよく見えるため、購入希望者は隅々まで確認できます。
部屋を明るくするには次の方法があります。
- カーテンを開けて日光を取り込む
- 照明器具のホコリをふき取る
- 壁紙を拭いて汚れを取る
- すべての照明を点ける
部屋の明るさは、家を決めるときに重要視されます。購入希望者から日当たりの時間や向きなどを質問される可能性が高いため、回答できるようにしておくことも大切です。
アピールポイントを伝える
内覧時は、家の良いところをアピールすることが大切です。
購入希望者は家に関するさまざまなことを質問してきます。質問に答えられるように備えるだけでなく、実際に住んでいる人でなければわからない情報を伝えることで、購入希望者が実際に住んだときの生活を具体的にイメージできるようになります。これにより購入希望者の購入意欲を高められることがあります。
たとえば、断熱性や気密性に優れていて光熱費が抑えられることや、日当たりの良さ、ゴミの収集時間が遅いといった情報があればアピールポイントとして伝えられます。
また、周辺環境についても、購入希望者に小さな子供がいる場合は、土日や遅くまで診療している小児科や、コミュニティセンターがあることを伝えてみましょう。アピールポイントは、あらかじめ10個ほど考えておき、すぐに言えるように準備しておきましょう。
内覧でやってはいけないこと
内覧では、やってはいけないことがあるため注意が必要です。売却のチャンスを失うだけでなく、損失につながるおそれもあるため確認しておきましょう。
都合の悪い情報を隠す
内覧では、家の購入を決めてもらいたいため、いいところだけを伝えたくなりますが、悪いところがあれば隠さず正直に伝えましょう。
不動産に欠陥や不具合がある状態を瑕疵といい、不動産を売却する人は、「瑕疵担保責任」という義務を負います。瑕疵を隠して売却した後に発覚した場合、買主に責任を追及され、その責任を負うことになるためです。
買主からは、減額や契約解除だけでなく、損害賠償を請求されることもあり、大きな損失につながるおそれがあります。瑕疵かどうかの判断ができない場合は、内覧前に不動産会社の担当者に確認をしておくと安心です。
瑕疵については関連記事をご確認ください
家のアピールをしすぎる
内覧中は、アピールのしすぎに注意しましょう。内覧の目的は、家の購入を検討している人に室内を見学してもらうことです。売主のアピールが強すぎると、購入希望者が物件をゆっくり見られません。
また、マイナスポイントがあれば正直に伝えましょう。家の売却には購入希望者との信頼関係の構築が重要です。プラスのポイントだけをアピールすると、不信感につながり購入意欲が下がるおそれがあります。
内覧終了後の対応
内覧が終わったら購入希望者からの結果を待ちます。購入希望者からの返事は1週間ほどで来るケースが多いです。媒介契約を結んでいる不動産会社を通じて届くため、購入希望者と直接やり取りをすることはありません。
購入が決まれば、不動産会社に依頼して売買の手続きを進めてもらいます。購入につながらなければ、次の内覧に向けて準備をします。購入希望者によっては購入に至らなかった理由を伝えられることがあるため、不動産会社と相談をして、次の内覧に活かせるように改善しましょう。
家を売却に購入希望者の質が大切
家を売却するために内覧は欠かせません。しかし、実際に売却へつなげるには、購入意欲の高い人に内覧をしてもらう必要があります。
購入意欲の高い人に内覧をしてもらうなら、不動産会社選びが大切です。販売活動をしてから売却につながるまでの内覧の回数は平均で10回と言われていますが、購入意欲の低い人ばかりでは、売却につながる可能性は低いためです。
不動産会社選びで大切なのは、複数社に査定を依頼して提案を比較することです。そのためには、一括査定サイト「リビンマッチ」をぜひご利用ください。売却したい家の条件を入力すれば、最大6社の不動産会社へ同時に査定を依頼できます。1社ずつ問い合わせるよりも手間が省けるため、この機会に利用してみましょう。
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2022年からリビンマッチのコラム記事の執筆・編集を担当しています。不動産の財産分与に関する記事執筆が得意です。住宅設備機器の専門商社に6年間従事した知識と経験を活かして、不動産に関する知りたかったこと、知っておいた方がいいことをわかりやすく伝えられるように心がけています。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
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