ワンルームマンションの売却に必要なたった4つのポイント

ワンルームマンションを売却するとき、売却のタイミングやかかる税金のことなど、確認すべき項目が多いです。そのため、不動産売却に慣れていない方は苦労するでしょう。
しかし、ポイントさえ抑えておけば、失敗せずに満足のいく売却ができます。この記事では、ワンルームマンションの売却に必要なたった4つのポイントを紹介します。
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ワンルームマンションを売却するおすすめのタイミング
ワンルームマンションの売却を前向きに検討するとき、タイミングは非常に重要なポイントです。売却のタイミングによって、得られる利益が大きく変わることがあります。特に、投資用と自宅用では最適なタイミングが異なるため、それぞれのケースに応じた戦略が必要です。投資用と自宅用のワンルームマンションの売却における、おすすめのタイミングを詳しく解説します。
投資用ワンルームマンションを売却するタイミング
投資用ワンルームマンションを売却するとき、考慮すべきタイミングがいくつかあります。まず、不動産市場が好況の時期です。このような時期には、ワンルームマンションの需要が高まり、価格も上昇します。景気がよい時期や不動産価格が上昇傾向にある時期を狙うとよいでしょう。また、賃貸需要が高い時期も見逃せません。特に都市部では、入学や新年度の始まりに合わせて賃貸需要が高まることがあり、このような時期に売却を行うことで、投資家からの需要が増え、よい条件で売却できる可能性が高まります。
さらに、金利が低い時期もよいタイミングです。金利が低い時期は、不動産購入のハードルが下がり、投資家が購入しやすくなります。また、物件のメンテナンスが完了した直後もおすすめのタイミングです。大規模修繕やリフォームが完了した直後は、物件の価値が向上し、魅力的な状態で売却できます。投資家にとっても手間のかからない物件として魅力的に映るでしょう。
自宅用ワンルームマンションを売却するタイミング
自宅用ワンルームマンションを売却する際には、ライフイベントに合わせたタイミングが重要です。結婚や転勤、家族の増加など、生活環境が大きく変わるタイミングでの売却は、計画的かつ効率的です。このようなライフイベントに合わせて売却を検討するとよいでしょう。また、住宅ローンの残高が減少した時期もよいタイミングです。住宅ローンの残高が減少し、売却価格がローン残高を上回るような時期は、手元に資金を残して売却できるため、最適なタイミングといえます。
また、シーズンに合わせた売却もおすすめです。春や秋は、不動産市場が活発になる時期です。この時期に売却を行うことで、買い手が見つかりやすくなります。さらに、不動産市場の動向をよく観察し、価格が安定または上昇傾向にある時期を狙って売却することも賢明です。
ワンルームマンションの売却に必要なたった4つのポイント
ワンルームマンションを売却する際には、以下の4つのポイントを抑えれば満足のいく売却ができます。
- マンションの強みを知っておく
- 手元に残る額を確認する
- 不動産会社は慎重に選定する
- 適切な契約形態を選択する
ポイント①:マンションの強みを知っておく
売却するワンルームマンションに、どのようなアピールポイントがあるのかを把握しておくことは重要です。
たとえば、駅近や築年数が浅いといったポイントは不動産会社でも調べられますが、ペットの飼育が可能だったりセキュリティの強さだったりは所有者にしかわからないこともあります。また、マンションが独自に提携している食材配達サイトなどはオリジナル性が高く、マンションの価値を上げることができます。
売却するマンションが持つ強みは必ず把握し、不動産会社に伝えましょう。
ポイント②:手元に残る額を確認する
ワンルームマンションの売却には諸経費がかかるため、売却価格がそのまま手元に残るわけではありません。ワンルームマンションの売却価格や所有状態、所有期間によって手元に残る額は大きく変わります。
具体的な費用や項目については後述しますが、売却価格=手元に残る額ではないことを頭に入れておきましょう。
ポイント③:不動産会社は慎重に選定する
ワンルームマンションの売却がスムーズに進行するかどうかは、売却を依頼する不動産会社の選定で決まります。
なぜなら、ワンルームマンションを購入するのはファミリー層ではなく、投資家であることがほとんどだからです。つまり、通常のマンション売却ではなく、ワンルームマンションならではの売却活動をする必要があります。
そのため、ワンルームマンションならではの特徴をより深く理解し、提案できる不動産会社に依頼することが重要です。
ポイント④:適切な契約形態を選択する
不動産会社を選定したあと、不動産会社に販売を依頼するためには媒介契約を締結する必要があります。媒介契約は3つの契約形態から選べます。それぞれ特徴があるため、しっかりと確認しておきましょう。
種類 | 依頼可能社数 | 自己発見取引 | 報告頻度 | 更新期間 |
---|---|---|---|---|
一般媒介契約 | 制限なし | 可能 | なし | なし |
