マンション購入は売却前提がおすすめ!その理由と事前に確認したいこと
マンションを購入したからといって、一生そこに住む必要はありません。住み慣れた家もよいですが、年齢や時代が変われば理想の家も変わります。実際、子どもの成長や自身の退職のタイミングに合わせて、移住したり老人ホームに入居したりと住み替えを検討される方は多いです。
しかし、いざ環境に合わせて住み替えようと思っても、マンションの買い手がつかなかったり、売却価格が希望に届かなかったりして実現が難しいケースがあります。そのようなリスクを避けるには、マンションを選ぶ際、売却を前提にすることが重要です。
そこで本記事では、5年以上のキャリアをもつ現役の不動産営業担当者がマンションを売却前提で購入したほうがよい理由と、購入時に選びたいマンション、マンションを高く売るための注意点を解説します。
もくじ
マンションを売却前提で購入したほうがよい理由
まず、マンションを売却前提で購入した方がよい理由について解説します。理由を知ることでマンションの物件選びにも役立つので、ぜひ参考にしてください。
家族構成の変化
家族構成の変化とは、出産など家族が増えるケースと子供の自立などで家族が減るケースがあります。
子どもが小さいときは十分な広さでも、成長するにつれて手狭に感じることもあるでしょう。もちろん、多少の不便さはあっても住み続けることができますが、売却して広い物件に住み替えたほうが、より快適に過ごせる可能性が高いです。
家族構成の変化により売却の可能性があることは、購入時に意識するべきポイントです。
転勤による引っ越し
会社員で働いていると、会社都合で転勤を言い渡されることがあります。転勤先が住んでいる場所と離れていて通勤ができない場合、引っ越しを余儀なくされるおそれがあります。
誰も住まなくなったマンションは、賃貸物件として貸し出す選択肢もありますが、管理が煩わしいなどの理由から売却したい人もいるでしょう。
しかし、転勤は多くの場合、引っ越し時期が決まっているため、売却までの期間があまり残されてないケースもめずらしくありません。引っ越しまでに買い手が見つからなければ、内覧のたびに引っ越し先から移動する必要があり手間がかかります。
転勤だけではないですが、引っ越しを迫られたときに売却の必要性が出てくることも考えておくとよいです。
収入の減少
マンションを購入したあと、会社の業績悪化や転職などが原因で収入が減少し、住宅ローンの返済が難しくなるケースがあります。
収入が減ったことにより住宅ローンが返済できなくなると、マンションに住み続けられないため、売却するしかありません。
さらに、住宅ローンを滞納すれば、金融機関からの申し立てにより住宅を競売にかけられ、強制的に売られてしまいます。競売による売却価格は、相場よりもかなり安くなってしまいます。
住宅ローンは長期で組むケースがほとんどなので、収入の減少によりマンションを売却する可能性があることは、必ず想定しておきましょう。
市場の景気が変動する可能性
将来的に金利が大幅に上がった場合、住宅ローンの返済はきつくなりますが、同時にインフレーション※による売却のチャンスでもあります。
- ※インフレーション
- 物価が上がりお金の価値が下がること
景気はよくも悪くも変動しますが、どちらせよ売却に至る可能性があることは頭に入れておきましょう。
売却前提で購入するときに選びたいマンション
次に、売却前提で購入するときに選びたいマンションについて解説します。なお、投資用不動産を購入するときも、売却したいときに売却できるのかを考える「出口戦略」はとても重要です。
中古マンション
売却前提でマンションを選ぶのであれば、新築よりも中古のほうがおすすめです。
「新築のほうが、価値が高いのでは?」と疑問が飛んできそうですが、売却前提でマンションを購入する場合、購入時の価値よりも売却時の「価値の下落幅」を考えることが重要です。
新築物件は新築時のプレミアム価格が必ず設定されているので、仮に築浅の中古物件と比較してもかなり割高です。そのため購入時と売却時で、価値の下落幅は大きくなる傾向があります。
逆に中古物件の場合は、購入してから20年以上など、買ってから売るまでの期間がよほど開いていない限り、下落幅は比較的少ない傾向にあります。
もちろん物件によって違いはありますが、売却前提とした場合、価値変動を考えると中古物件のほうがよいといえるでしょう。
立地がよいマンション
マンションに限らず不動産は立地によって価値が大きく変わります。
立地がよいとは駅からの距離や病院、スーパーなど生活施設の充実度、学校などの教育施設までの距離など、さまざまです。
エリアによりますがマンションの場合、都市部になるほど駅から近い物件の需要が高い傾向が強いです。
売却前提でマンションを購入するなら、周辺にある施設を分析して、人気のエリアをチェックしてみるとよいでしょう。
管理が行き届いたマンション
マンション選びでは、管理会社も大切なポイントです。
どんなに設備が整っているマンションでも、管理体制がずさんだと老朽化が早く、綺麗な状態を保てません。
マンションの管理状態を見分けるには、共用部分の清掃状況などが参考になります。
共用部分の管理は管理会社が担当しているため、清掃が行き届いていない物件は、管理が雑な場合が多いです。中古物件であれば、不動産会社を通して売主に清掃状況を事前にヒアリングをしてもらうのがよいでしょう。
