【体験談】オーストラリア移住のメリット7選とデメリット7選
南半球に位置するオーストラリアは、北半球に位置する日本とは季節が真逆です。移住すれば真夏にクリスマスを過ごすことでしょう。
そんな日本との違いに関心が集まるのか、2022年10月時点でオーストラリアにいる日本人の数は9万9,494人とアメリカ、中国についで3番目に多いです。(参考:外務省 海外在留邦人数調査統計「令和4年10月1日現在」)
昔からワーキングホリデーや留学先として人気だったのに加え、最近では円安の影響から出稼ぎ目的で渡航する人もいます。
本記事ではオーストラリアに移住したい日本在住者へ向け、2年以上のオーストラリア在住経験と最新の情報をもとに、オーストラリア移住のメリットとデメリットを紹介します。
「オーストラリア移住って実際どうなのだろう」「思いつきで移住して後悔したくない」とオーストラリア移住に関心がある方は、ぜひ参考にしてください。
もくじ
オーストラリア移住のメリット7選
オーストラリア移住のメリット7選は次のとおりです。
- 温暖な気候で過ごしやすい
- 労働環境が良く、人付き合いもラク
- 治安がよく平和
- 多様な文化を味わえる
- 日本との時差がほとんどない
- 最低時給が日本より高い
- 地震などの自然災害が少ない
温暖な気候で過ごしやすい
オーストラリアの気候は、エリアによって違いは見られるものの、各都市は年間を通して温暖で過ごしやすい気候です。
何よりも魅力的なのが、カラッとした爽やかな夏です。日本よりも気温が高くなることはありますが、湿気がなく、熱帯夜にもならないので快適に過ごせます。
また、オーストラリア全土で平均して晴天率も高いので、スポーツやアクティビティを楽しみたい方にはおすすめです。冬になると本州と同じくらいの寒さですが、ほとんど雪が降ることはありません。
労働環境が良く、人付き合いもラク
オーストラリアの働き方は、仕事よりもプライベートが重要視される傾向があるため、労働環境は非常によいといえます。
残業はめったになく、体調不良や子どものために休みを取ることはごく普通です。
また、日本のように周囲に合わせたり、周りの目を気にしたりする文化もありません。人付き合いにおいても非常にラクに感じられるでしょう。
治安がよく平和
Institute for Economics and Peace(経済平和研究所)が163カ国の国を対象に発表した「Global Peace Index 2022」(2022年の世界平和度指数)によると、オーストラリアは平和度指数が1.565と163カ国中ランキング27位でした。
平和度指数は数値が低いほど治安がよく、平和な国であることを示しています。ちなみに日本は平和度指数1.336とランキング10位です。
日本ほどではありませんが、下記の平和度指数ランキングを見るとオーストラリアは他国に比べ比較的平和で治安がよいといえます。
国 | 平和度指数 | ランキング |
---|---|---|
日本 | 1.336 | 10位 |
オーストラリア | 1.565 | 27位 |
台湾 | 1.618 | 30位 |
イギリス | 1.667 | 34位 |
韓国 | 1.779 | 43位 |
中国 | 2.01 | 89位 |
アメリカ | 2.44 | 129位 |
トラブルが起こっても命にかかわるケースはほとんどなく、スリや置き引き、車上荒らしなどの軽犯罪のほうが多く見られます。
もちろん、夜遅くに一人で出歩かない、貴重品は常に身につけておくなど、最低限の防犯対策は心がけましょう。
多様な文化を味わえる
オーストラリア最大の特徴は、移民が多い多民族国家である点です。多様な価値観を持つ人々と交流ができ、常に世界中の文化に触れられる点は、オーストラリアならではの魅力でしょう。
多様性を受け入れる風潮が強く、差別や偏見が少ない点からも、移住しやすいといえます。
日本との時差がほとんどない
時差がほとんどないことは、日本人にとって大きな利点です。
国土が広大なため国内に3つのタイムゾーンがあるオーストラリアですが、日本との時差は30分~2時間のみとなっています。
都市 | 日本との時差 |