専任媒介契約 | 1社のみ | 可能 | 2週間に1回 | 3カ月 |
専属専任媒介契約 | 1社のみ | 不可能 | 1週間に1回 | 3カ月 |
一般媒介契約は複数の不動産会社と契約が可能です。専任媒介契約と専属専任媒介契約は1社のみです。そのため、不動産会社を1社に絞り込むのが不安な場合は、一般媒介契約を選択しましょう。
ただし、媒介契約をする不動産会社が増えた分だけ問い合わせも多くなります。内覧調整の際は不動産会社から売主に連絡が入ります。仕事で忙しい方などは複数社から連絡が来るのを煩わしく感じるかもしれません。
一方、専任媒介契約と専属専任媒介契約は1社のみの依頼となるため、窓口は依頼した不動産会社のみです。そのため、一般媒介契約よりも売主の手間が大きく減らせるメリットがあります。しかし、依頼した不動産会社次第で販売の成功・失敗が決まってしまいます。
また、知人や親族に売却する可能性がある場合は、自己発見取引※ができる一般媒介契約と専任媒介契約がおすすめです。
※自己発見取引
売主が自ら見つけてきた買主と売買取引することを
このように、3つの媒介契約はどれもメリットとデメリットがあり、売主がどのようにワンルームマンションを売却したいのかによって選択肢も変わります。媒介契約はワンルームマンションを売却するための第一歩です。不動産会社にいわれるがまま決めるのではなく、しっかり検討しましょう。
売却相場
ここでは、国土交通省の「不動産情報ライブラリ」より2021年度の一都三県のワンルーム(1K含む)マンションの売却相場を紹介します。
売却相場(万円) | 平均面積(㎡) | |
---|---|---|
東京都 | 2,136 | 21.6 |
神奈川県 | 1,461 | 19.3 |
埼玉県 | 917 | 18.4 |
千葉県 | 820 | 23.4 |
ワンルームマンションに限りませんが、マンションの売却価格は築年数が大きく関係します。築年数は少しでも浅いほうが高く売れます。売却を検討している方は早めに動き出すことをおすすめします。
また、2013年頃よりマンション価格が急上昇しています。そのため予想以上に高い価格で売却できるかもしれません。売却価格が気になる方は一度査定依頼をしましょう。

不動産価格指数の推移
国土交通省「建設産業・不動産業:不動産価格指数」より
売却する流れ
ワンルームマンションを売却する際の流れを紹介します。実際には不動産会社に任せきりになる部分も多いですが、全体像を知ることで売却がスムーズに進捗しているかどうかをイメージできます。
ステップ①:査定依頼をする
まずは、どのくらいの価格で売れるのかを知るためにも査定依頼をしましょう。不動産の査定依頼は無料であるため、費用を請求されることはありません。そのため、売却が検討段階であっても査定依頼をする売主は多いです。
多くの売主が一括査定サイトから査定依頼をします。一括査定サイトは一度の査定依頼で、複数社の不動産会社から査定結果を受け取れます。査定価格や担当者の比較検討ができるため大変便利です。一括査定サイトの利用も無料である場合がほとんどです。
ステップ②:販売を開始し、不動産売買契約を締結する
不動産会社が決まり販売活動を開始すると、媒介契約を結んでいる不動産会社をとおして内覧の依頼があります。内覧日までにはしっかり掃除をし、特に水回りは生活感がでていないかを確認しましょう。
また、普段生活している売主からの意見は買主にとって重要な判断材料になります。そのため、臭いや振動、騒音、設備の使い勝手などについては、よいことも悪いことも正直に伝えましょう。
購入者が決まると不動産売買契約を締結し、売主は引渡し日までに残置物の撤去を完了させます。
ステップ③:マンションを引き渡す
鍵の引渡しは、買主が住宅ローンを組む銀行で行い、買主と売主、不動産会社、司法書士が集まります。売主は司法書士に登記識別情報通知など必要書類を確認してもらい、問題がなければ買主から売却代金が振り込まれます。
振込確認後、売主は鍵と領収書を渡して引渡しは完了です。
ワンルームマンションの所有期間や売却価格によっては確定申告が必要となるため、引渡し後の対応については不動産会社に確認しましょう。
【投資用マンション】オーナーチェンジの方法
オーナーチェンジとは、投資用マンションを売却したときに、買主を新しいオーナーとして賃借人とこれまでの賃貸借契約を継続することをいいます。オーナーチェンジのタイミングで家賃収入を途絶えさせず、賃借人が不安を感じることなくスムーズに進めることが大切です。
スムーズにオーナーチェンジを進めるために、次のステップを着実にクリアしていきましょう。
①現行賃借人への通知
まずは、現行の賃借人に対してオーナーチェンジの意向を伝えます。賃借人には、物件の所有者が変わることと、新オーナーとの賃貸契約の継続について説明します。賃借人が安心して住み続けられるよう、丁寧に説明することが大切です。
②新オーナーとの賃貸契約の締結
現行の賃貸借契約を継続する形で、新オーナーと賃借人の間で賃貸契約を締結します。この際、現行の契約内容を確認し、特に変更が必要な事項があれば事前に調整します。契約書には、賃貸条件や契約期間、家賃額などが明記されます。
