狭小地の売買を成功させるポイント|売れにくい土地を売る方法
狭小地とは住宅の密集地に多い、66m2(20坪)もないような狭い土地のことです。土地が狭いので使いにくいなどの欠点がありますが、立地がよいなどの長所もあります。
狭小地を売却するときは、そういった長所をアピールすることが大切です。狭小地を売却するときに役立つ、狭小地を活用するポイントなどを解説します。
狭小地とは約66m2(20坪)以下の土地のこと
「狭小地」とは狭い土地のことで、明確な定義はありませんが、一般的には約50~66m2(15〜20坪)以下の土地を指します。狭小地に建物があれば「狭小住宅」と呼ばれます。
狭小地の形状は台形や三角形など不整形地のケースが多く、東京や大阪などの都市部に多数あります。都市部では土地が狭くても利便性のよい場所にマイホームがほしいという需要が多いため、それだけ狭小地が多く供給されているのです。
狭小地の特徴には、次のものがあります。
それぞれの特徴を詳しく解説します。
日当たりの悪い土地が多い
狭小地は隣家が近くに建っているため、日光がさえぎられて日当たりのよくない土地が多く、また風通しや眺望なども悪いことが多いです。日当たりを重視する人には、狭小地は敬遠されがちです。
日当たりなどを考慮して狭小地に建物を建てたい場合は、次のような工夫をしましょう。
- 3階建ての建物にする
- 2階をリビングにする
- 窓を大きくする
- 天窓を設置する
- 吹き抜けをつくる
日当たりの悪い1階を避けて2階をリビングすることで、生活空間の日当たりがよくなります。建物の間取りは設計次第でさまざまなアレンジができるため、設計士と相談しながら検討しましょう。
駐車場がつくれない、つくりにくい
狭小地は土地が狭いため、駐車場の確保が難しいです。駐車場を広くしようとすると、今度は家が狭くなってしまいます。家をなるべく狭くせずに駐車場を確保するには、次の方法があります。
- 1階部分をビルトインガレージにする
- 車を道路に対して並列に駐車する
土地の形状をなるべく活かした設計を考えましょう。
隣家がすぐ近くにあって窮屈
狭小地では土地の面積に余裕がないため、隣家との距離が非常に近いケースが多く、窮屈に感じます。生活音や視線、臭いなどで近所トラブルへと発展するケースもあるため、家を建てる場合は、隣家と窓の位置をずらしたり防音性を高めたりといった工夫が必要です。
庭がすごく狭い
駐車場と同様に、狭小地では庭が狭くなるケースが多いです。しかし、屋上テラスや中庭など、設計を工夫すれば庭のように使える空間を確保できます。庭をつくりたい場合は、設計士と相談して間取りを検討しましょう。
建物のメンテナンスがしにくい
外壁塗装や屋根補修などの工事は、足場を建てなければ工事ができません。足場を建てるには、建物の周囲に足場を建てるスペースが必要です。
狭小地では土地に余裕がないため、足場を設置するスペースを確保できないことがあります。そういった場合は隣家の敷地を借りて足場を建てることになります。隣家の協力が不可欠なため、建物のメンテナンスがしにくいでしょう。
狭小地が売れにくい理由
狭小地の特徴から、あまり好んで買う人が少ないことがわかります。しかしそれ以外にも、狭小地が売れにくい理由があります。
それぞれの狭小地が売れにくい理由を解説します。
住宅ローンがとおりにくい
狭小地は一般的な土地よりも、住宅ローンの審査がとおりにくいです。
住宅ローンは、金融機関が土地や建物を担保に設定することで融資されます。担保となる土地の価値が低いと、住宅ローンがとおりにくくなってしまうのです。また、住宅ローン控除を受けるには、土地面積が40m2以上が条件です。狭小地の面積が40 m2未満の場合は、敬遠されてしまうでしょう。
住宅ローンがとおらなければ、現金の一括払いで購入できる人しか買えなくなるため、需要が低くなってしまいます。
フラット35を利用できないことがある
狭小地では、フラット35を利用できないことがあります。
フラット35とは、住宅金融支援機構が金融機関と提携して扱う全期間固定金利型の住宅ローンのことです。フラット35の融資基準のひとつに、「住宅の延床面積が70 m2以上」があります。狭小地の建物がこの基準を満たさなければ、フラット35を利用できません。
建てられる家の制限が大きい
狭小地に建てられる家の制限が大きいと、売却しにくくなります。地域によっては、建築基準法による「道路斜線制限」や「北側斜線制限」などの高さ制限によって、好きな間取りで建てられないことがあります。
建築基準法による制限をクリアするには、設計や間取りの工夫が必要です。
建築費用が高くなりやすい
建築費用が高くなりやすいことが、狭小地が売れにくい理由のひとつです。
狭小地に住宅を建てる場合、さまざまな理由から建築費用が高くなります。たとえば、2階建ての住宅では必要のない構造計算が、3階建ての狭小住宅では必要です。構造計算とは、建物の構造部分にかかる力が安全であるかを確かめるために、さまざまな計算を行うことです。
ほかにも、建物が重くなることから地盤改良工事が必要だったり、近隣対策で防音性の高い建材を多くしたりと費用がかさみます。
建築工事でも狭小地は作業スペースや資材置き場が少ないため、通常より工期や手間がかかることがあります。
売却が成功する狭小地のポイント
狭小地でも売却をうまく成功させるポイントを紹介します。
狭小地の売却に悩んでいる方は、それぞれのポイントをチェックしてください。
周辺の地価が高い
