軽井沢の別荘が売れない原因と対策|早期売却の鍵は不動産会社にあり!
「値段を下げても、軽井沢の別荘が売れない」と、悩んでいる方は多いです。大手不動産サイトには100万円台で売りに出されている別荘もあります。
値段を下げても別荘の買い手が見つからない理由は、購入額以外の負担が大きいからです。
本記事では軽井沢の別荘が売れない原因と対策を解説します。また早期売却に欠かせない不動産会社の選び方も紹介するため、別荘が売れないと悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
軽井沢の別荘が売れない原因と対策
軽井沢の別荘が売れない原因を把握することで、講じるべき対策がわかり早期売却につながります。
軽井沢の別荘が売れない主な原因は、次の3点です。
- 売却益が大きい物件が優先されるから
- 維持費の負担が大きいから
- 税金の支払額が多いから
別荘の売却を急ぐ前に、なぜ売れないのか原因を把握しましょう。
売却益が大きい物件が優先されるから
1つ目の理由は、不動産会社が売却益の大きい物件を優先するからです。
不動産会社の多くは、売りにくい物件や売却益が少ない物件より、売りやすく売却益も大きい物件を優先して売却活動を進めます。
売却金額が小さくても大きくても不動産会社の手間暇は、あまり変わりません。また売却額の大きい物件のほうが、不動産会社が得られる仲介手数料が大きいです。
物件の売却を仲介した際に不動産会社が受け取れる「仲介手数料」には、以下表のように限度額が設定されています。
売却の価格 | 報酬の限度額(消費税を含まない場合) |
---|---|
200万円以下の部分 | 売却価格×5% |
200万円超〜400万円以下の部分 | 売却価格×4%+2万円 |
400万円超 | 売却価格×3%+6万円 |
例として100万円の物件と1,000万円の物件、それぞれの売却を仲介した場合の手数料を考えてみましょう。
- 100万円の物件:100万円×5%=5万円
- 1,000万円の物件:1,000万円×3%+6万円=36万円
上記の計算式からわかるように、100万円の物件の仲介手数料は5万円で、1,000万円の仲介手数料は36万円です。
売却を仲介する物件が違うだけで、受け取れる仲介手数料が31万円も変わってきます。
そのため、不動産会社はなかなか売れず売却額の低い物件よりも、買主から需要が高く売却価格の大きい物件を優先します。
対策
簡単にできる対策は、不動産会社の言い値で仲介手数料を支払うことです。先述したように不動産会社が、売却額の低い物件を仲介したがらない理由は、手間暇に見合う利益が得られないからです。
そのため不動産会社が満足する手数料を支払えば、売却額の低い物件であっても積極的に仲介してくれる不動産会社が見つかる可能性は高いでしょう。
ただし「資金に余裕がなく、不動産会社に仲介手数料を支払える余裕がない」いう方もいるでしょう。
資金に余裕がない方は、どうすれば積極的に売却の仲介をしたいと思ってもらえるのか、不動産会社に相談するのがおすすめです。
維持費の負担が大きいから
2つ目の理由は、物件の購入価格が安くても維持費の負担が大きいからです。
軽井沢で別荘を所有すると、使用していない期間は管理会社に管理を頼みます。また物件によっては、温泉が付いているため温泉使用料を支払う必要があるなど独自の事情によって、維持費が膨らむこともあります。
これらの維持費や管理費にかかるのは、年間で約70万円〜100万円です。また建物が老朽化すれば、大規模なリフォームが必要となるため、維持費はさらにかかるでしょう。
いくら購入価格が安くても、長期で別荘を所有すると数百万円〜数千万円程度の出費になるため、別荘の購入に前向きになれない方が多く、販売価格を下げても別荘の売却は難しいです。
対策
対策としては、以下の2つがあります。
- リフォームで維持費の掛かる設備は撤去する
- 建物を解体して更地にする
リフォームで撤去する設備は、温泉や薪ストーブなどが該当します。ただし維持費だけに着目して設備を撤去してしまうと、物件自体の魅力がなくなるおそれがあります。
そのためリフォームを行う前には、不動産会社と相談し「購入希望者に人気のある設備は残す」「維持費がかかるわりに人気のない設備は撤去する」などの判断が必要です。
更地にする場合は、建物に対する維持費がかからなくなります。ただし、固定資産税が高くなってしまうことには注意が必要です。
そのため別荘を解体し更地にしたら、早めに売却を行わないと、税負担が重くなってしまいます。
税金の支払額が多いから
3つ目の理由は、税金の支払額が多いからです。別荘にかかる税金は主に3つです。
- 固定資産税
- 都市計画税
- 家屋敷課税
軽井沢町は自然保護対策要綱にて、1区画の面積は原則最低1,000m2以上と定められています。軽井沢の別荘は広い土地が前提となっているため、税負担が重いです。