---|---|
シドニー | +1時間/サマータイム時は+2時間 |
メルボルン | |
アデレード | +30分/サマータイム時は+1時間30分 |
パース | -1時間/サマータイムなし |
ケアンズ | +1時間/サマータイムなし |
ゴールドコースト | |
ブリスベン |
主要英語圏 | 日本との時差 |
---|---|
ロンドン | -9時間/サマータイム時は-8時間 |
ロサンゼルス | -17時間/サマータイム時は-16時間 |
ニューヨーク | -14時間/サマータイム時は-13時間 |
バンクーバー | -17時間/サマータイム時は-16時間 |
トロント | -14時間/サマータイム時は-13時間 |
ニュージーランド | +3時間/サマータイム時は+4時間 |
ヨーロッパやアメリカと比較すると、その差は歴然でしょう。時差が少ないため、移住をしても日本の家族や友人とスムーズに連絡を取り合うことが可能です。
最低時給が日本より高い
オーストラリアの給料の高さは世界でも有名ですが、2022年7月より最低時給がさらに5.2%引き上げられ、21.38AUD(オーストラリアドル)(参考:Fair Work 「Minimum wages」(英語))となりました。これは、日本円にして時給約2,000円です。
2022年日本で最低時給が1,000円以上の都道府県は、東京、神奈川、大阪の3つのみで、最も高い東京で1,072円(参考:厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」)です。ほとんどの都道府県の時給が800円代ということを考慮すると、オーストラリアの時給は日本の2倍を軽く超えることがわかります。
加えて、オーストラリアは土日、祝日には時給が1.5倍~2倍に上がります。さらに、早朝、深夜、時間外労働手当も発生するので、かなりの高収入が期待できるでしょう。
地震などの自然災害が少ない
地震、津波、大雨、台風などの自然災害が多発する日本に比べ、オーストラリアは自然災害が少ないです。
オーストラリアで地震が起こりにくいのは、プレートのうえに国土全体が乗っているためです。4つのプレートの境界上に位置する日本とは対照的です。
画像引用:気象庁「地震発生のしくみ」
オーストラリアで気になる災害といえば、山火事です。2019年にクイーンズランド州に甚大な被害をもたらした山火事は、当時世界でもニュースになりました。
しかし、この規模の山火事は毎年発生するわけではありません。都市部に住んでいれば、まず心配する必要はないでしょう。
オーストラリア移住のデメリット7選
オーストラリア移住のデメリット7選は次のとおりです。
- 紫外線が強すぎる
- 英語ができないと困る
- 物価が高い
- 性格や仕事観、時間の感覚が合わなくてストレスになる
- 気軽に病院へ行けない
- 日本の家族や友達になかなか会えない
- ビザ費用が高額で永住が難しい
紫外線が強すぎる
オーストラリアの紫外線の量は日本の5倍以上といわれており、皮膚がん発症率は世界一を記録しています。よって、紫外線対策をせずに過ごすと、肌が弱くない人でもシミやそばかすができやすくなるので、常に注意が必要です。
紫外線による健康被害を防ぐため、オーストラリア政府は1980年代から「Sun Smart(サン・スマート)」プログラムを導入しています。中でも、特に力を入れているのが子どもへの紫外線予防指導で、「Slip, Slop, Slap, Wrap(スリップ・スロップ・スラップ・ラップ)」というスローガンは、オーストラリアの各家庭に浸透しています。
Slip, Slop, Slap, Wrap(スリップ・スロップ・スラップ・ラップ)のスローガンは次のとおりです。
- Slip on a long sleeved shirt!:長袖のシャツを着よう!
- Slop on some sunblock!:日焼け止めを塗ろう!
- Slap on a hat that will shade your neck!:帽子をかぶろう!
- Wrap on some sunglasses!:サングラスをかけよう!