地価が高いエリアにある狭小地だと、売却が成功しやすくなります。土地面積が狭いと、土地の購入費が周辺相場よりも安く抑えられるため、固定資産税などの税金も周辺より安くなりやすいことが理由です。
地価が高いエリアは人気もあるため、狭小地でも十分な需要を見込めます。
土地の利便性が高い
狭小地は都心部に多く、次のような利便性が高い立地にあることも多いです。
- 公共交通機関までの距離が近い
- スーパーなどの商業施設の距離が近い
- 通勤や通学がしやすい
周辺地域の利便性が、狭小地というデメリットを上回るくらい優れていれば、売却は成功しやすくなります。
土地の制限が少ない
3階建てを建てられるなど、土地の制限が少なければ売却しやすいでしょう。3階建ての建築が可能だと居住空間を増やせるため、間取りの自由度が高くなります。
屋上をつくったり吹き抜けにしたりなど工夫することで、日当たりの悪さや窮屈感のデメリットを払拭することも可能です。
売却する際は、建築可能な建物のプランをつくっておけば、購入希望者にイメージしてもらいやすくなるのでおすすめです。
リフォーム済みで家が新しい
狭小地に建っている家がリフォーム済みで新しい場合、売却がしやすくなります。家が新しければ建て替えが不要なので、メリットを感じる人が多くなります。
家をより魅力的に見せたい場合は、「ホームステージング」がおすすめです。ホームステージングとは、売却する家に家具などを置き、モデルルームのように家を演出するサービスです。
費用はかかりますが、多くの人に興味を持ってもらいやすくなったり希望よりも高く売却できたりする可能性が高まります。
隣地の所有者に売却する
隣地の所有者に売却する方法があります。たとえ狭小地でも、隣地の所有者が購入すれば、所有している土地と一体で使えます。
隣地の所有者であれば、駐車場に使ったり増築工事をしたりと、効率よく土地を活用してもらえるため、売却する際には隣地の所有者に購入意思があるか確認してもよいでしょう。
不動産買取を利用する
狭小地がなかなか売れない場合は、不動産買取を利用する方法があります。不動産買取は不動産会社が土地を直接買い取ることで、次のメリットとデメリットがあります。
不動産買取のメリット | 不動産買取のデメリット |
---|---|
|
|
不動産買取は、売却までの時間がかからず、仲介手数料や契約不適合責任も必要ありません。契約不適合責任とは、売却する狭小地が契約内容に適合していなかった場合に、売主が買主に対して負担する責任です。
不動産買取は相場より価格が安くなるデメリットはありますが、入金まで1カ月もかからないこともあるため、短期間で売却したい人におすすめです。
売れにくい狭小地は一括査定が効果的!
誰もがほしがっている土地を売却するのは簡単です。難しいのはほしい人が限られている、狭小地のような土地です。そういった土地を売却するには、どこかにいる狭小地を求めている人にアプローチできる不動産会社が欠かせません。
狭小地に価値を見出してくれる不動産会社を見つけるなら、業界最大手の一括査定サイト「リビンマッチ」がおすすめです。土地の情報や連絡先などを一度入力すれば、最大6社の不動産会社に査定を依頼できます。
査定価格や担当者の提案を比較すれば、安心して土地を任せられる不動産会社が見つけられます。土地の売却を検討している方は、まずリビンマッチをご利用ください。
売れなかった狭小地は不動産買取で売却できる
不動産会社の仲介で売却できなかったら、不動産買取もご検討ください。不動産会社に買い取ってもらえるため、売却までかかる期間を大幅に短縮可能です。
リビンマッチでは不動産会社を紹介するだけでなく、複数社から査定を受けられます。そのため、もっとも高値をつけた不動産会社に売却することが可能です。
狭小地の売却に悩んでいる方は、リビンマッチの不動産買取をご検討ください。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
リビンマッチコラムでは、むずかしい不動産の事をできる限りわかりやすく、噛み砕いて解説しています。不動産に対するハードルの高いイメージ、とっつきにくい苦手意識を少しでも取り除いて、よりよい不動産取引のお手伝いをさせていただきます。
誤字脱字や事実誤認などございましたら、ぜひともご指摘ください。
運営会社:リビン・テクノロジーズ株式会社(東京証券取引所グロース市場)
人気ワード
離婚で家を財産分与 (27) 老後の住まい (24) 売れないマンション (16) 一括査定サイト (15) 離婚と住宅ローン (13) 海外移住 (11) 訳あり物件 (11) 家の売却 (11) 家の後悔 (10) 不動産高く売る (9) 実家売却 (9) マンション価格推移 (8) マンションの相続 (8) 移住 (7) アパート売却 (7) 不動産会社の選び方 (6) マンション売却の内覧 (6) 家の価値 (6) 離婚と家 (6) 売れない家 (5) お金がない (5) 空き家売却 (5) 離婚準備 (5) 離婚と家売却 (5) 農地売却 (4) 近隣トラブル (4) マンション買取 (4) 家の解体費用 (4) 売れない土地 (3) マンションか戸建てか (3) サブリース (3) イエウール (3) 不動産価格推移 (3) リビンマッチ評判 (2) シンガポール移住 (2)リビンマッチコラムを引用される際のルール
当サイトのコンテンツはどなたでも引用できます。 引用にあたって事前連絡などは不要です。 コンテンツを引用される際は、引用元が「リビンマッチ」であることを必ず明記してください。
引用ルールについて