それぞれの税金を解説します。
固定資産税
固定資産税とは1月1日時点で不動産を所有している方が、支払わなければならない税金です。
固定資産税は以下の計算式で算出します。
- 小規模住宅用地(200m2以下の部分):固定資産税=課税標準(固定資産税評価額)×1/6×1.4%
- 一般住宅用地(200m2超の部分):固定資産税=課税標準(固定資産税評価額)×1/3×1.4%
※自治体によって税率が異なります。
また建物にかかる固定資産税は、建物の築年数によって徐々に下がります。しかし土地にかかる固定資産税は、地価に連動するため、高額になってしまうエリアがほとんどです。
特に軽井沢は別荘地としてブランドがあり、そもそも地価が高いことも関係しています。
都市計画税
都市計画税とは、1月1日時点で市街化区域内(住宅を自由に建設できるエリア)に不動産を所有している方が、支払わなければならない税金です。
都市計画税は以下の計算式で算出します。
- 小規模住宅用地(200m2以下の部分):都市計画税=課税標準(固定資産税評価額)×1/3×0.2%(上限の税率は0.3%)
- 一般住宅用地(200m2超の部分):都市計画税=課税標準(固定資産税評価額)×2/3×0.2%
家屋敷課税
家屋敷課税とは、1月1日時点で軽井沢町に別荘などの家屋敷を所有していてかつ、軽井沢町内に住所を有しない個人に対して課せられる税金です。
家屋敷税は年額5,500円が均等割で課税されます。(参考:軽井沢町「町町県民税(家屋敷課税)について」)
対策
税負担を軽くする方法は、以下の2つです。
- セカンドハウスとして認定を受ける
- 他人に貸し出す
セカンドハウスとは第二の住宅のことです。セカンドハウスとして認定を受けると、自宅と同様の税制優遇が受けられます。主に週末だけ使う家、出社するためだけに使う家などが該当します。
軽井沢町では、別荘などの家屋敷を他人に貸し出すと家屋敷税が免除になります。ただし以下の2つどちらかを、満たす必要があります。
- 借家人の住民票が軽井沢町にあること
- 軽井沢町で住民税が課税されていること
参考:軽井沢町「町県民税(家屋敷課税)について」
詳しくは不動産会社や税理士に確認しましょう。
軽井沢の別荘を早く売る方法6選
軽井沢の別荘を早く売るには、次の方法を試してみましょう。
- 働く場所として売り出す
- 別荘を徹底的に綺麗な状態にする
- 事前に住宅診断(ホームインスペクション)を済ませておく
- 古い建物に魅力を感じている・自分好みにリノベーションしたい人向けに売る
- 建物ではなく
古家付 き「土地」として売る - 不動産会社に買い取ってもらう
別荘は売るための対策をしなければ、そのまま売れ残る可能性が高いです。時間が経つほど建物も劣化するため、早期に売却するためにも対策を講じる必要があります。
働く場所として売り出す
軽井沢の別荘は、「シェアオフィス」や「サテライトオフィス」として売り出すと、早期売却できる可能性があります。
- シェアオフィス
- サテライトオフィス
2020年に新型コロナウイルス感染症が流行し、従業員が1カ所に集まる働き方が見直され、リモートワークを導入する企業が増えました。リモートワークの影響で都心近くに住む必要がなくなり、軽井沢のような都心に近く自然豊かな地方に住みたいという需要が高まっています。
働く場所として売り出すためには、間取りの変更などのリフォームが必要となる場合がほとんどです。
リフォームには多額の費用がかかるため、リフォーム前に不動産会社に相談するのがおすすめです。
別荘を徹底的に綺麗な状態にする
リフォーム費用を用意できない方は、別荘を徹底的に綺麗な状態にしてから売り出しましょう。
基本的に別荘を買う方は、お金を持っている方、いわゆる富裕層です。お金に余裕のある方は、雑草が生い茂っていたり、建物の中がホコリまみれだったりする手入れの行き届いていない物件を購入することはありません。
そもそも別荘が集中している軽井沢で、見栄えが悪い物件に問い合わせは入りにくいです。そのため写真を撮る前や内見前に、徹底的に別荘の手入れを行いましょう。
事前に住宅診断(ホームインスペクション)を済ませておく
別荘の購入希望者へ安心感を与えるために、住宅診断(ホームインスペクション)を済ませておくこともおすすめです。
ホームインスペクションとは、中古建物売却のトラブルを防ぐことを目的に行う住宅の検査・調査のことです。建築士・建築施工管理技士の専門家が、物件の劣化状況などの確認を行います。
別荘の状況を診断してもらい、物件の瑕疵(何らかの欠陥)などを事前に見つけておくと、買主の不安を取り除けます。また購入希望者は劣化の度合いがわかると、どの程度リフォーム費用が必要なのか概算が可能です。
中古物件は内装など目に見える部分が綺麗でも、基礎や屋根裏など目に見えない部分は劣化していることがあります。あらかじめ住宅診断を行っておくことで買主の不安を和らげ、他物件との差別化ができます。
