経験者に聞く!マンション購入の決め手は?こだわり・妥協ポイントも紹介
国土交通省の「分譲マンションストック数の推移(2022年末現在/2023年8月10日更新)」によると、2022年末時点の中古マンション総数は約694.3万戸です。このように数えきれないほどのマンションがある中から、たったひとつのマンションを選ぶには決め手がほしいところです。
この記事では経験者に聞いたマンション購入の決め手や、こがわりたいポイント、妥協しても後悔しにくいポイントを紹介します。「何を決め手にマンションを選ぶべきか迷っている方」「マンション選びに失敗したくない方」は、ぜひ参考にしてください。
もくじ
購入者に聞いた!マンション購入の決め手
国土交通省の「令和4年度住宅市場動向調査報告書」、マイボイスコム株式会社の「マンションの購入経験者・意向者に聞いた重視点」をもとに、購入の決め手となったポイントを紹介します。
画像引用:国土交通省「令和4年度住宅市場動向調査報告書」
画像引用:PRTIMES「【マンションに関する調査】マンションの購入経験者・意向者の重視点は「生活環境の利便性」「最寄駅からの距離」が65~66%、「日当たり・採光」「間取り」が各50%台」
住宅の立地環境が良い、生活環境の利便性(買い物、教育など)
マンション購入の決め手として多いのが、住宅周辺の立地環境が良い、生活利便性が高いという理由です。
具体的には、買い物ができるスーパーやコンビニエンスストアなどの商業施設が充実していること、小・中学校などの教育施設が近くにあることなどが挙げられます。商業施設や教育施設が充実していることは、生活を続けていくうえで大切なポイントです。
特に、マンション購入者の多くはファミリー層であるため、周辺環境の良さや利便性の高さは、多くの人にとって重要事項でしょう。購入したマンションの周辺に商業施設が少なく、学区内の小・中学校が離れている場合、生活に不便を感じやすいでしょう。
交通の利便性が高い、最寄り駅からの距離が近い
最寄り駅からの距離が近いことやバス便が充実していることなど、交通利便性の高さもマンション購入の決め手に多い理由です。
特に、都市部をはじめ通勤や通学に公共交通機関を使うエリアでは、交通利便性が購入の決め手となるケースが非常に多いです。地方で車移動が基本のエリアでも、交通利便性が低いマンションは選ばれにくくなります。
マンションを希望する人は、交通利便性を特に気にすることが多いので、交通利便性の高さがマンションの購入を決める大きなポイントであることは理解しておきましょう。
住宅のデザイン・広さ・設備等が良い
住宅のデザインや広さ、設備が良いこともマンション購入の決め手となることが多いです。
購入者の好みが大きく出るポイントですが、デザインや広さ、設備のほか、日当たりの良さや間取りが決め手となるケースも多くあります。
デザインや間取りは好みだけでなく、時代の流行りもありますが、癖のないデザインや間取りのほうが、高級感が薄れず美観も保てるため、広い層で需要があります。
災害のリスクが少ない
災害のリスクを気にする必要があるのは、戸建だけではありません。過去に都心部のタワーマンションで水害が原因で全棟が停電したケースがあるように、マンションでも災害のリスクを考えることは大切です。
ハザードマップにかかっていないことや災害の履歴がないなど、災害のリスクが少ないことを決め手にしてマンションを購入する人は少なくありません。
価格が適切
マンションだけでなく不動産は大きな買い物のため、金額の納得感は大切なポイントです。
お金に余裕がありいくらでも大丈夫という場合は別ですが、多くの人は適切な物件価格で購入したいでしょう。価格が理由でなかなか買えない人の場合、安さが決め手となって購入を決意したケースが特に多くなります。
価格が下がりにくい
購入時の価格よりも、将来的に価値が下がりにくいかを基準に物件を探す人も少なくありません。
価格の下がりにくさを基準に選ぶ場合、住宅ローンの返済は、実質的な貯金と見なされることがあります。これは、将来的に物件の価値が下がらないことを期待して、住宅ローンの返済を投資の一環と捉える考え方です。