管理が雑なマンションは、資産価値の下落が激しく、悪い評判が流れると売却にも悪影響です。そのため、マンションを購入する前に管理状況をチェックしておきましょう。
心理的瑕疵 がないマンション
売却前提でマンションを購入するのであれば、必ず心理的瑕疵がない物件を選びましょう。
心理的瑕疵がある物件とは、過去に死亡事件や火災などの事故が発生した物件のことで、いわゆる「事故物件」といわれるものです。
賃貸物件であれば、家賃が安いという理由で希望する方も一定数いますが、売却前提で購入する場合は、極力購入するのは辞めておきましょう。
安いからと言う理由で購入してしまうと、売却価格が下がるだけでなく思わぬリスクやトラブルに発展するおそれがあります。
売却前提のマンションを高く売るための注意点
最後に、売却前提のマンションを高く売るための注意点を紹介します。
売却前提で考える場合、購入する物件の選定も大切ですが、売却に向けた努力も同じくらい大切です。
売却価格を少しでも高くするために、ぜひ参考にしてください。
なるべく早めに売る
売却するのが確定しているのであれば、なるべく早めに売るのがおすすめです。
マンションは築年数による価値が下がりにくいとはいえ、できれば早めに売却したほうがよいでしょう。
「早く売ったところで今は引っ越せない」そんな場合でも引き渡し時期を1年後など長めに設定するのを条件に、売却活動を始めることはできます。
早く売却に向けて動いたほうがが、引き渡しまでの時間が長く、余裕をもって売却活動ができます。
マンションの価値変動と売却までの時間的な余裕を考えて、なるべく早めに売却しましょう。
ポータルサイトで相場をチェックする
ポータルサイトで周辺の相場をチェックするのも、高く売却するために大切なポイントです。ポータルサイトは売り出し中のマンション情報を確認できるサイトです。具体的には、SUUMO(スーモ)やLIFULL HOME’S(ライフルホームズ)などが挙げられます。
何も情報がないまま不動産会社に売却を依頼しても、提示された価格が妥当かどうかの判断がつきません。
不動産会社の営業担当者に言われるがまま売却してしまい、結果的に安く売ってしまう人は多くいます。高く売却するためにも、必ず自分自身で相場チェックしておきましょう。
売却する最低価格を決めておく
マンションの売却価格を交渉するときは、最低ラインをを決めておくのも大切です。
相場からかけ離れている価格設定はよくありませんが、最低売却価格を不動産会社に伝えておくことで、購入希望者の予算感に合わせて物件を紹介してもらえます。
アピールポイントをまとめておく
売却するマンションのアピールポイントをまとめておくと、物件のPR(ピーアール)に役立つだけでなく、不動産会社への印象もよくなります。
不動産会社に売却を依頼すると広告、宣伝まで任せられますが、任せっきりは、あまりよくありません。
自宅マンションの魅力は住んでいる所有者が一番わかっていることなので、まとめておいて不動産会社から購入希望者にアピールしてもらいましょう。
所有者の実際の声を不動産会社の営業担当者に伝えることで、リアルなマンションの魅力を購入希望者に説明してもらいやすくなります。
内覧に備えて部屋の整理を!
内覧者が来たときのために部屋の整理をしておくのも大切です。
マンションを売却する際、内覧希望者がいれば自宅の中を見てもらう必要があります。その際、部屋が片付いていないと物件自体のイメージが悪くなり、売却するうえで不利になる場合があります。
また、片付いていないために内覧希望者と予定が合わせられないと、機会損失につながるおそれがあります。購入希望者が次に住むときの家具・家電の配置や動線などの、生活イメージもしにくくなります。
すぐに引っ越しができるレベルまでは必要ないですが、最低限、内覧をしてマイナスにならない程度には部屋の整理をしておきましょう。
不動産の一括査定サイトで相見積もりする
売却するマンションをいくらで売り出すか、マンションがいくらで売れやすいか確認する最も簡単な方法が、不動産の一括査定サイトを使うことです。不動産の一括査定サイトは、売りたいマンションの情報を入力すると、一度に複数の不動産会社へ査定依頼ができるサイトです。
査定額は不動産会社によって幅がありますが、複数の査定額を確認すればだいたいの平均値を割り出せます。また、査定依頼を出した会社の担当者から「なぜこの価格設定(査定額)なのか」プロ目線で回答してもらえます。
当メディアの不動産一括査定サイトは、最大6社の不動産会社にすぐに査定依頼ができます。実際に依頼をかける会社は自分で絞り込めますし、利用も完全無料ですので、マンションの価格設定や売れるか売れないかでお悩みの方は、ぜひお試しでご利用ください。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
リビンマッチコラムでは、むずかしい不動産の事をできる限りわかりやすく、噛み砕いて解説しています。不動産に対するハードルの高いイメージ、とっつきにくい苦手意識を少しでも取り除いて、よりよい不動産取引のお手伝いをさせていただきます。
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