③保証金や敷金の引き継ぎ
旧オーナーから新オーナーに対して、保証金や敷金の引き継ぎを行います。これらの金額は、新オーナーが賃借人に対して責任を持つために必要なものです。金額を確認して、振り込みや現金での受け渡しなどの方法で、適切に新オーナーへと引き継ぎましょう。
④家賃の支払い方法の通知
賃借人に対して、新オーナーに家賃を支払う方法を通知します。新しい口座情報や支払い方法について、賃借人に確実に伝えることで、家賃の支払いがスムーズに行われるようにします。
⑤管理会社との連携
管理会社と契約している場合は、オーナーチェンジに合わせて連携を図ります。管理会社は建物の維持管理や入居者とのコミュニケーションを担当するため、オーナーチェンジでは管理会社との連携が不可欠です。新オーナーに関する情報を管理会社に提供し、管理業務が円滑に引き継がれるようにします。
⑥所有権の移転手続き
最後に、所有権の移転手続きを行います。新オーナーの名義に変更するための法的な手続きを完了させます。この手続きは、専門の司法書士や不動産業者に依頼することが一般的です。
ワンルームマンションの売却費用
不動産を売却するときは仲介手数料などの費用がかかります。ここでは、ワンルームマンションの契約時や決済時、売却益が出た場合の諸費用について解説します。
【契約時】印紙代
印紙代は売買契約書に貼付する印紙の費用で、貼付し消印することで印紙税の納税と見なされます。また、印紙代は売買価格によって変わるため、以下の表で確認しましょう。
売買価格 | 印紙代(円) |
---|---|
10万円を超え、50万円以下 | 200 |
50万円を超え、100万円以下 | 500 |
100万円を超え、500万円以下 | 1,000 |
1,000万円を超え、5,000万円以下 | 10,000 |
5,000万円を超え、1億円以下 | 30,000 |
1億円を超え、5億円以下 | 60,000 |
参考:国税庁「不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置」
【決済時】登録免許税、仲介手数料
登録免許税は、不動産の所有権を移転させる際にかかる税金です。所有権移転登記が1,000円、抵当権が設定されている場合は抹消費用としてプラス1,000円が必要です。
また、仲介手数料は次の計算式で計算ができます。
売買価格 | 報酬の限度額 |
---|---|
200万円以下 | 売買価格×5%+消費税 |
200万円超~400万円以下 | 売買価格×4%+2万円+消費税 |
400万円超 | 売買価格×3%+6万円+消費税 |
たとえば、5,000万円のワンルームマンションを売却した場合、仲介手数料の限度額は171万6,000円です。
【売却益が出た場合】譲渡所得税
ワンルームマンションの売却で利益を得た場合、利益分(譲渡所得)に対して税金を支払う必要があります。これを、譲渡所得税と呼びます。
譲渡所得は、次の計算式で計算できます。
譲渡所得に税率を掛け合わせることで譲渡所得税を求められます。税率は所有期間に応じて以下のように変わります。
所有年数が5年を超える場合(長期譲渡):20.315%
たとえば、本体価格3,000万円のワンルームマンションを購入し、5年後に3,500万円で売却したときは以下のように計算します。購入と売却にかかった諸費用はどちらも150万円とします。
200万円×39.63%=約80万円(譲渡所得税)
上記のケースでは、約80万円の譲渡所得税がかかりますが、そもそも購入時の価格より低い価格で売却した場合は譲渡所得税がかかりません。
ワンルームマンションの売却は「リビンマッチ」が便利
ワンルームマンションの売却は、一括査定サイトの「リビンマッチ」がおすすめです。リビンマッチで売却物件の情報を一度入力すれば、最大6社のワンルームマンションの売却が得意な不動産会社に査定依頼ができます。
複数社の査定価格や担当者の対応を比較検討することで、納得のいく不動産売却ができるでしょう。「リビンマッチ」は完全無料です。また、査定価格に納得ができなければ、売却しないという選択も可能なため、お気軽にご利用いただけます。

大手住宅メーカーの注文住宅販売や不動産テック企業の仲介業務に4年間携わり、不動産取引にかかわった件数は350件以上にわたります。2021年よりリビンマッチコラムの執筆・編集を担しています。皆さんが安心して不動産取引を行えるよう、わかりやすくリアルな情報を発信します。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
リビンマッチコラムでは、むずかしい不動産の事をできる限りわかりやすく、噛み砕いて解説しています。不動産に対するハードルの高いイメージ、とっつきにくい苦手意識を少しでも取り除いて、よりよい不動産取引のお手伝いをさせていただきます。
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運営会社:リビン・テクノロジーズ株式会社(東京証券取引所グロース市場)
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