多少高い物件でも価値が下がりにくいと判断すれば、それが購入の決め手となることもあります。自宅の購入を将来に向けた投資と考える人が多く、価格の下がりにくさがマンション購入の決定要因となるケースは珍しくないのです。
これだけは外せない!マンション購入でこだわりたいポイント
株式会社EST GROUPの【後悔!中古マンション購入時の注意点10選!】男女103人アンケート調査をもとに、「中古マンション購入時にもっと注意すればよかったこと」ランキングを紹介します。
マンション購入で失敗しないために、先輩の意見を参考にしましょう。
1位:今後の修繕計画
共同住宅であるマンションは、建物の状態や築年数に合わせ管理組合が修繕計画を決定します。
「築年数が浅い」または「直近で大規模修繕されたばかり」のマンションであれば、購入後すぐに修繕する箇所が出てくることは少ないため、月々の修繕積立金がすぐに上がることはまれでしょう。
反対に、「築年数が古い」「大規模修繕されないまま数十年経過している」物件は、修繕積立金が大きく膨れ上がるリスクがあります。それだけ修繕すべき箇所を抱えている危険性があり、購入後に大規模修繕を実施するケースが少なくないためです。
まれに、修繕にお金をかけない物件もありますが、そのような物件に長く住みたい人はほぼいないでしょう。
必ず修繕計画を確認し、購入後の負担が大きくならない物件を選びましょう。
2位:築年数
修繕計画とあわせて築年数も外せないポイントです。一般的に築年数が古いほど、購入価格は安くなりますが、その後に大規模修繕が予定されている場合は、購入後の出費が増え、トータルコストが高くなる危険性があります。
反対に、最新の設備が欲しいと築浅を希望するケースもあるでしょう。しかし、単に新しいほうが良いわけではなく、購入時の築年数を把握し、物件を選定するのが上手な買い方です。
中古マンションで一番の買いどきは、築20年前後といわれています。マンション価格は、築25年前後で下げ止まる傾向にあるためです。
築20年前後の中古マンションを購入し、2~4年ほど住んでから、築25年近くになる前に売却することで、価格が下落する前に売却できる可能性が高くなります。購入後、引っ越しの必要性が出てきたり、別の場所に住みたくなったりした際は、そのマンションを売却することになりますから、どれだけ高値で売れるかは重要です。
また、耐震性の観点からも現在から20年前に建てられたマンションは、基本的に1981年を境に切り替わった新耐震基準を満たしています。
なんとなく築古、築浅を希望するのではなく、築何年目のマンションを購入するか具体的な築年数を決めておきましょう。
2位:静かさ・防音対策
マンションは壁を挟んですぐ横が隣人の部屋になるので、室内の静かさ・防音対策も譲れないポイントです。
「RC(鉄筋コンクリート)造マンションなのに音って気になるの?」と思う方もいるでしょうが、物件によっては、隣の物音や上階の足音などが気になる場合があります。
購入後に長く住むことを考えると室内で落ち着いて過ごせるように、防音性はよく確認するべきポイントです。
2位:収納の使いやすさ
細かいですが、意外と大切なポイントでマンション購入の決め手となり得るのが、収納の使いやすさです。
収納スペースの数や大きさではなく、あくまで自分の使いやすさで選びましょう。収納部分の使い勝手が悪く、別途で収納用の家具を買い足す必要性が出てくると、金銭的な負担や生活スペースを圧迫されるなどのデメリットがあります。
自宅にあるものの種類や量に合った収納スペースがある物件を選ぶことが大切です。
5位:間取り
物件にもよりますが、間取りは購入後に変更することが難しいため、家族構成や生活スタイルにあった間取りの物件を選びましょう。
数十年住む予定で購入される方は、部屋数や一部屋ごとの広さなど、将来的な家族構成の変化も考慮して物件を選ぶことをおすすめします。
予算が足りない。妥協しても後悔しにくいポイント