ただしホームインスペクションを受けるには、費用が掛かります。一般的な住宅のホームインスペクション費用は約5万円です。詳しくは不動産会社に相談しましょう。
古い建物に魅力を感じている・自分好みにリノベーションしたい人向けに売る
近年はウッドショックによる建築資材の高騰や職人不足による人件費の高騰により、新築戸建て住宅の価格が上昇。中古戸建て住宅の需要が高まりつつあります。
さらに、新型コロナウイルス感染症の流行でテレワークできる方が増え、住む場所を自分で選択できる時代になりました。「家賃が高い都市圏でなく、生活費を抑えられる地方に住みたい」という需要に加え、健康需要の延伸やメディアの訴求により「老後は田舎でのんびりスローライフを」と老若男女問わず、地方移住に乗り切る人が増えています。
また、世界がサステナブル(持続可能な)社会を目指している昨今は、軽井沢の別荘など昔ながらの職人技術がつまった、古い建物ならではの価値が注目されていいます。軽井沢はもちろん、伊豆や沖縄など地方移住するにあたり、「古民家に住んでみたい」「移住を機に低予算でも購入できる持ち家が欲しい」という需要があるのです。
都会から地方移住される方を中心に「よい部分は残し、改善できる部分はリノベーションしてください!」このように売り出してはどうでしょうか。
建物ではなく古家付 き「土地」として売る
古家付き土地の売却とは、建物は取り壊さずそのままに、土地の価値のみを価格に反映する売り方です。解体費用やリノベーション費用を負担する必要がないため、売主のリスクが少ない点がメリットです。もちろん、その分の解体費用などは買主が負担するため、高値で売るのは難しいでしょう。
しかし、この方法で売る場合は、「その別荘自体に魅力を感じてくれる人」「その別荘が建っている土地に魅力を感じてくれる人」両方のニーズを満たせるため、単に建物に価値を感じてくれる人だけに絞るより、購入希望者が見つかる可能性が高まります。
不動産会社に買い取ってもらう
一般の個人にどうしても売れない場合は、不動産で収益を得るプロである「不動産会社」へ買い取ってらもう方法もあります。
買取のため売却に比べ低価格となりますが、最短1カ月で売却できます。早く売ってしまいたい方にはおすすめの方法です。
別荘の売却に協力的な不動産会社の選び方
別荘の早期売却には、不動産会社の協力が不可欠です。しかし、「どの不動産会社に依頼したらよいかわからない」と悩む方もいるでしょう。
おすすめの不動産会社の選び方は、以下の3つです。
- 軽井沢の事情に詳しい地元の不動産会社を選ぶ
- 別荘地の売却を得意とする不動産会社を選ぶ
- 不動産の一括査定サイトを使う
軽井沢の事情に詳しい地元の不動産会社を選ぶ
別荘を売る方法が定まっていない方は、軽井沢の事情に詳しい地元の不動産会社を選ぶのがおすすめです。
- 別荘・シェアオフィスなど、どのように売り出すか決まっていない
- リフォームを行うか決めきれない
地元の不動産会社は過去の売却事例から、どのような物件が好まれるか需要の高い物件や、コストパフォーマンスのよいリフォームを知っています。
また軽井沢の中でもエリアによる違いを知っているため、物件ごとに最適なアドバイスが受けられる可能性が高いです。
別荘の売却を得意とする不動産会社を選ぶ
地元の不動産にツテがない方は、別荘の売却を得意としている不動産会社を選びましょう。
不動産会社にも得意としているジャンルやエリアがあります。
別荘地で別荘を探している方は、富裕層である可能性が高いです。別荘地の売却を得意としている不動産会社であれば、富裕層の趣味嗜好を知っており、早期売却に向けて有効なアドバイスがもらえるでしょう。
不動産の一括査定サイトを使う
どこの不動産会社にもツテがない方は、不動産の一括査定サイトを使うのがおすすめです。不動産の一括査定サイトを利用すれば、一度情報を入力するだけで、複数社へ同時に見積もり依頼ができます。
相見積もりを取ることで、売却価格の相場を把握することが可能です。さらに複数社に依頼することで、物件を売却できる不動産会社を見つけられるかもしれません。
また、すでに付き合いのある不動産会社がいる方も、一括見積もりサイトを利用して相見積もりを取りましょう。なぜなら1社だけにしか見積もりを取らないと、提示された売却金額が適正価格かどうかわからないからです。
相見積もりを取ることは、本来非常に手間が掛かることです。不動産の一括査定サイトを活用すると、手間をかけずに軽井沢に詳しい地元の不動産会社、別荘地を得意としている不動産会社を見つけられます。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
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