オーストラリアに住むのであれば、真夏はもちろんのこと、6月~8月の冬でも紫外線対策を心がけましょう。
英語ができないと困る
オーストラリアに限らず、海外に永住する場合、その国の言語は身につけておくべきです。
旅行や短期滞在であればそれほど問題にはならないかもしれませんが、住むとなると話は別です。家の契約、子どもの学校の入学手続き、病院での受け答え、トラブル対応などの際に英語ができなければ、生活に支障をきたしかねません。
また、言語が壁となり、現地の人より仕事を見つけにくいのも事実です。日本人(=非英語圏の人)という理由で、書類に目を通すことすらしてもらえないおそれがあります。残念ながら、日本で優れたキャリアがあっても、コミュニケーションの面から職種レベルを落として働いている人が多いのが現状です。
オーストラリアに移住したいのであれば、日常生活レベル以上の英語力を身につけておきましょう。
物価が高い
オーストラリアに初めて来た人は、その物価の高さに驚かされることでしょう。
米や小麦、パンなどの主食、野菜、果物といった食材はそうでもありませんが、輸入コストがかかる衣料品、雑貨、加工食品などは日本の約2倍の値段で売られていることもあります。
そして、誰もが高いと口をそろえるのが外食の金額です。まず、ランチでも15~20AUD(日本円で約1,500~2,000円)は当たり前で、日本のように500円以下で食べられるところはまず見当たりません。
ディナーにいたっては、1品で20~30AUD(日本円で約2,000~3,000円)が相場です。普段外食をメインにしている人は、自炊に慣れておきましょう。
性格や仕事観、時間の感覚が合わなくてストレスになる
たった数分でも電車が遅れれば遅延証明が発行されて当然、という感覚の日本人からすると、オーストラリアの人々の適当さにはイライラさせられるかもしれません。
「どんなに重要なアポイントであっても平気で遅れる」「重要書類のミスが発覚しても悪びれるそぶりが一切ない」そんな人も多くいます。
よく言えばおおらか、悪く言えば適当な性格に振り回されてしまう日本人は少なくないでしょう。
サービスにおいても、郵便物の置き配、アパート入居時に清掃がされていないなどは日常茶飯事です。日本のような迅速かつ丁寧なサービスは期待しないほうがよいでしょう。
気軽に病院へ行けない
医療へのアクセスの悪さは、オーストラリアに住むときの不安要素だといえます。
風邪をひいたら内科、肌のトラブルなら皮膚科と、症状ごとに自分で病院を選べる日本の医療制度。それに対してオーストラリアでは、どんな症状であっても、まずは総合診察医(GP: General Practitioner)の受診が必要です。
専門性の高い治療が必要だと総合診療医が判断した場合に、初めて専門医や病院が紹介される仕組みです。(参考:外務省『世界の医療事情「オーストラリア」』
しかし、総合診療医の受診は予約制のため、気軽には利用できないのが難点です。すぐに診てもらいたくても、早くて2カ月後、というケースも少なくありません。
日本の医療システムの方が安心だという声が多いのにも、うなずけます。
日本の家族や友達になかなか会えない
南半球に位置するオーストラリアから一時帰国するのは、簡単ではありません。なぜなら、航空券が往復で数万円のアジア圏と比較して、オーストラリアの場合は10万円前後と決して安くない金額がかかるためです。年に1回帰ることができればよいほうでしょうか。
大切な人が日本にいる場合、何かあってもすぐに駆けつけられないのは、海外生活を送るうえでは避けられない問題です。もしもの時のリスクも踏まえて、移住を検討しましょう。
ビザ費用が高額で永住が難しい
オーストラリアの永住権取得にあたり、もっともネックになるのがビザ申請費でしょう。
増え続ける移民を制限するため、ビザの発行条件を厳しくするとともに、ビザ取得費の値上げも行われています。
2021年時点のビザ申請費は、中期就労ビザが2,690AUD(日本円で約25万円)、永住権では4,115AUD(日本円で約37万円)です。これだけならまだ許容範囲といえますが、さらに移民コンサルタントに支払う代行手数料、生活費、学費、各種証明書発行手数料、英語の試験代などが上乗せされることも忘れてはいけません。
特に、移民コンサルタント代行手数料は50万円~100万円とかなり高額です。このために、オーストラリアの永住権を諦めてしまう人も少なくありません。
移住するか迷ったら
オーストラリアに、いきなり移住するのは不安でしょう。移住するか迷う方は、試しに留学してみたり、ワーキングホリデーをしてみたりして、オーストラリアの生活が自分に合っているか確認しましょう。
短期間の旅行でも行かないよりはよいですが、やはり移住するのであれば最低でも数カ月は暮らしてみたほうがよいでしょう。旅行でホテル暮らしをするのと、実際に家を借りて生活するのでは、大違いです。
そうはいっても留学費用が足りない!移住のためのビザ申請費が足りない!となれば、数カ月オーストラリアで過ごすことすら難しいでしょう。もちろん、ワーキングホリデーでお金を稼ぎながら暮らす選択肢もありますが、物価の高いオーストラリアでは節約する必要があります。現地でできた友人と旅行したり、観光したりしたければ、ある程度日本にいるときから貯金しておきたいところです。
貯金するのにおすすめの方法のひとつが持ち家の売却です。移住したい!とお考えの方は、住む場所にあまりこだわりがない方が大半ではないでしょうか。留学や移住で長期間離れるあいだ、持ち家に誰も住まないのはもったいないです。しかし、売却してしまえば、売却したお金でオーストラリア生活を満喫できますし、何より移住費用の足しにできます。
日本は円安の影響で、いま不動産価格が上昇中です。いまのタイミングで売却を検討しておくと、円安が落ち着いたタイミングで売却するより高く売れるかもしれません。試しに不動産の一括査定サイトで査定価格を確認しておくことをおすすめします。
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この記事の編集者
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