誰しも住む場所にはこだわりたいでしょうが、予算には限りがあります。場合によっては、予算が足りずに何かを妥協しなければならないことも出てくるでしょう。
ここでは、予算に制約がある場合に、妥協しても後悔しにくい条件を解説します。
駐車場のタイプ
車を所有している場合、駐車場のタイプにこだわりすぎる必要はないでしょう。駐車場には「平置きタイプ」と「立体タイプ」がありますが、都市部の築浅マンションは立体型が多く、セキュリティがしっかりしていて人気の傾向にあります。
立体タイプのほうが便利で守られているように感じますが、使ってみると出し入れが面倒で平置きのほうが実用的に感じる方は少なくありません。
将来的な売却を考えても駐車場のタイプが資産性に響くことはあまり考えられないため、妥協しても後悔しにくいポイントです。
キッチンの仕様・設備
キッチンの仕様・設備には、憧れるだけで生活してみると意外と必要ない、気にならない仕様や設備が多くあります。
たとえば、食洗器がついているキッチンは憧れますが、実際に購入すると定期的な掃除が大変という理由で使わなくなるケースをよく耳にします。
キッチンに限ったことではないですが、限りある予算でどこか妥協する必要がある際は、自分が希望する仕様や設備が本当に必要であるかよく考えたほうが良いでしょう。
階数
上の階ほど物件価値が高くなり、購入価格も高くなりやすいのがマンションです。下に住む人より上に住む人のほうが賃料や購入価格が高いのは、共通の認識ですから、上の階に住む人ほどハイステータス、という印象を持つ方も多いのが現状です。
マンションの住人同士で付き合いがある場合は、マンションの階層で夫婦の年収を推測されるケースもあるほどです。しかし、どこにお金を使うかは価値観によるもので、下の階に住んでいる=低収入と判断はできません。
階数が高いことの一番の魅力といえば、眺望が良いことでしょうか。しかし、眺望は住んでみると毎日見なくなり、高層階はエレベーターの渋滞など毎日の上り下りが大変で逆に不便に感じるケースも多々あります。
そのため、階層については、あまり上の階にこだわりすぎる必要はないでしょう。ただし、虫や外からの視線が気になる方は、4階以上がおすすめです。
階数は周りからどう見られるかで決めるのではなく、毎日の住みやすさを重視して選びましょう。
妥協したくない!理想のマンションを購入するには
無理して購入し住宅ローンを払えなくなるのは本末転倒ですが、低価格のマンションはそれなりの理由があることも多いものです。
購入の決め手を価格にしている人もいますが、長く住むことを想定するのであれば、価格以外を決め手にしたほうが良いでしょう。また、マンションの値上がりを見込んで売却前提で購入したい方や、引っ越しリスクに備えたい方も同様です。
購入を迷ったとき、「買う理由が値段だったらやめたほうがいい」というのは、有名な話です。
マンションのような高価なものを購入する際は、どうしても価格に目がいきがちですが、価格以外に魅力的な要素がある場合のみ購入に踏み切るのが賢明です。そのためには、予算を増やし購入できるマンションの幅を広げる必要があります。
予算を増やしてできるだけ妥協せずにマンションを購入するには、いま住んでいる物件や実家を高値で売却し、購入資金にまわす方法が有効です。
不動産の一括査定サイト「リビンマッチ」は、最大6社の優良会社が「いくらで売れそうか」物件を無料査定しています。マンション選びで後悔したくない方は試しに利用して、どのくらい購入資金にまわせそうか確認してみましょう。売る・売らないは査定価格を見てから判断される方が大半ですので、お気軽にご利用ください。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
リビンマッチコラムでは、むずかしい不動産の事をできる限りわかりやすく、噛み砕いて解説しています。不動産に対するハードルの高いイメージ、とっつきにくい苦手意識を少しでも取り除いて、よりよい不動産取引のお手伝いをさせていただきます。
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